スヴィン・グラシュエート

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スヴィン・グラシュエート
外国語表記 Svin Glascheit
性別 男性
誕生日 9月13日
身長 175cm
体重 67kg
好きな物 美しい香り。必ずしも彼のいう「におい」とは嗅覚に限定されない。ある種の因果を含む概念
苦手な物 ドス汚い臭い。これに準じて(もしくは反比例して)、ぺかぺかしたにおい
魔術系統 獣性魔術。彼のすべては獣にかかわりゆく
魔術属性
魔術特性 回帰
魔術回路・質 B+
魔術回路・量 A+
魔術回路・編成 変質。血管や神経と半ば融合している。グラシュエートの辿り着いた成功作
声優 山下誠一郎
演者 伊崎龍次郎
初登場作品 ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
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概要

時計塔の学生。現代魔術科エルメロイ教室に学ぶ魔術師の一人。
フラットがつけたあだ名は「ル・シアン(犬)」。

略歴
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿の時点で現代魔術科の最古参の生徒。(三年数ヵ月後のロード・エルメロイⅡ世の冒険の時点では卒業している。)フラットと双璧を成す、エルメロイ教室の天才児。エルメロイ教室内では、現役最年少の典位を取得。同じ学年ならば、時計塔全体を見渡しても相当の上位に食い込むという。
フラットの監視とグレイへのストーキング行為を繰り返しながら、面白おかしく過ごしている。
人物
金髪のカールが麗しい美少年。ギリシャの彫刻に例えられるほどの奇跡的な造形を有している。性格はフラットと対照的に生真面目で礼儀正しい。事件簿の時点では15歳程。
師であるロード・エルメロイⅡ世を尊敬し、妹のライネスにも「姫様」と呼び慕っている。
いかにも優等生らしいが、彼もまたフラットと並ぶ問題児の一人。他人を臭いで識別する習性があり、グレイの臭いを嗅ぐと理性が蒸発するほど夢中で嗅ぎまわる。グレイへの度が過ぎたストーキング行為を繰り返し、グレイが怖がることからⅡ世からグレイに20m以上近づくことを禁止された。
またフラットが言うには、昔からまわりに気を遣っている。
能力
ある秘法によって自らの内側から獣性を引き出し、魔力を纏うことによって疑似的に人狼のような能力を得る「獣性魔術」の使い手。
使用すると体中の筋肉が盛り上がった、一本一本が金属の針にも等しい硬度を持った体毛を生やした人狼に見せかけるほどの、異常な密度の魔力を纏う。獣の神秘を得た五体は、単なる「強化」の枠を超えて、圧倒的速度と腕力を得る。
吼えた音圧だけで、他者の魔力を引き出し、魔術回路で変換した魔力を、まるで魔術を覚えたての末子のように、雲散霧消させることが出来る。
その影響で平時でも常人離れした嗅覚を持っており、他人の残り香はおろか魔術も臭いだけで判別できる。匂いを介して思考を読み取る事も可能なようで、初めて乗った軍用機をパイロットの残り香からサイコメトリーして乗りこなすというとんでもない真似も行っていた。
体質的な事なのか日常的な行動にも呪いや魔力が込められており、それがⅡ世の抱える苦悩の一つになっているようである。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/strange Fake
フラットの回想シーンに少しだけ登場。彼との馴れ初めが語られた。
本編の時間軸では既にエルメロイ教室から卒業しているようで、どこかでとある魔術師と共に行動しているようである。
後に他のエルメロイ教室のメンバー達と共に真ライダーのマスターとして聖杯戦争に参戦した[注 1]
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
メインキャラクター。

その他

ちびちゅき!
所属不明。師匠のお見舞いへ向かうグレイずきんちゃんをいつも通りストーキングした結果、狼さんにしばかれるハメに。

人間関係

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

ロード・エルメロイⅡ世
師と仰ぎ尊敬している。Ⅱ世の異名の一つ、「プロフェッサー・カリスマ」を命名したのは彼。
また彼の指導により失われた獣性魔術の幾つかを再生するに至った。
エルメロイⅡ世を英雄視する新世代の中でも、スヴィンはフラットと並んで最右翼に位置し、ホームズやナポレオンですらエルメロイⅡ世とは比較にならないと言うほど信奉している。
グレイ
魔術の器として作られた自分と同じく、過去の英雄の器として作られた彼女にシンパシーと恋慕の相半ばする感情を抱き、執拗に追い掛け回している。
「甘くて灰色で四角くて、体の内側を引っ掛かれるみたいな匂い」
フラット・エスカルドス
同級生。問題を起こさないよう監視している。
しかし、彼を止めようとした結果逆に騒ぎを大きくすることも少なくない上、彼の突拍子もない案に私情から協力することもあるため、結果として監視というより悪友のような仲になっている。
「無闇にぺかぺか光ってとらえどころのない匂い」
カウレス・フォルヴェッジ
同級生。フラットに比べたら多少はマシだが結構エキセントリックなため、暴走する彼を止める立場になることも。
周囲からも上記のフラットと合わせて残念美形トリオ扱いである。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
師の妹君。彼女にも敬意を払っている。

Fate/strange Fake

ローランド・ベルジンスキー
エルメロイ教室の仲間。
物語の少し前に、彼ともどもゼムルプス家と揉めたと語られている。
真ライダー
サーヴァント。他のエルメロイ教室のメンバーと共同でマスターになっている。
ティア・エスカルドス
フラットの中にいた「僕」。
実は初対面の時からその「危ない匂い」には気が付いていた。フラットへの第一印象が最悪だったのもそのため。

名台詞

「グレイたーーーーーーーーーーん!」
「あ、あれ、グレイたんは? グレイたんはどこ行ったの! 僕の愛しのマイフェアレディは?! 確かに入り口のあたりから、二週間ぶりのグレイたんの匂いがしたのに!」
「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」作中に初登場した際の台詞。まだ名前も明かされておらず「犬系美少年」と表現されているのみだったが、ファーストインパクトの異様さは絶大。このセリフと共に周辺の壁や柱をくんくん嗅ぎ回るという奇行を見せつけるが、そんな彼でも顔と血統の良さに釣られて狙っている女子が結構多いという事実は魔術師社会のズレっぷりを読者に教えてくれるのだった。
「ああグレイたんグレイたんグレイたん! いつもの甘くて灰色で四角くて、身体の内側をひっかかれるみたいな匂い!」
久々にグレイの半径二十メートル以内に接近したことで理性が蒸発してしまった状態。当然ながらグレイは怯え、エルメロイⅡ世からはお咎めを受ける。
「フラットの監視をしないわけにはいきません」
フラットと二人してイゼルマの領地へとやってきたことについての、なんとも優等生的な答え。ついさっきまで上記の変態的なセリフを絶叫していた少年と同一人物なのだが。
「いや僕は本当に後輩のことが気になって──あ、グレイたん! ああああ、グレイたんの桃色の匂い! 今日はちょっぴり憂鬱気味なブルーで四角なフレーバーまで!」
双貌塔の事件の終局ではかなり見せ場をもらった彼だが、あまり戦闘中に多弁になるタイプではないのか意外と決め台詞的なものは少ない。そして全てが終わって平和な日常が戻ってきた時にはこの通り。なんとも残念な美少年である。
第一科ミスティールの特別講義終わりました! あああ、グレイたんもおかえり! この胸にズキズキ刺さる、甘くて灰色のスパイシーな香り!」
「case.魔眼蒐集列車」の作中時間直前にてめでたく典位プライドへと昇格し、全体基礎科でのさまざまな儀式を受けるため、しばらくの間不在だったスヴィンがようやく登場しつつの定番のアレ。タイミング的な事情で、珍しくグレイにも引かれていない。
「……そうだよ。この村に来る途中も、ずっと切なくて、薄くて、ちぎれちゃいそうな香りをしてたんだもの」
「case.アトラスの契約」にて。ブラックモアの墓地に来た際、グレイの事を気にしていた。表現方法は残念なものの、彼女を大切にしているのは本当である。
フラット「だって、俺はもう」
スヴィン「僕たちはもう、冠位の人形師にだって、負けるつもりはありませんから」
「case.アトラスの契約」にて。双貌塔で戦い完膚なきまでに敗北したからこそ、今のスヴィンとフラットはその先に立っている。
「先生、先生!こいつ、すごくとっちらかった臭いがするよ!僕が壊していいですか!」
「ええ?!本当にこいつが僕の後輩になるんですか?!だってこのいがいがしてる臭い、絶対先生を困らせますよ!噛まれる前に噛みちぎったほうが!」
フラットとの初対面にて、この相手はエルメロイ二世に害をなすものだとスヴィンは考え、それぐらいならさっさと壊そうという合理的で魔術師らしい思考に至った。後に、その点で言えば自分は魔術師としてはなはだしく劣化したと思っている。

メモ

  • 当初人間離れした嗅覚や常に魔力を帯びる体質から、おそらくは人狼に連なる幻想種か、あるいはそれに限りなく近づいた混血のどちらかと思われていた。
    • 姿形や立ち振る舞いもどことなくそれに似ており、彼と相対した蒼崎橙子からは実際に「なんだか懐かしくなってしまって」と感想を述べられた。
  • 獣性魔術は存在こそ有名なものの、獣の要素を人間が取り込むという性質から使い手が人間性を失う危険性があるため、知名度に反して使い手は非常に少ない魔術であるとのこと。己を作り変える魔術でもあり、魔術回路はもちろん神経、筋肉、骨格、大脳すらも置き換える。スヴィンの家系は代々続いている獣性魔術を使う家系として有名だが、これはこのデメリットを克服したのではなく魔術刻印を移植された者が最悪発狂などしたとしても、強引に魔術刻印の移植を続けてきただけに過ぎない。事実、家系の生み出した栄えある成功例として時計塔に送られてきたスヴィンでさえ、上記のように日常的な行為に魔力を伴ってしまうといった弊害を起こしている。
  • 獣性魔術を受け継がせても精神が壊れないと見極められてから、スヴィンの身体には背中の皮を剝がされ再生能力を確かめられる、煮えたぎった油に腕を突っ込まされるといった幾多の術式や実験が施された。本人は当時の気持ちをもう憶えていない。獣に成り果てた身ならば、それらに快楽を感じた可能性さえある。ただ、記憶として泣きはらしていたことは確かだという。
  • 使い手がほとんど存在しない獣性魔術使いであり、単純に生徒としても優秀である一方、本人は自分が人間でも獣でもない存在という感覚を覚えており、それにより周囲からの疎外感を密かに抱えている。時計塔へ来てからも埋まらなかったこの感覚がグレイと出会った時に初めて埋まったように感じ、それが彼がグレイに執着する理由である。本人はこれを「自分と同じような周囲と馴染めない感覚を持つ苦悩を分かち合いたいだけなのかもしれない」と自己分析しつつも、それでもこの感情を恋患いとして彼女を想っている。……一番の問題である変態的行動を止められていない上に、当のグレイからは「いつも息を荒げて攻撃的に接近してくるのは自分を嫌いだからなのだろう」「他のことをしていてもちらちらこちらを見てくるのは牽制しているのだろう」などと誤解されてしまっているが。
  • 前述のとおり、フラットからはル・シアンと呼ばれている他、出会いを描いた『Fake』でもロボかベートとあだ名の候補にされた。
    • ロボは『シートン動物記』に登場する狼王であり、『Grand Order』でもヘシアン・ロボとして参戦した。ベートは18世紀フランスに現れたジェヴォーダンの獣から来ている。
  • 時計塔に来た事でスヴィンは少しだけ救われる。エルメロイ二世は普通の魔術師とは異なり魔術そのものの器でしかないスヴィン・グラシュエートという存在を正しく理解した。同じ理由で行き過ぎた合格品であり他人とまったく折り合いのつかない、自分と同じ規定外であるフラットを初対面では毛嫌いし、ヒトでも魔術師でもない彼方の誰かに作られた香りを持つグレイが特別となった。

脚注

注釈

  1. 後々考えると、「どこか」はスノーフィールド、「とある魔術師」はエルメロイ教室のメンバーでないのなら本来の真ライダーのマスターであるドリス・ルセンドラだったのかもしれない。

出典


リンク