ドゥムジ

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ドゥムジ
性別 男性
声優 神尾晋一郎[出 1][出 2]
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order』に登場した牧羊神。“死して復活する神”。
後の世にはなまってタンムズとも広がった。

略歴
ギルガメッシュとルガルバンダ王の間のウルクの王で、神権を得て神になった。
神になった後にイシュタルと婚姻して、イシュタルの夫として立場を確立するとウルクで左うちわを送っていたが、イシュタルが冥界下りをしてエレシュキガルに殺されたことを知ると、自分が新たなウルクの都市神となり、国をあげての祝いの宴を連日行ったが、イシュタルがエンキによって蘇ったことは勿論、地上に戻すのを許さないエレシュキガルを納得させようとするために自分の代わりに地上に飛び回って冥界に努めてくれる魂を探していることを知らなかったため、その祝いの宴を見た彼女の逆鱗に触れてしまい、イシュタルの身代わりとして指名されてしまう[注 1]
勿論その決定に抗おうとウトゥに泣きついて蛇の姿に変え、姉であるゲシュティンアンナの下に逃げ延びたものの、最終的に捕まってしまい、冥界送りとなってしまった。
Fate/Grand Order』の期間限定イベント『冥界のメリークリスマス』ではエレシュキガルの記憶を回収し、砕けないよう『生命の水』で補強して保管していた。
カルデアで唯一無事だったサーヴァント、アルテラを半ば騙す形で冥界下りの権能と羊の権能を与え、エレシュキガルの記憶を授けた。
人物
どっちつかずの神。知恵はあるものの、度胸がない。
とにかく栄誉に弱く、イシュタルと婚姻したのも、彼女以上に民から信仰を集められるため。神話通り、気が多い。
根本的には悪い神ではないのだが、良くも悪くも裏表が無く、非常にマイペースで空気を読めない所があり、自己完結したような喋り方を多用する。
神の考えを持つ為、常に結果が正しければよく、かつて自分が行った女神没落大感謝セールを行ったのは当然と思い、イシュタルが自分を身代わりに差し出したことも当然だと思っている。そこに痛い、やめて、助けて等の反応はあったが、憎しみはない。
なお、名前のイントネーションは「ドゥームG」ではなく「ドゥームZ」らしい。
人型となった際は金の羊毛を纏った、金髪で上裸の青年の姿となる。
能力
冥界下りの権能、羊の権能を持っており、アルテラに譲渡した。
『生命の水』を所持している。
飛行することも可能で、南米異聞帯では主人公 (Grand Order)を背に乗せて飛ぶこととなった。
人型になることもでき、自分の意志で羊型と自由に切り替えることができる。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order
2017年のクリスマスイベント『冥界のメリークリスマス』にて、冥界で発生した問題をどうにかするべく冥界にクリスマスの概念をばら撒き、ネルガルの悪意により閉じられた冥界の七門の「生贄を捧げなければ開かない」というルールを改変した。
その後カルデアを訪れ、出会ったアルテラをサンタに仕立て上げた。
後の期間限定イベント『バトル・イン・ニューヨーク2019』ではショップ店員として再登場した。
このようにウルクがらみのイベント時限定で出てくるものと思われていたが、「メイキング・クリスマス・パーティー!」イベントの会話シーンにしれっと登場。どうやらアルテラ・ザ・サン〔タ〕にくっついて常時カルデアに滞在しているらしい。
それまではイベントでの登場のみだったが、2部7章『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』にてメインストーリーにも登場する。

人間関係[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order[編集 | ソースを編集]

アルテラ・ザ・サン〔タ〕
素晴らしい協力者。半ば騙す形で権能を譲渡しサンタにした。
体に紋章がなければ、恋に落ちて真の意味で神話的コラボが求められたとか。
ダビデ
直接の面識はないが「なぜなにウルク劇場」で自分の画像のイメージとして配役された。
ケツァル・コアトル
直接の面識はないが「なぜなにウルク劇場」で自分の妻のイシュタルの画像のイメージとして配役された。
主人公 (Grand Order)
アルテラに影響されてか、「ふわふわのマスター」と呼ぶ。要所要所での発言を見る限り、彼/彼女には好意的である。

過去(生前?)[編集 | ソースを編集]

イシュタル
妻。酷い目にあわされたが、なんだかんだと嫌いではない。
エレシュキガル
神代に自分を冥界に捕らえた女神。冥界で散々コキ使われお仕置きされたが、エレシュキガルには恩がある。
エレシュキガルは冥界に花がないとよく嘆いていたが、エレシュキガルこそが冥界に咲く一輪の花だと位置づけている。
南米異聞帯にて彼女がオルタ化した際はカルデアに協力して彼女を味方に付け、共にORTに立ち向かった。
ウトゥ
冥界送りから逃れるために泣きついた神。蛇とガゼルに変身する権能を借り受けた。
のちにその権能は冥界から出る代価としてエレシュキガルに押し付けられる。
ゲシュティンアンナ
姉。イシュタルの代わりに冥界に送られた時には、彼女に代わってもらう形で復活した。
ネルガル
同じ冥界に縁のある神。
牛と羊でキャラが被るせいか若干当たりがきついが、冥界に残されたネルガルの悪意を救えなかった事を悔やむくらいには親密であった模様。

名台詞[編集 | ソースを編集]

冥界のメリークリスマス[編集 | ソースを編集]

「クリスマス……なるほど、その手がありますね。活路を見いだした。そんな気がします」
アルテラからクリスマスの話を聞いて。この瞬間から(割りとバレバレな)ドゥムジの調略が始まった。
「私は謎の羊。ドゥムジと言うものでしょう」
自己紹介。形容し難い独特のシュールな口調。この発言に限らず、ドゥムジは自己完結したような喋り方を多用する。
「アルテラ。この異常事態は冥界に贈り物がなかったからなのです。いま考えました」
シュメル熱騒ぎの原因の説明……なのだが、最後の一言で何もかも台無しである。
「Oh」
サンタクロースとなったアルテラを見て。結構タイプだったようであり、見とれている。
「おっと剣呑テリブル剣呑テリブル。蛇になって私は逃げると善いでしょう」
ネルガルに「どちらの味方だ」と怒りを向けられて。自分の命の危機なのにも関わらずこの軽さ。
「そういう意見も分かります。ですがそれは貴方だけの考えです」
倒されたネルガルの残滓の「冥界は苦痛に満ちた場所でなければならない。自分はそのようにあった」という呪詛を聞いて。
何かとネタにされがちな彼だが、神としての矜持もちゃんと持ち合わせていることが伺える。

イベント[編集 | ソースを編集]

「こんにちは、輝ける羊、ドゥムジです。ボックスはいい文明ですね。私の新しい愛、アルテラサンタもそう言っていました。
 ここまでお揃いとなるともはや夫婦と言っても過言ではないでしょう。」
イベント開始時のボイス。この発言から、アルテラに恋愛感情を抱いているらしい事が分かる。
「今日もやってきてしまいましたか。テンション上がりますね。」
ショップボイス。テンション上がると言ってはいるが、淡々とした喋りなので説得力ゼロである。
「戦ってチケットは稼ぎましたか? 正に、光と闇の『Endless battle』。沢山溜めると良いでしょう。」
同上。括弧内はめっちゃネイティブっぽい発音であり、声優の名演技が光る。
「インフォメーションはご覧になりましたか?大抵の謎はアレで解決します。眠くなった時に読むと良いでしょう。」
同上。淡々とした口調で告げられるマスターへのアドバイス。
「この回転を思い出してきっと泣いてしまう、ドゥムジです。」
「辛い時、苦しい時は私の名前を呼ぶといいでしょう。特に何もありません。」
「素材の海に溺れる、そんな夢を見ました。夢でした。」
「グッドジョーク。諦めず、もう一度回しましょう。」
ショップで十連を回した後のコメント。慰められているような煽られているような、妙にイラッとする対応である。
「ジ・エンド」
「The END」
イベント終了後の交換ショップボイス。下段は上記と異なるイントネーションで喋っている。

本編[編集 | ソースを編集]

「ソロゥ。特に感想のない乗せ心地。まあ、たまにはこういうのもいいでしょう。」
「素晴らしい。健康&清涼感の内に秘められた、なわとびのような乙女の瞬発力。
 かなうなら貴女と世界を救いたい。そんな使命感さえ生まれそうなドゥムジです。」
Lostbelt No.7『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』にて主人公を背中に乗せた際の性別差分。上が男性、下が女性である。
露骨に対応が異なっており、ファンからは「お前はそういう奴だよ」などとネタ混じりに失笑を買ったのであった。

メモ[編集 | ソースを編集]

  • シュメル王名表において「ドゥムジ」と名の付く王は二人いる。洪水前のバド・ティビラ王である「羊飼いドゥムジ」、そしてウルク第一王朝第五王である「漁夫ドゥムジ」である。
    • 職種や時代が異なること、また羊飼いドゥムジには限定符として神符(ディンギル)を冠されるとおり神々の一柱であることなどから、この二人は別人であるが、しばしば混同されることがある。『Grand Order』における混同もそのひとつであろう。
  • バド・ティビラの守護神はドゥムジ神とイナンナ(イシュタル)神の次男であるルラル神であるが、バド・ティビラの神殿エムシュ・カラマは古くはドゥムジ神を祀ったもので、のちにルラル神に与えられたとされる。
    • 神としてのドゥムジは牧畜の神であり、姉のゲシュティンアンナは植生の女神であった。すなわち、本来はこの姉弟が交代で冥界に降ることにより農耕と牧畜の切り替えをおこなっていたと考えられる。
      • 古バビロニア期の頃にはゲシュティンアンナの都市での信仰が廃れ、ドゥムジ(タンムズ)に一本化されていき、ドゥムジ(タンムズ)が植生の神としての役割も担ってゆくようになる。
  • 現存する史料でドゥムジが登場する主なものとしては、イナンナ女神に求婚した牧神ドゥムジと農耕神エンキムドゥの二神が争う「ドゥムジとエンキムドゥ」、ドゥムジ神とイナンナ女神の聖婚を赤裸々に歌った詩「イナンナとドゥムジの求婚(A balbale to Inana/Dumuzid-Inana)」、イナンナ(イシュタル)女神の冥界下りに関わる「イナンナ/イシュタルの冥界下り」「ドゥムジの夢(The Dream of Dumuzid)」、冥界下りの別パターンともいえる詩「イナンナとビルル(Inanna and Bilulu)」「ドゥムジとゲシュティンアンナ(Dumuzid and Geshtinanna)」などである。ギルガメシュ叙事詩でも、ギルガメシュがイシュタルを罵る際にドゥムジ神への仕打ちを引いている。
    • 「ドゥムジとエンキムドゥ」は、イナンナ女神の兄ウトゥ神は牧神ドゥムジを夫として勧めるが、イナンナ女神は農耕神エンキムドゥに惹かれている。ドゥムジ神はイナンナ女神に積極的にアピールして気を引き、最終的にエンキムドゥ神が身を引いて結ばれるという展開である。
      • そのおそらく初夜であろうものが「イナンナとドゥムジの求婚」であり、王の聖婚儀礼の際に使われた詩であろうとされている。
    • イナンナ/イシュタルの冥界下りには数パターンあり、時代や地域によっても展開に大きく差がある。FGOが主として引いているのはシュメル語版「イナンナの冥界下り」である。
      • どのテクストでも共通するのは「ドゥムジ神の死」であり、夏至に執り行われたタンムズ(ドゥムジ)神の死を嘆くタンムズ祭は麦類の収穫月にあたる。メソポタミア地域における農耕期/農閑期の起源神話といえる。
  • マーリンのちょっとした「ツテ」とはこの人のことである。

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]

  1. ドゥムジの暴挙にはイシュタルは言わずもがな、神々は溜息をつき、エレシュキガルもドゥムジの反論を斥けて身代わりとして受理したようだ。

出典[編集 | ソースを編集]

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