トーマス・エジソン

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キャスター

  • 真名:トーマス・エジソン
  • 身長:182cm / 体重:88kg (生前とは肉体組成からして異なるため、身長・体重も変化している)
  • 出典:史実
  • 地域:北米
  • 属性:秩序・中庸
  • 性別:男性
  • CV:寺島拓篤 / イラスト:pako

Fate/Grand Order』に登場する「魔術師」のサーヴァント
筋骨隆々とした肉体に獅子の頭という異様な風貌をしている。

略歴
『Fate/Grand Order』第五章にて、世界を滅ぼそうとするケルトに対抗する陣営のトップとして登場。
本来なら対抗する立ち位置にある歴代のアメリカ大統領は自分たちが全員顕現しても勝てないと悟り、力を一人に集約させる為に最高の知名度を持つエジソンを選んだ結果、現在の姿になった模様。
当初は「数で押す」ケルト側への対抗意識から、過酷な労働と大量生産に基づいた戦略をとっており、人理を修正するつもりもなかった。
最終的にはナイチンゲール主人公たちに諭され、協力して無事にケルトを討ち果たし、人理を修正した。
人物
威風堂々として非常に尊大な性格。
常に前向きで暑苦しく、一度や二度の失敗ではへこたれない。
若干ワーカホリック気味なところがあり、一日二十時間の労働を心がけていて、マスターにもそれを要求してくるほど。
とにかく我が強く、生前とは似ても似つかない風貌であるにも関わらず、知り合いからは早々に「エジソンである」と看破されてしまうレベル。
エレナから指摘されていた通り、割とナイーブな性格。作中では後に復活すれども非常に落ち込んでいる描写が多く存在する。
非常に頑固な性分でもあり、生前の関係や第五章の暴走等軋轢を生む原因にもなり得るが、一方で自らの非を指摘されたら素直に認める度量も持ち合わせている。
独り言癖があり、廊下から部屋の中まで聞こえるほどうるさい。エレナからも注意されているが、治る気配はない。
能力
世界有数の知名度を誇るが、その新しさ故にサーヴァントとしての力量はやや劣る。『Fate/Grand Order』ではそれを補強するため、アメリカという国家を支えた歴代大統領が「エジソン」という概念を補強する一種の礼装として扱われた。
キャスタークラスではあるが魔術はまったく使用せず、主に電気の放出、自分の発明品の利用によって戦う。また筋骨隆々とした肉体で白兵戦を行うこともあるが、筋力はあまり高くない。
斬新な発明をするよりも、先達の発明をより普及に適した形に再構築するという点において極めて優れており、まったく無関係の人物同士の宝具概念を繋ぎ合わせて新しい宝具を創造してしまうほど。
第五章作中では高度な魔術システムによる理論が使われているというカルデアの通信システムを自ら再現し乗っ取った。しかも先に電気で再現できないか発言していたので恐らく科学的要素だけで再現した可能性が高い。
幸運を除けばEランクかEXしかない極端なステータスであるが、これは特殊な召喚状況であるためで、実質的な能力はD~Eランクである。クラススキルも「D」相当のEXランクである。なお、耐久のEXランクもダメージへの耐性的な意味ではなく、「何日徹夜しても能率が落ちない」的な意味らしい。
最新の英霊である上に、それが歴代大統領によって補強されているため、ステータス表示に若干の混乱が見られるようだ。
第五章では未遂に終わったが、超人薬を使用することで雷音強化(ブーステッド)を行い、トーマス・マズダ・エジソンに変身することができるらしい。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) E EX E EX A EX 道具作成:EX(D相当)
陣地作成:EX(D相当)
変化:C
大量生産:A
概念改良:A+

宝具

W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)
ランク:EX
種別:対民宝具
彼の三大発明である「電球・蓄音機・映写機」による幻想支配宝具。
闇を照らし、ありのままの音を写し取り、現実をありのままに映し出すことによる世界信仰強奪。
隠されていたからこそ意味を持っていたものを暴きたて、エネルギーでは計れないものを零に固定し、民衆からの信仰を「存在しない」と無へと貶める。正確には、「元からあったものを彼が強奪した」という扱い。
また、この宝具は暴走させることで自爆することが可能。
『Fate/Grand Order』では、敵全体にダメージを与えつつ、クリティカル発生率をダウンさせ、宝具・スキル発動を1ターン封印する。
ビジュアルは「二十○紀FOX」そっくりのEDISONロゴの上でポーズを決め、光ですべてを照らし出すという色々な意味で危険な代物。
エジソンはハリウッドとは確執があったはずだが、大丈夫なのだろうか。

真名:トーマス・エジソン

トーマス・アルバ・エジソン。19世紀に生まれた人間としては世界有数の知名度を誇るアメリカ出身の発明家。
現代の日常を形成する多くの製品の礎にはエジソンの発明が存在しており、彼の業績を改めてここに書く必要はないだろう。

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
キャスターのサーヴァントとして参戦。レア度はSR(☆4)。イラストレーターはpako氏。
メインシナリオでは第五章に登場する。
ちびちゅき!
お月見団子盗難事件にて、月へ行く方法についてノリノリで意見を出してきた。

人間関係

Fate/Grand Order

ニコラ・テスラ
同時代の発明家。終生のライバル、宿敵であり、嫌いなものとして名指しで挙げるほど。エジソン曰く「ミスター・すっとんきょう」。
ベルやバベッジとは節度を保った付き合いを心がけているというエジソンだがなぜかテスラだけは常に例外で、出くわせば殴り合いが起こるという。
一方で5章において協力関係となった時同じく電気を操るサーヴァントとして少なくとも出力はテスラの方が上であることを即座に認めていたりと能力に関しては一目置いてる節もある。
同じカルデアに居る場合、一も二もなく喧嘩を売りに行こうとする。
チャールズ・バベッジ
同時代の発明家。テスラを相手にした場合とは違い、エジソンは彼とは節度を保った付き合いを心がけている。
しかし彼の宝具によって創造されるヘルタースケルターの技術は容赦なくパクッた上、「蒸気より電気」という考えで改造して機械化歩兵にしている。
第五章では、「破産するまでは負けじゃない」とモールス信号を送ってきた。
エレナ・ブラヴァツキー
生前の友人。彼女が主催していた神智学協会にも関わっている。
第五章では仲間として共に戦っていた、作中で彼の一番の理解者。エジソンの歪みを理解してなお王として認め、彼が落ち込んだ時も何度も叱咤し励ましていた。
カルナ
第五章で仲間として共に戦っていた。最初はエジソンがカルナに協力を請うた事で従っていたが、後にエジソンが改心した後は真に友人関係にもなった。
彼によるとエジソンはドゥリーヨダナに似ているらしい。
メディアクー・フーリン
キャラクエストにて、彼女達の宝具を融合させ、新しい宝具「エジソン式ボルク・ブレイカー」を生み出そうとする。
エミヤ
宝具の改造に抵抗が無い者同士で意気投合する。

生前

グラハム・ベル
同時代の発明家。エジソンも認める天才性の持ち主。
テスラを相手にした場合とは違い、エジソンは彼とは節度を保った付き合いを心がけているらしく、エジソンは「天才たちをうまく使ってこその社長」と述べている。

名台詞

「サーヴァント、キャスター。トーマス・アルバ・エジソンである!
 顔のことは気にするな! これは! アメリカの象徴である!」
召喚時。最初から尊大さ全開。そして、気にするなと言われてもやはり気になる。
「バッドテイスト? いいか、一つだけ、言っておく。
 私の前で……ニコラ・テスラの話はするな! 断じてなぁ!!」
嫌いなものについて。個人を名指し、それも話題にすることすら許さないレベル。
「ふっ…ふっふっふっふ。嫌な名前を聞いたなぁ。テスラがここにいるだとぉ……?
 よろしい! 発明王世界一決定戦だぁ! ゴングを鳴らせぇ!」
ニコラ・テスラ所属時。即座に喧嘩を売る気満々。
向こうからしても「悪鬼」呼ばわりしているため、顔を突き合わせた瞬間に争いが勃発すること必至であろう。
「トーマス、大変身、大改造の時である!
 この人間味あふれた紳士の体を捨てて、今こそ獣の如き雷音強化ブーステッド
トーマス・マズダ・エジソンに変貌してくれ――」
第五章にて。主人公一行に敗北したエジソンは、切り札の「超人薬」で人の体を捨てた『変身』を行おうとする。
直後にカルナに薬瓶を破壊され阻止されたが、実行していた場合は果たして……?
「GAohoooooooooooooo!?」「GAFU……GAFUUUU……ッ!」
第五章にて。世界を救う使命から目を逸らし、絶対に勝てない「ケルトとの消耗戦」に身を投じてしまった彼を説き伏せ、とどめに「そんなだからニコラ・テスラに敗北する」とナイチンゲールに言い放たれた際の悲鳴。
あまりのショックに倒れてビクビクと痙攣していた。
「ハハ、伝記本でも読んだのかな?
 子供向けであれば、私はさぞかし格好良かったのだろう。
 ……その伝記に真実の姿が負けぬよう、精々この任務を全うすると誓おう」
第五章にて。ケルト軍との決戦を前に、主人公から「あなたは子供の憧れだ」の言葉をかけられて。
「エジソンは偉い人」と誰もが憧れたアメリカ最大の大英雄は、自身の名に恥じぬ戦いを誓うのだった。
「私には彼らを――おまえたちを、ほんの少しでも長く守る責務がある!
 アメリカ大統王としてではない! 発明王だからでもない! トーマス・アルバ・エジソンだからでもない! 私は人間だからだ!
 遠い未来、この土地を収奪し、この国に住まうようになった人間として――その責務がある!!」
メイヴが呼び寄せた「クラン・カラティン」―――魔神柱の集合体に苦戦するサーヴァント達を守るため、エジソンは宝具を暴走させる。
ソレはほかのサーヴァントから静止するほどの方法だが、それでも――アメリカに住まう人間としての責務を果たそうとした。…が
「すっとんきょう! ミスター・すっとんきょうかぁ――――!!!」
よりにもよって宿敵、ニコラ・テスラが現れた際に。結果的にエジソンの自己犠牲は防がれたが、テスラはエジソンを助ける気はなく、ロンドンを滅ぼそうとした罪滅しとして人理焼却に立ち向かうサーヴァント達を手助けしただけに過ぎない。
例のごとく口論が始まってしまい、ロビンから呆れられてしまう。
「あと一歩のところで詰めが足りん。
 そんなだから、貴様はロクに伝記も書いて貰えんのだ。
 ちなみに私の伝記は全世界レベルで流通しているぞ」
魔神柱への雷撃の加減を誤ったテスラを「援護」しつつ、『星の開拓者』でありながら知名度で自身に劣る宿敵を徹底的に煽る。
戦いの際には協力しあったものの、決戦後もお互い煽り続け、最終的には殴り合いに発展していた。

メモ

  • 筋力のステータスはこの風貌で「E」。本来ただの発明家であることやクラスがキャスターであることを考えれば仕方ないかもしれないが筋肉はハリボテである。
  • エジソンの生前の異名の一つに「メンロパークの魔術師」というものがある。キャスタークラスとして召喚された由来はこの異名なのかもしれない。
  • 頭部がライオンとなっているが、これは第五章においてケルトの軍勢に対抗する為に取った非常措置としてエジソンを選んだ大統領の礼装の影響によるものであり、恐らく通常の聖杯戦争で召喚された場合はこの通りの姿である可能性は低い。
  • ちなみに最終学歴は小学校中退。知的好奇心が旺盛で一局集中でのめり込む性格であったため、学校では教師に自分の疑問をぶつけるばかりで成績は散々だったとのこと。そもそもニコラ・テスラとの電流戦争も微分積分等の高等数学が理解できなかったのが原因の一つである。
    • なお、彼を小学校から中退させたのは、彼の母親である。彼の成績に苦言を呈した学校側の対応に激怒して退学に踏み切り、以降は母親が全教科を付きっきりで教育したという。ただ彼女の専門外であり詳しく教えることのできない理系に関しては図書館で自力で学習したらしい。
    • 近年、史実のエジソンは注意欠陥多動性症候群(ADHD)や発達障害等を持っていた可能性も考慮されている。これらの患者は己の臨んだ分野に関しては驚くべき集中力を発揮し、特定の分野で成功する人物もいる。実在の人物では、アルバート・アインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ等が存在する。
  • 非常に珍しい、名称がすべて横文字(漢字、ひらがなを含まない)の宝具の持ち主。他に該当するのは、存在そのものがかなり特殊なBB の「C.C.C.(カースド・カッティング・クレーター)」くらい。

話題まとめ

三大発明
彼の発明とされる白熱電球、映画(キネトスコープ)、蓄音機だが、このうち、本当に彼の発明と言えるものは蓄音機くらいである。
白熱電球自体の発明はエジソン以前にジョゼフ・スワンという人物の手で行われており、エジソンの功績はむしろ、フィラメントに竹を使用することによる寿命の大幅な延長と、合弁会社を設立して配電に関するインフラを確立したことにある。
映画もル・プランスやリュミエール兄弟といった同時期に発明を行っていた人物たちがいる。エジソンは映画フィルムや特許の管理を行う会社を設立し、映画の配給方法を確立させたことでも知られているが、彼のキネトスコープ自体は後に主流となるスクリーン投影方式のシネマトグラフに駆逐されてしまう。
さらには映画関係者でエジソンの囲いこみに入れなかった者やエジソンの訴訟攻撃から逃れた者はハリウッドで活動を続け(宝具項にあるハリウッドとの確執とはこれのこと)隆盛し、一方エジソンの特許管理会社は独占禁止法にてあえなく終焉を迎えるという皮肉な結果となった。
これらの権利関係に関してきっちり法で自分の利益にしていた一連を指して、「発明王」とは別に「訴訟王」という異名も彼にはある。
本作でも言及されている通り、「他者の革新的発明を普遍的に万人へ普及させる」ことにおいて天才なのがエジソンであり、「発明王」と言われるほどオリジナルワンな発明をしたわけではない。
敏腕経営者
彼を語る上で外せない要素の一つとして才覚に溢れた経営手腕と、三大発明の項で触れられた生涯大小合わせると数十とすら言われた訴訟の数々があげられる。
独立一世紀を経て法整備の急激に進んだ当時のアメリカは、権利(利権)が既に非常に大きな力を得ており、特許の売却で最初に大きな利益を得たエジソンは身にしみて理解していた。
その結果として、彼は彼自身の発明と彼の会社を守るため、新たな利権を得るために私設法律顧問団を結成したという逸話がある。特に、三大発明の項にある特許管理会社創設の際には、特許庁に一度は新規性がないと却下されたにも関わらず、内容にほぼ変更を加える事なく強引に捻じ込む形で特許を得ている。
他にもマスコミの扱いにも長けており、ライバルへのネガティブキャンペーンを展開したり、自分の商品を売り込むために私の頭脳は一日三食の健康的な食事から生まれるとして、アメリカ全体の食生活に多大な影響を与えたりと、その実例は枚挙に暇がない。
反面、強引としか言いようのない態度は、当時の一部メディアや学会などからは批判を受け、真の発明家は経営に没頭しないだの、訴訟王だのと、散々ないわれようをする事になってしまった。
しかしながら、当時の時勢や会社を守るという観点を鑑みれば、これらの措置が必要なことであったのもまた間違いなく、現在でも行われている特許に関する抗争の先駆けといえ、エジソンの経営者としての優秀さが伺える。
一方、会社の規模が大きくなると、彼の強烈な個性やワンマン気質が仇となった。現在でも世界有数の大企業であるゼネラル・エレクトリック社は創業者の一人がエジソンなのだが、彼は他の経営者と確執を起こして役員に降格させられたり、名前を会社名から外されるなどの屈辱を味わっている。親友の自動車王フォードも、エジソンは経営者としては一流ではないと言っている。

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