ジーク

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ジーク
外国語表記 Sieg
年齢 0歳
身長 165cm
体重 53kg(物語開始当初)
特技 なし
好きな物 なし
苦手な物 なし
天敵 天草四郎時貞
声優 花江夏樹
デザイン 近衛乙嗣
イメージカラー 透明
初登場作品 Fate/Apocrypha
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概要[編集]

Fate/Apocrypha』における主人公。ユグドミレニアに造られた、儚げなホムンクルスの少年。

略歴
ユグドミレニア一族により、アインツベルンの技術を流用して作り出されたホムンクルス。彼を含むホムンクルスたちは元々、サーヴァントの宝具や自己治癒、魔術行使などによる魔力供給を肩代わりさせられるために生み出された、ただ消費されるだけの自我無き生命だった。だが、奇跡的な確率で自我に目覚めた彼は死への恐怖から魔術回路を駆動させ、魔力供給槽からの脱出に成功する。しかし、歩くことすら設計されていない欠陥を抱えた体では城の外までは逃げられず、命運が尽きようとしていたその時、黒のライダーに助けられる。
その後、赤のバーサーカー襲撃の混乱に乗じ、ライダーの助けを借りて脱走を試みるも、ダーニックの命で捕縛に現れたゴルドに暴行を受け、瀕死の重傷を負う。だがライダーに英雄としての誇りを問い質されたジークフリートによって、彼の心臓を与えられ、蘇生に成功。サーヴァントの心臓を取り込んだことで肉体が変化し、錬金術の永い歴史の中でも例のない存在となる。
それまでは無銘のホムンクルスだったが、恩人であるジークフリートへの感謝の念を込めて、この時から「ジーク」と名乗るようになった。
ライダーと互いに別れを惜しみながら別々の道を行くこととなるが、事情を確認するために現れたルーラーと出会い、同胞を救う手段を求めて彼女と行動を共にするようになる。その後、戦場でホムンクルス達を説得しながらライダーを探し、赤のセイバーの前に絶体絶命の窮地に陥っていた彼を救うため剣を取り、その戦いの中で特殊な令呪「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」を左手に発現させ「黒のセイバー」として復活を遂げる。
戦闘終了後、ライダーを奪われたと嫉妬に狂うセレニケに襲撃されるが、偶然通りかかった赤のセイバーに救われ、難を逃れる。そしてマスターを失ったライダーを消滅から救うため彼と契約を交わし、フィオレとの交渉の結果、ホムンクルス達の解放にも成功した。
直後に現れたキャスターの『王冠・叡智の光』をルーラー・アーチャー・赤のセイバーと共闘し、炉心を破壊する大戦果を挙げる。そして「ルーラーから聞いた聖杯戦争の異常」、「ライダーへの恩返し」、「フィオレがジークからの要求を呑む交換条件として提示したユグドミレニアへの協力」と複数の理由からマスターとして正式に参加する資格と戦う理由を得て、同盟に参加する。この際に、彼の命を削る事を危惧したルーラーから黒のセイバー用の令呪二画を補填している。
同胞を殺されたこともあって、アサシンの討伐にも積極的に参加し、ルーラーと共に探索を行う。だが一般人の被害者を装った六導玲霞の奇襲により心臓に銃撃を受けてしまう。瀕死の傷を負いながらも、未知の再生力により復活、一命を取り留めた。
最終決戦では黒のライダーと共に空中庭園に接近、赤のランサーと対峙する。赤陣営のマスター5人の救助を彼から依頼され、その交換条件として「3分以内にジークを倒せなければ見逃す」という約束をフィオレとカウレスが取り付けたことで、赤のランサーと3分限りの対決を行うことになる。残された竜告令呪を全て注ぎ込み、赤のライダーの宝具を譲り受けた黒のライダーのアシストもあって辛うじてこれに勝利した。庭園中枢部ではシロウと対面、最後の戦いを開始する。ルーラーの宝具により満身創痍のシロウだが、それでも竜告令呪を使えないジークとの実力差は大きく、劣勢に追い込まれる。しかし黒のバーサーカーから得ていた第二種永久機関を活用し、捨て身の「磔刑の雷樹」によって勝利を掴んだ。
その後、既に起動してしまった大聖杯を止めるため、竜告令呪の代償により竜となりかけている自身の体と聖杯の残存機能を用いて完全な邪竜に変化、大聖杯と共に幻獣が住む世界の裏側へと消えた。竜種に変身したジークは既に肉体が消滅しており、聖杯への願いによって変化した、ジークの魂の形そのもの。それからは異界で静かに長い時を過ごしていたが、ジークを探し続けていたルーラーと再会を果たしている。
人物
その中性的な容姿とは裏腹に、一人称は「俺」。
完全な魔力供給用として設計されたため肉体は非常に脆く、当初は少し歩いただけでも体力を使い果たし、発声器官を使用すれば苦痛が伴いまともに喋れず、黒のアーチャーの診療を受けた時点では、あと三年ほどしか生きられないと判断されていた。
元より魔術回路を基盤として鋳造されたがゆえに情報を理解する能力には秀でており、この聖杯大戦や魔術についての知識も完璧に把握している。それでも、我を持った生命として生きていること自体が奇跡に近いこともあり、「どうやって生きていくのか」という問いに明確な答えを出せず煩悶する事となる。
黒のセイバーの心臓を与えられて蘇生した後は身長が大きく伸び、声を出すことに苦痛を感じなくなるなど身体能力も大幅に向上し、ただの人としてならば充分に長生きできるだろう生命力を得た。しかし『自由』を得ても自らの願いが分からずに思い悩んでいた中、ルーラーとの邂逅を経て、黒のサーヴァント達が自分を助けてくれたように、自分の捜索を命じられながら見逃してくれた同胞たちを救う事を決心する。
肉体が逞しく成長しても論理的、理知的な性格は全く変わっていないが、余りにも無垢なため、人間の感情の機微や男女の関係には酷く疎く、かなり天然な発言やルーラーを混乱させるような行動をつい意図せず行ってしまう。非常に責任感が強く、自分がすべきだと考えたことには『とことんまでやりきる』性格をしていて、ルーラーからは「頑固者」と評されている。
精神的に飛躍的な速度で成長しており、語彙や立振る舞いだけでなく、他人を思いやる気持ち、誰かと過ごすことを「楽しい」と感じられる気持ちなど健全な人間性を獲得しつつある。その一方で、戦いの中で善性だけでは語れない人の悪の面も垣間見ることになり、何が正しいのか悩み迷いながらも前に進むことを決意する。
能力
生まれた時から、一流と呼ばれる魔術師ですら及ばない一級品の魔術回路を持ち、手で触れた物体の組成を瞬時に解析し、魔力を変質・同調させ、最適な破壊を行う「理導/開通(シュトラセ/ゲーエン)」と呼ばれるアインツベルンの錬金術を元にした強力な攻撃魔術を行使する。当初は肉体が虚弱だったため、この魔術を行使すれば大きな反動が発生し死の危険さえも伴っていたが、ジークフリートの心臓によって竜種の血が混じったこともあり、実戦での使用に耐えられるまでに肉体が成長した。
黒のライダーから譲渡された細身の剣を主武装とする。剣自体は宝具でもないただの武器にすぎないが、曲りなりにもサーヴァントの武装であり神秘を帯びているため、サーヴァントを傷つけることも可能。
赤のセイバーに討たれた後に黒のバーサーカーの宝具の余波により再度蘇生した際、黒のセイバーの心臓が触媒となり、悪竜の呪いから通常の令呪とは完全に異なる黒き紋様「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」を発現させた。また、その時に黒のバーサーカーの雷撃により彼女の第二種永久機関も引き継いでおり、膨大な魔力を獲得している。
最終決戦では黒のセイバーの心臓による肉体強化、ルーラーから与えられた聖骸布による再生、黒のバーサーカーの永久機関からの魔力を用いて捨て身の戦いを行い、相手が満身創痍だったとはいえ、サーヴァントである天草四郎時貞相手に竜告令呪を使わずに打ち勝っている。
竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)
彼の左手に発現した、全く前例の無い令呪。一画につき3分間限定で自らの体に「英霊ジークフリートそのもの」を憑依させ、その身体能力、戦闘経験値、宝具を含む保存能力を完全具現化することができる。
また、通常の令呪と同じく聖杯戦争のマスター資格として認められ、サーヴァントとの契約や命令、消費分の補填が可能。変身だけでなく自己強化に用いることもできる。
通常の令呪は使用する度に消えていくが、この「竜告令呪」は使用後も聖痕のような黒い痣が残り、使用者を肉体的、精神的に蝕んでいく。黒い痣の正体は竜鱗であり、最終的には竜の血に肉体が耐え切れなくなって死亡する。
彼がこのような荒業を身に着ける事ができたのは、彼の魂が純粋で何物にも染まっておらず、ホムンクルスとして生まれた事で肉体にも年月の蓄積がなく、憑依の際の急激な変化にも適応することが可能だったためである。

バリエーション[編集]

ジーク (Grand Order)[編集]

邪竜ファヴニールと化し、大聖杯を世界の裏側へと運んだ……その後のジークが端末として作ったサーヴァント。

詳細は「ジーク (Grand Order)」を参照。

魔術師ジーク[編集]

ジークそっくりの外見の青年魔術師。実際には主人公たちにはそう見えているだけで、本来の姿は全く違う。

詳細は「魔術師ジーク」を参照。

宝具[編集]

幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:500人
柄に青い宝玉が埋め込まれた黄金の大剣。
「竜告令呪」発動中のみ使用可能で、普段の彼はライダーから別れの際に貰った剣を武器としている。
聖剣のカテゴリーに属し、真名を解放することで、大剣を中心とした半円状に拡散する黄昏色の光の波を放つ。
第二種永久機関により、サーヴァントとしてのジークフリートよりも素早い連射も可能。
悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)
ランク:B+
種別:対人宝具
レンジ:-
防御対象:1人
竜の血を浴びることで得た常時発動型の宝具。
同じく、「竜告令呪」発動中のみ効果が適用される。
Bランク以下の攻撃を完全に無効化し、更にAランクの攻撃でもその威力を大幅に減少させ、竜種由来の肉体強度と治癒能力が合わさり、Aランク以上の対軍宝具による一撃を耐えるほどの強固な肉体を誇る。
但し、伝承の通り「背中の一部分のみ」その効力は発揮されない。
この宝具は正当な英雄による宝具の使用がされた場合はB+分の防御数値を得る。
磔刑の雷樹(ブラステッド・ツリー)
ランク:D~B
種別:対軍宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:30人
バーサーカーから受け継いだ第二種永久機関を用いた宝具。相手に組み付き、己の身体諸共に敵を撃ち貫く捨て身の雷撃。
本来は使用者の命と引き換えに放つ自爆宝具だが、ジークのものは不完全であるため、オリジナルほどの威力を発揮できない分、反動も死に至るほどのものではなかった。
ジークの肉体そのものに宿る力であり、上記二種の宝具とは異なり「竜告令呪」での変身は必要としない。

登場作品と役柄[編集]

Fateシリーズ[編集]

Fate/Apocrypha
主人公の一人として登場。
Fate/Labyrinth
ゲスト出演。次元を超えた世界の裏側で静かに佇んでいる。
Fate/Grand Order
期間限定イベント『Fate/Apocrypha Inheritance of Glory』開催に伴い実装。イベント報酬。

その他[編集]

ちびちゅき!
所属不明。体の不調もなく、楽しく勉学に勤しんでいる。

人間関係[編集]

Fate/Apocrypha[編集]

黒のライダー
最初の友人であり、全ての始まりの切っ掛けを作った最大の恩人。別れ際に彼の佩剣をもらっている。
理性では迷惑でしかないと分かっているのに、「ただ会いたいから」と戦場で彼の姿を探してしまうほどに大切な友人。後に正式に契約を交わし、彼のマスターとなる。
ルーラー
同行者。アニメ版では黒陣営から庇ってくれた恩人の1人。
ルーラーは未知数の存在であるジークを管理すると言いつつ、「ジーク君」と呼んで先輩風、というよりお姉さん風を吹かそうとしている。
知り合って間もないが、互いに誠実な性格をしているため非常に相性が良く信頼し合っている。自分でも気付かない内に惹かれ合い、終盤では只「会いたかった」という理由で彼女の元へ駆けつけた。
黒のアーチャー
恩人の一人。匿って治療してくれた事に深く感謝している。また短い間ながら彼から教えを授かり、彼の「どうやって、生きていくのか」という問いはジークの人生の楔として命題にもなっている。
アニメ版では「竜告令呪」を得る際、自身の精神世界の中で戦う意義について問いを受けた。
黒のセイバー
恩人の一人。見ず知らずの自分を助けてくれた彼への感謝の念は溢れて留まる所を知らず、感謝と敬意から彼の真名を元にした名を名乗るようになった。
黒のバーサーカー
間接的な恩人。彼女の自爆宝具発動による末期の雷撃を受けたことで、再蘇生とセイバーの憑依能力を発現させることができた。そして最終決戦の時にもまた、彼女の雷撃は最後の切り札となった。
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
自分を追ってきた魔術師。ゴルドは彼の無機質な瞳を嫌悪しており、内心、恐怖を抱いている。
能力的にも相性が悪く、彼の「理導/開通(シュトラセ/ゲーエン)」は錬金術を会得しているゴルドには非常に効果が薄い。
後に、ゴルドは自らの非を認めて考えを改め、解放したホムンクルス達の治療を行ってくれた事もあり、二人の仲は以前より大分改善されている。
赤のセイバー
戦場で相まみえた因縁の相手。
ジークから見れば一度殺された相手であり、彼女の方も「父の名を冠する宝具」を真名開放したにもかかわらずジークを殺しきれなかった事に怒りと屈辱を感じ、必ず自らの手で討ち果たすことを誓っていた。
後に彼女はジークの事情を知ってしまったためやり辛くなり、状況が切迫している事もあって彼をからかったりする事はあっても以前のように敵愾心を剥き出しにすることは無くなった。ジークも結果論とはいえ、彼女がセレニケから自分とライダーを救ってくれたのは紛れもない事実であるため、蟠りを消し去っている。
トゥール
最初に救ったホムンクルス。後に生き残ったホムンクルス達のリーダーとなる。
「選択する事」、「戦う事」、そして「生きる事」を教えてくれたジークに感謝と尊敬の念を抱いている。
シロウ・コトミネ
戦う前に彼のことをユグドミレニアにあった書物などで調べた結果、弱者のために戦った彼に尊敬に近い気持ちを抱いた。
しかしジャンヌ・ダルクを失った怒りと憎しみの前にはそのような気持ちなど些細なことであり、シロウもジークに複雑な嫌悪を抱いていたこともあって殺し合った。
最終的に大聖杯を裏に運び彼の計画を阻止することを選んだが、それはジャンヌの力になりたいと思った個人的な欲求の結果であるため、シロウのことは「何もかも正しいのにほんの少しだけ何かを間違えた」と否定しきれず、裏側でも共感や理解の入り混じった複雑な思いを抱いている。
セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
ライダーを奪った憎むべき相手として、激しい嫉妬と殺意を向けられている。
黒のキャスター
彼が作成中の、最高の宝具たるゴーレムの炉心としてロシェにたまたま選び出されたことが、生まれるはずのない自我を目覚めさせるきっかけとなった。
黒のアサシン
彼女がホムンクルスの一人を殺害していることから、激しい憎悪・敵対心を抱いている。
後に彼女を通して人類の側面の一端を見てしまい、大きなショックを受けてしまう。
セルジュ
お腹のすいたルーラーを連れていた時、食事だけでなく一泊までさせてくれた農村の老人。
彼とルーラーが恋人同士と誤解しており、ベッドも一人分しか用意しないなど、気が利くんだか気が利かないんだか良く分からない人物。因みに、ジークは彼の思惑に全く気付いていないがルーラーは……。

Fate/Grand Order[編集]

主人公 (Grand Order)
『Fate/Apocrypha』の事件後、異常な動作を始めた大聖杯の問題を解決するべく呼び出した存在。
当初は邪竜らしい振る舞いをしようと決めていたものの、あっという間にボロが出て、以降は友人同士と言ってもいい仲になった。

その他[編集]

沙条愛歌
『Fate/Labyrinth』にて、世界の裏側で竜になった後に邂逅。
彼女からは「綺麗」と評され、無粋な手出しもされず、静かに別れる。

名台詞[編集]

Fate/Apocrypha[編集]

「たす、けて」
ライダーに願いを問われて生まれてから初めて口にした言葉。
彼にとっては余りにも分不相応な願いだったが、ライダーはこれを受け入れ、彼の信頼できるのかと疑う事すら馬鹿馬鹿しいと思わせる無邪気さに心の滲むような感動を受ける。そして――この日、運命が歩き出す。
「――ああ、俺は誰も救えない」
夢の中で同胞たちの声を聴いて。
誰にも聞こえない彼らの嘆きに応えようと考えるが、明日も知れぬ非力な自分では、誰かの手を取ることなど出来ず、助けを求める声を振り払うしかないと自分を無理矢理納得させた。その時は……
「“望み、俺の望み、俺の夢は……救うこと。
 このままでは死ぬはずの、かつての俺を……仲間を救うこと。
 腐汁に浸かり、ただ怯えるしかない。未来の確定事項として死が存在しているのは万物に共通であるが、
 そこに至るまでに何を為すことも出来ない事が確定しているのは、余りに理不尽で、余りに悲しい。
 俺がライダーに救われたように、彼らを救う。
 そうすれば、俺はライダーに再会しても胸を張れる気がする。俺は自由を求めた皆を助けたのだと――
 助けて欲しい、と彼らは願っている。その声を聞いてしまった。聞かなかったふりをする事も、逃げ出すことも、俺には出来ない。
 英雄から託された、この心臓ほこりに懸けて、それだけは決して”」
多くの助けを受けてジークが遂に見出した、『自らの願い』。
この答えを聞いたルーラーは声の対象こそ違えど、彼が生前の自分と同じ決意をしたことを認め、同行する事を決心する。
「……前途が不安だな」
仲間達を救うという目的を定め、いざミレニア城塞へ、と意気込んでいたところでいきなり空腹により倒れたルーラーに対して。食べ物を恵んでもらうため、彼女を背負って麓の村に降りる事になってしまった。
ちなみに体が成長し、知識はあっても彼はまだ子供なので、背中の触感に対する反応は一切ない。
「……いや、そうとは限らない。
 この家の息子が悪逆非道で、父であるセルジュ殿を完全に隷属させており、
 出立してからも部屋の掃除を毎日行うよう強制労働させているという可能性は――」
セルジュに貸してもらった息子の部屋が、持ち主が長期に渡って不在なのに管理が行き届いていて、セルジュの息子への愛が感じられると言うルーラーへの反論。彼自身、可能性は極わずかと考えていたが、ルーラーは即座にバッサリ。
ジーク「貴女を護れとはどういう意味だったのだろう……」
ルーラー「ジーク君、あれはただの勘違いです。深く考えない方が良いと思いますよ」
ジーク「そうだな。貴女の方が強いのだから」
別れ際のセルジュの言葉に対して。相変わらずの天然である。
「死にたいか、生きたいか。……俺たちは、どちらかを決めるべきだ」
戦場で出会ったホムンクルス達への説得。彼の言葉にあるホムンクルスは「生きるため」城塞へ、もう一人のホムンクルスは「死ぬため」戦場に戻っていった。
選択肢を与えるだけでジークはそれ以上の事は言わない。彼らの命は、彼らの物なのだから。
「これは……俺が選んだ道だ!」
アニメ版で追加されたオリジナルシーンにて、精神世界でジークフリートと対話しながら、「誰かの力になりたい」と地面に刺さった剣を引き抜いて。
かくして、己の心で進むべき道を選定したことで剣は抜かれ、地上に伝説の英雄――“竜殺し”が帰還した
「俺は確かに、お前の言う通り偽物だが。
 この剣と力は紛れもない本物だ。
 お前の相手をするのに、不足は無い。
 不足があるとすれば、それは俺の心だけだ」
「紛い物」と呼んだ赤のセイバーに対して。戦場にいた全ての者が無視できないほどの衝撃と共に再誕し、歴戦の勇者そのままの威風と共に、セイバー同士の死闘の幕が開く。
「ライダー。 俺は生まれて一年にも満たぬ子供かもしれない。 知識はあっても、それを活用する術を知らぬ小僧かもしれない。
 それでも今、ここでやるべきことくらいは分かる。 俺は君と契約する」
「俺が死ねば、君も死ぬ。心中みたいなものだ、償う必要は無い。
 ……キミを見殺しにするくらいなら、死んだ方がいい」
死の間際にセレニケが残した「ジークを殺せ」という呪いに耐え、「彼を殺すくらいなら自分が魔力の枯渇によって消滅しても構わない」と言い放ったライダーに。これによってジークは正式な聖杯戦争に参加する資格を得たのだが、傍から見ると愛の告白にしか見えない。
「……俺は、貴女の祈りを美しいと思った。
 貴女の微笑みを美しいと思った。
 魅力、という言葉が心を奪われる様を意味するならば、まちがいなくジャンヌは魅力的だと思う」
ルーラー(というよりレティシアさん?)が聞いた「自分をどう思うか」という質問に対する答え。
余りに気障なセリフだがジーク自身に疚しい気持ちはなく、率直な意見を素直に話しているだけ。その上彼自身成長した事で、こんなセリフを言っても誰にも笑う事すら出来ない位の風格を既に身に着けているため、何の違和感もない。
因みにこの返答を聞いたルーラーの口からは「ひゃぁぁぁぁぁぁぁ」というヘンな声が漏れていた。
「貴女は、まだ諦めていないのか」
人間の邪悪さを知りながら、それでも人間を愛し信じる聖女に、少年は問う。
聖女の答えを聞いて、少年は人間についてより悩み考え、答えを見つけようとする。
「起きるが良い、ダメサーヴァント」
いつまでたっても起きないライダーに対しての辛辣な一言。
「俺は、自分の名をジークと名付けた。俺に命を与えて、『生きろ』と無言で伝えてくれた男の名だ。
だから、貴方にもその名で呼んで欲しい。そして―――」
"赤"のランサーと戦う前に乞うた頼み。そして、その対価として自分でも愚かと思う選択を提示する。
「その見返りとして俺も全力で戦おう。たった三分だが、本来貴方と戦うはずだった男のように」
"赤"のランサーすら微かに目を見開く全く愚かな選択。そう思うのに何故だか少年の胸には涼しい風が流れ込んでいた。
「邪悪なる竜は失墜する」
「全てが果つる光と影に」
「世界は今、落陽に至る」
「撃ち落とす――『幻想大剣・天魔失墜バルムンク』!!」
最強の敵が放つ神殺しの槍に対抗するため、最大威力の幻想大剣を解放する。太陽の英雄に向けて放たれたのは、落陽を象徴する黄昏の剣気であった。
「ジークフリートの力はこんなものじゃない!押されている理由は…俺だ。
これでランサーを倒さなければ、ルーラーが死にライダーも死ぬ!当たり前の事実から目を逸らすな!
令呪を以て我が肉体に命ずる―――俺に自由なる勝利の輝きを!」
アニメ版において。神殺しの槍に押される事実に目を逸らさず、最後の令呪を使用。英雄から『自由』を与えられ、自らを『勝利ジーク』と名付けた少年は高らかに叫ぶ。
「君に、会いたかった。」
赤のランサーとの戦いを終えた後、ルーラーの後を追ってきたジークの偽らざる想い。既に黒のセイバーとしての力を失い、足手まといなのも分かっていたが、只純粋に彼女を想いそこまでやって来た。この時のジークは機械的に動くホムンクルスなどではなく、不安定な感情のままに動く一人の人間であった。
「無論だ。……俺は知らないことだらけだからな。
もしかすると、これは一生掛かっても解き明かせない難問かもしれないけれど、それでも考えたい。
少しだけ、少しだけ理解わかってきたから」
ルーラーからまだ人の善性と悪性を。人間そのものについて考えているかと問われて、生まれたてだった少年は、答えが未だ見つからずとも真正面から受け止め考えている。この答えにルーラーは天草四郎時貞は明白に誤っていることを悟る。
「それは違う。
短い間だったが色々な物を見た。機構システムとしての悪、人一人の力ではどうしようもない存在も確かにあった。善が悪に裏返ることさえも…それは事実だ。
でも大抵の人間は善き者で在ろうとしている。在り方を間違えることは罪じゃない、悲しいだけだ。
俺も弱い。いつか間違えるかも知れない。だけどそれでも、救ってくれた皆が誇りに思ってくれるような自分で在りたい。
善性などないとそんな悲しいことを言わないでくれ!」
アニメ版24話でジルが「この世に善性など存在しない」と吐き捨てる中、名も無き少年は否と答える。短く拙い生の中で少年は答えを模索し希望を信じた。その事実にルーラーは落涙し己を取り戻す。
「此処に至るまで、様々なサーヴァントが、マスターが敗れて散ってきた。敵対していた者も、味方だった者も、誰も彼もが戦い果てた。
だから……俺も、戦いから逃げないことだけは決めていたんだ」
宿敵との最終決戦を前にして。
黒のライダーへの恩返し。フィオレとの契約。ジークが聖杯大戦に身を投じる理由は確かにあった。しかし彼自身の意志で戦い続けた理由も、それらとは別にあった。
ルーラーから戦場から離れるように言われても、最強の敵である赤のランサーとの一騎打ちを前にしてもジークが逃げなかった理由。それは、彼の中に彼自身の誇りが芽生えていたからだった。
「ああ……!俺はお前が許せない!必ず殺す!!」
アニメ版の最終決戦の最中での叫び。完全な存在であったホムンクルスは俗悪な感情に墜ち、完全な存在を目指して憎悪を捨てた人間はそれを許せず、互いの存在を否定する為に激突する。
「天草四郎……お前をどこにも行かせは…しない!」
最後の力で黒のバーサーカーの宝具を発動したジークの怒り。救済を否定し、それがなった後の世界へ行かせまいとした。
ただし、聖人の救済と未来を奪ったとしてもジークとふれ合ったルーラーは戻ってこない。ならばこの行為に意味は無いのかもしれない。それでも己が夢見た存在を奪った者を決して許すことが出来ない故に、その勝利を完膚無きまでに砕くという究極の悪の完遂をジークは今この時だけ望んだ。
「なら行こう。だって、待つ必要はもうないんだろう?」
アニメ版における最後のジークの台詞。
ジャンヌが約束を果たし、世界の裏側に辿りついたということは、人類から不死を奪うという竜の役割は終わったということを意味していた。
遠い昔、笑顔を求められても上手く笑えなかった少年は今度こそ晴れやかな笑みを見せ、そして二人は星を巡る旅へと歩き出す。

Fate/Grand Order[編集]

「――――定命の者、あるいは運命を切り開く者よ。我が呼びかけに応じよ。」
期間限定イベント「Apocrypha/Inheritance of Glory」冒頭にて。
世界の裏側に召喚した主人公への呼びかけ。かつてのジークからは考えられない様子だが……。
「こちらでどうにかしようと思う。お騒がせして申し訳なかった。」
あっという間に素の彼の口調と態度に戻ってしまう。かつてないほどの丁寧で謙虚な態度を前に、主人公も積極的に話を聞こうとする。
「なんか、何もしてないのに、壊れた。」
大聖杯の中のシミュレーション空間がおかしくなりつつある事について、主人公を召喚して事情説明している際、原因を尋ねられて。
PCスキルが皆無な人がパソコンを壊した時に言うテンプレート説明そのまんま。のっけから邪竜っぽい喋りが演技で地が見えていたのだが、中身までボロが早速出てしまう。
「大体なんだ、定命の者って。思い出せば出すほど恥ずかしいぞ……!」
「忘れて欲しい。忘れてください、うん。」
邪竜の姿の時と端末体の時の口調の違いを指摘されて。
邪竜の姿に相応しい言動でと考えた末のことだったが、本人曰く血迷ってしまったとのこと。なお、邪竜の姿の時から既に口調と態度はブレブレであった。
「この大聖杯は、あの聖杯大戦を戦ったサーヴァントが命懸けで求めた大切なもの。横紙破りをする者に、渡すわけにはいかないんだ。」
イベントシナリオ中で、ジークの大聖杯に向ける想いは何度も語られている。この聖杯へ向けられた願いを全て否定せず尊きものとして、彼はそれを奪った責任を己に課している。
「思い出は沢山ある方が、面白そうだろう?」
「あればあるほどいいんだ、特に俺は、忘れるほどの量がないからな。」
少年はあまりに短かった人としての生涯に悲嘆することなく、今新たに英雄たちと駆けることに屈託なく笑う。
「何度も助けられたよ。俺の、誇りのサーヴァントだ。」
イベントシナリオ終盤の別れの時、アストルフォとの会話。
かつての相棒であり、一度別れた相手である彼を照れ臭さから避けていたが、最後には彼への気持ちを隠すことなく伝える。
「あなたは竜の血を浴びていなくとも、幻想大剣を帯びていなくとも――――英雄になったと思う。」
かつて命を捨ててまで自分を救ってくれた英雄への敬意。
「それは……秘密だ。」
世界の裏側で待つ相手は誰なのかという問いへの答え。誠実なジークにしては珍しい言葉であり、それ故に特別な想いがあることが伺える
「百年でも、千年でも、一万年でも。待つのは辛くないんだ。」
「だって、いつか必ず訪れるとわかっているからな。」
「そう信じられるだけの、人だったから――――」
永久にも等しい時間をただ独りで過ごすということも彼には辛くない。短くも誇り高い思い出と、いつか約束の人が訪れるという確信があるから。
「さよなら、そうしてありがとう。友と呼んでくれた人。」
「短くとも、宝石のような記憶だった。これから先、ずっと大切にするよ。」
「さよなら、我が友人。そして、新しきマスター。」
聖杯という宝を守り続ける邪竜は、友との思い出という宝を新たに手に入れ、再び眠りにつく。

メモ[編集]

  • 1巻では儚げな美少年といった感じだったが、2巻では短期間でルーラーアストルフォのダブルヒロインと親密な関係となるなど、TYPE-MOON作品の主人公らしさを存分に発揮した。
    片方のヒロインの性別がオカシイ? 細かいことである
    • また「常人では理解できないほどの信念や理屈で動く」、「何故か同性にもモテる」、「『本物と偽物』という問題に関わりがある」など、見事に伝統を順守している。
  • 新刊が出るたびに、必ず一回は死ぬという非常に不運な主人公。しかも死亡時期は非常に短い期間の中で、死にかけた回数はもっと多い。
    だが主人公としてのサガか、天運には確実に恵まれており、「短命かつ貧弱な何のバックも持たないホムンクルス」という圧倒的不利なスタート地点から、多くのサーヴァント達との幸運な出会いと経験によって、一人のマスターとして認められるところまで辿り着いた。また可愛い相棒と一緒に寝たりイチャイチャする、世話焼きな聖女に起こされたりデートまでするなど両手に花な生活を謳歌しているので、何も知らない人から見ると全然不幸そうじゃない。
    もげろと言われるかもしれないが、その不死身っぷりから、もげても生えてきそうである……。
  • どことなく初代Fate主人公衛宮士郎を彷彿とさせる。前述の型月作品主人公の伝統含め、類似点はかなり多い。
    • まず士郎は「よく死ぬ主人公」の大先輩。最も彼も美人女教師ロリブルマの道場に通い詰めていたが、アレはメタとネタとギャグが混じりあったカオス空間での出来事であり、実際に士郎が何回も死と蘇生を繰り返している訳ではないのだが。
    • また士郎もHFルートで、未来の自分が持つ「英霊の力」を手に入れたが、使う度に寿命が縮んでいた。
    • 人ならざる英霊の少女と出会い、惹かれ合い、一度は分かたれるも悠久の時を経て再会するという点も同様。最も士郎は彼を待ち続ける想い人を「追い続けた」のに対し、ジークの場合は想い人の方が彼を「探し続けた」という違いがある。士郎らは別れ際のやり取りで互いの想いを既に確認済である所も相違点。
  • 自我の希薄なはずのホムンクルスが生存欲求に目覚め、その後も人々の善意と奇跡に恵まれ続けた彼ではあるが、実際に「何者か」がジークの存在を後押ししていたことが作中で何度も示唆されている。それは彼を死地に向かわせることを意味しており、「啓示」でそれを知ってしまったルーラーを悩ますことになる。
    • ジーク自身も己の死の宿命を察していたが、それでも成し遂げるべきことのために、歩みを止めることはなかった。
  • 「ジーク」の名は、ジークフリートの名をそのまま貰うことを躊躇い、一部のみを拝借するに止めたため。
  • 生まれたばかりの存在である彼が同胞を救いたいと願うようになり、目的を果たしてなおも戦い続けたのは、自分を救ってくれた黒のライダーと黒のセイバー、そして聖杯大戦を戦い抜いた者たちの影響によるもの。自分1人が救われて逃げ延びるのは、彼に芽生えた責任感と誇りが許さなかった。
  • 生まれた時から知識は完成しているため、高等数学位はあっという間に解ける。その速さは余り勉強が得意ではないルーラーが感嘆する程。
  • サーヴァントの心臓を取り込んだことが原因で変質した存在としては、『stay night』の真アサシンという前例がある。
  • TYPE-MOONエース9』掲載のFateシリーズ作品作家鼎談によると竜告令呪の「三分間だけ英霊の変身出来る」という某光の巨人を意識した設定はジークフリートのビジュアルの胸にカラータイマーのようなものが付いていたために生まれた設定らしい。
    • ファンの間でも囁かれてはいたが、コミケで付録として配布されたApocharypha Materialでは「こいつの胸がピカピカ光るんすよ! 三分過ぎると!」とまんますぎる初期案があったことが明かされる。最終的にはその光景が間抜けなので却下されたらしい。実際、掌に収まる程度の結晶体ならいざ知らず、ピンチに胸の入れ墨が点滅するのは流石に悪目立ちするか。
  • マスターとサーヴァントを超えた恋は『stay night』と『hollow atalaxia』で確認されたが、彼とルーラーの場合は他のサーヴァントのマスターであるホムンクルスとマスター不要のサーヴァントの恋という極めて特殊な例。特に、最終巻のタイトル『邪竜と聖女』とはジークとルーラーのあり方を的確に表現している。
    • ジークは初対面の時点でルーラーの美しさに見惚れ、彼女の祈りと在り方にも心惹かれるが、世界の裏側で告白を受けてから初めて彼女への想いを自覚するに至った。一方のジャンヌも、ジークへの恋心を確認するために永劫に等しい時間を彷徨い続けたわけで……「お互い鈍いにも程があるな!」とは東出氏のコメント。
  • ジークのCVが決まったのは2017年時点で2年ぐらい前である。担当する花江氏も「そんな先なのにもう決まってるんだ!」とコメントしている。

脚注[編集]

注釈[編集]


出典[編集]


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