サーヴァント

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概要

魔術世界における最上級の使い魔[注 1]聖杯戦争に際して召喚される特殊な存在。

その正体はあらゆる時代の英霊。存在の成り立ちそのものが魔術よりも上にあり、一般に使い魔という単語から連想される存在とは別格で、本来ならば位が高すぎて人間が使役するには不可能な存在である。

魔法使いであってもそれは同様のことで、聖杯の力という補助を得て、初めてそれを使役する権利を持った「マスター」となることが出来る。

英霊

魔術概念における正式名称は「境界記録帯(ゴーストライナー)」。神話や伝説の中で為した功績が信仰を生み、その信仰をもって人間の霊である彼らを精霊の領域にまで押し上げた人間サイドの守護者。

それが実在であろうとなかろうと、人類が存在する限り常に在り続けるもので、実在した英雄でも、実在しなかった英雄でも、英霊が“地球で発生した情報”である事は変わらない、時間軸の外にいる純粋な『魂』であり、無色の力。

英霊召喚は地球という星に蓄えられた情報を人類の利益となるカタチに変換するもので、サーヴァントはその英霊を現実に“在る”ものとして扱うもの、在るのか無いのか判らない存在にクラスという器を与えて“現実のもの”にした存在。魔術師ではなく人類史そのものが作り出した使い魔であるため、「かつて記録された現象を呼び出す」という意味で境界記録帯と呼称される。

この世の道理から外れながら、尚この世に干渉できる外界の力こそが英霊の本質とされ、その力を利用して外界にでようとしたのが聖杯戦争となる。ただし、霊格が高い程ガイア寄りの存在になっていくため、霊長の守護者とは同じカテゴリーながら異なる立ち位置の存在でもある。


英霊を英霊たらしめるものは信仰、つまり人々の想念であるが故に、その真偽は関係なく、確かな知名度と信仰心さえ集まっていれば物語の中の人物や概念、現象であろうがかまわない。果ては絡繰り人形であっても英霊になり得る。ただし、大抵のサーヴァントは虚構のみで成立するものではなく、基礎(ベース)となる神話、伝説、実在の存在がある。虚構だけで成立し得るには、絵本のように子供を守る概念(ユメ)が結晶化したものなど、それ相応の理由がなければならない。

英霊は時間軸に関係なく召喚されるが、近代兵器で身を包んだ未来戦士のようなサーヴァントが召喚されることはまずない。近代兵器の最たる利点は“鍛えれば誰でも使える”という事。だが、そうであるが故に“たったひとりの存在”にはなりづらい。それは顔のない英雄と同じ。近代兵器に身を包んだ英雄がいたとするなら、英霊として扱われるのは“鍛えれば誰でもなれるエキスパート”たる所有者ではなく、“その時代でもっとも優れた兵器”そのものが英霊として祭りあげられる、かつ兵器そのものに魂が宿らなくてはならない[出 1]

英霊の座

英霊は死後、時間の軸から外れた場所「英霊の座」に招かれている。召喚される英霊は一部の例外を除けばあくまで座からコピーされた分霊であり、英霊本人が直接召喚される訳ではない。そのため聖杯戦争中にサーヴァントの身に何が起きたとしても、座の英霊本体にまで影響が及ぶ事はない。

人類史の中で功績を刻もうと、なんらかの事情で死ぬ間際、あるいは死ねなかった事で世界が終わる時まで生き続けなければならない者達は英霊の座に招かれない。この場合例え英霊クラスの実力を持っていても厳密には英霊ではない為、本来は召喚されることは不可能。

英霊の座は時間軸から独立しているのと同様、並行世界を跨いでも同一である。そのため例えば「衛宮士郎エミヤになる前に死ぬ世界、あるいはエミヤにならない世界」であっても英霊エミヤが召喚されることがありうる。ただし『Fate/Grand Order』の中国異聞帯のように、人々の生活が完全に満たされて「祈り」を誰も抱かなくなった結果、英霊の座への接続が途切れて英霊召喚ができなくなることもありうる。

英霊の状態

サーヴァントは基本的には死亡時ではなく、その英霊が“最も強かったとき”である全盛期の姿で召喚されるが、技術や記憶などは死亡時のモノまで含めて持つ[注 2]。そのため若い全盛期の身体能力と年老いた晩年までひたすら鍛え上げられた技術を併せ持つサーヴァントや、全盛期の人間性と晩年の記憶を持ったサーヴァントとなることもある。ただし、強い呪い、ないし本人の執着があるのなら死ぬ直前の姿で現れることもあるとのこと。
複数のクラスに該当する英霊の場合、クラスによって顕現するサーヴァントの肉体年齢が違うということもある。このため同じ聖杯戦争に同一人物が別クラスで召喚され、直接対決することも起こりうるという。例えば、全盛期を異なる形で二度迎えた李書文などの場合、荒々しい拳を振るう若い時期で召喚されることも、合理的な拳を振るう老人の時期で召喚されることもある。
芸術家のサーヴァントは感性こそが才能であり、彼らの言う全盛期とはその感性が一番強い時である天才だった頃が召喚対象になるため、英霊それぞれで召喚される姿の年齢が異なる。アマデウス曰く、子供の姿で召喚される芸術家は『成長したら節度のある正しい大人になった芸術家』、大人の姿で召喚される芸術家は『大人になっても成長しない、死ぬまでクズだった変人』と語っている。

サーヴァントの精神年齢は肉体に引き摺られやすく、若い頃の肉体であれば若い頃に引き戻り、老いた頃の記憶はどこか他人事のように感じることも多い。アレキサンダーメディア〔リリィ〕のように全盛期ではなく、少年少女時代の側面として召喚されている場合では、大人になった自分の記録があるが記憶でないために実感は薄くなっている。

サーヴァントは一人の英雄の一つの側面を抽出して召喚するものであり、ヴラド三世のように祖国を護った領主としての面を抽出された場合と、狂信的な騎士や武人としての面を抽出された場合で同一クラスでありながら別人のような姿で召喚されることもある。
また、神話の双子、あるいは相棒と共に伝説を残した者たちのように二人一組で召喚されることもある。

後の口伝、伝承や形作られたイメージの結果、生前、実在の人物から歪められてしまったものや、誇張カリカチュアされているものも存在する。前者は吸血鬼としてのイメージを付与されてしまったヴラド三世 (Apocrypha)や、無辜の怪物のスキル持ちが該当する。後者は例えばチャールズ・バベッジは英霊として機械の鎧を纏っており、トーマス・エジソンは特殊な現界だったため生前の情報とはかけ離れた姿になっている。また、ナポレオンは生前に使っていない大砲を装備していたり、後に登場するエクストラクラス「アルターエゴ」にもこの事例が関わっている。それ以外にも実在とは異なる形で伝承が後世に伝わった結果、男性として伝えられていたが実は女性であるケースや、純粋な人間ではなかったケースもある。

『Fate/Grand Order』ではこの辺りがより複雑かつ異例化しており、特異点および異聞帯で縁を結んだ主人公の認識[注 3]に加え、常夏の島に召喚された、ハロウィンやクリスマスの様に特別な時期になった、その場のノリ等の理由で、自ら霊基をいじって調整する、聖杯の力を使うといった手段を使い元になったサーヴァントからクラスチェンジが為される事もある。この場合普段と異なる服装、クラスにより多少性格が開放的になるなど変化は見られるが基本的には同一人物ではある。だが、チェンジ前後の霊基が分離するのか、上記のように同一人物が別クラスで召喚されるようになる(実質分裂、あるいは増殖に近い)。ただし、サーヴァントがきちんと水着に着替えるには、霊基を弄くらなければならない。
また、この関係性から実質的に同じ人物が一堂に会する事態が多く発生しているものの、現界時と同様に『自分じゃない自分がいる』という認識が発生するのみに留まっている。ただし、別クラスであっても同じ霊基を持つ同一個体と見なされているサーヴァントはこのパラドックスを矛盾なく解消するため、双方が互いを人型の靄としか認識出来ないという処置が取られている[注 4]

サーヴァントは召喚された時、生前の記憶の他に聖杯からその時代・地域の基本的知識や言語能力などを与えられている。また、英霊の座においてはあらゆる時代の他の英雄の逸話をある程度学ぶことができる。逆に召喚された年齢によっては生前の記憶にも一部制限がかかり、召喚された時代に適合しない知識は逆におぼろげになってしまう。実際、異聞帯で召喚されたサーヴァントには、その異聞帯には存在し得ない家族の記憶や、犬や猫のような「異聞帯には存在しなくなった動物」についての知識が不確かになってしまった例も存在している。

英霊の分類

英霊の分類としては、生前の偉業が称えられ英霊となった「英雄」 、そういった英雄たちに本来ならば打倒されるべき存在の「反英雄」、生前に英雄としての力の代償として死後の自分を星に売り渡した「守護者」、英雄と呼ばれるには格が低い朧げな「幻霊」、人知を超えた高位存在である「神霊」などが挙げられる。

なお、世界は「人間の道徳」ではなく「存続に有益」な方を採用し、人理継続のためならたとえ悪であっても有効に使い、人理継続を願わないのなら、たとえ義があろうと不要な英霊として召喚を不許可している[出 2]

反英雄

読んで字のごとく、英雄の反対、度し難い殺戮者を意味する。幼いままの願望を持つもの。綺麗ごとを信じ、そのために汚れ役を引き受けるもの。自らを強大な悪とし、有象無象の小さな悪を打ち消すもの。言ってしまえば、存在そのものが悪とされるものでありながら、その悪行が人間全体にとって善行となるもの。本人の意思とは裏腹に、周囲の人間が救い手と祭り上げたもの。端的に言えば人柱や生贄が該当する。例え極悪人だとしても、その人間を生贄にすれば村人全員が助かるならば、それは間違いなく英雄と呼べる。

反英雄は被害者でありながら、究極的な加害者でなくてはならない。人が生み出したモノでありながら、決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾こそがあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。英雄と称される生贄が食い殺されようが地中に埋められようが関係ない。貧乏クジを引かされた者、一方的に押し付けられた汚れ役が人々を救う偉業を成し遂げたのなら、それは罪人ではなく、英雄へと昇華される。大事なのは祭り上げる側の意識で、敬意や感謝、罪悪感などで祭り上げられて生まれるのはまっとうな英雄となる。ただ、純粋な反英雄はそうはおらず、存在しないモノ。そういうものがいてくれたら良い、という人間の願望。原罪を否定する為の生贄、人間の生み出した一つの終末(理想)。平穏と同義とされる、叶う事のない願いの一つが反英雄と呼ばれるモノ。

守護者

守護者とは、世界が抑止力として使用する英霊のこと。世界を滅ぼす要因に関わる人物を皆殺しにして人間全体を守るため、守護者も反英雄に含まれる。詳しくは「アラヤ」のページを参照。

純正の英雄

反英雄ではない英雄が全て純正とされる。真っ当な英霊であり、呪いに耐性がないため、黒い影に触れるだけで激しい痛みとともに霊基が蝕まれる。反英雄は根が近いため蝕まれはするが、強い痛みはない。

召喚

英霊召喚そのものは時計塔の魔術。

間桐臓硯がアインツベルンは『魂の物質化』を一度だけ成功させた錬金術師の末なので、アインツベルンのシステム(聖杯)があれば永続的な魂の在り方であるゴーストライナーを証明し、不可能と思われていた英霊召喚も出来るのでは、というのが発端[出 3]

英霊召喚システムの考案者は御三家のひとつ、マキリ・ゾォルケン。あらかじめ聖杯が用意した「七つの筐」に最高純度の魂を収める事により英霊をサーヴァントとして現界させている。

サーヴァントの召喚は本来、世界や神と呼ばれる人間以上の存在、超自然的な存在が行う権能の域で、「一つの巨大な敵」に対して「人類最強の七騎」を投入する用途の霊長の世を救うための決戦魔術「降霊儀式・英霊召喚」がサーヴァント召喚のオリジナル。
それを人間の都合で使えるように「格落ち」させたもの、元にあった魔術を人間が利己的に使用するためにアレンジしたものが、召喚システム「聖杯戦争」。冬木の聖杯戦争では「七つの力を一つにぶつける」という部分を捻じ曲げられ「召喚された七騎どうしを戦わせる」儀式となっている。
このことから「儀式・英霊召喚」と「儀式・聖杯戦争」は同じシステムだが違うジャンルのものと言える。

英霊召喚は、時代・土地・人理の在り方により難易度が変わる。召喚の必須条件として、土地が持つ記憶(歴史)、持ち込んだ触媒の記録がないと召喚されない。とはいえ、召喚自体そのものが触媒になる場合もあることから、突き詰めて言えば「縁が皆無だと召喚不可能」というのが正確。

召喚に応じるかは自由意思のため、英霊を召喚するには代償が必要となる。彼等は望むものを与えてあげないとこちらの召喚には応じてくれない。そのため欺瞞ではあるが聖杯を用意し、彼等の望みに応えるという理由でどうにか召喚に応じてもらっている。

聖杯に頼る程の願いか否かは確かにあるが、英霊は全員『欲望』自体は必ず持っている。オジマンディアスに限らず、その戦いに参加する意味を見出だせない者はどんな縁のある触媒を使っても召喚に応じてはくれない。オジマンディアスはネフェルタリの遺品が使用された際に召喚に応じるが、これは「身の程を弁えない者に罰を与える」という目的・理由が出来た為であり、聖杯戦争に参加する為ではない。

対して、聖杯戦争はただの魔術師同士のいざこざであるため、聖杯に掛ける望みも無く参加したがるのは、生前からの戦闘好きか、生前に果たせなかった未練があるか、または現世そのものに興味があるもの好きのいずれかとなる。ただし「強敵と死力を尽くして戦う」「戦いに勝利して主に聖杯を捧げる」など、必ずしも「聖杯を使う必要のある」願いばかりという訳ではない。

各々の性格にもよるが、サーヴァントの鉄則として、自分の時代や因縁以外の事情には深く関わらず、あくまで兵器として協力する。サーヴァントの願いが他愛もないときに召喚者が異常に警戒し不和のきっかけとなってしまうことも多いが、魔術師としたら「自由参加にも関わらず進んで人間(格下の存在)の使い魔に成り下がるのだから、それ相応の願いが無ければおかしい」という考えからであり、裏があると疑うのも仕方ない部分はある。凛ですら「サーヴァントが無償で人間に従う訳がない」と考えている。

召喚された英霊にも聖杯に掛ける望みがあるため、そのままではマスターを無視して独自の行動をする可能性もある。そのため、召喚時に英霊には現界の条件として命令権(令呪)への服従を背負わせている。またマスターは、本来この時代の存在ではない英霊が現世に留まり続けるための時間軸への依り代であり、魔力の供給源でもある。これらの要素により、サーヴァントはマスターとの協力を余儀なくされている。

本来なら、英霊そのものではない「英霊としての側面も混じっている」程度のモノは召喚されないはずだが、冬木での第三次聖杯戦争を発端としてシステムに狂いが生じているため、現在は怨霊の類すら召喚可能。なお、「聖杯」は西洋の概念であるため、日本が舞台であっても日本の英霊は少ない[出 4]

現世の魔術師が英霊を召喚しても本来はこの様に英霊そのものを現界させることは難しく、精々が「その英霊にちなんだ現象を借りる」程度のもの。第七特異点では生前のギルガメッシュが魔術による英霊召喚に成功したが、これは紀元前2655年のウルクが神代の終わりである為、英霊召喚の難易度は低い。反対に神秘の薄い二十一世紀だと、ギルガメッシュやマーリンですら自力の魔術による召喚は困難となっている。

『Fate/Grand Order』の世界での召喚は人理焼却という未曾有の災害が起きた結果、特大の大義がある生じた異例であるため、比較的快く召喚に応じてくれる。またカルデアの英霊召喚システムの未熟さによる「その隙間の多さ、曖昧さのおかげ」で、通常ならば例外・不可能・極低確率とされるサーヴァントの召喚も可能となっている[注 5]

召喚儀式

相応の霊脈に魔法陣を敷設し降霊の詠唱をすることにより、英霊にエーテルの肉体を与える。といっても英霊を実際に招くのは聖杯であり、そう大掛かりな儀式は必要としない。場合によっては魔法陣や詠唱、魔術回路の励起が無くとも召喚が為される場合もある。召喚の実行が可能なのは、基本的に令呪が与えられているマスターのみ。ただし、聖杯のシステムに介入できるほどの知識あるいは実力があれば、その限りではない。

召喚が可能となる時期については不明。理論上、大聖杯に魔力が満ちた段階での召喚となるが、作品として描かれた第四次、第五次共に、第三次で起こった影響や、過去数度にわたって聖杯に満ちた魔力が使われることなく聖杯戦争が終了していることから、本来想定されている聖杯戦争のシステムからは逸脱している部分が見られる。アインツベルン陣営などは、聖杯に介入することで、本来冬木市でしかできないはずの召喚をドイツで行ったり、第五次では聖杯戦争開始の数ヶ月前からバーサーカーを召喚したりしている。間桐臓硯は聖杯戦争が開始された後から、元々不正な形で召喚されていたアサシンの肉体を触媒として、真アサシンを召喚する特殊な召喚(『complete material』Q&Aによれば「外法」とされる)を行使している。

召喚がなされると、監督役の管理している「霊器盤」に情報が伝わる。伝わるのは召喚されたサーヴァントのクラスのみであり、サーヴァントの真名をはじめとする詳細なステータスや、マスターに関する情報は伝わらない。召喚されたサーヴァントの合計数は把握できるため、これをもって七騎のサーヴァントが出揃ったか否かを判断し、監督役は聖杯戦争の開催を宣言する(無論、形式上のものである)。

魔法陣

生贄及びマスターとなる召喚者の血液、水銀、溶解させた宝石などをもって描かれる。消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲んだもの。

詠唱

基本的には以下の通りである。

素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ
閉じよみたせ閉じよみたせ閉じよみたせ閉じよみたせ閉じよみたせ
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

詠唱にはマスターの起源や個性、系譜など様々な要素が組み込まれることがある。

例1)遠坂家はその出自から詠唱には「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。

遠坂時臣/:「祖には我が大師シュバインオーグ――」(「シュバインオーグ」は遠坂家の大師父キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグのこと)

例2)『Fate/Apocrypha ACT1 Unbirth』に登場する相良豹馬の詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。

相良豹馬:「祖には我が大師■■■■■■■」

例3)『Fate/strange Fake』に登場する魔術師カーシュラの詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。

カーシュラ:「祖には我が大師××××××――――――」

例4)『Fate/Apocrypha』では「礎に石と契約の大公」の次に各陣営の色を宣言する一節が加えられている。

黒の陣営:「手向ける色は“黒”。」
赤の陣営:「手向ける色は“赤”。」

例5)『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』に登場する琥珀は「素にうんたらかんたら」の次に以下の一節を加えている。

琥珀:「遠野にまつろう巫浄のなんたら」

なお、バーサーカーに関しては、詠唱の「我は常世総ての悪を敷く者」の次に以下の一節を加える事でクラスを先決めすることも出来る。

されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。

また亜種聖杯戦争においてはアサシンにハサン・サッバーハ以外の英霊を召喚するための追加詠唱が存在するようだが詳細は不明。

Fate/stay nightのUBWルートで凛がセイバーと再契約する際の詠唱と返答。

遠坂凛:“―――告げる! 汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――”
遠坂凛:「―――我に従え! ならばこの命運、汝がに預けよう……!」
セイバー:「セイバーの名に懸け誓いを受ける……! 貴方を我が主として認めよう、凛―――!」

FGOコミカライズ版『-turas rèalta-』のオルレアン編で藤丸立香が特異点で召喚されたジャンヌと契約を交わした際の詠唱と返答。

藤丸立香:「告げる 汝の身は我の下に 我が命運は汝の剣に――― 聖杯の寄るべに従い この意 この理に従うならば――― 我に従え!! ならばその命運 汝が”旗”に預けよう!!」
ジャンヌ:「ルーラーの名に懸け 誓いを受けます… 貴方を我が主として 認めましょう 藤丸立香…!!」

触媒

触媒とは、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚する場合に必要となる物品のことを言う。

聖杯は基本、召喚儀式を実行したマスターに相応しいサーヴァント(相性の良いサーヴァント)を召喚する。これに際し、マスターが召喚の儀式の際、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚しようとする場合、触媒を用いることでそれが可能になる。この場合の触媒とは、その対象となった英霊とゆかりのある何か。

触媒が英霊とゆかりの深いもの(例えば英霊の代名詞といっていいもの)であれば、マスターとの相性が悪い場合でも召喚ができる。触媒が英霊とゆかりの浅いもの(特定の英霊の代名詞とはいえないもの)である場合、触媒とマスターとの相性、双方が考慮され決定される。また、触媒が複数の英霊に対応したものの場合、その複数の中からマスターとの相性がよい英霊が召喚される。『complete material III』では複数の英霊に対応した触媒としての例にトロイ戦争のシンボルたる「トロイの城門」が挙げられている(この場合、トロイ戦争の英雄達から誰かが召喚される)。『Apocrypha』では獅子劫界離が「円卓の欠片」を用いてこの「複数の英霊からマスターと相性の良い者が選ばれる」特性を意図的に利用している他、例として「アルゴー船の残骸」を触媒にした場合には大英雄ヘラクレス、キャプテンであるイアソン、裏切りの魔女メディア、医術の神アスクレピオス等の中から、マスターとの相性を考慮して召喚されると示されている。

なお、触媒によって指定できるのは招かれる英霊のみであり、その英霊が複数のクラス資格を持っていた場合、触媒によってクラスを指定することはできない(単一のクラス資格しか持っていない場合は考慮する必要はない。またバーサーカーに関しては前述のように詠唱によってクラスを決定出来る)。『Fate/Zero』では遠坂時臣が、ギルガメッシュがアーチャーとして呼ばれたことを嘆く描写が見られる。

なお触媒はサーヴァントを召喚しても無くなりはしないため、呼び出したサーヴァントにより触媒が気に食わないとして破壊されたりせずに回収できれば、後の召喚儀式にて使用することも可能。

『Apocrypha』など亜種聖杯戦争が開催されるようになった世界では、冬木の聖杯戦争のシステムが知れ渡ったことで聖遺物が世界中に離散し、価格も高騰している。

触媒一覧

第三次聖杯戦争

アヴェンジャー
アインツベルンが手にした古い教典。

第四次聖杯戦争

セイバー
コーンウォールから発掘された聖剣の鞘。
アーチャー
この世で最初に脱皮した蛇の抜け殻の化石。
ライダー
生前身に着けていたマントの一片。
ランサー
ケイネスが触媒を新たに手配し入手したとはされているが、具体的な物品は不明。
バーサーカー
詳細不明。小説・ドラマCD・漫画には触媒の有無も含めて描写がないが、アニメオリジナルのセリフとして雁夜に対する臓硯の「貴様に相応しい聖遺物を見つけておいたわ」というものがある。
アサシン
アサシンというクラスそのもの。
キャスター
触媒なし。「殺人に耽溺する」という二人の精神の共通性。

第五次聖杯戦争

セイバー
士郎の体内にあった聖剣の鞘。
アーチャー
エミヤが所持している、凛が士郎を救うために使ったペンダント。
ランサー
フラガ伝来の、オリジナル・ルーンの刻まれたイヤリング。コンプリートマテリアルによるとクーフーリンが記したオリジナル・ルーンの刻まれた宝石がイヤリングに加工されている。
ライダー
エルトリアの神殿から発掘された鏡。ギリシャの古い地母神縁の物品。
この触媒自体とライダー自身のゆかりは浅いものであり、マスターである間桐桜との相性、「被害者でありながら加害者になる」「いずれ破滅する運命」という共通性から選ばれた。
キャスター
コルキスにあったメディアゆかりの文献。[注 6]
バーサーカー
ヘラクレス神殿の礎である斧剣。
アサシン
柳洞寺の山門。柳洞寺に縁のある武芸者から選出。
真アサシン
アサシンというクラスそのものと、マスターである間桐臓硯との「永遠を望む」という共通性。

聖杯大戦

赤のセイバー
円卓の欠片。召喚後に破壊された。
赤のアーチャー赤のランサー赤のライダー赤のキャスター赤のアサシン赤のバーサーカー
ブラム・ヌァザレ・ソフィアリによって集められた触媒。詳細不明。
黒のセイバー
血に染まった菩提樹の葉。
黒のアーチャー
古びた一本の矢。
黒のライダー
染みの残ったガラス瓶。
黒のバーサーカー
人体図の描かれた古紙。
黒のアサシン
かの連続殺人鬼が愛用したといわれる六本の業物(四本の奇怪な形をした短刀と、二本の肉切り包丁)。

Fate/strange Fake

アーチャー
黄金郷の蔵の鍵。宝物庫の表の扉そのものを開く為の、表の鍵。
バーサーカー
ジャック・ザ・リッパーの銘柄入りナイフのレプリカ。
ランサー
マスターである合成獣そのもの。
セイバー
コーンウォールからの発掘時、エクスカリバーの鞘が納められていた箱。
真アーチャー
フランチェスカによって用意された触媒。具体的な物品は不明。
真キャスター
マスターであるフランチェスカそのもの。
真バーサーカー
マスターのハルリによって用意された触媒。具体的な物品は不明。

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

セイバー
聖剣の鞘。
ランサー
炭化した古き館の破片。
ライダー
ネフェルタリが最期に身につけていた首飾り。なお彼は自分自身のミイラのような、彼本人にいくらゆかりが深いものを触媒としても召喚されない例外。
キャスター
複数の「石」。

Fate/Grand Order

『Fate/Grand Order』では他の存在に惹き付けられて連鎖して召喚される「連鎖召喚」の例が多数見受けられる。

ジル・ド・レェ
漫画版『Fate/Grand Order -turas réalta-』での設定では、第一特異点における触媒は、生前のジル・ド・レェ自身。
ハーゲン
ラインの黄金。
坂田金時
ニコラ・テスラの雷電。
玄奘三蔵
経典の巻物。
ソロモン
十個目の指輪。
キルケー
シバの女王
ヘクトール
アキレウスの存在そのもの。

Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚

セイバー
連載前設定では何らかの書物、本編では生前の愛剣の乞食清光。
バーサーカー
詳細不明。宮本武蔵の触媒を用意したつもりが、実際には森長可の触媒であった。

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline

セイバー
赤城奏丈が現代から持ち込んだライトノベル『帝都戦記』。上記の「何らかの書物」がまさかの形で回収されることとなった。
バーサーカー
真瓦津玲二が各地から集めさせた触媒の一つである古びた日本刀。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

フェイカー
生前イスカンダルが身に着けていたマントの一片。第四次聖杯戦争でのイスカンダル召喚に使ったそれをドクター・ハートレスが所有者であるロード・エルメロイⅡ世から盗んだもので、魔眼蒐集列車での事件終盤に返却されている。

Fate/Samurai Remnant

アサシン
彼の縁者である諏訪大明神ことタケミナカタが祀られている、諏訪大社の御座石の欠片。

その他

  • 『stay night』ではアーチャーが「触媒無しでの召喚など有り得ん」と言っているが、後の『Zero』や『Apocrypha』では、龍之介のような実例が現れたり触媒無しの召喚に対するメリットとデメリットの言及が為されたりしている。「触媒無しで通常の英霊ではない自分を召喚など有り得ない」といった意図と取れない事もないのだが、アニメ『UBW』ではこの台詞が変更されているので、おそらくは後から設定変更されたのだと思われる。
  • 英霊の召喚には基本的に強い繋がりを持つ触媒が必要だが、下手に繋がりが強いと切嗣とセイバーのようにマスターと相性の悪いサーヴァントも呼べてしまう。一方、触媒の繋がりが薄い(無い)と桜とライダー、龍之介とキャスターのように相性の良いサーヴァントが呼ばれる事が多い。そのため、ファンの間では「触媒が無い方がいいのでは?」とまことしやかに囁かれる事があった。
    • 事実、『Apocrypha』でも、触媒無しや繋がりの薄い触媒での召喚について「サーヴァントの信頼関係を築きやすい」とそのメリットを言われている。だがその一方、「一歩間違えれば、性質が似ているが故の嫌悪や不信感が表れる危険性がある」とも言及されており、「触媒無しの召喚は一か八かのギャンブル」として語られている。また、相性面以上に「強さ」の点において全く保証がないのが厳しく、かなりのギャンブル。ただ、メタ的には弱くてもある程度の活躍は出来る可能性が高く(「相性が良いけど弱かったので全く活躍出来ずに退場しました」では話が盛り上がらない)、読者の立場からすると相性を最重要視した方が良いように思えてしまうのも仕方ない所か。
      • 余談だが、この分析を行なっている獅子劫界離が触媒として使用したのは円卓の欠片。「どの円卓の騎士が呼ばれても英霊としては超一流」「人格面も個性的ではあるが基本的に善性」「その超一流の選択肢の中から、自らと性質の似たサーヴァントが自動的に現れる」という事で、同族嫌悪の可能性も一応あるとはいえ、かなりベストに近い選択ではないだろうか。
  • 触媒が破損していた場合、どの程度触媒としての効果に影響するのかは不明。一応切れ端欠片が触媒として機能しているケースもあるため、必ずしも完全な状態である必要はないようだが。
  • 「触媒が無い方がいいのでは?」という認識が広まった原因の一つには、『Fate/EXTRA』における月の聖杯戦争の影響もあるだろう。月の聖杯戦争ではサーヴァント召喚のために触媒を用意する必要はないらしく、予選を突破したマスター達にムーンセルが「何らかの縁がある英霊」もしくは「相性の良い英霊」を当てがっている。その結果主人公達が出会うマスターとサーヴァントはその関係性こそ様々だが、ほとんどが深い信頼関係を結べている(このため、ムーンセルを「名仲人」と賞賛するファンも多い)。しかし月の聖杯戦争の仕組みは地上のものとは仕組み自体がいくらか違っているため、冬木の聖杯戦争との単純な比較は難しい。またマスターによる召喚ではなく、英霊が自らの意思でサーヴァント選定の場に参ずることが可能なことも分かっている(例:赤セイバー)。こういった点から、月の聖杯戦争におけるマスターとサーヴァントの相性の良さは、聖杯戦争のシステムの違いによるところも大きいものと思われる。
    • そもそも、ムーンセルにおいても主を裏切り、殺害に及んだサーヴァントは皆無という訳ではない(例:エリザベート=バートリー)。更に言えば月の聖杯戦争はトーナメント制であるため、2回戦以降に出場するためには最低でも一回は勝ち抜く必要があり、致命的な相性問題を抱えたペアは最初にふるいにかけられただけとも考えられる。たまたま主人公や主人公の前に現れたペアの相性が良かっただけである可能性も否定出来ない。また、人格的には相性が良くとも、戦闘面の相性は良くないというケース(例:ロビンフッド)もおり、一概に「ムーンセルの采配に外れがない」とは言えない。

現界

サーヴァントは実体化する術を持つ霊体ではあるが、第三魔法である「魂の物質化」とは全く別の現象である。サーヴァントはあくまで「降霊」によって呼び出されるものであり、依り代がなければ現世には留まれない。この時代のモノとして生きている訳ではないので、魂単体で存在できるようになる「魂の物質化」と比べれば不完全なものである(ただし、冬木においてサーヴァント降霊のためのシステムの基盤である大聖杯には第三魔法の一部を用いているので、間接的には関係あるとも言えなくはない)。

そのため現世では聖杯の力でエーテルで出来た仮初の肉体を与えられ、血肉を備えた「実体」と、不可視で物理的に縛られない「霊体」の二つの状態をとることができる。基本的に、両者の行き来に制約はなく、サーヴァントの意思によって自由に行える。実体は物理的干渉力を持った状態であり、基本的には戦闘を行うための状態。霊体は物理的干渉力を持たない状態であり、基本的には非戦闘時の状態。

霊体の状態であれば、サーヴァントを維持するための魔力の消費が少なくて済み、敵からは目視されず、物理的に干渉されないため壁を抜けて移動できるなど、偵察行動などに向いている。ただし、この状態では相手から干渉されない代わりに自らも相手に干渉できないため、敵を攻撃する等の行動はとれない。しかもサーヴァントの持つ武装の多くは概念・魔術的特性を持っているため霊体にも干渉できる場合がある。自らは防御手段をとることができず、敵から一方的に攻撃される危険を孕むため、サーヴァント同士の戦闘中に霊体化することは安全とは言えない。唯一不可視化する利点はあるが、サーヴァント同士は(個人差はあるが)互いに気配を察知できるため、万全の安全策とはならない。また、霊体化は世界との繋がりを薄めている状態である故、「洗礼詠唱」等をこの状態で受けると、普段は問題無く耐えられる攻撃にも関わらず大ダメージを負う危険性もある。

サーヴァントの実体は、「霊核」と呼ばれる存在の周囲を、魔力で出来た肉体で包むことで成立している。サーヴァントにとっても心臓、脳は確かに急所だが霊核とは別のものであり、より霊核に直結した器官という扱い。 肉体そのものは仮初のものでありサーヴァントは基本的に魔力が尽きない限り活動できるが、肉体の損傷は霊核の弱体化を招き、結果として通常の人間と同じくサーヴァントに対するダメージとなり、その状態で強力な魔力、呪い、宝具を受けると霊体も含め現世でのカタチを保てなくなって霧散する。

心臓の喪失や首の切断などが起こればサーヴァントでも基本的に死亡するが、これは霊核に直結している部位が破壊されたことにより致命的なダメージを受けた為であり、「即死」という判定ではない。そのため心臓を破壊されても死なない者も存在する(サーヴァントではないが、直死の魔眼で17分割されても生きてるアルクェイドがゲイボルクの体内殲滅で即死するのは恐らくこのため)。

  • 実体化している時と霊体化している時とでは、当然実体化している時の方が消費が大きくなるが、『hollow』でのライダーの発言から推察すると、「ずっと実体化している」よりも「実体化と霊体化をスイッチする」方が更に消費量が大きくなる模様。
  • 血液ではなく魔力を主動力としているため、サーヴァントは出血多量で弱る事はあれど死ぬことはまずない。人間の戦闘であれば敵の手と足の付け根を切り落とすという戦術もあるが、サーヴァントは魔力さえあれば大動脈を欠損しても再生することからこの戦術の効果は薄い。四肢の切断となると話は変わるが易々と手足を刈り取られるサーヴァントはまずおらず、逆に相手の手を1本獲ったら自分の首を獲られていたということが起こり得る。
    • 「人体研究」の特攻がサーヴァントに入らないのは恐らく上記の理由から。「人体理解」は単純に急所に当てやすくなる能力のためサーヴァントにも有効。

敵から受けたダメージのみではなく、自身の宝具などで魔力を消費することでも霊核が消耗し、限界を超えた宝具の使用で自滅するケースもある。

サーヴァントは現世に留まること自体に魔力を消費するため、契約したマスターからの魔力供給がなければ、現界を保つことはできない。さらにマスターは英霊が世界に留まるための要石にもなっているため、マスターがいないサーヴァントはスキル「単独行動」を持たない限り、例え魔力があったとしても手足が重くなり、現界を保つために使用する魔力量も増える。 詳細に言えば魔力が「活動するためのエネルギー」、マスターとの契約が「現世に留まるための要石」。マスターを失うと「エネルギー」と「要石が失くなった負担」2つの魔力を自力で捻出しなくてはならなくなるので、すぐに消えてしまうということ。召喚に必要な触媒が概念ではなく遺物だった場合、この遺物も要石として機能するらしいが、触媒で召還されたサーヴァントもマスターが不在になると直ぐに消えてしまっているためどれくらいの効力があるかは不明。

『Fate/Grand Order』では、聖杯は聖杯戦争の最後の勝者が手にするものであるにも関わらず、特異点および異聞帯では勝敗が決まる前に既に所有者がいる。という矛盾を正すため、聖杯によってマスターを持たないはぐれサーヴァントが召喚されている。
これらのサーヴァントは基本的に、戦闘で撃破された場合を除けば、喚ばれた場所の修復が完了した時点で強制的に退去となるが、主人公と契約を結ぶ[注 7]、カルデアの召喚術式によって喚び出される、主人公に同行していたカルデアのサーヴァントが何らかの作用で別のクラスに霊基変換するといった場合は一緒に連れて帰る事が可能となり、その後は自動的に『カルデアのサーヴァント』として霊基グラフに登録される。ただし、この途中で外部からの侵入クラッキングが発生しやすいらしく、特異点で敵対していたはずの存在が、いつの間にか見知らぬサーヴァントとしてカルデアに居住しているパターンも多々ある。

冬木の聖杯戦争においてマスターを失ったはぐれサーヴァントは通常、「単独行動」のスキルがなければ魔力供給がなされずにすぐ消滅してしまう運命にあるが、運良く他のマスターと再契約するなどの手段があれば、復帰する可能性が残されている。一般人などと契約することも可能だが、魔力供給手段がないので魂食いなど別途魔力を供給する手段を確立する必要がある。『Fate/stay night』作中ではメディアが一時的にこの状態に陥っている。『Fate/Apocrypha』のジャンヌ・ダルクや『Fate/EXTELLA』のアルトリア・ペンドラゴンなどはマスター不在ではあるが、聖杯(ムーンセル)そのものが召喚者であるため、はぐれサーヴァントには該当しない。

生命体としての性質を備えるがあくまで疑似的なものであり、魔力とマスターさえあれば水や食物、睡眠を必要とはしない。だが疑似とはいえ生命体でもあるので空腹などは感じ、食事を味わって霊基内に消化する事も出来る。

受肉

通常、サーヴァントはマスターがいなければ存在を保つことができないその場限りのものであり、彼らに未来は存在しない。しかし肉体を得ることによって自力のみで現世に留まることができ、これを「受肉」と呼ぶ。受肉したサーヴァントは生前の軛から解き放たれ、“今を生きる”その時代の人間になり、マスターやサーヴァント召喚システムの支援なしに魔力を生み出すことができるようになる。

主な受肉の方法としては「聖杯に願う」というものがポピュラーであり、「受肉して第二の生を過ごす」などを目的に召喚に応じるサーヴァントも多い。

その他限定条件として、例を挙げると霊子的な電脳生命として再現された場合や、聖杯戦争後もマスターと関係を保った場合などもある。

なお、受肉した場合でも座の本体との関係は変わらないため、受肉後に死亡した際はサーヴァント時と同様に本体に記憶が反映される。そのためギルガメッシュや天草四郎時貞のように、受肉していた期間の記憶を引き継いだ状態で召喚されるサーヴァントも存在する。

人食い

英霊は人間霊に性質が近いため、生きた人間の精神や魂を食うことで自身の魔力の強化・補充が可能である。スキル「自己改造」を持っている場合は他のサーヴァントを食らうことも可能。

とはいえ戦力を大きく変動させる程の能力ではないうえ、魔術師がおしなべて隠密行動を好むこともあり、聖杯戦争が人間狩り大会になるようなことはまずない。 一般社会を崩壊させるほどに破壊的な参加者には監督役や裁定者から討伐令が下されることもある。

また、英霊はかつての英雄達らであるが故に高潔な精神を持つ者も多く、そういった者達はそもそも人食いと言う行為そのものを嫌悪する。積極的に人食いを実施するのは反英霊や、殺人に抵抗の無い精神性、または「狂化」の持ち主である英霊くらいである。また、第五次のキャスターなど、人食いを好むほどの外道ではなくても、その嫌悪を黙殺して余りある「何か」のために止むを得ず手を染める者もいる。その場合は殺すまでは食わず、僅かずつに留めて被害者は昏倒する程度で済む。

記憶の連続性

英霊の座には過去や未来の概念は無く、時間も空間も確定しない。そこにいる「本体」は膨大な記録を蓄えるが、全ての記憶を持ち込んでしまうと、例えば「今参加している聖杯戦争の結果を知っている」という矛盾が生まれる為に、通常は「座」が召喚される場と時間に合わせて記憶をアジャストする。英霊の座が時空を無視して情報を集積する以上、そうでもないと知識に矛盾が生じてしまう。そのため、通常は召喚されるサーヴァントが記憶するのは生前の知識と、世界が付与する現代に必要な事柄、後は幾分の調整事項のみである。

英霊はサーヴァントとして召喚された時点で元のカタチからは独立しており、契約が解除されて座に戻ると全ての体験は統合された記録として蓄積する[出 5]。サーヴァントは現世で霊基が消滅しても英霊の座にある本体記憶がある限り再召喚することができるが、再召喚された個体は基本的に前の召喚の記憶を持たないため、同一人物の別人という扱いになる。

一方で現世におけるサーヴァントの記憶は「消滅時に情報の記録として座に持ち帰る」という形で本体に反映される。複数回聖杯戦争に召喚された英霊は「他の時間軸の聖杯戦争の記憶」も記録として保持しているが、座には時間の概念がなく『今参加している聖杯戦争の結果を知っている』という矛盾が生まれる為に、通常は座が召喚される場に合わせて記憶をアジャストする。

『Fate/stay night』では記憶を引き継ぐのは不可能と言う設定だった。作中では「あり得ないこと」という扱いで、『UBW』ルートでアーチャーが最後に得た答えですら、次の召喚時には忘れてしまうと原作者は語っている。あくまで、サーヴァントとして召喚された際に体験した記憶は引き継ぐのが不可能という話なので、特殊な召喚をされたセイバーのように生前の状態の記憶なら覚えていられる。

『Fate/Grand Order』では人理焼却によって「人理があやふやな状態」に陥ったことで記憶のアジャストが適用されていないことがある。例えばマリー・アントワネットは一度遭遇した後に消滅し、再び別の現界時に会っても記録でしか過去に遭遇したということを知らないため、実感が無いという状態になっている。一方エリザベート=バートリーのように過去の召喚で出会った相手に対し普通に面識がある体で接してくるサーヴァントもいる。ロビンフッドに至っては特異点で唐突に並行世界の記憶を思い出している。
当初はこの差分が単に「情報の記録」に対するスタンスの違いから来るのか、はたまた記録の残り方からして違っているのかは不明だったが、時間経過によるストーリー進行等によって、主人公マスターに英霊の知識がほぼ皆無なための補完的処置に加え、この場一時における記録記憶として自身の中に留めておくべきか、或いは今後の現界の際必要となる学習すべき要素として残しておくべきかどうか、と云った形で境界線が張られていることが示唆されている。事実アヴィケブロンモードレッドガレスパーシヴァルを除く円卓の騎士達はそれぞれ『Fate/Apocrypha』と第六特異点においての記憶を自身への贖罪の証として持ち込んでいるのに対し、マンドリカルドコンスタンティノス11世は、各特異点と異聞帯から退去するにおいて主人公とヨハンナに関わった記憶を『その場所における思い出』として今後の召喚に持ち込まないと決めている。また、静謐のハサンは召喚された場所で「愛」を知った場合、その記憶はその時喚ばれた霊基に刻みつけられたまま引き継がれることは無く、必ず別の個体が召喚される事が明言されている。
ただし、これらの事情とは別に、カルデアで召喚されたサーヴァントは霊基グラフに状態が記録されているため、必ず再召喚の際に退去前の記録が引き継がれる(これは「ゲーム上の戦闘でサーヴァントが撃破されても、所有キャラクターの喪失などといった戦闘終了後に影響するデメリットは基本的に生じない」と言う事を意味する)。システム上において絆レベルの減少などが発生しない点や、作中イベントでも閻魔亭の描写において時系列として一度完全に退去させられたサーヴァントが再びマスターの元で戦えることを喜んでいるなどの描写から、他の再召喚の事例における『これまでの出来事を覚えてはいるものの、自分の記憶という実感が湧かない』状態ではなく、『本人の実感も含め実質的に「完全な同一人物」となっている』可能性が高い。

クラス

七騎のサーヴァントそれぞれに割り当てられる七つの「役割」。言ってしまえばRPG等における「クラス」「職業」「ジョブ」のこと。

英霊を完全な形で召喚するのは聖杯の補助があっても容易ではなく、英霊を丸ごと霊体として再現するのは人間の魔術師ではリソースやメモリが足りない。そこで「役割に即した英霊の一面」というものに限定し、英霊が持つ側面の一部だけを固定化する事でその負荷を抑える仕様となるのがこの七つのクラス。
一人の英霊の様々な側面を利用できる反面、同じ英霊が争うこともあり得るので、英霊召喚システムの長所とも短所ともいえる。

クラスには大枠として基本の能力値や保有スキルといったクラス特性が(生前の能力値とは別に後付けされるものとして)存在し、どのような英霊なら該当するかの条件も加わって、そのクラスらしさのある能力のサーヴァントになっている。剣の英霊ならばセイバーに、槍を用いた英霊ならばランサーとして、召喚された英霊はそれぞれのクラスの特性に合わせた存在として顕現し、己の業をさらに研ぎ澄ましている。また逆に、生前有していた武装や能力も、クラスによっては発揮できなくなる可能性を持つ。

基本7クラスのうち、特に強力なクラスとされるセイバー、アーチャー、ランサーを総称して「三騎士」と呼び、残りのライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーを総称して「四騎」[出 6](または「四騎士」[出 7])と呼ぶ。

冬木の聖杯戦争では1回につき7騎召喚されるが、ぞれぞれが基本7クラスに対応するとは限らず、三騎士以外は代わりにエクストラクラスで召喚される可能性がある。また、同一のクラスのサーヴァントが二人現れるということはなく、必ず7クラスそれぞれに英霊が割り振られる[注 8]。既に特定のクラスの枠が埋まっている場合、後に召喚された英霊はそのクラスに就くことはできない。

Fate/Grand_Order』ではクラス間の相性が設定されており、サーヴァントではない魔物や敵兵士といったエネミーにも便宜上のクラスが設定されている。

クラスは以下のようなものがある。

属性

各サーヴァントの精神的な傾向。ステータスで確認できる。秩序・中立・混沌からなる「重んじる方針」と善・中庸・悪からなる「性格」の2つの要素によって決定される。

属性間の相性については「性格」の不一致であれば大きな問題にはならないが、「重んじる方針」が違う場合は軋轢が大きくなる[出 8]

副属性

英霊の由来における立ち位置を表す属性。英霊が「どのようにして誕生した」のかという分類。名称は『Grand Order』ゲーム内のサーヴァントプロフィールに準拠。

大きく分けた場合、『人』・『地』・『天』・『星』の4つに分類されるが、極めて稀に『獣』という5つ目の属性を持つ英霊が存在する。

  • 人:いわゆる実在した英雄と偉人。西暦以後に人類へ貢献した偉人が死後に英雄視され共通認識となったものを指す。本当に生前から超人的な能力を所有している場合もあるものの基本的には死後に大衆によって神格化された英霊[出 9]
  • 地:土着の幻想伝承に語られる英雄。妖精や魔獣、神性のスキルを持たない英雄も含まれる[出 10]
  • 天:神霊が英霊にランクダウンしたもの。神性のスキルを持つ神の子や伝承の具現化もコレに入る[出 10]
  • 星:人類史の中で大きな希望を残した人間。「星の開拓者」に近いとされるが、単に偉業を達成しただけではなく、キラキラと光る星でなければならない。そういった概念的なものも含めている[出 11]。人類における希望、困難を打ち破る象徴[出 9]。原作者曰く、「星の輝き」とは一種の「主人公補正」のようなものとのこと。輝きがある者は奇跡を起こして格上に勝利などがあり得るが、輝きがない者は実力勝負になる。星属性でなくても、少なからず星の輝きを持つとされる者は存在し、アルトリアオルタのようにオルタ化したことで失うケースもある。天・地・人のどれでもなく、しかし天の下、地に在って、人から生まれたモノであるため、例外中の例外として扱われている[出 10]
  • 獣:公式には不明であるが、『Fate/Grand Order』に登場したビーストクラスおよび殺生院キアラ〔アルターエゴ〕が共通して持つことから、人類史から生まれ人類史にあまねく害を齎す存在であるビーストに関連する者であることが推察されている。

天・地・人の三すくみがあり、『人』は天に強く、地に弱い。『地』は人に強いが、自身を作り出した神には敵わないため天に弱い。『天』は地に強いが、人間に信仰されなければ「存在しないもの」になるため人に弱い[出 10]。 『星』は一見あらゆるカテゴリに対してマイナスを持たない万能属性だとされてきたが、実際は天・地・人の三すくみには一切関わりがなく、その本質は別で『獣』と相剋する所にあった模様[出 9]

パラメータルール

サーヴァント自身の能力(筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運・宝具の6種類)、及び所有スキル、所持する宝具の性能の評価を表すもの。いわゆるステータス表示。「英霊の固有能力」ではなく「サーヴァントの固有能力」なので、同じ英霊でもクラスやマスターによってランクは変動する。このランクは項目ごとに比較するために存在し、サーヴァントの特徴が把握出来る。しかし、この比較はあくまで項目だけを取り出した参考値であり、様々な要素が絡む実戦に当て嵌められるものではないということ[出 12]。用語辞典によると、場合によっては敏捷C(アルトリア)でも敏捷A(クー・フーリン)より素早く動くこともあり得るとか。

原作者のインタビューや『stay/night』『EXTRA』ゲーム中の説明などでは、STR(筋力)、AGI(敏捷)、MGI(魔力)、LUK(幸運)、CON(耐久)、NP(宝具)と表記されている。

A・B・C・D・Eの5段階評価であり、通常値を1とするとEが10で1段階上昇するごとに10上昇する[出 12]。E~Aに該当しない別格の能力値は「EX」と表記される。ただし、EXランクだからと言って必ずしも火力などの面でAランクを上回るわけではない。また原作者がステータスのBランクを高ランクとして扱っていることから[出 13]、B+やA+なども破格の部類と考えていいのかもしれない。

原作者曰く、ランクではなく詳細な性能を表した数値も存在する。しかし、英雄の能力はある意味言葉遊び的な「~より強いが~には負ける」みたいなものなので、数値よりも大まかな概念としてA~Eのカテゴリーに分けてあるとのこと。同じランクでも性能差があったり、ランク付けの方向性が異なるのは恐らくこの為。

「+」表記は瞬間的に数値が倍加できる特殊能力の事を指す(+ならば2倍、++ならば3倍、という風になる)。例えば「C+」であれば通常時は30であるが一瞬だけならば60に跳ね上がり、ランクA(50)を上回る能力となる。基本的に+を持つサーヴァントは稀少であり、++は破格、+++ともなれば別格。「-」表記は判定上はそのランクだが実際の能力はそれ未満であるもの、また安定しない数値を表す。例えば「B-」である場合、各種判定はBであるが実際の能力そのものはC程度でしかなかったりB相当の能力を発揮できる機会が限られていたりする。 筋力と耐久の「A++」は人の身では絶対に不可能なランクだとされており、現在所有しているのはスキル「天性の魔」を持つアステリオスとスキル「変転の魔」を持つゴルゴーンのみとなっている。トーマス・エジソンの筋力「E」は、はちきれんばかりの肉体を戦闘向けにコントロールできない所為で、決して身体能力が低いわけではない。BBの「★」は計測不能で、カウントがオーバーしているのではなく数値にすることが出来ないパラメータを指す。

「+」による倍加は、あくまで"一瞬だけ"発動させることが出来るものであり、A++であろうと基本的にはAと変わらない。

『fate/staynight』本編での会話では「筋力」を通常攻撃力としており、『Fate/Grand Order』でも筋力Aのサーヴァントが筋力Cのサーヴァントに腕相撲で負けるシーンがある。 作中以外のインタビュー等でもリーゼリットはメドゥーサ(怪力使用)と腕相撲は互角だが、能力値的には筋力B-としている。 ゲーム用語のSTRは「腕力。物理攻撃力や荷物量に影響する」となっているので、恐らく「通常攻撃力(物理)=腕力」から『筋力=腕力』、『筋力=通常攻撃力』どちらでも正しい、といったところか。

宝具には「強さが数値化出来る宝具」と「特殊な宝具」というジャンルがあるようで、宝具のレベルはB(ランクBのことを言ってるのかは不明)、能力が数値で表せるものが平均的な宝具とのこと。例として、壊れた幻想、風王結界、突き穿つ死翔の槍があげられている。数値化出来る宝具の威力と筋力の威力の換算では、Cランク宝具の威力は筋力A〜A+に相当する(アルトリアの風王結界とヘラクレスの事例及び作中のアルトリアの言葉から)。 逆に効果が概念的なもの、運命干渉系が特殊な部類とされ、刺し穿つ死棘の槍といった数値で強さを表せられないものがこれに該当し、敵の性能を無視して勝利することが可能。

なお、登場人物の発言や用語辞典などで、サーヴァント自身を指して「ランクA以上の大英雄」などといった表現が稀にされる場合があるが、筋力などの個別の能力ではない、全ての能力を包括したサーヴァントの個体能力にランクがつけられているという話は、公式の設定として正式に示されたことはない。開示されていないだけで正式にそういうランクがあるのか、単に発言者の印象から出た言葉であるのか、詳細は不明。

パラメータが戦闘力の物差しとして考えられがちだが、基本的にパラメータはそのサーヴァントの本調子の状態に過ぎず、契約したマスターに応じてパラメータには補正がかかる。絶対不動の存在である宝具の威力でさえ、持ち主の魔力供給の程度で切れ味が変動するなど、マスターがコンスタントに魔力供給を行えるか否かが戦闘の情勢に大きく影響を及ぼす。 例として、クー・フーリンとディルムッドはパラメータの表記ではそこまで差がなく、技量自体もクーフーリンの方が上。しかし、マスターからの魔力供給量がクー・フーリンより優れているため、単純な火力勝負ならディルムッドに軍配が上がるとのこと。

パラメータ(能力値)は、奈須氏が昔遊んでいた自作のTRPGシステムの名残りで、A~Eの5種類を筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運の5つにアルファベットが被らないように割り振っているとのこと[出 11]。中にはパラメータが被っているサーヴァントもいるが、それは特例として、Aがない代わりにBが2つや、Aが2つあるがCも3つなど、バランスが崩れない限りアリということになっている。宝具のランクはまた別で自由に設定していいことになっている。

アルトリア(士郎がマスター)はAランクがない代わりにCとBでバランスよく構成され、クー・フーリンは敏捷を中心に身体能力が高く魔術の心得もあるため魔力も並にはあるが幸運で割を食っている、エミヤは総合値が慎二がマスターのときのメドゥーサと同じと低い、メドゥーサ(桜がマスター)は筋力、敏捷、魔力が高ランクな分耐久と幸運が低い、メディアは身体能力系が全て低めだがその分魔力と幸運が高い、小次郎はAが2つあるがEも2つある、ハサンはクー・フーリンと同じ、ヘラクレス(パラメータが狂化込みと仮定して)はパラメータの黄色ゲージを無くしても幸運C、筋力B+、他全てBと他のサーヴァントより高い、ギルガメッシュはアルトリアとほぼ同じであるが幸運がAと少し高めである。 アルトリア(凛マスター)とヘラクレス(狂化)は、そこから全てワンランク上がるが、魔力消費が激しくなるというデメリットを持つ。
ただ、Fateシリーズの場合はこうした能力値とは別のところで、Fateの世界観における総合的なサーヴァントの強さを奈須氏がランク付けしているため、能力値だけで強さが決まるわけではない[出 11]。例えばエルキドゥはAランクであると言われている[出 14]

真名

真名は召喚された者の真の名前、いわば「正体」。真名がバレる事は逸話に基づく弱点が看破される事になるので、可能な限り隠そうとするもの、とされている。彼らがクラス名で呼び合うのは、真名を使うことなく互いを呼び合うためである。
相手に正体が知れるということは、英霊の残した伝説・伝承が知られるということであり、その弱点につながる情報をさらすことにもなってしまう。例としては『召喚されたのがアキレウスであると相手に知られる』=『アキレウスの伝承から、かかとが弱点であることが相手に知られてしまう』など。
……と、言う事になってはいるが、実際には真名の露見が直接的でわかりやすい弱点の露見になったサーヴァントは、ほとんど居なかったりする。それどころか、いずれの戦いでも真名を堂々と名乗った英霊が現われている有様である。

  • 真名が知られれば、その能力も予測は出来るようになる(例えば、メドゥーサの真名を知っていれば、石化の対策を取る事が出来るようになる、など)のだが、それを有効活用した事例はほとんどない。特にクー・フーリンは様々なゲッシュ(誓い)に縛られており、生前もそれが死因となるなど真名露呈が致命的となるサーヴァントの筈なのだが、『stay night』作中において散々に真名を露呈させており、その癖これを突いた敵は存在しない。
    • これは、「相手の弱点を突いて倒そうとするのは、相手がよほど格上でない限り盛り上がりに欠ける」「致命的な弱点を持つサーヴァントを物語に出しにくくなる」と言うメタ的な事情が挙げられるだろう。実際、全員がクー・フーリンの弱点を狙い始めると、名シーンの多くが台無しになってしまう。また、それにも関わらず真名を隠そうとするのも、やはり「サーヴァントの正体を隠して読者の興味を引っ張る」と言うメタ的な事情だろう。
  • また、分かるのはあくまで表面上の情報でしかない。例えば、ヘラクレスは登場時に真名を名乗ったサーヴァントであるが、判明した後も当初はその宝具の内容と能力は余り知られておらず、セイバールートにおいて十二の試練の効果を勘違いした凛は絶体絶命の危機に陥った。そもそも能力が生前と異なるケースも非常に多く、よほど特徴的な能力や弱点を持っていない限りは「真名の露呈が致命的である」とは言い難い。
  • 『EXTRA』ではシステム上、真名の看破が探索に占める比重が大きく、従来の作品以上に真名が重要な意味を持っている。ただこれも「真名の看破がマトリクスの開示につながり、手数の開示率も上げるから」と言う、どちらかというと収集要素的な理由にあり、真名自体を直接攻略の役に立てている訳ではない。
  • 『Apocrypha』には数少ない「真名の露呈がサーヴァントの攻略に繋がった例」があり、ケイローンアキレウスの弱点である踵を宝具で射抜き、ウィリアム・シェイクスピアフランケンシュタインジャンヌ・ダルクに生前の記憶を利用した精神攻撃を仕掛けた。もっともその露呈の原因は「生前の知り合い同士が出くわした」「シェイクスピアの仲間に真名看破スキルの使い手がいた」と言う、どうやっても不可避のものであったが。
    • 同作ではジークフリートも「真名の露呈が弱点を晒す」と言われていたが、結局露呈前に退場してしまった上、その力と姿を借りたジークも相手の矜持からか弱点を突かれる事はなかった。また、アストルフォは「自分は真名の露呈が致命的にならないサーヴァントだから」と判断した上で、自ら名乗りを上げている。
    • ケイローンは生前そのままの姿では簡単に真名が知られてしまうため、幾許かのステータス低下を代償に人間の姿を取って現界している。作中ではアキレウスという生前の知り合いがいたおかげでお互いの真名が看破される結果となったが、外見で真名を看破されやすい英霊に対する救済措置はあるようだ。
  • その他の作品でも、真名からの弱点を突く攻防も一応は存在する。
    • 『Grand Order』の第六特異点にも、生前に毒で死んだ逸話を持つトリスタンを攻略するために毒を中心に用いる戦法を立てるシーンが有る。ギフト「反転」によって完全に阻まれてしまったものの、「反転」によって得た耐性自体が相当なもので、サーヴァントや幻想種すら殺し得る静謐のハサンの毒を受けても全く効果が無かった。そこから逆説的に「生前の逸話からくる弱点」が英霊にとってどれほど重いものかが分かる。
    • イベントでのギャグ混じりの時空ではあるが、チーズの直撃を受けて死んだ英霊を攻略するために投石機でチーズ砲弾の投射を試みるシーンが存在する。こちらはこちらで飛んでくるチーズ限定の反射神経を特訓で身につけるという文字通りの力技の前に打ち砕かれたが、やはりそんな"努力"をしてまで対策するほどの弱点だという事だろう。
    • 本編とは別設定のスピンオフではあるが、『プリズマ☆イリヤ』の対ベアトリス・フラワーチャイルド戦では「敵の真名の看破と対策」が物語の焦点になっており、雷槌ミョルニルを使用する事からベアトリスのバーサーカーの真名を「トール」だと推定し「の英霊を用意し毒を食らわせて九歩後退させて生前の死因を再現する」という周到な作戦を立てていた。結局、正体がその息子である「マグニ」だったために作戦は失敗に終わってしまったが。
      • ただ、こうしたシーンがあり、それだけ重要性が高い事が証明されているにも関わらず、実際有効活用した例がほとんど存在しない、と言う不自然さにも繋がるのだが。上記の例も、物語の盛り上がりを考慮してか、全て失敗に終わっている。話の都合でクローズアップされたり無視されたりする、都合の良いものとして扱われているのが現状である。
      • そもそも死因を自分の武器や宝具にして召喚されているサーヴァント(毒酒で討ち取られ、その毒酒を宝具としている酒呑童子など)すらいる以上、死因が弱点になるかどうかもサーヴァント次第である。
  • 冬木の聖杯戦争において「暗殺者」のクラスの真名自体は開戦当初で確定しているといってよい(ルール違反の例外はある)。だが、その真名から能力を判別する事が不可能に近いので、ある意味では最も深く秘匿された英霊とも言える。
    • 『Apocrypha』では世界各地で小規模な聖杯戦争が多発しているため、19人のハサン・サッバーハ全員の宝具を含めた能力が魔術師に知れ渡ってしまい、マスターのハサン対策は当たり前になっている。
      • ただ、この設定が公開された後に、“山の翁”という「当たり前の対策など本当に出来るのか?」「そもそも小規模な聖杯戦争で召喚出来るような存在なのか?」と言う別格クラスのハサンや、そもそも19人に含まれない番外ハサンである幽弋のハサンなどが登場しているため、今も生きている設定かどうかは若干怪しい。そもそも、『Apocrypha』の登場人物達は(ハサンが登場しないので結局は無意味になる、登場後に設定されたハサンは対策しようがない、等の事情も有るにせよ)特にハサン対策を行っているようには見えない。
  • 真名は必ずしもその英霊の生前の本名と一致しているとは限らない

知名度と強さ

サーヴァントのステータスを左右する要素には土地、知名度、マスターの魔力の3つがある。
土地と知名度についてだが、これは英霊の伝説の舞台となった土地(文化圏)に近く、知名度が高いほど強い。 ここでいう“強い”とは、より伝説どおりの強さ、装備に近づくという意味。 また、マスターの魔力が強い場合も、サーヴァントは伝説通りの強さに近づく。 また逆に、伝承に記されている武装や能力があったとしても、召喚された地ではまるで知られていないようなマイナーな存在であった場合、サーヴァントとしてはその能力を備えないといったペナルティともなりうる。

例としてクー・フーリンは、ゲッシュによってアルスターの戦士達が眠りにつく中、ただ一人その出自に起因する「不眠の加護」を持っていたため、それを免れた。しかし、サーヴァントとしてこのスキルは持っていない。また、スキルだけでなく戦車と城といった宝具もオミットされている。作中では「この聖杯戦争の舞台が日本でなければ、ヘラクレスやアーサー王に並ぶ光り輝く存在だったろう。」と説明されている。

知名度補正はその英霊本人の物のみならず、その英霊がモデルになった何かを通して受ける事も可能。一例としてケイローンの補正には彼がモデルになった星座(射手座)による物が含まれている事が示唆されている。一方「吸血鬼ドラキュラ」に浸食されてしまっているヴラド三世の様に、それが英霊の実像とかけ離れていた場合は「無辜の怪物」等の形で思わぬ影響が出てしまう可能性もあり、必ずしもメリットばかりとは言えない。

この知名度補正は「その時、その場所で、どれだけの人に、認知されているか」というものであるので、当然時期によっても左右される。「昔は有名だったが、この時代では忘れ去られている」、「未来では知られているが、今はまだ知られていない」等といった場合も例外なく弱体化する。

確かに知名度が高いサーヴァントであれば、どこが舞台になろうと輝く存在となるだろうが、世界規模で知られているような英雄は10人しかいない。
そのうちの2人は、ヘラクレスアキレウスであると判明している。

逆に第五次聖杯戦争のアーチャーであれば「元となった人物が活躍し死亡した世界線の後の時代」と言う、第五次聖杯戦争の後の時代で召喚されない限り「未だ産まれていない英雄」なので知名度補正はあらゆる地域で皆無となるであろう。

なお、この補正とは「伝説の再現度」と言う意味である。サーヴァント化したことによる最低限の肉体の強化、マスターからの魔力供給・令呪によるブースト・聖杯から与えられる知識とクラススキル、各自の伝承によって後天的に付加される固有スキルを除けば、知名度の補正によってサーヴァントが元となった英霊より強くなる事はない。
しかし、民間信仰等によって神に祭り上げられた逸話を持つサーヴァントの場合、知名度補正によって神性属性が付与される場合がある。

サーヴァントは魔術師のように自然から魔力が提供される訳ではなく、基本的に自分の魔力で活動する。それを補充するのがマスターで、サーヴァントは自分の魔力プラス、主であるマスターの魔力分しか生前の力を発揮出来ない。また、器にも限度があることから能力値以上の貯蔵は出来ない[出 15]

英霊の格

サーヴァントとしての能力は英霊の格によって変わる。「生前、どれくらい強かったか」というのもあるが、その能力を「知名度」がどれだけ支えられるかによって能力が決まる。 生前何をしたか、どんな武器を持っていたか、というのは不変のものだが、基本能力はその時代でどのくらい有名なのかで変わってくる。 英霊は神のような存在のため、人間に崇められれば崇められるほど強さが増し存在が濃くなる。

信仰を失った神霊が精霊に落ちるのと同様、人々に忘れ去られた英雄にはそう大きな力はない。だが忘れられていようが知られていなかろうが、元が強力な英雄だったらある程度の能力は維持できる。 多くの人が知っている英雄で、かつその武勇伝も並はずれていたら間違いなくトップレベルの格である。 このことからヘラクレスは「Aランクのサーヴァント」と凛から称されている。 知名度が関わってくるため、召還場所や時代によってこの格は変動する(クー・フーリンは欧州であればヘラクレス、アルトリアと同格になるとされる)。

凛の説明によると、相性によっては格上の相手に勝利することもあり、過去4回の聖杯戦争で知名度の低い英雄が大英雄を打ち負かしたこともあるらしい。第四次で言えばギルガメッシュVSイスカンダルがこれにあたる。ギルガメッシュはSNの作中では日本で知っている人なんていないと言われるくらい知名度が低いと説明されており、キャラクターギャラリーでも最古であるが故に無銘の英雄とされている(逆に言えば知名度に影響されず最強格ということになる)。

攻撃性能

攻撃能力においては「だいたい戦闘機一機分」、破壊力においては「近代兵器のほうが強力なものが多い」とされるが、霊体であるため通常攻撃が効かない。[出 16]。マスターが倒された「マスター不在のサーヴァント」であれば代行者レベルでも勝てるとのこと。

――サーヴァントの強さとは、どれくらいなモノなんでしょう?

奈●これはですね、攻撃能力はだいたい戦闘機一機分なんですよ。戦闘機は個人で立ち向かうには強力すぎる力をもっているけども、ひとつの町を滅ぼすには何度も補給しなければならない。ただ連中(サーヴァント)が厄介なのは、奴ら霊体なので通常攻撃が効かないんですよ。破壊力においては近代兵器のほうが強力なものが多いんですけど、通常攻撃が効かないと言う時点でいまだ最強。で、戦闘機も核弾頭を搭載できたりするように、宝具をそれぞれ備えており、中にはとんでもない宝具を持ってる奴がいる。だから、強さは戦闘機ぐらいだと言うのがイメージしやすいかなと。


破壊力においては「近代兵器のほうが強力なものが多い」とされ、人間を相手にする場合は圧倒的だが、ひとつの街を滅ぼすには何回も補給する必要がある。ただし、上述の設定はあくまでStayNightの頃に生まれた設定であり、現在では攻撃性能としては常人よりも少し上というレベルの、戦闘が不得意なサーヴァントも少なくない。

作中では『神秘の有無に関わらず。人類文明のもたらす数々、たとえば戦車の一個師団なり戦闘機や戦艦の襲来さえをも、きっと、彼らはこうして打ち砕いてしまう』とも言われ、その身に秘められた特性の多くは通常の生物を遙かに超えた人型を保った戦闘用兵器であり、「多くの現代兵器をも凌駕する」とされている。

第四次聖杯戦争の折、バーサーカーが戦闘機を宝具化してセイバーを襲撃した際は、セイバーはマスターを守らねばならず、戦闘機のバルカンは威力が大幅に向上していたとはいえ機銃だけでセイバーを防戦一方へと追い込んで、敗退直前まで持ち込んみ、同じく第四次聖杯戦争時、同じくセイバーを、バーサーカーが宝具化させたサブマシンガンを用いて迎え撃ち、これまた同じく防戦一方へと追い込んだ。

ただ、サーヴァントの間では「銃よりも剣のほうが強い」というのは共通認識のようで、銃器が大きな効果を発揮できるのは大火力での面制圧が中心となっている。そのため戦闘機一機分というのはあくまで例えであり、攻撃能力とサーヴァントの実際の戦闘能力が必ずしも等しいわけではないということは留意しておくべきだろう。例:未遠川決戦で使用されたエクスカリバー(空想読本)「TNT換算で約23万t分の熱量」

メタ的なことを言ってしまうと、Fate/stay nightの舞台である冬木は大都市とはいえ一都市に過ぎないため、普通に考えて戦闘機を超える性能7機が暴れるとあっさり地図から消えてしまう。神話では宇宙レベルだとしてもサーヴァントの器では制限があるため弱体化されるなど上手いこと設定されている。

しかし戦闘機が核弾頭を搭載できたりするように、中にはとんでもない宝具を持つものもいるとされ、使い方によっては一度で街を壊滅させる規模のものを持つサーヴァントも存在している。

例としてFate/strange Fakeにおける偽アーチャーと偽ランサーの宝具の打ち合いは『膨大な熱と圧力によって表面がガラスへと変わり果てた、半径数kmに及ぶ巨大なクレーター』を生み出し、これが市街地で解き放たれていたらスノーフィールドの街は地図からその名前を消す事になっていたといわれている。Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツのランサーの原初のルーンによる隕石は『東京全土とまでは至らずとも、地表に激突すれば幾万の命が奪われる』規模であり、ライダーの「光輝の大複合神殿」によるデンデラの大電球は米海軍太平洋艦隊イージス艦数隻を蒸発させ、『全力を以て放たれれば、恐らくは東京全土を炭化させるに十分な熱量を有している』とされる。ロード・エルメロイⅡ世の冒険では、グレイの「最果てにて輝ける槍」は本人が扱いきれないためランクダウンしているが、それでも『小島ひとつぐらいならば地図から消滅させかねない』としている。

このような大規模の宝具は、神秘の隠匿のルールや街中での被害を考慮し場所によって使用を控えたり、出力を絞ることで対処している者もいる。アルトリアの「約束された勝利の剣」はFate/hollow ataraxiaでは高層ビルを遥かに超える大きさの光の斬撃を放ち、Fate/Zeroにおいても100mを優に超えるサイズの大海魔全てを覆う規模の光帯を放っているが、この規模の火力なら2~3秒の溜めが必要のようでも、出力を絞れば1秒未満で放つことも可能である。

宝具によらない通常攻撃の威力に関しては、筋力A~A+でCランク宝具並の威力とされている。例としてFate/stay nightのアーチャーによる弓矢の攻撃は「戦車の砲撃に匹敵」し、魔力を篭めた干将・莫耶による一刀は鉄塊さえ粉砕するとされる。キャスターは家や屋敷を跡形もなく吹き飛ばすとされる、Aランクの魔術による光弾を雨のように繰り出し、Fate/Labyrinthにおいてもその面制圧力で数千規模の食人昆虫の群れを瞬時に仕留めている。Fate/Apocryphaにおける黒のアーチャーの矢は「ミサイルに等しい破壊力」をもち、Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツのセイバーとプロトバーサーカーの剣と石斧による剣戟は、「一撃ごとに大型車両の激突や飛行機落下をも超える運動エネルギーが繰り出されている」と描写されている。また、サーヴァントのスキルに換算するとDランクの魔力放出に相当するグレイの破城槌による攻撃は、致命傷にならないようにと考えたうえでも「戦車の装甲だって粉砕する一撃」とされる。

これらのサーヴァントの攻撃や移動で発生する風圧や衝撃波などの余波だけで、アスファルトや石壁、街灯や窓ガラスなどといった周囲の物がよく破壊されている。

単純な膂力についてパラメータの詳細は後述するが、肉体的な力の強さとされる、筋力ステータスの如何に問わず常人離れした力を見せている者が多い。

例としてランクの低い者でも、ジル・ド・レェは片手で子供の頭を握り潰し、アタランテは素手で殴って石造りの建物を粉砕している。マルタは超高密度のチョコダンベル(1t)が混入していても言われるまで気付かず持ち歩き、筋力が最低値のアナスタシアでも、作中で魔術込みかとも疑われているがイヴァン雷帝(2548kg)を担いでいる。

高い者になるとメドゥーサは「無限の残骸」による怪物の頭を握り潰し、ロードローラーを投げてまとめて押し潰したり、アキレウスはジャンボジェット(約300t)を押し返し、大破したら蹴り飛ばして投擲武器にしている。シグルド(赤目)はシャドウボーダー(136.09t)を持ち上げて投げ飛ばし、アステリオスは重傷を負った体で船底に穴の開いたガレオン船を持ち上げて島まで泳ぎ、修復したあとは持ち運んで海に戻している。

このような常人離れした腕力のため、アキレウスやケイローンが素手で常人にストレートやレバーブローを放てば頭部が粉砕し、肝臓どころか臓物全てが砕けて混ざりミンチになると言われている。実際にスパルタクスはゴーレムを殴って微塵に粉砕していた。また、アルトリアはドラゴンゴーレム(1万t)による超質量による踏みつけ攻撃を刀身で受け流して相手の姿勢を崩したり、イスカンダル共々走行中に数tはあるとされるコンクリート塊を互いに剣で叩き返している。

比較として、魔術師ならコルネリウス・アルバは人間の生首を素手で万力のように押し潰し、バズディロットは片手の腕力だけでグランドピアノを床から持ち上げて運んでいる。スヴィンが獣性魔術を用い更に「月霊髄液」で武装してヘファイスティオンと打ち合った時は、さして力を入れている風でもないのに爪を弾かれたスヴィンが一瞬たたらを踏むほどの力の差があった。聖堂騎士のリーズバイフェのパンチ力は平均2t、自己記録は16tと発言しており、死徒であるジェスターは片手で車を持ち上げ野球ボールのような勢いで投げ付けている。アインツベルン製のホムンクルスであるリーゼリットはメドゥーサと互角の腕相撲ができるとされ、能力値的にはB-相当の筋力と言われている。

防御性能

通常の物理的な攻撃に関しては霊体であるため全く効かない。どんなに弱いサーヴァントであろうと神秘がなければ核弾頭が直撃しても傷ひとつつかない。ただし魔力が絡んだ物理的な現象、例えば神獣が吹き飛ばした瓦礫の破片による散弾など、魔力を有した攻撃のもたらす付帯効果ならば影響を受けることもあるとされる。また相手の攻撃に限らず、魔力の一切介在しない物理的エネルギーでは肉体への影響は薄いとされている。

そして、大なり小なり必ず再生能力を持っており、五体が砕けようとも霊核さえ無事なら修正は利くと言われている。強度も人間よりかはある模様で、常人だったら身体が粉砕されるような打撃を受けても重症にはなっておらず、深海に潜ってダイオウグソクムシを取ってきたランサーもいることから、常人ならば水圧で潰れてしまう深海でも問題ない耐久力がある。また、Fate/Apocryphaでは上空7500mから叩き落とされても死ぬとは考えられておらず、中には上空20kmから落下したサーヴァントも存在している。

とはいえ、何らかの防御に関するスキルや宝具がないのなら、サーヴァントを倒すのに強大な破壊力は必要なく、矢1発のリソースでも当たりどころが悪ければ死んでしまう。しかし、たった1本の矢を避けることなどサーヴァントにとって造作もなく、矢1発の規模で確実に仕留めるにはゲイボルクのような宝具が必要となる。また、人間相手なら心臓を破壊するだけで即死となるが、サーヴァントには心臓を破壊しても即死せずに短時間は戦闘能力を残すものもいるため、体内殲滅まで含めることで即死と見なされる。

結果的にサーヴァントの戦いは大砲級のリソースの撃ち合いになり、数回戦ったら休まざるをえない。

移動速度

例)

  • グレゴリー・ラスプーチン「時速90km」
  • クー・フーリン最高速度(空想読本)「時速194km」
  • ヘシアン・ロボ「時速200km~」
  • キングゥの飛行速度(神代の魔力濃度の中で)「時速500km」
  • アキレウス(踵を射たれ速度7割減)「音速(時速1‚225km~)」
  • 令呪で跳躍したアルトリア(空想読本)「音速の6倍(時速7,408km)」
  • ボイジャー「第3宇宙速度(概算でマッハ49前後、時速60,100 km)」
  • オキタ・J・ソウジ「亜光速(秒速299,792km)」

クーフーリンは平均速度ではメドゥーサに劣るが最大速度はメドゥーサを超えるとされており、同じ敏捷Aでも基準が異なっている。

ヘシアン・ロボの速さで、走ってるのが狼であることも含めて作中一部のキャラには驚かれており、アルトリア・オルタのキュイラッシェ・オルタとチェイス出来る速度である。一方で、ナポレオンには英霊の脚力なら時速100km、200kmはどうということはないとも言われており、Fate/Zeroにおいてアルトリアは「サーヴァントならではの脚力を駆使して、ジェット戦闘機に拮抗するほどのスピードで並走した」と描写されていることから、最大に見積もると時速3,017kmで走ったことになる。そして、4kmの距離を瞬時に移動する為に令呪を使用された時は、「伝説の時代、あらゆる戦場を制した騎士王が蘇る」と語られており、生前は令呪がなくとも同様の跳躍ができたようだ。キングゥは聖杯を心臓としているためエルキドゥより出力が上がっており、エルキドゥもここまでの速度は出せないとのことだが、神代の魔力濃度の中だと飛行速度に何らかの影響があるようである。関連があるかは不明だがFate/Apocryphaでも「虚栄の空中庭園」の魔力が干渉し、接近するにつれて飛行機の速度は落ちていき最終的には時速300km程度になっている。アキレウスは2部5章で7割減でも音速で動いていることから、万全の状態は少なくとも音速の3倍を超えていることになる。また、アタランテも万全のアキレウスの速度に勝るとも劣らぬとされ、7割減の状態だと両者には圧倒的な格差が存在すると言われている。ボイジャーは実際に第3宇宙速度を出して太陽系から離れつつある。オキタ・J・ソウジはギャグ時空による強化も含まれるので例外。

比較として、現実世界の人類最速であるウサイン・ボルトが時速44.6km、凛の魔力を使った全力疾走が「屋上から校庭までの100m以上の距離を7秒かけずに走った」ことから時速60km以上、不確かな足場と乱立する木々の中で、イリヤを抱えて走る言峰とエミヤの腕を移植して身体能力が向上した士郎は時速50kmとされている。ゲリュオンが作成した使い魔であるアッシュボーンの獣は時速300kmで跳び回れる身体能力を持っていた。

一方で長距離の巡航速度ではなく、剣戟や踏み込みのような瞬間的な速さはその限りではなく、音速や超音速で動いている描写も珍しくない。

例としてFate/stay nightでは、以前受けた傷がそのままな上に泥の浸食で五感のほとんどを失ったボロボロの状態だが、黒化バーサーカーの斧剣を振るう速度は音速とされ、士郎の振るった「是、射殺す百頭」は音速を超えた神速と記述されており、真アサシンの短剣を投げた際の腕の速度も音速とされる。Fate/Zeroにおけるセイバーとランサーの2回目の戦いは『音速を超えて光速に迫り、観測が意味を失う領域の瀬戸際で極限の冴えを競い合っていた』とされ、Fate/Labyrinthのゴーレム複数と戦うセイバーの動きは弾丸より遙かに速いと言われ、ノーマには妖精眼による視覚情報の調整がなければ迅すぎて姿がまったく見えないとされている。またグレイとヴォルフガング・ファウストゥスの戦闘は『絨毯を駆ける姿。壁面を駆ける姿。それらの僅かな残像さえ、すぐに、消えてなくなる』、『衝撃が周囲の空間に放たれるのにやや遅れて、耳障りな金属音が連なっていく』と描写されている。Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツのアーチャーとの戦闘時のアサシンはまだ自身の最速を見せていないとしながら、視覚強化の魔術を施した魔術師の目でも『幾らかぶれた残像程度しか認識できない』、『物理さえ超えて音速のやり取りを繰り返す英雄たちの戦い』と描写され、Fate/Apocryphaでは赤のアサシンと戦闘時の赤のセイバーの突貫は『音速で玉座に辿り着き、刹那の猶予も与えずに女帝の首を斬るだろう』とされている。また、魔力放出も使用しているが黒のセイバーに向かっての赤のセイバーの踏み込みは『大地を揺るがし、突撃速度は音速の壁を突き破る』とし、黒のライダーのヒポグリフを追随し飛行し続けている赤のランサーはジーク目掛けて『音を凌駕する速度で飛び込む』と描かれている。

余談だが、魔術による光弾やアーチャークラスによる矢の速度も音速、超音速と描写され、サーヴァントが90度の壁面を2本の足で疾走する様子なども、歴代シリーズでは多々存在している。

尚、ただ単に音速突破する「だけ」であれば現実における生身の人間でも可能であり、牛追い鞭などを大きく振りかぶった時に響く破裂音は「音速突破によるソニックブーム」が原因である。

しかしそれは軽く柔軟な素材の道具に遠心力を最大限生かした末の成果であり、単純な膂力や脚力で音速突破するサーヴァントはやはり別格の存在と言えるだろう。

サーヴァントVS人間

人間でも魔力・神秘・年月の重みを纏った武器で殴ったり、斬りつければ一応ダメージはあるが、蚊が止まるようなダメージしか与えられない。これは神秘はより強い神秘の前に無効化されるという法則のためである。サーヴァントは霊体ということもあるが神秘そのもののため、身に纏う鎧に傷をつけるだけでも魔法か、神域に棲む幻想種聖典クラスの武装宝具(サーヴァントと同じレベルの神秘を持つため)、令呪10画以上のブースト等が必須になってくる。

例えそれは戦闘力の低いアサシンが相手でも例外ではない。言峰は「常人離れした戦闘力」、「前回の聖杯戦争から残っている令呪数画」及び「黒鍵10本」を持っていたが全弾直撃させたとしても真アサシンを倒しきれないとされている。しかし、これはあくまで人間がサーヴァントと戦う場合の話である。サーヴァント同士の場合は『同じレベルの神秘による攻撃』となり、傷つけるだけならそこまでの武装は必要としない。凛曰く、同じサーヴァントならペーパーナイフを持って切りつけるだけで傷をつけられる。

また生身の人間でも英霊の宝具や、それに匹敵する神秘を宿した道具を扱うのであれば話が変わる。これは『同レベルの神秘を持つ武器による攻撃』となるためで、宝具であるならば投影品でも構わないし、聖骸布などの現代まで残された宝具相当の物品や、伝承保菌者により新造された宝具に匹敵する神秘を宿した武器など、人間がサーヴァントを殺傷するに足りうる例外は「用意出来るか否かは兎も角」幾つか存在する。


物理攻撃だけでなく、三騎士やライダークラスにはクラススキルとして対魔力を与えられるため魔術攻撃に耐性を持つ者も多い。現代の魔術の最高ランクはAのため、Aランクの対魔力を所持されてる時点で一切傷つけることが出来なくなる。どちらにしろ、Aランク魔術の発動となると十小節以上からなる瞬間契約(テンカウント)などの長い詠唱が必要になり最低でも約10秒、何らかの魔術礼装や魔術刻印の補佐などがなくメディアと同規模の魔術を行うとすれば、一人前の魔術師でも1分、高速詠唱を用いる魔術師でさえ30秒はかかるためサーヴァント相手では現実的ではない(シングルアクションで扱える宝石魔術は例外)。

マスターを失ったサーヴァントでようやく代行者が勝てるレベルになる。歴代シリーズ中幾度となくただの人間にサーヴァントが殺傷されるシーンが描かれるが、それらは概ねきちんとした理由あってのことであり、二度同じことが成立するものは少ない。

なおこの法則はサーヴァントが人間より格上だから優位性を保っているだけであり、サーヴァントもより強力な神秘を持つ相手の前では同じ状況に陥る。同じサーヴァント間の格の差くらいではならないが、霊基自体が格上のグランドサーヴァントが相手の場合は全くダメージを与えられなくなる。

サーヴァント同士の戦い

きのこ氏曰く『Fate』は「数値ではなく概念的な勝負」という方向性で作品を作っているとのこと。能力値とは別の総合的な強さはきのこ氏が決めており、正確な強さはきのこ氏にしか分からない。「ルールのぶつけ合いによる戦い」とされているように、英雄の能力は言葉遊び的な『~より強いが~には負ける』というものなので、相性というものがある。たとえ勝率が高いオールラウンダーな者であったとしても苦手な相手は必ず存在するとのこと。

同じサーヴァントという規格でも宝具により一定以上の"格"(ランク)の攻撃でなければ攻撃が一切通らない例外もいる。ヘラクレスの「十二の試練」は威力ではなく攻撃の神秘性を重視した守りでありAランクに達しない攻撃は全て遮断する。結果的にヘラクレスとまともに正面からやり合うには、英霊の中でも一流であることが要求される。ある意味擬似的にサーヴァントの中で"格"の優劣を再現している。

平均的サーヴァント

  • マテリアル等で比較のために時折言及されるため、ファンからその定義についてよくネタにされる。ただし、頻繁に言及されているイメージがあるが実際にこの通りの記述で使用されることは意外と多くはない。
  • 例えば、奈須きのこが27祖やシエルなどの月姫キャラクターとの比較等で用いていたサーヴァントの例は平均的宝具を持つサーヴァントであり、平均的なサーヴァントとはされていない。アポクリファマテリアルで言及されたゴーレムケテルマルクトとの比較のサーヴァントも、ステータス平均Cランクのサーヴァントと定義が明確になっている。
    • また、ここでいう平均的宝具についても、定義が明言されており、宝具のレベルはB、能力が数値で表せられるものが平均的な宝具とされる。例としてあげられているのが、壊れた幻想(-)、風王結界(C)、突き穿つ死翔の槍(B+)。逆に効果が概念的なものや運命干渉系で能力が数値で表せないもの、「刺し穿つ死棘の槍」などは平均的な宝具からは除外される。

吸血鬼/死徒などとの比較

  • (30%制限がかかっている通常時の)アルクェイドと比較して彼女の四分の一(アルクは強さが4倍であって、個体能力では2倍程度)。単独では勝負にならないが、二対一で、片方が防戦に徹してもう一方が背後を突くならば勝機はある。
    • また、バックアップである星からの絶対命令として相手の強さよりやや上の出力しか許されないアルクェイドに対して、武装が豊富で用途が多岐に渡るギルガメッシュはその特性上、非常に相性が良いサーヴァントとして名を挙げられている。
    • ゲイボルク(刺し)の特性上、いかにアルクェイドが能力値的に凌駕していようと、クー・フーリンにも運次第でコロっと殺されるとのこと。
  • 二十七祖と五次サーヴァントが戦った場合は相性の問題もあるが基本的にはサーヴァントがやや有利。特に三騎士と二十七祖の戦いは安心して見守れるという。
    • 二十七祖のような物量と異質さで圧すタイプ相手にはエクスカリバーがめっぽう強いものの、中にはその火力で斃しきれないタフな祖もおり、そういった高HPを持つ相手に対してはクー・フーリンが強い。
  • Fate以外のキャラが平均的宝具(レベルB。ただし運命干渉系を除く)を持つサーヴァントと一対一でやりあうと
  • サーヴァントと二十七祖が戦った場合、どちらも神秘に生きるものでありお互いにお互いを殺す手段を持つため、どちらが強いかは「状況次第」「どっちもどっち」となる。ただし地球上のルールが成立しないORT、霊長に大して超有利を持つプライミッツ・マーダーは別格。

インフレ

シリーズ展開の拡大に伴ってサーヴァントの性能がインフレを起こしており、街1つでは収まらないレベルになってきている。既存のキャラの描写も派手さが増し明らかに原作より強力になっている傾向にある。

中にはFate/strangefakeの舞台であるスノーフィールドのように、最初から聖杯戦争の実験場となるために設計された都市もあり、公共施設や道の配置、看板、街路樹などにある魔術的な記号と特定の心理効果を誘発する配色による暗示、最初から隠蔽で使い潰すために作られたガス会社、目立つ被害の一部は国家の一部機関によって隠蔽され、最終的には街と80万人の住人、土地の御破算も含めて織り込み済みという綿密な下準備が為された上で参加者も神秘の秘匿に気をつかっていたりするが、それでも3日目でほぼ限界を迎えていたりする。

異例

オルタナティブ
何らかの理由で反転状態にあるサーヴァント。
詳細は「オルタナティブ」を参照。
バーサーク・サーヴァント
聖杯の力により属性や伝説の有無に関係なく「狂化」を付与されたサーヴァント。
詳細は「バーサーク・サーヴァント」を参照。
グランドサーヴァント
人理を護るその時代最高峰の七騎としてクラスの頂点に立つ「冠位」のサーヴァント。
詳細は「グランドクラス」を参照。
トップ・サーヴァント
大英雄として広く伝わる英雄の中の英雄、または通常の七分類とは異なる特殊クラスで召喚された七騎の英傑。
詳細は「トップ・サーヴァント」を参照。
疑似サーヴァント
何らかの理由でサーヴァントとして召喚できない英霊を人の器に入れることによって無理やり召喚したもの。
詳細は「疑似サーヴァント」を参照。
デミ・サーヴァント
人間がサーヴァントと憑依融合した存在。
詳細は「デミ・サーヴァント」を参照。
複製サーヴァント
サーヴァントの霊基情報を、とある「素材」と、膨大な魔力量を用いて作成された、いわゆる「違法コピー」。本物とは遜色のない能力を有している。
とある「素材」はサーヴァントを複製するのに必要なリソースを、例えば海の水ほどに「大量」であるところをプールの水程度の「大量」にまで減らすことができるという。
幻霊
英霊に至れなかった存在。虚構の存在であったり、成立するためのそれ相応の理由もなかったもの。
詳細は「幻霊」を参照。
ハイ・サーヴァント
複数の神話エッセンスを合成して作られた人工サーヴァント。
詳細は「ハイ・サーヴァント」を参照。
英霊剣豪
“一切鏖殺”の宿業を埋め込まれて英霊本来の霊基を歪められ、変生して凶暴性の塊のようになったサーヴァント。霊基を砕かれ再構築されたモノ。
詳細は「英霊剣豪」を参照。
異聞帯の王
異聞帯に存在する王。全員異聞帯では生身の状態。異聞帯が切除された後、サーヴァントとして召喚される。
詳細は「異聞帯の王」を参照。
うどんサーヴァント
うどん生地を触媒にして生み出されたサーヴァント。
詳細は「うどんサーヴァント」を参照。
贋作英霊
ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕に作られた贋作のサーヴァント。サーヴァントであるが純粋なサーヴァント、純粋な英霊ではない。
詳細は「贋作英霊」を参照。
サンタサーヴァント
サンタクロースに霊基を変化させたサーヴァント。
詳細は「サンタサーヴァント」を参照。
水着サーヴァント
霊基が変化し、水着に着替えてクラスチェンジしたサーヴァント。
詳細は「水着サーヴァント」を参照。
シャドウサーヴァント
サーヴァントの残留霊基。英霊の霊基を模した偽物、影のようなもの。
詳細は「シャドウサーヴァント」を参照。
概念英霊
人間の創造物が意思を持ち、或いは人々からの幻想を集めて英霊になったもの。
チョコ英霊
歴史に刻まれたチョコレートの英雄。独裁者の愛したチョコ、偉業を成した冒険家の命を救ったチョコ、数多の人を殺した反チョコなど。チョコレートの英霊が集う場所、『座』は確かに存在している。チョコラミスは術式を使い、その記録を座からダウンロードして七騎のチョコ英霊を召喚し、チョコ聖杯戦争を行った。
準サーヴァント
サーヴァントの形の一つ、詳細不明。現状、宇津見エリセ (Grand Order)しか例がない。
特定の英霊や神霊と融合したわけでもないのに日本神話に関する姿をして宝具を使用するなど、謎が非常に多い[注 9]

メモ

  • Fate/zeroのキャスターについて。虚淵「キャスターがあまりに苦しすぎて、中国の仙人とかにしようかな、と相談したんですが。そこで西洋縛り、というルールを聞いたので。」
    • そもそも仙人は強すぎるというのもあるとのこと。
  • 「EXTRA」の聖杯戦争には、東洋の英雄がサーヴァントとして召喚されているが、きのこ氏曰く「禁じ手、解禁」。「EXTRA」は世界そのものがイレギュラーで、聖杯戦争のシステム自体がこれまでとは異なるので、東洋の英霊もアリにしようとのこと。

脚注

注釈

  1. 他の呼称として「“外部”からのマレビト」「人類史に残った様々な英雄、偉業、概念」「そういった星の記録じょうほうを霊体として召喚したもの」「人類史を兵器とする画期的な存在」「歴史的英雄の召喚、神話の再現による圧倒的な力の実態化」「根源の座より来たる、死者の精霊」「死者の記録帯」「人類史に刻まれた影」「虚ろの人々」「人の世の歴史に刻まれて、現世へと降りてきた影法師」「英霊に昇華された者の擬似的再現」「ヒトの亡霊もどき」「人理の影法師」「世界への仮初めの客」「人類史の記録、成果」が挙げられる。
  2. ただし肉体に精神が引っ張られる為か、未来の記憶に実感がわかない事もある。
  3. 汎人類史側でありながら異聞帯の外見で召喚されたイヴァン雷帝項羽キングゥのスキルや戦闘能力を所有しているエルキドゥ、後天的に「狂化」を付与されたことで『吸血鬼』要素が強まりバーサーカークラスで現界したApocryphaのヴラド三世などがこれに該当する。他にも本来のバーサーカーとは違うクー・フーリン〔オルタ〕や同名のよく似た別人に当たるブリテン異聞帯のモルガン、並行世界の存在である女性の宮本武蔵や男性のアーサー・ペンドラゴンが召喚可能になったのもこの影響を受けている。
  4. 作中では両儀式『両儀式』セイバーのアルトリアアルトリア・キャスター酒呑童子伊吹童子が該当する。
  5. 具体的には神霊に属するもの、本来は存在しないもの、全盛期以外の肉体年齢のもの、ifの可能性の存在などが該当する。
  6. TVアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』のシナリオ草案では金羊の皮に変更された。
  7. 所謂イベント毎に配布される、霊基再臨のセイントグラフが変化しないサーヴァントがこれに該当。
  8. 佐々木小次郎のように異常な召喚や、エーデルフェルト家のように同一の英霊を複数の側面から呼び出す魔術的特性を持つ場合は例外
  9. エリセの家族関係から類推して、人間とサーヴァントを両親に持つハーフではないかと読者の間では噂されている。

出典

  1. コンプティーク VOL.2 Fate道場出張版
  2. 『ハロウィン・カムバック!超極☆大かぼちゃ村~そして冒険へ……~』第十四節「歌を歌おう」。
  3. きのことたかしの一問一答 in 劇場版Heaven´s Feel
  4. 『Fate/complete material Ⅲ』p.132-133
  5. 『Fate/Grand Order』幕間の物語「戦う理由」
  6. 『Fate/Grand Order』曜日クエスト「種火集め<四騎編>」、「モンスター狩り<四騎編>」、「四騎と対決」
  7. 『Fate/Grand Order』FGO夏祭り2016~1st Anniversary~福袋召喚「四騎士召喚」、福袋召喚2018「四騎士+アルターエゴ+フォーリナー召喚」
  8. 『Fate/complete material Ⅲ』16ページ「サーヴァントのステータス」より。
  9. 9.0 9.1 9.2 『Fate/Grand Order』幕間の物語「マスターの条件」より。
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 『死界魔霧都市 ロンドン』第3節「魔霧は嘲笑う」より。
  11. 11.0 11.1 11.2 「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは
  12. 12.0 12.1 『Fate/side material』Fate用語辞典「パラメータールール」
  13. 『Fate/character material』宝具であるゲイボルクについて
  14. 小説版『Fate/strange Fake』第2巻 あとがき
  15. Fate/stay night Fateルート 四日目夜
  16. 『Fate/stay night Premium Fanbook』p.47

関連項目

サーヴァントの一覧
サーヴァントが持つ固有の能力を概念化したもの。
彼らの持つ最終武装。生前の偉業を元に形を為した「物質化した奇跡」。
『Fate/Grand Order』で登場するサーヴァントの一覧。