「モルガン (Grand Order)」の版間の差分

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::当初は「ヴィヴィアン<ref group = "注">この名前は終編、『楽園の妖精』の本当の役割について話すマーリンの口から初めて明かされている。</ref>」という名前でとある使命のためにオークニーに流れ着き、そこに住む雨の氏族達に時が来るまで庇護・養育されていたのだが、彼女を忌みを嫌う他の氏族長たちの手により、一族もろとも滅ぼされている。その結果として災厄への対抗手段が失われた妖精たちは「大災厄」により、ブリテン異聞帯諸共滅亡して復興も完全に不可能となってしまい無の大地と化した。これがベリルと汎人類史より召喚されたモルガンが見た本来のブリテン異聞帯である。
 
::当初は「ヴィヴィアン<ref group = "注">この名前は終編、『楽園の妖精』の本当の役割について話すマーリンの口から初めて明かされている。</ref>」という名前でとある使命のためにオークニーに流れ着き、そこに住む雨の氏族達に時が来るまで庇護・養育されていたのだが、彼女を忌みを嫌う他の氏族長たちの手により、一族もろとも滅ぼされている。その結果として災厄への対抗手段が失われた妖精たちは「大災厄」により、ブリテン異聞帯諸共滅亡して復興も完全に不可能となってしまい無の大地と化した。これがベリルと汎人類史より召喚されたモルガンが見た本来のブリテン異聞帯である。
 
:: ところがそこへ汎人類史のモルガンのレイシフトによって知識の讓渡がなされたことにより、「この先のブリテン」と「ブリテンへの執着」を知った彼女<ref group = "注">恐らくこの時点で「ヴィヴィアン」の名前を捨て去り、代わりに「モルガン」を自らの『真名』とした事で事実上『楽園の妖精』から変質してしまったと推測される。</ref>は雨の氏族への襲撃を逃れて生き残り、今際に義母から与えられた'''「トネリコ」'''の名を仮名として名乗ると、まず始めに『[[オーディン|北欧における叡智の神]]』を近くにいた[[セタンタ|グリム]]という妖精の少年を依代にして召喚し、彼から魔術の手ほどきを受けつつ妖精を救ってブリテンに新たな国を作ることを目的に救世主としての道を歩き出す。
 
:: ところがそこへ汎人類史のモルガンのレイシフトによって知識の讓渡がなされたことにより、「この先のブリテン」と「ブリテンへの執着」を知った彼女<ref group = "注">恐らくこの時点で「ヴィヴィアン」の名前を捨て去り、代わりに「モルガン」を自らの『真名』とした事で事実上『楽園の妖精』から変質してしまったと推測される。</ref>は雨の氏族への襲撃を逃れて生き残り、今際に義母から与えられた'''「トネリコ」'''の名を仮名として名乗ると、まず始めに『[[オーディン|北欧における叡智の神]]』を近くにいた[[セタンタ|グリム]]という妖精の少年を依代にして召喚し、彼から魔術の手ほどきを受けつつ妖精を救ってブリテンに新たな国を作ることを目的に救世主としての道を歩き出す。
::最初は自身の役割を誰にも理解してもらえず、『魔女』と罵られ蔑まれながらも一人巡礼の鐘を鳴らしていたが、次第に協力してくれるようになった当代の妖精騎士の仲間と共に、厄災の排除<ref group = "注">その実態とはレイシフトを模倣した魔術「水鏡」を使って、改変され剪定時空となっていた過去の世界に『厄災』を飛ばしてしまう。という方法。</ref>の他にも氏族や人間との間の争いなど、災いの火種となりうる「悪意の種」といった小さな厄介事の始末も引き受けてブリテンを救い、それらが終わる度に『棺』と呼ばれるコールドスリープ機能を持つ魔術礼装<ref group = "注">言わずもがなカルデアにおけるコフィンの模倣。</ref>を使った眠りに入り、次の厄災が現れる時期になったら眠りから目覚めて再びブリテンと妖精のために災いを退ける……ということを繰り返してきたのだが、その実態はせっかく平穏をもたらしても最後の最後で妖精特有の『些細な気まぐれと思いつき<ref group = "注">共通項としては'''「全てを壊せば面白そう」'''、'''「トネリコ達が気に食わない」'''、'''「平和な世界などつまらないし飽きた」'''という単純な理由から、本能のままに全てが丸く収まる直前の土壇場で行動を起こし、その結果発生した不幸の責任を、大きな力を持つものへの畏怖、ブリテンで生まれた妖精ではないこと、厄災を引き起こしている元凶だという勘違いによる迫害といった、その場における最もらしい後付けの理屈によって彼女に被せる形で全て押し付け、さらには大多数がそれを信じ込んでしまった部分が合致している。</ref>』によってひっくり返される上に自身も殺害されかけるという、文字通り恩を仇で返されるかの如き非情な仕打ちにあい続け、その度に自分と仲間を裏切った妖精に自分の姿を魔術で被せて記憶を奪って身代わりに『処刑』させる事で、表上は姿を消した事にして生き延びていた。
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::最初は自身の役割を誰にも理解してもらえず、『魔女』と罵られ蔑まれながらも一人巡礼の鐘を鳴らしていたが、次第に協力してくれるようになった当代の妖精騎士の仲間と共に、厄災の排除<ref group="注">その実態とは女王となったトネリコがレイシフトを模倣した魔術「水鏡」を使って、改変され剪定時空となっていた過去の世界に飛ばしてきた『厄災』をトネリコが祓う、というもの。</ref>の他にも氏族や人間との間の争いなど、自分の野望の成就の邪魔となる者たちを片っ端から始末し、それらが終わる度に『棺』と呼ばれるコールドスリープ機能を持つ魔術礼装<ref group = "注">言わずもがなカルデアにおけるコフィンの模倣。</ref>を使った眠りに入り、次の厄災が現れる時期になったら眠りから目覚めて再び自分の野望を成就するために災いを退ける……ということを繰り返してきたのだが、トネリコの厄災退治はただのマッチポンプであった<ref group="注">トネリコはその事実に気づきながらも、わざと言っていない。妖精たちに恩を売ることで自分の國造りに利用してやろうと企んでいた。</ref>上に、妖精たちには統一国家など必要なかったことから<ref group="注">妖精たちにとって自分の氏族の領土が國であり、世界統一など誰も望んでいない。</ref>、トネリコの國造りに反対する妖精たちが現れる度に、自分の姿を魔術で被せて記憶を奪って身代わりに『処刑』させる事で、表上は姿を消した事にして生き延びていた。
:: そして妖精歴400年。最後の挑戦では'''「人間のウーサーを王として擁立する」'''というこれまでにない試みに加え、長らく敵対関係にあった北の妖精たちの取り込みにも成功し、さらには偶然の事故により迷い込んできたマシュの協力で、大穴の中にいる『大厄災』の正体とそれを完全に捩じ伏せる具体的な対抗策を練る事も出来たため今度こそうまくいくはずだったのだが、またもや不満を持つ一部の妖精の企みで愛する王と円卓軍の仲間たちが毒酒によって暗殺され、再びすべてを台無しにされてしまう。
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:: そして妖精歴400年。最後の挑戦では'''「人間のウーサーを王として擁立する」'''というこれまでにない試みに加え、長らく敵対関係にあった北の妖精たちの取り込みにも成功し、さらには偶然の事故により迷い込んできたマシュの協力で、大穴の中にいる『大厄災』の正体とそれを捩じ伏せる具体的な対抗策<ref group="注">対抗策としては不十分であり、カルデアが『大厄災』を討つ時には、ブラックパレルを使わなければならなかった。</ref>を練る事も出来たが、家畜の身分である人間の下につくことを良しとしなかったのか、妖精たちにとって國は気まぐれに左右される程度の価値しかなかったのか、統一国家を望まない妖精たちの反対に遭い、毒殺を警戒しなかったトネリコのせいでウーサーたちを失うこととなった<ref group="注">この際、トネリコはウーサーたちを「私の円卓」と呼んでおり、自分の夫すらも所有物としか見ていないモルガンの傲慢さ、腹黒さが見て取れる</ref>。
:: これにより溜まりにたまっていた亜鈴の仔である妖精たちへの不信と不満が爆発し、妖精を救おうとする救世主としてのやり方を曲げて支配者として君臨することを決意し、何度目かの偽装工作をした後は無関係のマシュを未来の世界へ返すため『棺』に入れてオークニーに安置すると、以降の厄災には一切かかわらずひたすら身を隠す事を決め込み、いままでついて来ていた仲間の妖精騎士達もそれぞれの思考や事情によって全員が離脱。これにより妖精とその文明は一旦滅亡を迎えるのであった。
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:: これにより自分の思い通りにならない妖精たちへの不満が爆発し、妖精たちを無理やり従えて國を造ることを決意し、何度目かの偽装工作をした後は無関係のマシュを未来の世界へ返すため『棺』に入れてオークニーに安置すると、自分の仲間や無辜の妖精や人間たちを裏切って、大厄災退治をサボり、ブリテン全ての妖精と人間たちを死なせ、自分一人だけ生き残った。
 
::なお、トネリコが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」の歴史ではここまでを「妖精暦」として遡った、汎人類史で云う所の紀元前に相当する扱いをされることとなる。
 
::なお、トネリコが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」の歴史ではここまでを「妖精暦」として遡った、汎人類史で云う所の紀元前に相当する扱いをされることとなる。
 
:;妖精國の女王モルガン
 
:;妖精國の女王モルガン
 
::妖精國ブリテンに君臨する『異聞帯の王』たるモルガン。<ruby><rb>主人公</rb><rt>プレイヤー</rt></ruby>が「バーサーカークラスのサーヴァント」として召喚出来るのも此方である。
 
::妖精國ブリテンに君臨する『異聞帯の王』たるモルガン。<ruby><rb>主人公</rb><rt>プレイヤー</rt></ruby>が「バーサーカークラスのサーヴァント」として召喚出来るのも此方である。
 
::当初は氏族長を含めた妖精達や[[アルトリア・キャスター]]の会話で言及されるのみだったが、前編終盤で『水鏡』を使って[[マシュ・キリエライト]]を別時空に飛ばしたのを区切りに本格活動を始める。
 
::当初は氏族長を含めた妖精達や[[アルトリア・キャスター]]の会話で言及されるのみだったが、前編終盤で『水鏡』を使って[[マシュ・キリエライト]]を別時空に飛ばしたのを区切りに本格活動を始める。
::妖精が全滅したのを見計らって活動を再開したトネリコは、空想樹を枯らして魔力を全て取り込み<ref group = "注">実はこの時本来なら「汎人類史のモルガン」のマスターだったベリルの存在も、「空想樹が健在である、既に滅亡している更地のブリテン異聞帯」を知る=パラドックスを招く存在であったため消滅させており、妖精國再興の折に'''姿形まで瓜二つな存在'''として蘇らせた。</ref>、サーヴァント召喚を応用する形で妖精國に住まう妖精を復活させ、名前を「モルガン」に戻し独力で妖精國を再興した。これが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」であり、同時に剪定事象である『異聞帯』からさらに枝分かれした特異点、通称'''『異聞世界』'''となった現在の「妖精國ブリテン」である。<br>2回目のブリテンにおいて國を再興した後は年号を「女王暦」と改め、妖精には全て妖精紋様と呼ばれる令呪のようなものを刻み、領土拡大のためという名目で年に一度「存在税」として定量の魔力を吸い上げ続け、従属に必要な人間の生産も徹底的に管理するといった冷酷な圧制で支配した。
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::妖精が全滅したのを見計らって活動を再開したトネリコは、空想樹を枯らして魔力を全て取り込み<ref group = "注">実はこの時本来なら「汎人類史のモルガン」のマスターだったベリルの存在も、「空想樹が健在である、既に滅亡している更地のブリテン異聞帯」を知る=パラドックスを招く存在であったため消滅させており、妖精國再興の折に'''姿形まで瓜二つな存在'''として蘇らせた。</ref>、サーヴァント召喚を応用する形で妖精國に住まう妖精を復活させ、名前を「モルガン」に戻し独力で妖精國を再興した。これが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」であり、同時に剪定事象である『異聞帯』からさらに枝分かれした特異点、通称'''『異聞世界』'''となった現在の「妖精國ブリテン」である。
::そしてそれから2000年ほど経った後、女王歴2017年に鏡の氏族の予言による「予言の子」と「[[主人公 (Grand Order)|異邦の魔術師]]」が現れるも、当初はさほど脅威視していなかったらしく神造兵器および礼装の譲渡までは行かずとも『ノリッジの厄災』を払った労い替わりに'''1億QPを進呈'''<ref group = "注">シナリオ上の設定ではなく、次のクエスト進行で'''本当に支払われる'''。</ref>したり、戦闘態勢を取るベリルを強制的に抑え込んだりと、あくまでもキャメロット内では「賓客」としてあつかっていた。
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::2回目のブリテンにおいて國を再興した後は年号を「女王暦」と改め、妖精には全て妖精紋様と呼ばれる令呪のようなものを刻み、モルガンが大厄災退治をサボったツケを年に一度「存在税」として莫大な魔力を吸い上げ続けられる形で支払わされており、支払えなかった妖精たちが夥しいほどに死んでいる。モルガンが造ったニュー・ダーリントンでは彼女の身内贔屓により、バーヴァン・シーとベリルによって国立殺戮劇場での殺戮ショーと地下でのモース実験が行われ、甚大な数の人間が、玩具にされ、苦しめられ、殺されている。モルガンはバーヴァン・シーに残虐に生きるように教育しており、妖精國では40万人の妖精が彼女に殺されている(人間に至っては図り切れない)。殺されている妖精たちは上級下級問わず、弱い者だけが彼女に殺されている。様々な悪法が敷かれており、モルガンに逆らった者は粛清されるが、モルガンはバーヴァン・シーとベリルには妖精と人間の生殺与奪を握らせて、法律を破っても何も咎めない。モルガンは「妖精も人間も許さず、救わない」と口癖のように言っており、自分がどれだけ好き勝手しようが何も戒めないが、妖精や人間たちがモルガンに勝手をするのは決して許さない。大の依怙贔屓であり、何の仕事もせず、虐殺ばかりに明け暮れている自分のお気に入りを露骨に贔屓するのに対して、毎日命懸けで馬車馬のように働いている自分の臣下や国民に対しては、何の感謝もしないどころか、「無能」「質が落ちた」「全員死ね」と罵倒と虐殺の限りを尽くしている。2000年仕えてくれた上級妖精や女王騎士にすら、何のねぎらいの言葉もかけないどころか、褒美の一つも与えず、目の前で殺されようが、平然と見殺しにしている。妖精が族滅しようが、何の感慨も覚えず、モルガンの支配下で2つの氏族が滅びている。
:: だが、一行が「巡礼の鐘」を鳴らしつつロンディニウムの円卓軍、各地で組織されていた反乱軍や北の妖精「王の氏族」族長のノクナレアを味方につけた事により宣言通り敵対し、キャメロットへの奇襲攻撃をきっかけとしてついに全面対決となる。戦そのものは女王軍が劣勢になった所で反乱軍の兵士を自分と同等の能力を持つ分身を何人も生み出す事で全て薙ぎ払い、その様に圧倒された主人公達が戦意喪失する一歩手前まで追い詰めたが、玉座の間に戻りかけた所で乱心状態のまま現れたウッドワスに重傷を負わされ、満身創痍となってもなお妖精國の女王の威圧を崩さないまま反旗を翻した[[スプリガン]]を制するが、人質にされた瀕死の[[妖精騎士トリスタン|バーヴァン・シー]]の姿を見せつけられ動揺。さらにはそこへオーロラによる「真実の告白」という名目の全域への虚言混じりの吹聴が重なり<ref group = "注">実はキャメロット決戦前夜で自分も巡礼の旅に出たことがある旨を無意識に漏らしており、早い段階で周囲に自身もまたブリテンの妖精達が忌み嫌う『楽園の妖精』であると感づかせ、懐疑心の種を植え付けてしまっていた。</ref>、周囲の上級妖精によって'''「自分が玉座に戻らなければブリテンは滅んでしまう」'''と言う最期の言葉も聞き入れられないまま惨たらしく殺害されてしまった。
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::そしてそれから2000年ほど経った後、女王歴2017年に鏡の氏族の予言による「予言の子」と「[[主人公 (Grand Order)|異邦の魔術師]]」が現れるも、当初はさほど脅威視していなかったらしく神造兵器および礼装の譲渡までは行かずとも『ノリッジの厄災』を払った労い替わりに1億QPを進呈<ref group="注">おそらくは、カルデアの機嫌取りのため。上級妖精や女王騎士には給料を与えている様子もない。</ref>したり、戦闘態勢を取るベリルを強制的に抑え込んだりと、あくまでもキャメロット内では「賓客」としてあつかっていた。
::誰も耳を貸す事が無かったその哀願はただの命乞いではなく、もしノクナレアという次期女王が存在しなかったと仮定すれば純然たる事実であり、一度は大厄災で滅んだ妖精國が今日まで復興していたのも、「妖精は死んだら次代が生まれる」と言うシステムが変わらずに機能し続けていたのも、モルガンがサーヴァントのような形で召喚していたためだった。また「炎の厄災」「獣の厄災」が現れていないのも、その元凶に円卓の騎士の<ruby><rb>着名</rb><rt>ギフト</rt></ruby>を与えることで封印していたからであり、キャメロットの城が大穴の隣にあるのも、大穴に面した城壁に12門ものロンゴミニアドが設置されている<ref group = "注">モルガンが妖精達から吸い上げていた魔力は、むしろこの装置の起動と維持の為に使用されていた可能性が高い。</ref>のも、大穴の底にある[[ケルヌンノス|呪いの元凶]]を撃ち滅ぼすためであった。かくしてモルガンと、彼女のシステムを本来引き継ぐはずだったノクナレアを立て続けに喪った妖精國は、押さえつけていたそれらすべての厄災が同時に噴出し、瞬く間に地獄の様相を呈することとなる。
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:: だが、一行が「巡礼の鐘」を鳴らしつつロンディニウムの円卓軍、各地で組織されていた反乱軍や北の妖精「王の氏族」族長のノクナレアを味方につけた事により宣言通り敵対し、キャメロットへの奇襲攻撃をきっかけとしてついに全面対決となる。戦そのものは女王軍が劣勢になった所で反乱軍の兵士を自分と同等の能力を持つ分身を何人も生み出す事で全て薙ぎ払い、その様に圧倒された主人公達が戦意喪失する一歩手前まで追い詰めたが、玉座の間に戻りかけた所で乱心状態のまま現れたウッドワスに重傷を負わされ、満身創痍となってもなお妖精國の女王の威圧を崩さないまま反旗を翻した[[スプリガン]]を制するが、人質にされた瀕死の[[妖精騎士トリスタン|バーヴァン・シー]]の姿を見せつけられ動揺。さらにはそこへオーロラによる「真実の告白」という名目の全域への虚言混じりの吹聴が重なり<ref group="注">実はキャメロット決戦前夜で自分も巡礼の旅に出たことがある旨を無意識に漏らしており、早い段階で周囲に自身もまたブリテンの妖精達が忌み嫌う『楽園の妖精』であると感づかせ、懐疑心の種を植え付けてしまっていた。</ref>、周囲の上級妖精によって'''「自分が玉座に戻らなければブリテンは滅んでしまう」'''と言う最期の言葉も聞き入れられないまま惨たらしく殺害されてしまった。無敵に近い能力を持ちながら、あまりにも無知で無能であるが故に、自分で墓穴を掘りに堀って自滅した'''カマセ犬'''であった。今まで自分が散々嫌い苛め見下していた一般の人間と妖精に殺されるというのは、作中で様々な人物から評される「天才」という言葉に相応しい最後であった。「雑兵にやられる私ではない」と二度も繰り返していたが、その度に人間と妖精にやられるという点で、偉大な女王だったといえる。
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::誰も耳を貸す事が無かったその哀願はただの命乞いであり、モルガンが大厄災退治をサボったせいで、妖精たちは未来永劫そのツケを支払わされることになった。今回の大厄災退治もサボるつもりであり、全ての妖精と人間は大厄災で死ねといったのにも関わらず、自分だけは生き残るつもりでいた。その件でバーゲストにも愛想をつかされている。モルガンが死んだ後には、利用した厄災候補が大厄災となってブリテンを滅ぼす用意までしている。大穴の『大厄災』を水鏡で飛ばすこともなければ、毒殺防止のために公共の場での飲酒を禁じることもなかった。かくしてモルガンと、彼女とは違って妖精と人間を救うつもりだったノクナレアを立て続けに喪った妖精國は、モルガンが利用していた妖精騎士が全員大厄災となり、瞬く間に地獄の様相を呈することとなる。
 
::期間限定イベント『水怪クライシス』では、ハベトロットと一緒に微小特異点先の島へ<del>勝手に散歩</del>散策に来ていた所へ[[コン]]と遭遇ししばし戯れ、程なくしてハベトロットが主人公に呼び出されて行ってしまい一人不貞腐れていると、傍に居たコンに誘われて辺りを散策中徴弐と鉢合わせる。そこで彼女がコン達に作っていた竹馬に興味を抱き、愛娘バーヴァン・シーの靴創作の糧を兼ねたお土産にすべく安全性を確かめる口実で自分用にも欲しいと<del>案の定遠回しで分かりづらく</del>お願いする。<br>その過程でコンの手触りを堪能している内に正体に気が付いたのか、終盤で[[ダゴン|歪神ダゴン]]を相手に悪戦苦闘する一行の喧騒を聞きつけて姿を現した所、これ幸いと言わんばかりに主人公とマシュから助けを求められ、戦闘の手伝いをしない代わりに[[エレシュキガル]]、[[謎のアルターエゴ・Λ]]、[[武則天]]の髪の毛を呼び水、残っていたコン達の何体かを触媒に自分の魔力をマシュの盾の力と主人公の詠唱に乗せる事でカウンターアタックとなる神霊サーヴァント「[[太歳星君]]」の召喚に貢献した。
 
::期間限定イベント『水怪クライシス』では、ハベトロットと一緒に微小特異点先の島へ<del>勝手に散歩</del>散策に来ていた所へ[[コン]]と遭遇ししばし戯れ、程なくしてハベトロットが主人公に呼び出されて行ってしまい一人不貞腐れていると、傍に居たコンに誘われて辺りを散策中徴弐と鉢合わせる。そこで彼女がコン達に作っていた竹馬に興味を抱き、愛娘バーヴァン・シーの靴創作の糧を兼ねたお土産にすべく安全性を確かめる口実で自分用にも欲しいと<del>案の定遠回しで分かりづらく</del>お願いする。<br>その過程でコンの手触りを堪能している内に正体に気が付いたのか、終盤で[[ダゴン|歪神ダゴン]]を相手に悪戦苦闘する一行の喧騒を聞きつけて姿を現した所、これ幸いと言わんばかりに主人公とマシュから助けを求められ、戦闘の手伝いをしない代わりに[[エレシュキガル]]、[[謎のアルターエゴ・Λ]]、[[武則天]]の髪の毛を呼び水、残っていたコン達の何体かを触媒に自分の魔力をマシュの盾の力と主人公の詠唱に乗せる事でカウンターアタックとなる神霊サーヴァント「[[太歳星君]]」の召喚に貢献した。
  
 
;人物
 
;人物
 
: 青地に白と黒のドレスを着た白銀の髪の女性。
 
: 青地に白と黒のドレスを着た白銀の髪の女性。
:: 「救世主トネリコ」として活躍していた妖精暦時代は同じ『楽園の妖精』であるアルトリア・キャスターと瓜二つの少女<ref group = "注">手に持っているのが選定の杖でないこと、帽子の側面についている紋章がわずかに違うこと、胸元のリボンが黒色なこと以外はアルトリア・キャスターの第二再臨の姿と同じ。</ref>。
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: 「救世主トネリコ」として活躍していた妖精暦時代は同じ『楽園の妖精』であるアルトリア・キャスターと瓜二つの少女<ref group="注">手に持っているのが選定の杖でないこと、帽子の側面についている紋章がわずかに違うこと、胸元のリボンが黒色なこと以外はアルトリア・キャスターの第二再臨の姿と同じ。</ref>。
:: 異聞帯の王となった女王暦時代の彼女はフェイスベールのついた黒い王冠と黒のローブに似た衣装をまとっている。(こちらの服装は後に解放霊衣として取得可能)
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: 異聞帯の王となった女王暦時代の彼女はフェイスベールのついた黒い王冠と黒のローブに似た衣装をまとっている。(こちらの服装は後に解放霊衣として取得可能)
:冷酷無比で叛逆を許さない支配の女王。人間を嫌い、妖精を嫌い、平等を嫌い、平和を嫌う。そのため、一般人から見ると悪の支配者そのものに見える。
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:冷酷無比で叛逆を許さない支配の女王。人間を嫌い、妖精を嫌い、平等を嫌い、平和を嫌う。悪の支配者そのものである。
:ただし彼女にとって「好きか嫌いか」と「必要か不要か」は切り離された別のことであり、自らが第一に考える「ブリテン島の秩序ある支配」を保つのに必要であれば、自分が嫌いなものであろうと分け隔てなく認めて使う。他人を信頼しない訳ではないが、アテにはしない。基本的に自分で帳尻を合わせれば済むように物事を進める。
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:彼女にとって「好きか嫌いか」と「必要か不要か」は同じことであり、自らが第一に考える「ブリテン島の秩序ある支配」を保つのに必要であっても、自分が嫌いなものだったら使うことはない。他人を信頼しないが、アテにはする。自分で帳尻を合わせるように物事を進めることもない。
:冷酷で機械のように見えるモルガン自身にも人格はあり、それは汎人類史のモルガンとして伝わる「淫蕩・惨忍・自分勝手」というものと大差ないが、異聞帯のモルガンは果てしなく長い旅路の中で数多の挫折を味わい、それらの極端な部分は打ちのめされて引っ込んでいるだけである。モルガン自身が極度に追いつめられたり焦ったりすることがあれば、その本来の性格が表に出る事もあるが、そうでなければ支配者として冷徹に「自分の好き嫌いに無関係に必要なものは認めて使う」性格だけが表に見える。
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:彼女の大粛清、大悪法、彼女の家族の大虐殺により、ブリテンは無法地帯と化しており、警察や教育もないので、妖精が殺されても誰も罰さない。兵士となる人間も、魔力となる妖精も、モルガンの道楽によって何万何億と無駄に殺されている。バーヴァン・シーが開いた球技大会で参加者全員が殺され、彼女の私室には切り取られた妖精の足が飾られている。モルガンと娘のバーヴァン・シー共々、何の仕事もせず、粛清と虐殺に明け暮れて、妖精と人間への泣き言と恨み言に終始している。妖精や人間を殺すことに何の罪悪感も覚えず、むしろ殺している自分が被害者だと思っているなど、極端な自己愛と自己中心性、被害者意識に満ちた人物であるため、汎人類史でも異聞帯でも総スカンを喰らっている「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い邪悪」である。
:一方で「牙の氏族」が過去に起こした「翅の氏族」への虐殺行為に対する贖罪と戒めのため、菜食主義を自身と領民に徹底したウッドワスや、妖精の中でただ一人自身を慕い感謝し続けたバーヴァン・シーの様に『信頼出来る仲間』と認めた者には慈しみを向けることはあったものの、性格が災いし「感謝や労いといった情を言葉にするのではなく、態度や仕草で示していた」ために多くの者から誤解を受けており、結果的には自身の破滅にも繋がってしまった。
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:今まで散々妖精と人間たちを殺し、見殺し、苦しめ、大厄災の退治すらもサボったのにも関わらず、最後は妖精たちに涙ながら命乞いをするなど、「吐き気を催す醜悪」を地でいく暗君である。今まで自分が妖精と人間たちに犯した罪は一切認めず、それどころか自分は妖精たちに感謝されて当然の無辜の者だと思っている。妖精國の妖精たちはそれでもモルガンに感謝の念を持っており<ref group="">上級妖精も下級妖精もモルガンのいないところですら、彼女のことを話すときは敬語を使う程、敬っている。</ref>、それ故にバーヴァン・シーの横暴を応援するモルガンに幻滅していたが<ref group="注">「バーヴァン・シーがいなくなれば、モルガン陛下も正気に戻ってくださる」と女王騎士はつぶやいていた。</ref>、モルガンは妖精に感謝されていることを認めようとはしなかった。
:女王としての諸々の要素が取り払われると、お人好しで冒険好き、年中雨が降っているオークニーの宮殿の奥の、他に誰もいない図書室で雨垂れの音だけを友達に本を読んでいた<ref group="">[http://www.typemoon.org/bbb/diary 竹箒日記 2022/04]</ref>トネリコもといヴィヴィアンだった頃の彼女を思わせる朴訥で天然気味な一面が現れてくる。
+
:異聞帯のモルガンの性格は、汎人類史のモルガンとして伝わる「淫蕩・惨忍・自分勝手」というものと大差ないが、こちらのモルガンは果てしなく長い旅路の中で数多の挫折を味わい、それらの極端な部分は打ちのめされて引っ込んでいるだけである。モルガン自身が極度に追いつめられたり焦ったりすることがあれば、その本来の性格が表に出る事もあるが、そうでなければ支配者として冷徹に「自分の好きなものだけを使う」性格だけが表に見える。
 +
:頭は非常に悪く、妖精眼をもってしてもまともにコミュニケーションも取れない上に、法律も多ければ多いほどのいい、という程、無知。自分が寵愛を捧げていたウッドワスやバーヴァン・シーを逆に苦しめていることにすら気づかない。
 +
:何の仕事もせずに虐殺に明け暮れている自分こそが誰よりも妖精國に貢献していると思っており、最後の独白でも「私の妖精國は美しく夢のようですか?」と問いかけていた。モルガンのせいでそれまで自由で幸福な暮らしを送っていた妖精と人間を絶望と苦痛のどん底に突き落としておきながら、毎日命懸けで馬車馬のように働いていた妖精と人間のおかげで國が成り立っていたことは決して認めなかった。
 
; 能力
 
; 能力
 
: 所有する魔槍を利用した呪詛や魔術の他、第三再臨の[[アルトリア・キャスター]]と同じく魔術触媒として「ロンゴミニアド」を召喚する事も可能な模様。
 
: 所有する魔槍を利用した呪詛や魔術の他、第三再臨の[[アルトリア・キャスター]]と同じく魔術触媒として「ロンゴミニアド」を召喚する事も可能な模様。
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:最高位の妖精であり、最果ての槍・ロンゴミニアドを魔術として修得した神域の天才魔術師。
 
:最高位の妖精であり、最果ての槍・ロンゴミニアドを魔術として修得した神域の天才魔術師。
 
:汎人類史のモルガンは[[アルトリア・ペンドラゴン|アーサー王]]の異母姉でブリテンの後継者候補であったが、その座を奪われた事から彼女に憎悪を抱き、自らの魔術を用いた奸計に加え、時としては自身の子供をも利用してアーサー王やその仲間である円卓の騎士達を陥れ、その象徴たる王都キャメロット、強いてはブリテンを崩壊させるに至った魔女とされている。<br>だがその一方で、カムランの戦いにより傷付いたアーサー王を最果ての楽園「アヴァロン」へ連れて行きその身を癒したとも云われている。
 
:汎人類史のモルガンは[[アルトリア・ペンドラゴン|アーサー王]]の異母姉でブリテンの後継者候補であったが、その座を奪われた事から彼女に憎悪を抱き、自らの魔術を用いた奸計に加え、時としては自身の子供をも利用してアーサー王やその仲間である円卓の騎士達を陥れ、その象徴たる王都キャメロット、強いてはブリテンを崩壊させるに至った魔女とされている。<br>だがその一方で、カムランの戦いにより傷付いたアーサー王を最果ての楽園「アヴァロン」へ連れて行きその身を癒したとも云われている。
 
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:実のところ妖精國におけるモルガンは、汎人類史のモルガンのブリテンに対する執着を知り、自分もアルトリアと同じように、國を造り、王になるという野心を持ち、その野望を果たすため、名前と<ruby><rb>記録</rb><rt>記憶</rt></ruby>を引き継いだ事で誕生した存在である。しかし、自分の思い通りにならない妖精と人間に激怒し、無理やり妖精と人間を従えて、強引に國を造る方法にシフトした。
:実のところ妖精國におけるモルガンは、汎人類史のモルガンのブリテンに対する執着を『切実な願い』として一人の妖精が純粋に受け止めてしまった結果、自分がその目的を果たすべく名前と<ruby><rb>記録</rb><rt>記憶</rt></ruby>を引き継いだ事で誕生した存在であり、その純粋さに足元をすくわれ続けた事で彼女もまた「ブリテンの魔女」に成り果ててしまうのである。
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:2部6章ではモルガン打倒、妖精國打倒、ブリテン打倒のエースとして大活躍を果たしている。ブリテンを支配するボスキャラとしてあまりにも不相応な無知、無能、無策、無責任、無謀、無様極まる自業自得は、ユーザーから「頭モルガン」と呼ばれ、妖精と人間への無体な仕打ちは「モルガン様だから」と説明される。汎人類史では自分と家族がブリテンを滅ぼしていたが、異聞帯でも全く同じ道を辿っている。
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:一回目のブリテンではブリテンの大地が残ったが、モルガンが作った2回目のブリテンでは大地まで抹消されることとなった。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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===Fate/Grand Order===
 
===Fate/Grand Order===
 
;[[ベリル・ガット]]
 
;[[ベリル・ガット]]
:最初に「汎人類史のモルガン」として召喚された時のマスター。彼女が異聞帯のサーヴァントに変貌した時点で事実上不要になっていたため一度は存在を消去し、自ら支配する妖精國による「異聞世界」が確立した現代において'''記憶も容姿も生き写しなコピー人間'''として復元させ、建前上は「自分の婚約者(夫)」として傍に置いている。
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:最初に「汎人類史のモルガン」として召喚された時のマスター。彼女が異聞帯のサーヴァントに変貌した時点で事実上不要になっていたため一度は存在を消去し、自ら支配する妖精國による「異聞世界」が確立した現代において'''記憶も容姿も生き写しなコピー人間'''として復元させ、建前上は「自分の婚約者(夫)」として傍に置いている。自分のマスターであるクリプターを殺し、複製まで作るという外道行為に及んでいるサーヴァントはモルガンだけである。
 
:ある程度は彼の自由にさせているが、目前でカルデア一行に危害を加えようとした際には「私が招いた客」だと言って動きを強制的に封じ抑えるなど王として毅然と接するも、一方では大切な愛娘たるバーヴァン・シーの身を預ける位に信頼はしていた模様。だが、当の本人からすれば妖精國など「既に終わった世界」であった事と、色々と『遊び尽くして』飽きてしまっていたためとっくの間に興味が無くなっていた上に「マシュを手に入れる」という別の目的があった事もあり、自身のあずかり知らぬ裏々で手を回され間接的に追い詰められてしまった。
 
:ある程度は彼の自由にさせているが、目前でカルデア一行に危害を加えようとした際には「私が招いた客」だと言って動きを強制的に封じ抑えるなど王として毅然と接するも、一方では大切な愛娘たるバーヴァン・シーの身を預ける位に信頼はしていた模様。だが、当の本人からすれば妖精國など「既に終わった世界」であった事と、色々と『遊び尽くして』飽きてしまっていたためとっくの間に興味が無くなっていた上に「マシュを手に入れる」という別の目的があった事もあり、自身のあずかり知らぬ裏々で手を回され間接的に追い詰められてしまった。
 +
:ベリルが自身の命に興味がなく、何の倫理観もないと知っており、妖精眼を所持しているのにも関わらず、ベリルとバーヴァン・シーが一緒にいても何も咎めないという相当の間抜けなミスを犯している。モース実験により多大な人間を犠牲にしており、国防に必要な兵士の数を著しく減らしており、妖精国の安全保障に多大なダメージを与えてしまった。
  
 
;[[主人公 (Grand Order)]]
 
;[[主人公 (Grand Order)]]
 
:外の世界から来た汎人類史の人間。予言における『異邦の魔術師』。
 
:外の世界から来た汎人類史の人間。予言における『異邦の魔術師』。
 
:彼/彼女からロンゴミニアドの譲渡を懇願されたが、汎人類史のモルガンからあらかじめカルデアに関する知識を与えられていたため敵とみなし協力を拒否するも、ブリテン異聞帯にいる内は「我が国を訪れた賓客」として振る舞い、キャメロットの最終決戦を除けば特に此方から何か仕掛ける事はしなかった<ref group = "注">マシュが「水鏡」に巻き込まれたのは、元は本来の発動対象だった『ノリッジの厄災』を主人公達が先に倒した結果によるものであり'''本当にただの偶発的な事故'''。</ref>。
 
:彼/彼女からロンゴミニアドの譲渡を懇願されたが、汎人類史のモルガンからあらかじめカルデアに関する知識を与えられていたため敵とみなし協力を拒否するも、ブリテン異聞帯にいる内は「我が国を訪れた賓客」として振る舞い、キャメロットの最終決戦を除けば特に此方から何か仕掛ける事はしなかった<ref group = "注">マシュが「水鏡」に巻き込まれたのは、元は本来の発動対象だった『ノリッジの厄災』を主人公達が先に倒した結果によるものであり'''本当にただの偶発的な事故'''。</ref>。
:ただし、汎人類史側のモルガンによるフィニス・カルデアの知識と技術伝授の時に『何か』を察知したのか、異聞帯でも発揮されるカルデア召喚式の異質な力を危険視し、最終的に相対した際に「次があれば立ち返って調べた方が良い」と忠告を送っている。
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:全ては自分が褒められたいという下心故の贔屓であり、最後の独白では「'''私の'''國は美しく夢のようですか?」と問いかけていたが、主人公にはモルガンの支配は酷すぎると思われていた。主人公は何度か娘のバーヴァン・シーに殺されかけているが、そのことでモルガンが注意したり、謝罪したりする描写はない。
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:汎人類史側のモルガンによるフィニス・カルデアの知識と技術伝授の時に『何か』を察知したのか、異聞帯でも発揮されるカルデア召喚式の異質な力を危険視し、最終的に相対した際に「次があれば立ち返って調べた方が良い」と忠告を送っている。
 
:カルデアで召喚された際には、当初は女王の例に漏れず「汎人類史の魔術師への軽蔑と反感」を以て臣下として見ていたが、「譲歩しても対等な関係」という姿勢を皮肉を込めて示す際、何故か''彼/彼女を夫/妻として呼んだ''ことで、以後気に入ってからは「言葉から始まる関係も悪くない」と本気で乗り気になっている様子。<br>「我々の城はいつ建てましょうか?」「私以外のバーサーカーはすべて解雇<ref group = "注">ちなみに『愛娘』たる妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーと一番仲良くしているのは、皮肉にもバーサーカークラスの[[ガラテア]]である。</ref>しなさい」と豪胆でもあり極端でもある、ある意味で彼女らしい振る舞いを見せる。
 
:カルデアで召喚された際には、当初は女王の例に漏れず「汎人類史の魔術師への軽蔑と反感」を以て臣下として見ていたが、「譲歩しても対等な関係」という姿勢を皮肉を込めて示す際、何故か''彼/彼女を夫/妻として呼んだ''ことで、以後気に入ってからは「言葉から始まる関係も悪くない」と本気で乗り気になっている様子。<br>「我々の城はいつ建てましょうか?」「私以外のバーサーカーはすべて解雇<ref group = "注">ちなみに『愛娘』たる妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーと一番仲良くしているのは、皮肉にもバーサーカークラスの[[ガラテア]]である。</ref>しなさい」と豪胆でもあり極端でもある、ある意味で彼女らしい振る舞いを見せる。
  
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: 全てを知っているトネリコは将来敵対する可能性があることを理解しつつも、彼女の人柄と強さを信頼し、また未来の自分の不適際によるものだから仕方ないと割り切るようにと述べた後、最後に[[ギャラハッド|彼女の中にいる英霊]]が力を貸さなくなった理由と、再び認められるかもしれない方法を自分なりの解釈を含めたアドバイスという形でマシュに伝え、『棺』を使って元の時代へと戻れるように協力した。
 
: 全てを知っているトネリコは将来敵対する可能性があることを理解しつつも、彼女の人柄と強さを信頼し、また未来の自分の不適際によるものだから仕方ないと割り切るようにと述べた後、最後に[[ギャラハッド|彼女の中にいる英霊]]が力を貸さなくなった理由と、再び認められるかもしれない方法を自分なりの解釈を含めたアドバイスという形でマシュに伝え、『棺』を使って元の時代へと戻れるように協力した。
 
:別れた後。長い年月が過ぎた際にはマシュのことはもう記憶の片隅に残っている程度になっており、再会の喜びもなくただ1人の敵として相対することになるが、ほんの一瞬だけ彼女に関する『何か』を思い出したような素振りを見せていた。
 
:別れた後。長い年月が過ぎた際にはマシュのことはもう記憶の片隅に残っている程度になっており、再会の喜びもなくただ1人の敵として相対することになるが、ほんの一瞬だけ彼女に関する『何か』を思い出したような素振りを見せていた。
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:マシュも然程思い入れはなく、モルガンが死んだ時も悲しむことはなく、後の祝賀会にも喜んで出席している。
  
 
;[[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]シリーズ全般
 
;[[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]シリーズ全般
 
:汎人類史ではブリテンの後継者を争った因縁の相手であり異母妹。
 
:汎人類史ではブリテンの後継者を争った因縁の相手であり異母妹。
:カルデアに召喚されたモルガンは異聞帯の存在ではあるが、汎人類史の彼女が持っていた知識と記憶を受け継いでいるため、「別の自分のこと」とは理解していつつも因縁の相手として見てしまう様子。
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:カルデアに召喚されたモルガンは異聞帯の存在ではあるが、汎人類史の彼女が持っていた知識と記憶を受け継いでいるため、「別の自分のこと」とは理解していつつも因縁の相手として見てしまう様子。モルガンの器の小ささがこれでもかという程に表れている。
 
:なお[[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕|オルタ]]が「壊すことしかできない宝具」にモルガンの名を付けているのを「嫌がらせか!」と憤慨したり、[[アルトリア・ペンドラゴン〔アーチャー〕|水着]]が持っている水鉄砲<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン〔アーチャー〕|水着]]側の宝具名には、汎人類史のモルガンが湖の乙女として冠し、尚且つ異聞帯の「楽園の妖精」としての本来の名前である『ヴィヴィアン』が付けられている。</ref>を羨ましがったり、似た者同士の性根が現れている。
 
:なお[[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕|オルタ]]が「壊すことしかできない宝具」にモルガンの名を付けているのを「嫌がらせか!」と憤慨したり、[[アルトリア・ペンドラゴン〔アーチャー〕|水着]]が持っている水鉄砲<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン〔アーチャー〕|水着]]側の宝具名には、汎人類史のモルガンが湖の乙女として冠し、尚且つ異聞帯の「楽園の妖精」としての本来の名前である『ヴィヴィアン』が付けられている。</ref>を羨ましがったり、似た者同士の性根が現れている。
  
 
;[[モードレッド]]
 
;[[モードレッド]]
 
:汎人類史では、モルガンがアルトリアの遺伝子を使って生み出したホムンクルス。「アルトリアのコピーを作る」という汎人類史の自分の所業に流石のモルガンも驚きを隠せなかった。
 
:汎人類史では、モルガンがアルトリアの遺伝子を使って生み出したホムンクルス。「アルトリアのコピーを作る」という汎人類史の自分の所業に流石のモルガンも驚きを隠せなかった。
:それとは別にモードレッドという騎士の能力自体は非常に高く買っており「素晴らしい出来」と評価しているが、そんなものを作っておいて失敗した汎人類史の自分が果たして成功者なのかそうじゃなかったのか、イマイチよく分からなくなっている。
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:それとは別にモードレッドという騎士の能力自体は高く買っており「なかなかの駒」と道具として高評価しているが、そんなものを作っておいて失敗した汎人類史の自分が果たして成功者なのかそうじゃなかったのか、イマイチよく分からなくなっている。
  
 
;[[ガウェイン]]、[[ガレス]]
 
;[[ガウェイン]]、[[ガレス]]
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;[[アルトリア・キャスター]]
 
;[[アルトリア・キャスター]]
 
:『予言の子』かつ、同じ星の内海から遣わされた次代の『<ruby><rb>楽園の妖精</rb><rt>アヴァロン・ル・フェ</rt></ruby>』。
 
:『予言の子』かつ、同じ星の内海から遣わされた次代の『<ruby><rb>楽園の妖精</rb><rt>アヴァロン・ル・フェ</rt></ruby>』。
:アルトリアが異聞帯で予言の子として旅をしていた間は「自らに敵対しなければ放置、敵対すれば抹殺する」という態度を一貫しており、基本的に味方はしなかった。
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:アルトリアが異聞帯で予言の子として旅をしていた間は「自らに敵対しなければ放置、敵対すれば抹殺する」という態度を一貫しており、基本的に味方はせず、アルトリアが何の保護もなく生きている時も、彼女を助けようとはしなかった。
 
:しかしカルデアに召喚されてからは、異聞帯で自分が死亡した後、放棄されていた『楽園の妖精』の本当の使命を彼女が成し遂げ、ケルヌンノスのみならず『奈落の蟲』をも打ち倒した事を知り、態度を和らげている。
 
:しかしカルデアに召喚されてからは、異聞帯で自分が死亡した後、放棄されていた『楽園の妖精』の本当の使命を彼女が成し遂げ、ケルヌンノスのみならず『奈落の蟲』をも打ち倒した事を知り、態度を和らげている。
  
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;[[ウッドワス]]
 
;[[ウッドワス]]
 
:女王暦2017年当時の、牙の氏族の族長。
 
:女王暦2017年当時の、牙の氏族の族長。
:ウッドワスからは狂信に近い忠誠を受けており、モルガンも数少ない「信頼」を内心で向けている相手。付き合いが長いからか、彼への評価は「幼き勇者将軍」となっている。
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:ウッドワスからは狂信に近い忠誠を受けており、モルガンも数少ない「信頼」を内心で向けている相手。付き合いが長いからか、彼への評価は「幼き勇者将軍」となっている。「妖精と人間を救わず、許さない」といつも言っているモルガンに、なぜウッドワスが忠誠を誓うのか、自分の忠誠が報われて当然だと思っているのかは不明。
:モルガンが信頼を置いているのは仲間だった先代の排熱大公ライネックの事もあるが、彼が牙の氏族達による『過去の過ち』を知って以降、反省と戒めのため菜食主義に努めているからであり、この行為は本来存在しないはずの『過去から学ぶこと』に該当するため、妖精が持つ『無垢さゆえの悪性』に失望しきっている彼女からすれば例外扱いする理由足り得る。
+
:非常に傲慢で凶暴な性格で、他の牙の氏族は乱暴せずに生きているのにも関わらず<ref group="注">翅の氏族を虐殺してしまったことはあるが、それはオベロンの画策によるもの。</ref>、ウッドワスは些細な怒りで人間を八つ当たりで殺すほど、馬鹿で性悪であった<ref group="注">殺してしまった人間への罪悪感もなく、部下に「殺した人間の掃除をしておけ」というだけで謝罪の一つもなく、あまりにも無情な長に部下は殺された人間に憐れみを覚えていた。</ref>。個人の性質を氏族全体の問題にして、他の牙の氏族には、採食を心掛けさせ、テーブルマナーを徹底させるという虐待を犯していた。
:それ故にモルガンの方も、その積年の努力を無駄にするような『本来の凶暴性を全開にしなければならないほどの戦い』が起こらないよう陰ながら配慮していたが、それが間接的に周囲の人物からのウッドワスの実力に対する過小評価に繋がっていた面もある。
+
:すぐに暴れるウッドワスを危険視して戦場に出さないようにしていていたが、それ故にバーヴァン・シーから「ロートル」「クソ犬」「私の方が強い」と馬鹿にされており、苛められている彼を助けることもなかった。
:終盤では[[オーロラ|最愛の人]]の言葉に惑わされ思い余って反乱するものの、最後はモルガンからの優しい言葉で信頼を再認識し、モースにはなったが暴れることはなく消滅していった。
+
:オーロラにレストランで骨抜きにされて円卓軍の侵攻を許し、戦場で指揮を執っている時も「予言の子」の顔を知らないのに、氏族に捕らえてくるように命令しする、モルガンと同じく非常に馬鹿な妖精であった。
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:終盤では[[オーロラ|最愛の人]]の言葉に惑わされ思い余って反乱するものの、最後はモルガンからの言葉で信頼を再認識し、モースにはなったが暴れることはなく消滅していった。モルガンの「毛並みがいい」「頑張った」という挨拶レベルのセリフに疑うこともなく涙を流して感謝していたことから、今まで余程無碍に扱われていたのだと思われる。
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:モルガンの教育を受けたバーヴァン・シーに瀕死の状態にされた上に、大厄災退治をサボったモルガンのせいで氏族もろとも死ぬということは、最後まで気づかなかった。
  
 
;[[スプリガン]]
 
;[[スプリガン]]
 
:女王暦2017年当時の、土の氏族の族長。
 
:女王暦2017年当時の、土の氏族の族長。
 
:彼からは自分が妖精國に引っ張り込まれた件と、妖精國ブリテンが人間の文明を模倣するだけでほぼ進行も発展もない閉塞的に近い環境下にある事で恨まれており、オーロラと組んだ彼によって殺されてしまった。
 
:彼からは自分が妖精國に引っ張り込まれた件と、妖精國ブリテンが人間の文明を模倣するだけでほぼ進行も発展もない閉塞的に近い環境下にある事で恨まれており、オーロラと組んだ彼によって殺されてしまった。
:しかしモルカーの発注をしたり<ref group="出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/202201.html 竹箒日記 2022/01]</ref>、バレンタインイベントでは「どうかと思わないでもないが評価していた大臣」扱いだったりと、その敏腕さは相当に買っていたようである。
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:スプリガンには「妖精国はお前の箱庭ではない」「幼稚な夢から醒めろ」と呆れ果てられていた。モルガンから何の庇護も与えられず、30年間の奴隷生活を送り、明日の保証もない妖精國で、休む暇もなく権力闘争と権謀術数に明け暮れた彼に対して、「汎人類史のお客様」と称して「美しく夢のような國ですか?」と尋ねる無神経極まりない愚か者に対する答えであった。モルガンの教育を受けたバーヴァン・シーに殺されかけているが、そのことでモルガンからは何の謝罪も罪悪感もない。
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:モルカーの発注をしたり<ref group="出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/202201.html 竹箒日記 2022/01]</ref>、バレンタインイベントでは「どうかと思わないでもないが評価していた大臣」扱いだったりと、その敏腕さは相当に買っていたようであるが、大厄災退治をサボり、スプリガンを見殺しにするつもりであったことから、あまりにも傲慢で失礼な評価だったといえる。
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;排熱大公ライネック
 
;排熱大公ライネック
 
:トネリコとして旅をしていた時の数少ない「信頼できる仲間」。彼からも強い信頼を寄せられ、消滅するその時までトネリコのために戦う一方、戴冠式ではウーサーと婚姻を交わす姿を見たくないという理由から出席を拒否しており、一種の恋愛感情もあった事が窺える。
 
:トネリコとして旅をしていた時の数少ない「信頼できる仲間」。彼からも強い信頼を寄せられ、消滅するその時までトネリコのために戦う一方、戴冠式ではウーサーと婚姻を交わす姿を見たくないという理由から出席を拒否しており、一種の恋愛感情もあった事が窺える。
 
:モルガンがウッドワスに例外的な信頼を寄せるのは、彼がこのライネックの「次代」であるからと言う理由もある。
 
:モルガンがウッドワスに例外的な信頼を寄せるのは、彼がこのライネックの「次代」であるからと言う理由もある。
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:2000年前と1000年前の大厄災で水鏡を使わず大厄災退治をサボったモルガンに二度も見殺しにされている。
  
 
;[[エクター|黒騎士エクター]]
 
;[[エクター|黒騎士エクター]]
:トネリコとして旅をしていた時の、数少ない「信頼できる仲間」。
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:トネリコとして旅をしていた時の、数少ない「信頼できる仲間」。2000年前の大厄災でモルガンに見殺しにされている。
  
 
;ウーサー
 
;ウーサー
 
:汎人類史ではモルガンとアルトリアの実父で先代王にあたり、後継者争いの件から妹共々憎悪の対象で険悪な関係にあった。
 
:汎人類史ではモルガンとアルトリアの実父で先代王にあたり、後継者争いの件から妹共々憎悪の対象で険悪な関係にあった。
 
: 異聞帯ではトネリコ時代の円卓軍を率いていた騎士の少年かつ弟子で、彼女が「ブリテンを統一するためには氏族の妖精達ではなく人間が王となるべき」と考え見出した人物でもあり、あちら程の剣呑さは全くなく、「よく分からない」と言いつつ仲間としても個人としても大切な人だった様で、特に二人きりでの仲睦まじさは周囲から見たら恋人同士にしか見えなかったほど。
 
: 異聞帯ではトネリコ時代の円卓軍を率いていた騎士の少年かつ弟子で、彼女が「ブリテンを統一するためには氏族の妖精達ではなく人間が王となるべき」と考え見出した人物でもあり、あちら程の剣呑さは全くなく、「よく分からない」と言いつつ仲間としても個人としても大切な人だった様で、特に二人きりでの仲睦まじさは周囲から見たら恋人同士にしか見えなかったほど。
:氏族長たち南の妖精と、女王マヴ率いる北の妖精両者に彼の存在を認めさせた事で戴冠式までこぎ着け、さらに皆からの要望により当初の予定だった『マヴとウーサーの婚姻』を変更し、ブリテンを手にするだけでなく'''『自身が王妃になる=花嫁となって愛するウーサーと結ばれる』'''という夢までひそかに叶いかけたが、その日に彼と円卓軍の全員が毒殺されまたもや全てを台無しにされたことが引き金となり、トネリコは心身が崩壊して妖精達に完全に失望し「妖精は救わずに支配するもの」という信念を持つに至った直接の原因。
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:氏族長たち南の妖精と、女王マヴ率いる北の妖精両者に彼の存在を認めさせた事で戴冠式までこぎ着け、さらに皆からの要望により当初の予定だった『マヴとウーサーの婚姻』を変更し、ブリテンを手にするだけでなく'''『自身が王妃になる=花嫁となって愛するウーサーと結ばれる』'''という夢までひそかに叶いかけたが、その日に彼と円卓軍の全員が毒殺された。この際にトネリコはウーサーを「私の円卓」と呼んでおり、自分の所有物としか思っていなかったことが露わになっている。また、ウーサーの死後は自身が王になってブリテンを支配するつもりであったであろうことから、ウーサーは國を造るための駒でしかなかったのだと思われる。
 
:ゲーム内では姿も台詞も出てこないが、オークニーで戦う"ロンディニウムの騎士"の亡霊がウーサーのものと思われ、その姿は[[アーサー・ペンドラゴン]]のシャドウサーヴァントで代用されており、外見は彼に似ていたことが窺える。
 
:ゲーム内では姿も台詞も出てこないが、オークニーで戦う"ロンディニウムの騎士"の亡霊がウーサーのものと思われ、その姿は[[アーサー・ペンドラゴン]]のシャドウサーヴァントで代用されており、外見は彼に似ていたことが窺える。
  
 
;[[妖精騎士トリスタン]]/バーヴァン・シー
 
;[[妖精騎士トリスタン]]/バーヴァン・シー
 
:「娘」として魔術を教える他、次の女王として据えていた妖精。
 
:「娘」として魔術を教える他、次の女王として据えていた妖精。
: いくら救っても恩を仇で返してくるばかりの妖精の中で唯一、心からの感謝の言葉をくれ続けた相手であり、自身と汎人類史のモルガンの悲願を投げ打ってでも守るべき大切な存在。
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: 自分の思い通りにならない妖精の中で唯一、感謝の言葉をくれ続けた相手であり、自身と汎人類史のモルガンの悲願を投げ打ってでも守るべき大切な存在。
: トネリコ時代の自分と同じく善意に溢れる性格ゆえに、他の妖精たちに使い潰され弄ばれては廃棄される人生を繰り返しており、いくら『次代』の誕生を察知し急いで駆けつけても既に手遅れで発見される状態が続いたため、今度はきちんと自分の人生を生きていける様に正反対の悪逆な性格に「教育」し、周りに何と言われようと彼女を擁護した。バーヴァン・シーの方も理由は分からないが自分を唯一肯定してくれるモルガンに依存し、親子というよりは一種の共依存のような関係を築くに至った。
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: トネリコ時代の自分と同じく承認欲求に溢れる性格ゆえに、他の妖精に使い潰され弄ばれては廃棄される人生を繰り返しており、いくら『次代』の誕生を察知し急いで駆けつけても既に手遅れで発見される状態が続いたため、今度はきちんと自分の人生を生きていける様に正反対の悪逆な性格に「教育」し、周りに何と言われようと彼女を擁護した。バーヴァン・シーの方も理由は分からないが自分を唯一肯定してくれるモルガンに依存し、親子というよりは一種の共依存のような関係を築くに至った。
:なお「ブリテンの後継者」という肩書きも「妖精円卓トリスタン」の着名も、全てバーヴァン・シーを守りやすくするためにモルガンが用意したもので、本来の「後継者」は別に存在している。
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:なお「ブリテンの後継者」という肩書きも「妖精円卓トリスタン」の着名も、全てバーヴァン・シーを守りやすくするためにモルガンが用意したもので、本来の「後継者」は別に存在している。バーヴァン・シーを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。バーヴァン・シーに利用されないだけの知性と判断力を身に付けさせればいいということにモルガンは気が付かなかった。
 +
:その本性は、弱い者苛めしかできず、強い者には決して逆らわない臆病かつ卑劣な性格で、格下にはどこまでも調子に乗るが、格上には決して逆らえない。モルガンが殺されている時も、いつもは平気で殺している妖精たちが恐くて何もできなかった。妖精騎士になってからは、それまでの謙虚で真面目な性格が嘘のように変わっており、妖精たちに逆恨みと八つ当たりをする傲慢で独善に満ちた性格になっていた。最後の独白でも40万人の妖精を殺したのにも関わらず「妖精たちはいつも私を苛めていたから大嫌い」とブーメラン発言を飛ばしており、果てのない自己愛と自己保身は親子共々変わらなかった。
 +
:野良時代から、領主に乞われたとはいえ、人間をアンデットにしており、モルガンから「逃げるなら断るなりしろ」と言われていたのにも関わらず、その命令を無視していたことから、良心や道徳などなく、自分の承認欲求を満たしたかっただけなのだと思われる。
 +
:バーヴァン・シーは「死んで妖精たちの役に立てるならそれがいいこと」と言っているのにも関わらず、モルガンはバーヴァン・シーにとって死ぬことが幸せだと認めなかった結果、40万人の妖精、数えきれない人間が死んでしまった。
  
 
;[[妖精騎士ガウェイン]]/バーゲスト
 
;[[妖精騎士ガウェイン]]/バーゲスト
 
:<ruby><rb>着名</rb><rt>ギフト</rt></ruby>を授けて妖精騎士の任を与えた妖精。
 
:<ruby><rb>着名</rb><rt>ギフト</rt></ruby>を授けて妖精騎士の任を与えた妖精。
:妖精騎士として取り立てたのは彼女がひときわ強い力を持った妖精であるだけでなく、着名によって「獣の厄災」を封印するためであった。
+
:妖精騎士として取り立てたのは彼女がひときわ強い力を持った妖精であるだけでなく、着名によって「獣の厄災」を封印するためであった。バーゲストを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。バーゲストを処分して、大厄災は水鏡で飛ばせばいいことにモルガンは気がつかなかった。
:努めて理知的であろうとするその在り方もモルガンからすれば他の妖精に比べれば信頼のおける相手だったかも知れないが、『本質』を知らず「妖精を守る」事を信念にしていた彼女と、逆にそれを嫌という程知っている為に「妖精を救わず國を守る」事を信念としていたモルガンでは、最終的に決裂は時間の問題であった。
+
:努めて理知的であろうとするその在り方もモルガンからすれば他の妖精に比べれば信頼のおける相手だったかも知れないが、「妖精を守る」事を信念にしていた彼女と、「妖精を救わず國を守る」事を信念としていたモルガンでは、最終的に決裂は時間の問題であった。
 +
:バーゲストの「守る」というのは妖精という種の存続という意味であり、妖精國でモルガンやバーヴァン・シー、ベリルが何万何億の妖精と人間を殺そうが、何も咎めることはなかった。むしろ大のバーヴァン・シー贔屓であり、目の前の妖精たちを見殺しにし、妖精たちを殺したバーヴァン・シーを咎めるウッドワスに「バーヴァン・シーの'''遊び'''に付き合うな」「'''つまらぬ短気'''で牙の氏族の品位を落とすな」と民の命を何とも思わぬ暴言を吐いており、バーヴァン・シーが落ち込んだ時には元気が出るように励ましている。人間に至っては人間牧場で「家畜」「奴隷」「下等生物」と露骨に見下しており、脱走した人間をブラックドックに変える時には「もう一度奴隷として働けるように躾けてやろう」と薄ら笑いを浮かべていた。
 +
:妖精を守らぬモルガンに反旗を翻したが、後にバーゲストも妖精を守る妖精騎士でありながら、救うべき妖精たちを虐殺していたので、両者ともに醜悪な本性に変わりはなかった。
  
 
;[[妖精騎士ランスロット]]/メリュジーヌ
 
;[[妖精騎士ランスロット]]/メリュジーヌ
:着名を授けて妖精騎士の任を与えた妖精。元の主君であるオーロラが危険な存在であり、彼女自身も「炎の厄災」になり得る存在だったことから、着名で力の抑制を試みて配下に加えていた。
+
:着名を授けて妖精騎士の任を与えた妖精。元の主君であるオーロラが危険な存在であり、彼女自身も「炎の厄災」になり得る存在だったことから、着名で力の抑制を試みて配下に加えていた。メリュジーヌを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。メリュジーヌを殺し、大厄災を水鏡で飛ばせばいいことにモルガンは気づかなかった。
 
:モルガンとは「異聞帯のブリテン島(亜鈴の子)に由来しない存在である」と言う共通点もある。
 
:モルガンとは「異聞帯のブリテン島(亜鈴の子)に由来しない存在である」と言う共通点もある。
 +
:大厄災退治をサボるモルガンに何の反抗心も覚えず、それがオーロラの命の危機に繋がるとは微塵も気が付かず、キャメロット防衛戦でも自分から反旗を翻すことはなかった。「妖精はモルガンに対して罪人である自分たちをキャメロットで従えてくださった恩がある」と意味不明な独白を吐いており、妖精を見下す無茶苦茶な性根は主従共に変わらなかった。
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:妖精を守るのが妖精騎士の仕事であるのにも関わらず、バーヴァン・シーの大量虐殺に関しても「自分も大量虐殺者だから彼女を止められない」と理由になってない言い訳をしている。
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:キャメロットの出勤もいつも半日サボっており「最強だから早起きできない」と理解不能な言い訳をしていたが、モルガンは何も咎めず、キャメロットの風紀を極度に乱し、真面目に通う妖精たちの努力を無駄にしていた。
  
 
;騎士[[ポーチュン]]
 
;騎士[[ポーチュン]]
:『モース戦役』を生き延びた古参の女王兵。鏡の氏族。最後まで主君のモルガンに忠誠を捧げて死んだ立派な騎士だったがモルガンからは「妖精騎士の質も落ちたものだ」との一言のみであり、その心境は事実上不明。
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:『モース戦役』を生き延びた古参の女王兵。鏡の氏族。最後まで主君のモルガンに忠誠を捧げて死んだ立派な騎士だったがモルガンからは「妖精騎士の質も落ちたものだ」の一言。忠誠をつくした臣下に何も報いようとせず、その恩は仇で返されてしまった。自身の罪を悔いず、何の成長も反省もしない、恩知らずで恥知らずなモルガンの本性。
  
 
;北の女王マヴ
 
;北の女王マヴ
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:ウーサー王擁立の折には北の妖精代表として政略結婚を交わす予定だったが、彼とトネリコが相思相愛である事に気付いていたのもあり、戴冠式では最終的に自ら身を引いた。
 
:ウーサー王擁立の折には北の妖精代表として政略結婚を交わす予定だったが、彼とトネリコが相思相愛である事に気付いていたのもあり、戴冠式では最終的に自ら身を引いた。
 
:また、同時に妖精國にまつわる全ての事情を知らせていた唯一の妖精で同志でもあり、「夏の戦争」においてマヴは話し合いによって事情を知ると自らが「後継者」足り得る妖精を生み出すと決意。モルガンの身に何かがあった時、モルガンが作り上げた妖精國を受け継ぐための準備を整えることとし、自らをエディンバラそのものに作り変える。その結果生まれたのがマヴの次代であり、「真の次代女王」たる資格を持つ王の氏族長・[[ノクナレア]]だった。
 
:また、同時に妖精國にまつわる全ての事情を知らせていた唯一の妖精で同志でもあり、「夏の戦争」においてマヴは話し合いによって事情を知ると自らが「後継者」足り得る妖精を生み出すと決意。モルガンの身に何かがあった時、モルガンが作り上げた妖精國を受け継ぐための準備を整えることとし、自らをエディンバラそのものに作り変える。その結果生まれたのがマヴの次代であり、「真の次代女王」たる資格を持つ王の氏族長・[[ノクナレア]]だった。
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:ノクナレアの先代であるマヴが、なぜ妖精國を受け継ごうとしなかったのか、大厄災を打ち倒さなかったのかは不明。
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==== 上級妖精・女王騎士 ====
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:''モルガンのいないところでも彼女のことを敬語で呼び、バーヴァン・シーの大量虐殺にも「彼女に実力があれば耐えようがある」という程の非常に良心的な存在。        ''
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:''モルガンの大粛清やバーヴァン・シーとベリルの大虐殺を積極的に支援しているモルガンがいずれ改心してくれることを願っており、彼女がどれだけの妖精や人  間を殺そうと罵倒しようと、憎んだり恨んだりすることなく、慎ましい言葉で返していた。書記官や大臣がバーヴァン・シーやウッドワスに次々と殺されながらも、いつ殺されるか分からない自分の身を案じて、その職を拒否することもなかった。''
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:''モルガンから領地や褒美どころか給料を貰っている場面すらない。モルガンの計らいでバーヴァン・シーがキャメロットに来たのは、妖精たちを怖がらせ、殺させるためのモルガンの嫌がらせであったと思われる<ref group="注">モルガンは上級妖精に「いつも同じ顔でつまらない」と言っており、バーヴァン・シーは妖精を殺した後に「モルガンはお喜びだ」と言っている。またわざわざキャメロットに呼びつけたのに何の要件も与えなかった。</ref>。''
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==== ポープ ====
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:''元のバーヴァン・シーと似たような境遇だが、モルガンが救うことはなかった。モルガンは自分に感謝しない者は救わないということなのだろう。''
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==== ボガード ====
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:''シェフィールドを統治した偉大なる妖精。''  ''最後まで妖精と人間に慕われていたが、バーヴァン・シーに瀕死の状態にされる。''
  
 
;[[オーロラ]]
 
;[[オーロラ]]
 
:女王暦2017年当時の、風の氏族の族長。
 
:女王暦2017年当時の、風の氏族の族長。
:彼女の『本質』が起こす危険性を見抜いており、キャメロットの氏族長会議にも一人だけ城内に立ち入らせず通信越しに参加させていた。
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:キャメロットの氏族長会議にも一人だけ城内に立ち入らせず通信越しに参加させていた。これは「風の報せ」をもつ彼女に対する最も不適切な措置であった。
:しかし、ベリルとオベロンの行動により介入の隙を間接的に作られてしまい、そこに真偽混じりの吹聴を流され自身は虐殺。程ない後にノクナレアも毒殺され「妖精國ブリテン」は破滅が確定することに。
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:ベリルとオベロンの行動により介入の隙を間接的に作られてしまい、そこに真偽混じりの吹聴を流され自身は虐殺。程ない後にノクナレアも毒殺され「妖精國ブリテン」は破滅が確定することになった。
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:遠慮したのか、トネリコの厄災退治はマッチポンプであったこと、人間を妖精の王にしようとしていたことは伝えなかった。
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:ウッドワスには「陛下は変わってしまった」と心から嘆かれていた。
  
 
;[[オベロン]]
 
;[[オベロン]]
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:異聞帯においては妖精國ブリテンを蝕んでいた「呪い」の正体であり元凶たる「奈落の虫」。
 
:異聞帯においては妖精國ブリテンを蝕んでいた「呪い」の正体であり元凶たる「奈落の虫」。
 
:『予言の子』の支援のみならず、他にも秘密裏にオーロラなど様々な氏族に手を回していた敵対者。
 
:『予言の子』の支援のみならず、他にも秘密裏にオーロラなど様々な氏族に手を回していた敵対者。
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:実はモルガン信者であったらしく「君の物語は悪くない」とモルガンを非常に高く評価していた。
  
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
264行目: 302行目:
 
: 「救世主トネリコ」の最後の巡礼の旅を共にした一人の少女騎士。<ruby><rb>最果て</rb><rt>オークニー</rt></ruby>に置かれた『棺』の正体。
 
: 「救世主トネリコ」の最後の巡礼の旅を共にした一人の少女騎士。<ruby><rb>最果て</rb><rt>オークニー</rt></ruby>に置かれた『棺』の正体。
 
: この時全てを悟った彼女の口調は、記憶の片隅に残っていた「誰か」を懐かしんでいるようにも聞き取れる。
 
: この時全てを悟った彼女の口調は、記憶の片隅に残っていた「誰か」を懐かしんでいるようにも聞き取れる。
 
+
:
;「私のブリテン。私の妖精國。本当はもっと酷い國にする予定でしたが、それだと[[妖精騎士トリスタン|彼女]]が可哀想なので、少し優しく設定しました。」
+
;「私のブリテン。私の妖精國。本当はもっと酷い國にする予定でしたが、それだと[[妖精騎士トリスタン|彼女]]が可哀想なので、少し優しく設定しました。
:モルガンの独白の一部分。自分が救おうとした妖精たちに何度も裏切られ、最後の最後で全てを台無しにされても、[[妖精騎士トリスタン|愛娘]]のために非情になり切れなかった。
+
;笑うことを許します。楽しいことを許します。つながりを許します。発展を許します。どうかいつまでも、続くことを願います。」
 
+
: さも自慢げに語っている独白。これが何かの言い訳になるとでも思ったのだろうか。あるいは誰か評価されると思ったのかもしれない。
 +
: モルガンに許されることでもなければ、そのような事実もない。妖精國にあったのは粛清と虐殺のみ。あまりにも妖精を舐めたセリフ。
 
;「私の国はどうですか?美しい国でしょうか?夢のような国でしょうか?」
 
;「私の国はどうですか?美しい国でしょうか?夢のような国でしょうか?」
 
;「そうであれば、これに勝る喜びはありません。」
 
;「そうであれば、これに勝る喜びはありません。」
 
;「妖精國ブリテンにようこそ。お客様。<br>どうかこの風景が、いつまでもあなたの記憶に残りますように…」
 
;「妖精國ブリテンにようこそ。お客様。<br>どうかこの風景が、いつまでもあなたの記憶に残りますように…」
 
: そして女王モルガンがブリテン異聞帯を現れたカルデア一行、ひいては異邦の魔術師に手を出すことをしなかった一番の理由である所の『目的』。
 
: そして女王モルガンがブリテン異聞帯を現れたカルデア一行、ひいては異邦の魔術師に手を出すことをしなかった一番の理由である所の『目的』。
: それは「自分の国をよく見てもらいたかった」「自分の国に来た感想を知りたかった」という、ありふれていて切実な望みだった。
+
: それは「'''自分の'''国をよく見てもらいたかった」「'''自分の'''国に来た感想を知りたかった」という、自分のことしか考えていない理由だった。
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: 幾万幾億の妖精と人間を殺して苦しめたのにも関わらず、最後まで何の反省も成長も後悔も、妖精や人間への謝罪も償いもなく、自画自賛、自己憐憫、自己弁護に明け暮れた最後の独白でモルガンの愚かさ、情けなさ、醜さがこれでもかというほど、明らかになる。
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: 自由気ままに暮らしていた妖精と人間たちから生と幸福と希望と奪い、死と絶望と苦しみを押し付けたのにも関わらず、さも自分のおかげで妖精たちは自由と幸福と平和を手に入れたかのような、極めて我儘で悪辣なモルガンの本性。
  
 
;「やめ、て―― 私を、玉座に―― 玉座に、戻せ……!もう、ブリテンを、失いたく、ない……!」
 
;「やめ、て―― 私を、玉座に―― 玉座に、戻せ……!もう、ブリテンを、失いたく、ない……!」
 
:オーロラとオベロンの策略により、臣下であった妖精たちに寄ってたかって物を投げつけられ、剣で斬られながら殺された際の最期の台詞。
 
:オーロラとオベロンの策略により、臣下であった妖精たちに寄ってたかって物を投げつけられ、剣で斬られながら殺された際の最期の台詞。
:ブリテンを救うために救世主として振舞おうと、女王として支配に徹しても、最後は妖精たちの手によって何度も台無しにされてきた。そんな彼女の悲痛な<ruby><rb>叫び</rb><rt>願い</rt></ruby>は誰にも届かないまま息絶えた。
+
:いつまでも自分の非を認めず、2000年に渡り國とは名ばかりの牢獄に閉じ込め、誹謗中傷と虐殺の毎日を過ごさせてきた妖精たちの虎の尾を引きちぎり、逆鱗をむしり続けてきた、稀代の暗君はここに正義の鉄槌によって裁かれる。
:妖精たちは彼女の真意は勿論、そもそもの非が自分たちにあった事など露とも思わず、『ずっとこの<ruby><rb>女王</rb><rt>魔女</rt></ruby>に騙され支配されていた』という嘘と結果論だけを鵜呑みにし、今までの憂さ晴らしの如く武器を向けて殺害した後「いい気味だ」「自業自得」と清々した様子で話す。
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:「酷い」「女王が聞いて呆れる」「お前のせいでこんなに酷い國になった」「もっといい國なんていくらでも創れた」と妖精たちは2000年耐え続けてきた怒りをモルガンにぶつける。
:多くのプレイヤーはこの時点で、物語の顛末を見るまでもなく「妖精は滅びるべき」との結論に至ったのだとか。
+
:王様ごっこに夢中になり、被害者面をしていれば許されると思っている、あまりにも幼稚な女王の児戯は、ここに終わりを告げた。
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:精神がいつまでも幼稚なままで、全てを社会や他人のせいにする無敵のメンタル、自分が全て正しいと考え、何も成長しない。そのあまりの屑っぷり、情けなさから「令和の半天狗」「型月の禪院扇」「汚いアルトリア」とユーザーから呼ばれている。
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:
  
 
==== イベント ====
 
==== イベント ====
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:その年の厄災はイモ虫型のモースが大量発生したが、知られている限りモルガンが女性らしい悲鳴を上げたのが唯一この時だけらしい。
 
:その年の厄災はイモ虫型のモースが大量発生したが、知られている限りモルガンが女性らしい悲鳴を上げたのが唯一この時だけらしい。
 
:ちなみにこの厄災があった年は、妖精騎士ガウェインがファウル・ウェーザーを捕食して力を会得し、厄災を退ける功績を立ててマンチェスターの領主に任命されると共に妖精騎士の着名を受けた時期と同じであるが、モルガンがイモ虫に悲鳴を上げて帰ってしまった事と関係があるのかは定かではない。
 
:ちなみにこの厄災があった年は、妖精騎士ガウェインがファウル・ウェーザーを捕食して力を会得し、厄災を退ける功績を立ててマンチェスターの領主に任命されると共に妖精騎士の着名を受けた時期と同じであるが、モルガンがイモ虫に悲鳴を上げて帰ってしまった事と関係があるのかは定かではない。
; モルガンの為政について
+
; モルガンの支配について
: 圧倒的な力と恐怖による支配で妖精たちを押さえつけ妖精國ブリテンを統治していたモルガンであったが、その実は国民たる妖精の殆どが人間の模倣によってどうしようも無く我儘で悪辣な感性を持つ<ruby><rb>生物</rb><rt>イキモノ</rt></ruby>と化しており、皆が好き勝手しないように見張りつつ国を運営するにはそれを上回る力で抑圧するしか後がない状態だったことが明らかになると、ブリテンに対する思いをずっと何度も妖精たちに踏み躙られてきた彼女の処遇に、プレイヤーからは多くの同情と憐れみの声が上がった。
+
: 妖精にとっても人間にとっても百害あって一利なしだった。
: だが、一方で『娘』のバーヴァン・シーを慮ったためとはいえど彼女の暴虐を半ば黙認していたこと、存在税として妖精から大量の魔力を吸い上げるという一種の淘汰行為<ref group="注">「妖精國は救うが妖精たちは救わない」という宣告も、裏を返せば妖精は死ぬと次代が発生するシステムそのものをモルガンが掌握しているため、「国民たる妖精は国の土台とそれ相応の魔力を持つ人物がいれば何度でも替えがきく」状態であったと解釈出来る。</ref>を頭に、彼女自身の愛情表現の不器用さはあったにせよ妖精たちを露骨に蔑ろにしているような言動が多かったことから'''「今までのツケがいっぺんに回ってきただけの因果応報」「所詮はモルガンの野心から来る独りよがりに過ぎなかった」'''と言った声も少なからず存在する。
+
: モルガンは圧政でなければ妖精たちを統治できないと考えているが、氏族長、ボガード、円卓軍、ノクナレアは妖精を平和に統治して幸せにしているので、ただの被害妄想である。圧政でしか統治できないのはモルガンが無能であるからにすぎない。それまで自由気ままに暮らしていた妖精と人間たちを自己満足に2000年も付き合わせたというのに何の感謝もしないばかりか、妖精と人間を不幸にする自分に感謝するべきだと思っているモルガンは妖精と人間から見れば万死に値する。
: これに関してはモルガンが遭ってきた今までの境遇やバーヴァン・シーに施した教育から考えると、心の奥底では'''「もう二度と大事な仲間を失いたくなかった」'''という妖精たちへの懐疑心とまた全てを台無しにされる恐怖に凝り固まっていたことに加え、'''「『大厄災』への対抗策さえ整えれば、自分が所有する莫大な神秘の力だけで何とか出来ると自負していた<ref group="注">この部分は汎人類史におけるアルトリアの思想にも通じる所があるが、彼女はどちらかというと「自分の力だけで何とかしなくてはいけない」という責任感によるものが強い。</ref>」'''事による、あくまでも『自分の国を守る』目的だけに振り切り過ぎた自己完結型に近い考えとやり方、そして上述する不器用な態度が自身の孤立と臣下との溝を深める要因になってしまったと考えられる。<br>自分の死後における妖精國ブリテン運営についてもまた、せめて[[ウッドワス|自分が最も信頼出来る家臣と看做していた者]]や、価値観に相違はあれど[[妖精騎士ガウェイン|自分と同じ様にブリテンを愛していた者]]に、ノクナレアとの密約を含めた玉座やロンゴミニアド、ひいてはこの国で暮らす妖精たちや『[[ケルヌンノス|大厄災]]』の正体について核心に迫る部分だけでも予め話しておけたならば、少なくとも妖精國ブリテンの最期については少しでも変化した可能性は考えられただろう。
+
: 妖精が嫌いだというなら、人間だけの國を造ればよかっただけの話であり、文明を発展させられるほどの寿命を持つ人間がいれば国民としては十分だっただろう。自身や家族は何の仕事もせず、虐殺に明け暮れているので、モルガンの支配は'''「圧政」ではなくただの「支配」'''である。現に妖精たちが殺されようとモルガンは何もしていない。むしろ虐殺の支援をして妖精たちを不幸にしている。保身に汲々として、妖精を幸せにすることなど何も考えていなかった。
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: 妖精たちにとっても國など必要なく、厄災払いだけしていればよかったものを、國造りなどと分不相応な望みを抱いたことで、救世主としても無能になってしまった。妖精を殺すばかりか、殺して再利用するという外道行為も妖精から見て許されたものではないだろう。このような極悪非道な女王なので「めでたく倒された」とメッセージまでついている。
 +
: 『娘』のバーヴァン・シーを慮ったためとはいえど彼女の暴虐を半ば黙認していたこと、存在税として妖精から大量の魔力を吸い上げるという一種の淘汰行為<ref group="注">「妖精國は救うが妖精たちは救わない」という宣告も、裏を返せば妖精は死ぬと次代が発生するシステムそのものをモルガンが掌握しているため、「国民たる妖精は国の土台とそれ相応の魔力を持つ人物がいれば何度でも替えがきく」状態であったと解釈出来る。</ref>を頭に、彼女自身の愛情表現の不器用さはあったにせよ妖精たちを露骨に蔑ろにしている言動が多かったことから'''「今までのツケがいっぺんに回ってきただけの因果応報」「所詮はモルガンの野心から来る独りよがりに過ぎなかった」'''と言った声が多い。
 +
: これに関してはモルガンが遭ってきた今までの境遇やバーヴァン・シーに施した教育から考えると、'''「妖精と人間たちがどうなろうとどうでもよく、自分のお気に入りだけ幸せになれればそれでいい」「『大厄災』への対抗策さえ整えれば、自分が所有する莫大な神秘の力だけで何とか出来ると自負していた<ref group="注">この部分は汎人類史におけるアルトリアの思想にも通じる所があるが、彼女はどちらかというと「自分の力だけで何とかしなくてはいけない」という責任感によるものが強い。</ref>」'''事による、あくまでも『自分の国を守る』目的だけに振り切り過ぎた自己完結型に近い考えとやり方、そして上述する馬鹿な態度が自身の孤立と臣下との溝を深める要因になってしまったと考えられる。<br>自分の死後における妖精國ブリテン運営についてもまた、せめて[[ウッドワス|自分が最も信頼出来る家臣と看做していた者]]や、価値観に相違はあれど[[妖精騎士ガウェイン|自分と同じ様にブリテンを愛していた者]]に、ノクナレアとの密約を含めた玉座やロンゴミニアド、ひいてはこの国で暮らす妖精たちや『[[ケルヌンノス|大厄災]]』の正体について核心に迫る部分だけでも予め話しておけたならば、少なくとも妖精國ブリテンの最期については少しでも変化した可能性は考えられただろう。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==

2022年10月2日 (日) 17:01時点における版

バーサーカー
真名 モルガン
異名 ヴィヴィアン[注 1]
トネリコ
性別 女性
身長 170cm
体重 56kg
好きな物 思い通りになる自分の国
苦手な物 芋虫
天敵 アルトリアマーリン
出典 アーサー王伝説、イギリス妖精史、及びブリテン異聞帯
地域 最果てのオークニー
属性 秩序・悪
一人称
二人称 あなた[注 2]、お前[注 3]、マスター
三人称 名前呼び
声優 石川由依
デザイン 武内崇
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

狂戦士」のサーヴァント

略歴
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』に登場。
本編では同名の別人物が2人(同一人物が名前を変えた状態を含めると3人)登場するため、此処では時空系列および活躍ごとに記述する。
妖精妃モルガン
ブリテン異聞帯を訪れたベリル・ガットによって召喚された汎人類史側のサーヴァントたるモルガン。
この時は「ルーラークラス」で現界している。
当初は本来ならブリテンの王国があるはずのそこには何もなく、ただ荒れ果てた荒野が広がり遠目に空想樹が見えるだけの異聞帯の様子に困惑。だが、ベリルからこの惨状の理由と過程を聞かされると邪魔者アルトリアがいないこの世界なら、今度こそ自分の国が手に入る」という考えに至り、そこからベリルがひと寝入りして目を覚ますまでの数時間の間に独力のみでレイシフトを解析し魔術で再現、自らを過去の異聞帯へと飛ばす。
通常、レイシフトはコフィンという「棺」に守られる事で修正力による消滅を回避するものであり、現実での肉体を持たないサーヴァントがコフィン無しで行えばレイシフト先で即座に消滅してしまう。モルガンとてそれは例外ではないのだが、レイシフト先に『異聞帯の自分』が存在すること[注 4]で、自らが持つ記録と知識をあちら側へ譲渡する事に成功。「サーヴァントとして召喚された汎人類史のモルガン」はこれによって霊基消滅してしまったが、その代わり「過去の異聞帯のモルガン」は、元の人格の上にブリテン異聞帯の未来での末路を含めた汎人類史の知識が上書きされた存在となった。
容姿はカルデアのサーヴァントとなった異聞帯モルガンの第三再臨時と同じ立ち絵が使われているが、時空系列的にはこちらがオリジナルだと思われる。
救世主トネリコ
本来の歴史=最初にベリルとモルガンが見た景色≒「1回目の過去のブリテン」にいた先代の『楽園の妖精アヴァロン・ル・フェ』たるモルガン。
当初は「ヴィヴィアン[注 5]」という名前でとある使命のためにオークニーに流れ着き、そこに住む雨の氏族達に時が来るまで庇護・養育されていたのだが、彼女を忌みを嫌う他の氏族長たちの手により、一族もろとも滅ぼされている。その結果として災厄への対抗手段が失われた妖精たちは「大災厄」により、ブリテン異聞帯諸共滅亡して復興も完全に不可能となってしまい無の大地と化した。これがベリルと汎人類史より召喚されたモルガンが見た本来のブリテン異聞帯である。
ところがそこへ汎人類史のモルガンのレイシフトによって知識の讓渡がなされたことにより、「この先のブリテン」と「ブリテンへの執着」を知った彼女[注 6]は雨の氏族への襲撃を逃れて生き残り、今際に義母から与えられた「トネリコ」の名を仮名として名乗ると、まず始めに『北欧における叡智の神』を近くにいたグリムという妖精の少年を依代にして召喚し、彼から魔術の手ほどきを受けつつ妖精を救ってブリテンに新たな国を作ることを目的に救世主としての道を歩き出す。
最初は自身の役割を誰にも理解してもらえず、『魔女』と罵られ蔑まれながらも一人巡礼の鐘を鳴らしていたが、次第に協力してくれるようになった当代の妖精騎士の仲間と共に、厄災の排除[注 7]の他にも氏族や人間との間の争いなど、自分の野望の成就の邪魔となる者たちを片っ端から始末し、それらが終わる度に『棺』と呼ばれるコールドスリープ機能を持つ魔術礼装[注 8]を使った眠りに入り、次の厄災が現れる時期になったら眠りから目覚めて再び自分の野望を成就するために災いを退ける……ということを繰り返してきたのだが、トネリコの厄災退治はただのマッチポンプであった[注 9]上に、妖精たちには統一国家など必要なかったことから[注 10]、トネリコの國造りに反対する妖精たちが現れる度に、自分の姿を魔術で被せて記憶を奪って身代わりに『処刑』させる事で、表上は姿を消した事にして生き延びていた。
そして妖精歴400年。最後の挑戦では「人間のウーサーを王として擁立する」というこれまでにない試みに加え、長らく敵対関係にあった北の妖精たちの取り込みにも成功し、さらには偶然の事故により迷い込んできたマシュの協力で、大穴の中にいる『大厄災』の正体とそれを捩じ伏せる具体的な対抗策[注 11]を練る事も出来たが、家畜の身分である人間の下につくことを良しとしなかったのか、妖精たちにとって國は気まぐれに左右される程度の価値しかなかったのか、統一国家を望まない妖精たちの反対に遭い、毒殺を警戒しなかったトネリコのせいでウーサーたちを失うこととなった[注 12]
これにより自分の思い通りにならない妖精たちへの不満が爆発し、妖精たちを無理やり従えて國を造ることを決意し、何度目かの偽装工作をした後は無関係のマシュを未来の世界へ返すため『棺』に入れてオークニーに安置すると、自分の仲間や無辜の妖精や人間たちを裏切って、大厄災退治をサボり、ブリテン全ての妖精と人間たちを死なせ、自分一人だけ生き残った。
なお、トネリコが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」の歴史ではここまでを「妖精暦」として遡った、汎人類史で云う所の紀元前に相当する扱いをされることとなる。
妖精國の女王モルガン
妖精國ブリテンに君臨する『異聞帯の王』たるモルガン。主人公プレイヤーが「バーサーカークラスのサーヴァント」として召喚出来るのも此方である。
当初は氏族長を含めた妖精達やアルトリア・キャスターの会話で言及されるのみだったが、前編終盤で『水鏡』を使ってマシュ・キリエライトを別時空に飛ばしたのを区切りに本格活動を始める。
妖精が全滅したのを見計らって活動を再開したトネリコは、空想樹を枯らして魔力を全て取り込み[注 13]、サーヴァント召喚を応用する形で妖精國に住まう妖精を復活させ、名前を「モルガン」に戻し独力で妖精國を再興した。これが行動を変えた事で分岐した「2回目のブリテン」であり、同時に剪定事象である『異聞帯』からさらに枝分かれした特異点、通称『異聞世界』となった現在の「妖精國ブリテン」である。
2回目のブリテンにおいて國を再興した後は年号を「女王暦」と改め、妖精には全て妖精紋様と呼ばれる令呪のようなものを刻み、モルガンが大厄災退治をサボったツケを年に一度「存在税」として莫大な魔力を吸い上げ続けられる形で支払わされており、支払えなかった妖精たちが夥しいほどに死んでいる。モルガンが造ったニュー・ダーリントンでは彼女の身内贔屓により、バーヴァン・シーとベリルによって国立殺戮劇場での殺戮ショーと地下でのモース実験が行われ、甚大な数の人間が、玩具にされ、苦しめられ、殺されている。モルガンはバーヴァン・シーに残虐に生きるように教育しており、妖精國では40万人の妖精が彼女に殺されている(人間に至っては図り切れない)。殺されている妖精たちは上級下級問わず、弱い者だけが彼女に殺されている。様々な悪法が敷かれており、モルガンに逆らった者は粛清されるが、モルガンはバーヴァン・シーとベリルには妖精と人間の生殺与奪を握らせて、法律を破っても何も咎めない。モルガンは「妖精も人間も許さず、救わない」と口癖のように言っており、自分がどれだけ好き勝手しようが何も戒めないが、妖精や人間たちがモルガンに勝手をするのは決して許さない。大の依怙贔屓であり、何の仕事もせず、虐殺ばかりに明け暮れている自分のお気に入りを露骨に贔屓するのに対して、毎日命懸けで馬車馬のように働いている自分の臣下や国民に対しては、何の感謝もしないどころか、「無能」「質が落ちた」「全員死ね」と罵倒と虐殺の限りを尽くしている。2000年仕えてくれた上級妖精や女王騎士にすら、何のねぎらいの言葉もかけないどころか、褒美の一つも与えず、目の前で殺されようが、平然と見殺しにしている。妖精が族滅しようが、何の感慨も覚えず、モルガンの支配下で2つの氏族が滅びている。
そしてそれから2000年ほど経った後、女王歴2017年に鏡の氏族の予言による「予言の子」と「異邦の魔術師」が現れるも、当初はさほど脅威視していなかったらしく神造兵器および礼装の譲渡までは行かずとも『ノリッジの厄災』を払った労い替わりに1億QPを進呈[注 14]したり、戦闘態勢を取るベリルを強制的に抑え込んだりと、あくまでもキャメロット内では「賓客」としてあつかっていた。
だが、一行が「巡礼の鐘」を鳴らしつつロンディニウムの円卓軍、各地で組織されていた反乱軍や北の妖精「王の氏族」族長のノクナレアを味方につけた事により宣言通り敵対し、キャメロットへの奇襲攻撃をきっかけとしてついに全面対決となる。戦そのものは女王軍が劣勢になった所で反乱軍の兵士を自分と同等の能力を持つ分身を何人も生み出す事で全て薙ぎ払い、その様に圧倒された主人公達が戦意喪失する一歩手前まで追い詰めたが、玉座の間に戻りかけた所で乱心状態のまま現れたウッドワスに重傷を負わされ、満身創痍となってもなお妖精國の女王の威圧を崩さないまま反旗を翻したスプリガンを制するが、人質にされた瀕死のバーヴァン・シーの姿を見せつけられ動揺。さらにはそこへオーロラによる「真実の告白」という名目の全域への虚言混じりの吹聴が重なり[注 15]、周囲の上級妖精によって「自分が玉座に戻らなければブリテンは滅んでしまう」と言う最期の言葉も聞き入れられないまま惨たらしく殺害されてしまった。無敵に近い能力を持ちながら、あまりにも無知で無能であるが故に、自分で墓穴を掘りに堀って自滅したカマセ犬であった。今まで自分が散々嫌い苛め見下していた一般の人間と妖精に殺されるというのは、作中で様々な人物から評される「天才」という言葉に相応しい最後であった。「雑兵にやられる私ではない」と二度も繰り返していたが、その度に人間と妖精にやられるという点で、偉大な女王だったといえる。
誰も耳を貸す事が無かったその哀願はただの命乞いであり、モルガンが大厄災退治をサボったせいで、妖精たちは未来永劫そのツケを支払わされることになった。今回の大厄災退治もサボるつもりであり、全ての妖精と人間は大厄災で死ねといったのにも関わらず、自分だけは生き残るつもりでいた。その件でバーゲストにも愛想をつかされている。モルガンが死んだ後には、利用した厄災候補が大厄災となってブリテンを滅ぼす用意までしている。大穴の『大厄災』を水鏡で飛ばすこともなければ、毒殺防止のために公共の場での飲酒を禁じることもなかった。かくしてモルガンと、彼女とは違って妖精と人間を救うつもりだったノクナレアを立て続けに喪った妖精國は、モルガンが利用していた妖精騎士が全員大厄災となり、瞬く間に地獄の様相を呈することとなる。
期間限定イベント『水怪クライシス』では、ハベトロットと一緒に微小特異点先の島へ勝手に散歩散策に来ていた所へコンと遭遇ししばし戯れ、程なくしてハベトロットが主人公に呼び出されて行ってしまい一人不貞腐れていると、傍に居たコンに誘われて辺りを散策中徴弐と鉢合わせる。そこで彼女がコン達に作っていた竹馬に興味を抱き、愛娘バーヴァン・シーの靴創作の糧を兼ねたお土産にすべく安全性を確かめる口実で自分用にも欲しいと案の定遠回しで分かりづらくお願いする。
その過程でコンの手触りを堪能している内に正体に気が付いたのか、終盤で歪神ダゴンを相手に悪戦苦闘する一行の喧騒を聞きつけて姿を現した所、これ幸いと言わんばかりに主人公とマシュから助けを求められ、戦闘の手伝いをしない代わりにエレシュキガル謎のアルターエゴ・Λ武則天の髪の毛を呼び水、残っていたコン達の何体かを触媒に自分の魔力をマシュの盾の力と主人公の詠唱に乗せる事でカウンターアタックとなる神霊サーヴァント「太歳星君」の召喚に貢献した。
人物
青地に白と黒のドレスを着た白銀の髪の女性。
「救世主トネリコ」として活躍していた妖精暦時代は同じ『楽園の妖精』であるアルトリア・キャスターと瓜二つの少女[注 16]
異聞帯の王となった女王暦時代の彼女はフェイスベールのついた黒い王冠と黒のローブに似た衣装をまとっている。(こちらの服装は後に解放霊衣として取得可能)
冷酷無比で叛逆を許さない支配の女王。人間を嫌い、妖精を嫌い、平等を嫌い、平和を嫌う。悪の支配者そのものである。
彼女にとって「好きか嫌いか」と「必要か不要か」は同じことであり、自らが第一に考える「ブリテン島の秩序ある支配」を保つのに必要であっても、自分が嫌いなものだったら使うことはない。他人を信頼しないが、アテにはする。自分で帳尻を合わせるように物事を進めることもない。
彼女の大粛清、大悪法、彼女の家族の大虐殺により、ブリテンは無法地帯と化しており、警察や教育もないので、妖精が殺されても誰も罰さない。兵士となる人間も、魔力となる妖精も、モルガンの道楽によって何万何億と無駄に殺されている。バーヴァン・シーが開いた球技大会で参加者全員が殺され、彼女の私室には切り取られた妖精の足が飾られている。モルガンと娘のバーヴァン・シー共々、何の仕事もせず、粛清と虐殺に明け暮れて、妖精と人間への泣き言と恨み言に終始している。妖精や人間を殺すことに何の罪悪感も覚えず、むしろ殺している自分が被害者だと思っているなど、極端な自己愛と自己中心性、被害者意識に満ちた人物であるため、汎人類史でも異聞帯でも総スカンを喰らっている「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い邪悪」である。
今まで散々妖精と人間たちを殺し、見殺し、苦しめ、大厄災の退治すらもサボったのにも関わらず、最後は妖精たちに涙ながら命乞いをするなど、「吐き気を催す醜悪」を地でいく暗君である。今まで自分が妖精と人間たちに犯した罪は一切認めず、それどころか自分は妖精たちに感謝されて当然の無辜の者だと思っている。妖精國の妖精たちはそれでもモルガンに感謝の念を持っており[注 17]、それ故にバーヴァン・シーの横暴を応援するモルガンに幻滅していたが[注 18]、モルガンは妖精に感謝されていることを認めようとはしなかった。
異聞帯のモルガンの性格は、汎人類史のモルガンとして伝わる「淫蕩・惨忍・自分勝手」というものと大差ないが、こちらのモルガンは果てしなく長い旅路の中で数多の挫折を味わい、それらの極端な部分は打ちのめされて引っ込んでいるだけである。モルガン自身が極度に追いつめられたり焦ったりすることがあれば、その本来の性格が表に出る事もあるが、そうでなければ支配者として冷徹に「自分の好きなものだけを使う」性格だけが表に見える。
頭は非常に悪く、妖精眼をもってしてもまともにコミュニケーションも取れない上に、法律も多ければ多いほどのいい、という程、無知。自分が寵愛を捧げていたウッドワスやバーヴァン・シーを逆に苦しめていることにすら気づかない。
何の仕事もせずに虐殺に明け暮れている自分こそが誰よりも妖精國に貢献していると思っており、最後の独白でも「私の妖精國は美しく夢のようですか?」と問いかけていた。モルガンのせいでそれまで自由で幸福な暮らしを送っていた妖精と人間を絶望と苦痛のどん底に突き落としておきながら、毎日命懸けで馬車馬のように働いていた妖精と人間のおかげで國が成り立っていたことは決して認めなかった。
能力
所有する魔槍を利用した呪詛や魔術の他、第三再臨のアルトリア・キャスターと同じく魔術触媒として「ロンゴミニアド」を召喚する事も可能な模様。
巡礼の鐘を全て鳴らし終えたアルトリア・キャスターをもってして「魔術の天才」と言わしめる桁違いの魔術の腕を持ち、トネリコの時代から得意としていた転移魔術の「水鏡」や封印魔術の「棺」は、技術媒体こそカルデアの模倣ではあるものの過去や未来の時代への転送すら可能とする程の格段な性能向上に至っており、城壁に配備したロンゴミニアドも「天才が使うために天才が作った専用の兵器」として手ずから構築した魔術であり、アルトリアでこれの全砲門発射を試みると自分自身の肉体が焼き切れて消滅しかねないほどの負担がかかるほどに特化された仕様となっていた。
それだけでなく、巡礼の鐘を鳴らし終えてアルトリアがモルガンと同等になったと見えていたのも表面上だけであり、モルガンは過去に救世主トネリコとして巡礼の旅を複数回も経験しているため、内在する魔力量の時点でアルトリアはまるで勝負にならない。反乱軍によるキャメロット侵攻戦でも、城下で激戦の末女王軍を打ち破った反乱軍の兵士の大半を『自分の分身を拡散させる』という形によってたった一人で呆気なく全滅させるというどんでん返しを事も無げにやってのけた。
汎人類史におけるモルガンも同等の魔力と魔術技能を有しているようで、異聞帯に召喚されたばかりの彼女はマスターたるベリルの出自を即座に見抜いた他に自分を召喚した術式からレイシフトを解析して魔術で再現し単独で行使するというとんでもない所業を、その対象点に『異聞帯平行世界の自分』という情報の受信媒体がいることでリスクを解消出来ると見抜いた上[注 19]で、数時間の内に即決実行しており、どちらも根幹としては妖精の血筋という「神秘」をその身に宿すが故に成せる芸当だと思われる。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ルーラー[注 20] ベリル・ガット ? ? ? ? ? ? ? ?
バーサーカー 主人公 (Grand Order) C E B A+ B EX 狂化:B
対魔力:A
道具作成:EX
陣地作成:B
妖精眼:A
渇望のカリスマ:B
湖の加護→アヴァロンの妖精:C[注 21]
最果てより:A

宝具

はや辿り着けぬ理想郷(ロードレス・キャメロット)
ランク:EX
種別:対城宝具
レンジ:10~99
最大捕捉:100人
モルガンが生涯をかけて入城を望み、果たされなかった白亜の城の具現。
モルガンはアルトリアと同じ存在であるはずなのに、アルトリアは迎えられ、モルガンは拒絶された。
アルトリアに拒絶されたのではなく、世界のルールそのもの、即ち『人理』に拒絶された。
モルガンが憎むはアルトリアではなく人理そのものであり、決してたどり着けない路を一夜にして踏破し人理そのものを打倒せしめんとする「世界を呪う魔女」としての彼女の在り方を表した宝具。
『Grand Order』では「自身に〔円卓の騎士または妖精〕特攻状態を付与(1ターン)+敵全体に強力な〔人の力を持つ敵〕特攻攻撃[Lv]<オーバーチャージで特攻威力アップ>&呪い状態を付与(5ターン)+味方全体に宝具使用時のチャージ段階を1段階引き上げる状態を付与(1回・3ターン)」という効果のBuster属性の宝具。

真名:モルガン

モルガン。異聞帯・妖精國ブリテンを絶対王政によって約2000年にわたり支配する女王であり、圧政を敷いて妖精たちを苦しめている。
最高位の妖精であり、最果ての槍・ロンゴミニアドを魔術として修得した神域の天才魔術師。
汎人類史のモルガンはアーサー王の異母姉でブリテンの後継者候補であったが、その座を奪われた事から彼女に憎悪を抱き、自らの魔術を用いた奸計に加え、時としては自身の子供をも利用してアーサー王やその仲間である円卓の騎士達を陥れ、その象徴たる王都キャメロット、強いてはブリテンを崩壊させるに至った魔女とされている。
だがその一方で、カムランの戦いにより傷付いたアーサー王を最果ての楽園「アヴァロン」へ連れて行きその身を癒したとも云われている。
実のところ妖精國におけるモルガンは、汎人類史のモルガンのブリテンに対する執着を知り、自分もアルトリアと同じように、國を造り、王になるという野心を持ち、その野望を果たすため、名前と記録記憶を引き継いだ事で誕生した存在である。しかし、自分の思い通りにならない妖精と人間に激怒し、無理やり妖精と人間を従えて、強引に國を造る方法にシフトした。
2部6章ではモルガン打倒、妖精國打倒、ブリテン打倒のエースとして大活躍を果たしている。ブリテンを支配するボスキャラとしてあまりにも不相応な無知、無能、無策、無責任、無謀、無様極まる自業自得は、ユーザーから「頭モルガン」と呼ばれ、妖精と人間への無体な仕打ちは「モルガン様だから」と説明される。汎人類史では自分と家族がブリテンを滅ぼしていたが、異聞帯でも全く同じ道を辿っている。
一回目のブリテンではブリテンの大地が残ったが、モルガンが作った2回目のブリテンでは大地まで抹消されることとなった。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻』配信後に期間限定サーヴァントとして実装された。
期間限定イベント『水怪クライシス~無垢なる者たちの浮島~』では終盤で重要な役割を果たす。

Fate関連作品

Fate/Grand Order フロム ロストベルト
16話のメインとして登場。

人間関係

Fate/Grand Order

ベリル・ガット
最初に「汎人類史のモルガン」として召喚された時のマスター。彼女が異聞帯のサーヴァントに変貌した時点で事実上不要になっていたため一度は存在を消去し、自ら支配する妖精國による「異聞世界」が確立した現代において記憶も容姿も生き写しなコピー人間として復元させ、建前上は「自分の婚約者(夫)」として傍に置いている。自分のマスターであるクリプターを殺し、複製まで作るという外道行為に及んでいるサーヴァントはモルガンだけである。
ある程度は彼の自由にさせているが、目前でカルデア一行に危害を加えようとした際には「私が招いた客」だと言って動きを強制的に封じ抑えるなど王として毅然と接するも、一方では大切な愛娘たるバーヴァン・シーの身を預ける位に信頼はしていた模様。だが、当の本人からすれば妖精國など「既に終わった世界」であった事と、色々と『遊び尽くして』飽きてしまっていたためとっくの間に興味が無くなっていた上に「マシュを手に入れる」という別の目的があった事もあり、自身のあずかり知らぬ裏々で手を回され間接的に追い詰められてしまった。
ベリルが自身の命に興味がなく、何の倫理観もないと知っており、妖精眼を所持しているのにも関わらず、ベリルとバーヴァン・シーが一緒にいても何も咎めないという相当の間抜けなミスを犯している。モース実験により多大な人間を犠牲にしており、国防に必要な兵士の数を著しく減らしており、妖精国の安全保障に多大なダメージを与えてしまった。
主人公 (Grand Order)
外の世界から来た汎人類史の人間。予言における『異邦の魔術師』。
彼/彼女からロンゴミニアドの譲渡を懇願されたが、汎人類史のモルガンからあらかじめカルデアに関する知識を与えられていたため敵とみなし協力を拒否するも、ブリテン異聞帯にいる内は「我が国を訪れた賓客」として振る舞い、キャメロットの最終決戦を除けば特に此方から何か仕掛ける事はしなかった[注 22]
全ては自分が褒められたいという下心故の贔屓であり、最後の独白では「私の國は美しく夢のようですか?」と問いかけていたが、主人公にはモルガンの支配は酷すぎると思われていた。主人公は何度か娘のバーヴァン・シーに殺されかけているが、そのことでモルガンが注意したり、謝罪したりする描写はない。
汎人類史側のモルガンによるフィニス・カルデアの知識と技術伝授の時に『何か』を察知したのか、異聞帯でも発揮されるカルデア召喚式の異質な力を危険視し、最終的に相対した際に「次があれば立ち返って調べた方が良い」と忠告を送っている。
カルデアで召喚された際には、当初は女王の例に漏れず「汎人類史の魔術師への軽蔑と反感」を以て臣下として見ていたが、「譲歩しても対等な関係」という姿勢を皮肉を込めて示す際、何故か彼/彼女を夫/妻として呼んだことで、以後気に入ってからは「言葉から始まる関係も悪くない」と本気で乗り気になっている様子。
「我々の城はいつ建てましょうか?」「私以外のバーサーカーはすべて解雇[注 23]しなさい」と豪胆でもあり極端でもある、ある意味で彼女らしい振る舞いを見せる。
マシュ・キリエライト
外の世界から来た汎人類史の敵だが、事故とはいえ自身が過去に送り込んだことで「救世主トネリコ」時代のモルガンと出会い、『未来の存在』である彼女を隠すため「妖精騎士」の仮名をつけて仲間に加えるという数奇な関係を築き、その結果マシュは「大厄災」の正体、並びに『救世主トネリコの終わりと秘密』と『異聞帯の妖精の実態』を見届けることになる。
全てを知っているトネリコは将来敵対する可能性があることを理解しつつも、彼女の人柄と強さを信頼し、また未来の自分の不適際によるものだから仕方ないと割り切るようにと述べた後、最後に彼女の中にいる英霊が力を貸さなくなった理由と、再び認められるかもしれない方法を自分なりの解釈を含めたアドバイスという形でマシュに伝え、『棺』を使って元の時代へと戻れるように協力した。
別れた後。長い年月が過ぎた際にはマシュのことはもう記憶の片隅に残っている程度になっており、再会の喜びもなくただ1人の敵として相対することになるが、ほんの一瞬だけ彼女に関する『何か』を思い出したような素振りを見せていた。
マシュも然程思い入れはなく、モルガンが死んだ時も悲しむことはなく、後の祝賀会にも喜んで出席している。
アルトリアシリーズ全般
汎人類史ではブリテンの後継者を争った因縁の相手であり異母妹。
カルデアに召喚されたモルガンは異聞帯の存在ではあるが、汎人類史の彼女が持っていた知識と記憶を受け継いでいるため、「別の自分のこと」とは理解していつつも因縁の相手として見てしまう様子。モルガンの器の小ささがこれでもかという程に表れている。
なおオルタが「壊すことしかできない宝具」にモルガンの名を付けているのを「嫌がらせか!」と憤慨したり、水着が持っている水鉄砲[注 24]を羨ましがったり、似た者同士の性根が現れている。
モードレッド
汎人類史では、モルガンがアルトリアの遺伝子を使って生み出したホムンクルス。「アルトリアのコピーを作る」という汎人類史の自分の所業に流石のモルガンも驚きを隠せなかった。
それとは別にモードレッドという騎士の能力自体は高く買っており「なかなかの駒」と道具として高評価しているが、そんなものを作っておいて失敗した汎人類史の自分が果たして成功者なのかそうじゃなかったのか、イマイチよく分からなくなっている。
ガウェインガレス
汎人類史ではモルガンがオークニー領主ロット王との間に儲けた4人の子供達のうち長子と末子。
自分の様にならずいい騎士になったと評価している。
クー・フーリン
汎人類史では同一視の存在としてケルト神話における戦争の女神モリガン(モーリアン)がいるため警戒されているが、そのことについて心当たりはまったくない。
マーリン
汎人類史ではウーサーに助言を与えて自分達姉妹を誕生させ、その後はアルトリアを支援した魔術師であり、一説では魔術の師匠にして恋人だったともされる。
人理をめぐる戦いを通してカルデア一行に味方している前提のうえに、異聞帯でも自分に対抗しうる存在として危険視しており、本編より前に魔術礼装を使って『庭』の中に閉じ込めていた。
フォウ
バレンタインイベントにて遭遇。キャスパリーグとして汎人類史のモルガンを知っているためか、異聞帯で棘が取れた妖精國の女王を「このモルガンは偽物だね」と冗談交じりに評している。
軽口を叩くようならマーリンと一緒に封印すると脅しをかけている。
コン
微小特異点先で出会った生物。人懐っこい可愛らしさと手触りが気に入った模様。
魔術師として調べていく内に正体が太歳の分身であることを突き止め、主人公側と行動していたサーヴァントたちを触媒にその化身たる神霊サーヴァント・太歳星君の召喚をさせた。
徴弐
散策中にたまたま遭遇した徴姉妹の妹。
彼女が製作していた竹馬に興味を持ち自分のぶんも作ってもらう。
徴弐の方はモルガンを助っ人で呼ばれたサーヴァントだと思い込み、まさか勝手に来ていたとは考えてもいなかった。
エレシュキガル謎のアルターエゴ・Λ武則天
太歳星君召喚の呼び水に彼女達の髪の毛を利用する。
それぞれが対となる陰の神性、カルデアとの縁、喚び出す存在の知識を司っている。

生前

アルトリア・キャスター
『予言の子』かつ、同じ星の内海から遣わされた次代の『楽園の妖精アヴァロン・ル・フェ』。
アルトリアが異聞帯で予言の子として旅をしていた間は「自らに敵対しなければ放置、敵対すれば抹殺する」という態度を一貫しており、基本的に味方はせず、アルトリアが何の保護もなく生きている時も、彼女を助けようとはしなかった。
しかしカルデアに召喚されてからは、異聞帯で自分が死亡した後、放棄されていた『楽園の妖精』の本当の使命を彼女が成し遂げ、ケルヌンノスのみならず『奈落の蟲』をも打ち倒した事を知り、態度を和らげている。
ハベトロット
かつてトネリコと名乗って旅をしていた頃、何度も助けられたかけがえのない友人。最後の別れにおいては「女王歴の世界でマシュの力になって恩返しがしたい」という意見を汲み取り、注意事項と共にそのやり方を伝授した。
カルデアに召喚されたハベトロットは汎人類史の存在でありモルガンに関する記憶を持っていないが、それでも魂の色は何ら変わらない為に、モルガンは此方の彼女の事もかけがえのない友人として見ており、カルデアではティータイムを共にする仲である。
なお、上記の過程でハベトロットが花嫁を助ける糸紡ぎの妖精として明らかに必要ない兵器を持ち込むようになったのだが、モルガンはそれをカルデアのせいと勘違いしている。
ウッドワス
女王暦2017年当時の、牙の氏族の族長。
ウッドワスからは狂信に近い忠誠を受けており、モルガンも数少ない「信頼」を内心で向けている相手。付き合いが長いからか、彼への評価は「幼き勇者将軍」となっている。「妖精と人間を救わず、許さない」といつも言っているモルガンに、なぜウッドワスが忠誠を誓うのか、自分の忠誠が報われて当然だと思っているのかは不明。
非常に傲慢で凶暴な性格で、他の牙の氏族は乱暴せずに生きているのにも関わらず[注 25]、ウッドワスは些細な怒りで人間を八つ当たりで殺すほど、馬鹿で性悪であった[注 26]。個人の性質を氏族全体の問題にして、他の牙の氏族には、採食を心掛けさせ、テーブルマナーを徹底させるという虐待を犯していた。
すぐに暴れるウッドワスを危険視して戦場に出さないようにしていていたが、それ故にバーヴァン・シーから「ロートル」「クソ犬」「私の方が強い」と馬鹿にされており、苛められている彼を助けることもなかった。
オーロラにレストランで骨抜きにされて円卓軍の侵攻を許し、戦場で指揮を執っている時も「予言の子」の顔を知らないのに、氏族に捕らえてくるように命令しする、モルガンと同じく非常に馬鹿な妖精であった。
終盤では最愛の人の言葉に惑わされ思い余って反乱するものの、最後はモルガンからの言葉で信頼を再認識し、モースにはなったが暴れることはなく消滅していった。モルガンの「毛並みがいい」「頑張った」という挨拶レベルのセリフに疑うこともなく涙を流して感謝していたことから、今まで余程無碍に扱われていたのだと思われる。
モルガンの教育を受けたバーヴァン・シーに瀕死の状態にされた上に、大厄災退治をサボったモルガンのせいで氏族もろとも死ぬということは、最後まで気づかなかった。
スプリガン
女王暦2017年当時の、土の氏族の族長。
彼からは自分が妖精國に引っ張り込まれた件と、妖精國ブリテンが人間の文明を模倣するだけでほぼ進行も発展もない閉塞的に近い環境下にある事で恨まれており、オーロラと組んだ彼によって殺されてしまった。
スプリガンには「妖精国はお前の箱庭ではない」「幼稚な夢から醒めろ」と呆れ果てられていた。モルガンから何の庇護も与えられず、30年間の奴隷生活を送り、明日の保証もない妖精國で、休む暇もなく権力闘争と権謀術数に明け暮れた彼に対して、「汎人類史のお客様」と称して「美しく夢のような國ですか?」と尋ねる無神経極まりない愚か者に対する答えであった。モルガンの教育を受けたバーヴァン・シーに殺されかけているが、そのことでモルガンからは何の謝罪も罪悪感もない。
モルカーの発注をしたり[出 1]、バレンタインイベントでは「どうかと思わないでもないが評価していた大臣」扱いだったりと、その敏腕さは相当に買っていたようであるが、大厄災退治をサボり、スプリガンを見殺しにするつもりであったことから、あまりにも傲慢で失礼な評価だったといえる。
排熱大公ライネック
トネリコとして旅をしていた時の数少ない「信頼できる仲間」。彼からも強い信頼を寄せられ、消滅するその時までトネリコのために戦う一方、戴冠式ではウーサーと婚姻を交わす姿を見たくないという理由から出席を拒否しており、一種の恋愛感情もあった事が窺える。
モルガンがウッドワスに例外的な信頼を寄せるのは、彼がこのライネックの「次代」であるからと言う理由もある。
2000年前と1000年前の大厄災で水鏡を使わず大厄災退治をサボったモルガンに二度も見殺しにされている。
黒騎士エクター
トネリコとして旅をしていた時の、数少ない「信頼できる仲間」。2000年前の大厄災でモルガンに見殺しにされている。
ウーサー
汎人類史ではモルガンとアルトリアの実父で先代王にあたり、後継者争いの件から妹共々憎悪の対象で険悪な関係にあった。
異聞帯ではトネリコ時代の円卓軍を率いていた騎士の少年かつ弟子で、彼女が「ブリテンを統一するためには氏族の妖精達ではなく人間が王となるべき」と考え見出した人物でもあり、あちら程の剣呑さは全くなく、「よく分からない」と言いつつ仲間としても個人としても大切な人だった様で、特に二人きりでの仲睦まじさは周囲から見たら恋人同士にしか見えなかったほど。
氏族長たち南の妖精と、女王マヴ率いる北の妖精両者に彼の存在を認めさせた事で戴冠式までこぎ着け、さらに皆からの要望により当初の予定だった『マヴとウーサーの婚姻』を変更し、ブリテンを手にするだけでなく『自身が王妃になる=花嫁となって愛するウーサーと結ばれる』という夢までひそかに叶いかけたが、その日に彼と円卓軍の全員が毒殺された。この際にトネリコはウーサーを「私の円卓」と呼んでおり、自分の所有物としか思っていなかったことが露わになっている。また、ウーサーの死後は自身が王になってブリテンを支配するつもりであったであろうことから、ウーサーは國を造るための駒でしかなかったのだと思われる。
ゲーム内では姿も台詞も出てこないが、オークニーで戦う"ロンディニウムの騎士"の亡霊がウーサーのものと思われ、その姿はアーサー・ペンドラゴンのシャドウサーヴァントで代用されており、外見は彼に似ていたことが窺える。
妖精騎士トリスタン/バーヴァン・シー
「娘」として魔術を教える他、次の女王として据えていた妖精。
自分の思い通りにならない妖精の中で唯一、感謝の言葉をくれ続けた相手であり、自身と汎人類史のモルガンの悲願を投げ打ってでも守るべき大切な存在。
トネリコ時代の自分と同じく承認欲求に溢れる性格ゆえに、他の妖精に使い潰され弄ばれては廃棄される人生を繰り返しており、いくら『次代』の誕生を察知し急いで駆けつけても既に手遅れで発見される状態が続いたため、今度はきちんと自分の人生を生きていける様に正反対の悪逆な性格に「教育」し、周りに何と言われようと彼女を擁護した。バーヴァン・シーの方も理由は分からないが自分を唯一肯定してくれるモルガンに依存し、親子というよりは一種の共依存のような関係を築くに至った。
なお「ブリテンの後継者」という肩書きも「妖精円卓トリスタン」の着名も、全てバーヴァン・シーを守りやすくするためにモルガンが用意したもので、本来の「後継者」は別に存在している。バーヴァン・シーを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。バーヴァン・シーに利用されないだけの知性と判断力を身に付けさせればいいということにモルガンは気が付かなかった。
その本性は、弱い者苛めしかできず、強い者には決して逆らわない臆病かつ卑劣な性格で、格下にはどこまでも調子に乗るが、格上には決して逆らえない。モルガンが殺されている時も、いつもは平気で殺している妖精たちが恐くて何もできなかった。妖精騎士になってからは、それまでの謙虚で真面目な性格が嘘のように変わっており、妖精たちに逆恨みと八つ当たりをする傲慢で独善に満ちた性格になっていた。最後の独白でも40万人の妖精を殺したのにも関わらず「妖精たちはいつも私を苛めていたから大嫌い」とブーメラン発言を飛ばしており、果てのない自己愛と自己保身は親子共々変わらなかった。
野良時代から、領主に乞われたとはいえ、人間をアンデットにしており、モルガンから「逃げるなら断るなりしろ」と言われていたのにも関わらず、その命令を無視していたことから、良心や道徳などなく、自分の承認欲求を満たしたかっただけなのだと思われる。
バーヴァン・シーは「死んで妖精たちの役に立てるならそれがいいこと」と言っているのにも関わらず、モルガンはバーヴァン・シーにとって死ぬことが幸せだと認めなかった結果、40万人の妖精、数えきれない人間が死んでしまった。
妖精騎士ガウェイン/バーゲスト
着名ギフトを授けて妖精騎士の任を与えた妖精。
妖精騎士として取り立てたのは彼女がひときわ強い力を持った妖精であるだけでなく、着名によって「獣の厄災」を封印するためであった。バーゲストを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。バーゲストを処分して、大厄災は水鏡で飛ばせばいいことにモルガンは気がつかなかった。
努めて理知的であろうとするその在り方もモルガンからすれば他の妖精に比べれば信頼のおける相手だったかも知れないが、「妖精を守る」事を信念にしていた彼女と、「妖精を救わず國を守る」事を信念としていたモルガンでは、最終的に決裂は時間の問題であった。
バーゲストの「守る」というのは妖精という種の存続という意味であり、妖精國でモルガンやバーヴァン・シー、ベリルが何万何億の妖精と人間を殺そうが、何も咎めることはなかった。むしろ大のバーヴァン・シー贔屓であり、目の前の妖精たちを見殺しにし、妖精たちを殺したバーヴァン・シーを咎めるウッドワスに「バーヴァン・シーの遊びに付き合うな」「つまらぬ短気で牙の氏族の品位を落とすな」と民の命を何とも思わぬ暴言を吐いており、バーヴァン・シーが落ち込んだ時には元気が出るように励ましている。人間に至っては人間牧場で「家畜」「奴隷」「下等生物」と露骨に見下しており、脱走した人間をブラックドックに変える時には「もう一度奴隷として働けるように躾けてやろう」と薄ら笑いを浮かべていた。
妖精を守らぬモルガンに反旗を翻したが、後にバーゲストも妖精を守る妖精騎士でありながら、救うべき妖精たちを虐殺していたので、両者ともに醜悪な本性に変わりはなかった。
妖精騎士ランスロット/メリュジーヌ
着名を授けて妖精騎士の任を与えた妖精。元の主君であるオーロラが危険な存在であり、彼女自身も「炎の厄災」になり得る存在だったことから、着名で力の抑制を試みて配下に加えていた。メリュジーヌを妖精騎士にしたせいで、後に大厄災が同時顕現している。メリュジーヌを殺し、大厄災を水鏡で飛ばせばいいことにモルガンは気づかなかった。
モルガンとは「異聞帯のブリテン島(亜鈴の子)に由来しない存在である」と言う共通点もある。
大厄災退治をサボるモルガンに何の反抗心も覚えず、それがオーロラの命の危機に繋がるとは微塵も気が付かず、キャメロット防衛戦でも自分から反旗を翻すことはなかった。「妖精はモルガンに対して罪人である自分たちをキャメロットで従えてくださった恩がある」と意味不明な独白を吐いており、妖精を見下す無茶苦茶な性根は主従共に変わらなかった。
妖精を守るのが妖精騎士の仕事であるのにも関わらず、バーヴァン・シーの大量虐殺に関しても「自分も大量虐殺者だから彼女を止められない」と理由になってない言い訳をしている。
キャメロットの出勤もいつも半日サボっており「最強だから早起きできない」と理解不能な言い訳をしていたが、モルガンは何も咎めず、キャメロットの風紀を極度に乱し、真面目に通う妖精たちの努力を無駄にしていた。
騎士ポーチュン
『モース戦役』を生き延びた古参の女王兵。鏡の氏族。最後まで主君のモルガンに忠誠を捧げて死んだ立派な騎士だったがモルガンからは「妖精騎士の質も落ちたものだ」の一言。忠誠をつくした臣下に何も報いようとせず、その恩は仇で返されてしまった。自身の罪を悔いず、何の成長も反省もしない、恩知らずで恥知らずなモルガンの本性。
北の女王マヴ
トネリコ時代のライバルであり、当代の北の妖精の女王。
ウーサー王擁立の折には北の妖精代表として政略結婚を交わす予定だったが、彼とトネリコが相思相愛である事に気付いていたのもあり、戴冠式では最終的に自ら身を引いた。
また、同時に妖精國にまつわる全ての事情を知らせていた唯一の妖精で同志でもあり、「夏の戦争」においてマヴは話し合いによって事情を知ると自らが「後継者」足り得る妖精を生み出すと決意。モルガンの身に何かがあった時、モルガンが作り上げた妖精國を受け継ぐための準備を整えることとし、自らをエディンバラそのものに作り変える。その結果生まれたのがマヴの次代であり、「真の次代女王」たる資格を持つ王の氏族長・ノクナレアだった。
ノクナレアの先代であるマヴが、なぜ妖精國を受け継ごうとしなかったのか、大厄災を打ち倒さなかったのかは不明。

上級妖精・女王騎士

モルガンのいないところでも彼女のことを敬語で呼び、バーヴァン・シーの大量虐殺にも「彼女に実力があれば耐えようがある」という程の非常に良心的な存在。        
モルガンの大粛清やバーヴァン・シーとベリルの大虐殺を積極的に支援しているモルガンがいずれ改心してくれることを願っており、彼女がどれだけの妖精や人  間を殺そうと罵倒しようと、憎んだり恨んだりすることなく、慎ましい言葉で返していた。書記官や大臣がバーヴァン・シーやウッドワスに次々と殺されながらも、いつ殺されるか分からない自分の身を案じて、その職を拒否することもなかった。
モルガンから領地や褒美どころか給料を貰っている場面すらない。モルガンの計らいでバーヴァン・シーがキャメロットに来たのは、妖精たちを怖がらせ、殺させるためのモルガンの嫌がらせであったと思われる[注 27]

ポープ

元のバーヴァン・シーと似たような境遇だが、モルガンが救うことはなかった。モルガンは自分に感謝しない者は救わないということなのだろう。

ボガード

シェフィールドを統治した偉大なる妖精。 最後まで妖精と人間に慕われていたが、バーヴァン・シーに瀕死の状態にされる。
オーロラ
女王暦2017年当時の、風の氏族の族長。
キャメロットの氏族長会議にも一人だけ城内に立ち入らせず通信越しに参加させていた。これは「風の報せ」をもつ彼女に対する最も不適切な措置であった。
ベリルとオベロンの行動により介入の隙を間接的に作られてしまい、そこに真偽混じりの吹聴を流され自身は虐殺。程ない後にノクナレアも毒殺され「妖精國ブリテン」は破滅が確定することになった。
遠慮したのか、トネリコの厄災退治はマッチポンプであったこと、人間を妖精の王にしようとしていたことは伝えなかった。
ウッドワスには「陛下は変わってしまった」と心から嘆かれていた。
オベロン
汎人類史ではウーサーの先代にあたる「卑王」。
異聞帯においては妖精國ブリテンを蝕んでいた「呪い」の正体であり元凶たる「奈落の虫」。
『予言の子』の支援のみならず、他にも秘密裏にオーロラなど様々な氏族に手を回していた敵対者。
実はモルガン信者であったらしく「君の物語は悪くない」とモルガンを非常に高く評価していた。

名台詞

Fate/Grand Order

戦闘 

「すべて煮詰めます。よろしい?」
「士気はこうして上げるもの。食べなさい。」
スキル使用時。
大きな鍋を取り出し、霊薬をぐつぐつと煮詰める様はまさしく魔女。しかし、すべて煮詰めますというのは某マッシュゴリラとや、栄養はゲテモノ肉でも変わらない騎士を彷彿させる言い方である。
それも青とか黒とか、食べ物から出てはいけない色の湯気が出ているあたり、やっぱりチョコの厄災と似たもの同士なのだろうかと思わせるさすがイギリス人メシマズなだけある

マイルーム

「以前から不思議に思っていたのですが……なぜ私以外のバーサーカークラスがいるのです? 全員解雇しなさい。必要ありません」
マイルーム会話『絆Lv3』。
ゲーム的にはそれだけの強さと汎用性もあることは否めないが、主人公に真っ向から「夫/妻」宣言した上にこれではすぐさま戦争が始まりそうな方々がいることを考えると不遜不敵な発言ではある。
「アルトリアのコピーを造るだと!?汎人類史の私はそこまで思い込んでいたのか!——いや、忘れよう。私ともあろうものが取り乱した。
モードレッド……なかなかの出来ではないか。あれだけの駒を造っておいて失敗するとは、私め……。いや、成功したのか?」
マイルーム会話「モードレッド」。
彼女側からすれば「道具」「駒」「アルトリアのコピー」と散々な呼び方をされているとはいえ「大嫌いな母親のソックリさんに密かに褒められている」という状況にあるため、面と向かって聞いたら死ぬほど複雑な顔をしそうである……
「糞虫。寄るな。……お前など、すぐに見つけてすり潰してしまえばよかった」
マイルーム会話「オベロン」(二部六章クリア後)。
自身が築いた妖精國を滅ぼした元凶。まるで最初から正体を知っていたような口ぶりだが、本編において二人が直接言葉を交わすことはなく、モルガンに至っては仇敵と認識していたかすら定かではない。おそらくカルデアに召喚された後に何らかの機会を得て妖精國の顛末を知ったのだろう。私怨と嫌悪が明確なのは言わずもがな、もともと虫が苦手なのも相まってか接近も許さない。

本編

「……そうか。あれは、そういう事だったのか」
Lostbelt No,6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』後編にて。主人公一行からマシュの居場所について尋ねられた時の台詞。
最初は誰のことか分からなかったモルガンだが、ダ・ヴィンチから説明を受けて一人納得する。
「救世主トネリコ」の最後の巡礼の旅を共にした一人の少女騎士。最果てオークニーに置かれた『棺』の正体。
この時全てを悟った彼女の口調は、記憶の片隅に残っていた「誰か」を懐かしんでいるようにも聞き取れる。
「私のブリテン。私の妖精國。本当はもっと酷い國にする予定でしたが、それだと彼女が可哀想なので、少し優しく設定しました。
笑うことを許します。楽しいことを許します。つながりを許します。発展を許します。どうかいつまでも、続くことを願います。」
さも自慢げに語っている独白。これが何かの言い訳になるとでも思ったのだろうか。あるいは誰か評価されると思ったのかもしれない。
モルガンに許されることでもなければ、そのような事実もない。妖精國にあったのは粛清と虐殺のみ。あまりにも妖精を舐めたセリフ。
「私の国はどうですか?美しい国でしょうか?夢のような国でしょうか?」
「そうであれば、これに勝る喜びはありません。」
「妖精國ブリテンにようこそ。お客様。
どうかこの風景が、いつまでもあなたの記憶に残りますように…」
そして女王モルガンがブリテン異聞帯を現れたカルデア一行、ひいては異邦の魔術師に手を出すことをしなかった一番の理由である所の『目的』。
それは「自分の国をよく見てもらいたかった」「自分の国に来た感想を知りたかった」という、自分のことしか考えていない理由だった。
幾万幾億の妖精と人間を殺して苦しめたのにも関わらず、最後まで何の反省も成長も後悔も、妖精や人間への謝罪も償いもなく、自画自賛、自己憐憫、自己弁護に明け暮れた最後の独白でモルガンの愚かさ、情けなさ、醜さがこれでもかというほど、明らかになる。
自由気ままに暮らしていた妖精と人間たちから生と幸福と希望と奪い、死と絶望と苦しみを押し付けたのにも関わらず、さも自分のおかげで妖精たちは自由と幸福と平和を手に入れたかのような、極めて我儘で悪辣なモルガンの本性。
「やめ、て―― 私を、玉座に―― 玉座に、戻せ……!もう、ブリテンを、失いたく、ない……!」
オーロラとオベロンの策略により、臣下であった妖精たちに寄ってたかって物を投げつけられ、剣で斬られながら殺された際の最期の台詞。
いつまでも自分の非を認めず、2000年に渡り國とは名ばかりの牢獄に閉じ込め、誹謗中傷と虐殺の毎日を過ごさせてきた妖精たちの虎の尾を引きちぎり、逆鱗をむしり続けてきた、稀代の暗君はここに正義の鉄槌によって裁かれる。
「酷い」「女王が聞いて呆れる」「お前のせいでこんなに酷い國になった」「もっといい國なんていくらでも創れた」と妖精たちは2000年耐え続けてきた怒りをモルガンにぶつける。
王様ごっこに夢中になり、被害者面をしていれば許されると思っている、あまりにも幼稚な女王の児戯は、ここに終わりを告げた。
精神がいつまでも幼稚なままで、全てを社会や他人のせいにする無敵のメンタル、自分が全て正しいと考え、何も成長しない。そのあまりの屑っぷり、情けなさから「令和の半天狗」「型月の禪院扇」「汚いアルトリア」とユーザーから呼ばれている。

イベント

メモ

話題まとめ

嫌いな物・イモ虫
本編には出てこずカットされたエピソードとして、女王暦1800年ごろの厄災で「キャタピラー戦争」と呼ばれる戦いが語り草になっているという裏設定[出 2]がある。
その年の厄災はイモ虫型のモースが大量発生したが、知られている限りモルガンが女性らしい悲鳴を上げたのが唯一この時だけらしい。
ちなみにこの厄災があった年は、妖精騎士ガウェインがファウル・ウェーザーを捕食して力を会得し、厄災を退ける功績を立ててマンチェスターの領主に任命されると共に妖精騎士の着名を受けた時期と同じであるが、モルガンがイモ虫に悲鳴を上げて帰ってしまった事と関係があるのかは定かではない。
モルガンの支配について
妖精にとっても人間にとっても百害あって一利なしだった。
モルガンは圧政でなければ妖精たちを統治できないと考えているが、氏族長、ボガード、円卓軍、ノクナレアは妖精を平和に統治して幸せにしているので、ただの被害妄想である。圧政でしか統治できないのはモルガンが無能であるからにすぎない。それまで自由気ままに暮らしていた妖精と人間たちを自己満足に2000年も付き合わせたというのに何の感謝もしないばかりか、妖精と人間を不幸にする自分に感謝するべきだと思っているモルガンは妖精と人間から見れば万死に値する。
妖精が嫌いだというなら、人間だけの國を造ればよかっただけの話であり、文明を発展させられるほどの寿命を持つ人間がいれば国民としては十分だっただろう。自身や家族は何の仕事もせず、虐殺に明け暮れているので、モルガンの支配は「圧政」ではなくただの「支配」である。現に妖精たちが殺されようとモルガンは何もしていない。むしろ虐殺の支援をして妖精たちを不幸にしている。保身に汲々として、妖精を幸せにすることなど何も考えていなかった。
妖精たちにとっても國など必要なく、厄災払いだけしていればよかったものを、國造りなどと分不相応な望みを抱いたことで、救世主としても無能になってしまった。妖精を殺すばかりか、殺して再利用するという外道行為も妖精から見て許されたものではないだろう。このような極悪非道な女王なので「めでたく倒された」とメッセージまでついている。
『娘』のバーヴァン・シーを慮ったためとはいえど彼女の暴虐を半ば黙認していたこと、存在税として妖精から大量の魔力を吸い上げるという一種の淘汰行為[注 28]を頭に、彼女自身の愛情表現の不器用さはあったにせよ妖精たちを露骨に蔑ろにしている言動が多かったことから「今までのツケがいっぺんに回ってきただけの因果応報」「所詮はモルガンの野心から来る独りよがりに過ぎなかった」と言った声が多い。
これに関してはモルガンが遭ってきた今までの境遇やバーヴァン・シーに施した教育から考えると、「妖精と人間たちがどうなろうとどうでもよく、自分のお気に入りだけ幸せになれればそれでいい」「『大厄災』への対抗策さえ整えれば、自分が所有する莫大な神秘の力だけで何とか出来ると自負していた[注 29]事による、あくまでも『自分の国を守る』目的だけに振り切り過ぎた自己完結型に近い考えとやり方、そして上述する馬鹿な態度が自身の孤立と臣下との溝を深める要因になってしまったと考えられる。
自分の死後における妖精國ブリテン運営についてもまた、せめて自分が最も信頼出来る家臣と看做していた者や、価値観に相違はあれど自分と同じ様にブリテンを愛していた者に、ノクナレアとの密約を含めた玉座やロンゴミニアド、ひいてはこの国で暮らす妖精たちや『大厄災』の正体について核心に迫る部分だけでも予め話しておけたならば、少なくとも妖精國ブリテンの最期については少しでも変化した可能性は考えられただろう。

脚注

注釈

  1. 楽園の妖精としての名前
  2. マスターや親しい友人など、対等以上の相手に対して
  3. 嫌っている対象やあまり親しくない相手、目下の相手に対して
  4. ベリルはこれをアカウント(モルガン)にネットワーク(レイシフト)を使ってメール(情報)を送信したようなものだと解析している。ちなみにムーンセル上には同じことを行った前例が存在する
  5. この名前は終編、『楽園の妖精』の本当の役割について話すマーリンの口から初めて明かされている。
  6. 恐らくこの時点で「ヴィヴィアン」の名前を捨て去り、代わりに「モルガン」を自らの『真名』とした事で事実上『楽園の妖精』から変質してしまったと推測される。
  7. その実態とは女王となったトネリコがレイシフトを模倣した魔術「水鏡」を使って、改変され剪定時空となっていた過去の世界に飛ばしてきた『厄災』をトネリコが祓う、というもの。
  8. 言わずもがなカルデアにおけるコフィンの模倣。
  9. トネリコはその事実に気づきながらも、わざと言っていない。妖精たちに恩を売ることで自分の國造りに利用してやろうと企んでいた。
  10. 妖精たちにとって自分の氏族の領土が國であり、世界統一など誰も望んでいない。
  11. 対抗策としては不十分であり、カルデアが『大厄災』を討つ時には、ブラックパレルを使わなければならなかった。
  12. この際、トネリコはウーサーたちを「私の円卓」と呼んでおり、自分の夫すらも所有物としか見ていないモルガンの傲慢さ、腹黒さが見て取れる
  13. 実はこの時本来なら「汎人類史のモルガン」のマスターだったベリルの存在も、「空想樹が健在である、既に滅亡している更地のブリテン異聞帯」を知る=パラドックスを招く存在であったため消滅させており、妖精國再興の折に姿形まで瓜二つな存在として蘇らせた。
  14. おそらくは、カルデアの機嫌取りのため。上級妖精や女王騎士には給料を与えている様子もない。
  15. 実はキャメロット決戦前夜で自分も巡礼の旅に出たことがある旨を無意識に漏らしており、早い段階で周囲に自身もまたブリテンの妖精達が忌み嫌う『楽園の妖精』であると感づかせ、懐疑心の種を植え付けてしまっていた。
  16. 手に持っているのが選定の杖でないこと、帽子の側面についている紋章がわずかに違うこと、胸元のリボンが黒色なこと以外はアルトリア・キャスターの第二再臨の姿と同じ。
  17. 上級妖精も下級妖精もモルガンのいないところですら、彼女のことを話すときは敬語を使う程、敬っている。
  18. 「バーヴァン・シーがいなくなれば、モルガン陛下も正気に戻ってくださる」と女王騎士はつぶやいていた。
  19. 妖精眼が千里眼と同類の働きを有している為に出来たのか、またはカルデアのレンズ・シバに準ずる何らかの装置を魔術で模倣して突き止めたのかは不明。
  20. ベリルの回想場面における会話パートにてルーラークラスと名乗っている。
  21. Lostbelt No.6クリアでスキル名が変化。
  22. マシュが「水鏡」に巻き込まれたのは、元は本来の発動対象だった『ノリッジの厄災』を主人公達が先に倒した結果によるものであり本当にただの偶発的な事故
  23. ちなみに『愛娘』たる妖精騎士トリスタンことバーヴァン・シーと一番仲良くしているのは、皮肉にもバーサーカークラスのガラテアである。
  24. 水着側の宝具名には、汎人類史のモルガンが湖の乙女として冠し、尚且つ異聞帯の「楽園の妖精」としての本来の名前である『ヴィヴィアン』が付けられている。
  25. 翅の氏族を虐殺してしまったことはあるが、それはオベロンの画策によるもの。
  26. 殺してしまった人間への罪悪感もなく、部下に「殺した人間の掃除をしておけ」というだけで謝罪の一つもなく、あまりにも無情な長に部下は殺された人間に憐れみを覚えていた。
  27. モルガンは上級妖精に「いつも同じ顔でつまらない」と言っており、バーヴァン・シーは妖精を殺した後に「モルガンはお喜びだ」と言っている。またわざわざキャメロットに呼びつけたのに何の要件も与えなかった。
  28. 「妖精國は救うが妖精たちは救わない」という宣告も、裏を返せば妖精は死ぬと次代が発生するシステムそのものをモルガンが掌握しているため、「国民たる妖精は国の土台とそれ相応の魔力を持つ人物がいれば何度でも替えがきく」状態であったと解釈出来る。
  29. この部分は汎人類史におけるアルトリアの思想にも通じる所があるが、彼女はどちらかというと「自分の力だけで何とかしなくてはいけない」という責任感によるものが強い。

出典

  1. 竹箒日記 2022/01
  2. 竹箒日記 2021/08、現状では文面削除済み

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