鈴鹿御前

提供: TYPE-MOON Wiki
2019年8月2日 (金) 00:04時点におけるよっちゃんイカ (トーク | 投稿記録)による版 (→‎人間関係)
ナビゲーションに移動 検索に移動
セイバー
真名 鈴鹿御前
性別 女性
身長 164cm
体重 51kg
出典 鈴鹿の草子、田村の草子、田村三代記など
地域 日本
属性 中立・悪
一人称
二人称 アンタ/呼び捨て[注 1]/○○くん/○○ちゃん[注 2]
三人称 あいつ
声優 東山奈央
デザイン たけのこ星人
武内崇(原案)
設定作成 たけのこ星人
レア度 ☆4
初登場作品 Fate/EXTRA CCC FoxTail
テンプレートを表示

概要

剣士」のサーヴァント

略歴
Fate/EXTRA CCC FoxTail』ではBBの依頼で、マスターである坂神一人と共にサクラ迷宮第七階層に侵入したマスター達やNPCを殺戮し、言峰綺礼臥藤門司殺生院キアラアンデルセンを殺害した。
七階層にやってきた岸波白野にも襲い掛かるがキャスターに阻まれ、剣戟と共に互いにマスターとの惚気話(捏造あり)、相手の恋愛観の批判と激しい女の戦いを繰り広げる。
人物
黒襟の白ブラウスに緋色のリボン、緋袴風のミニスカートという制服スタイルに携帯電話、鞄を携えた女子高生風の少女。
戦闘時は丈の短い緋色の千早を羽織り、白拍子に女子高生の制服を混ぜ合わせたかのような独特な和装を着こなす。
出会った当初の白野はサーヴァントと認識できず、キャス狐からは「コスプレですかねぇ」と評されている。
喋り方も見た目同様に軽くて明るい若者風で、悪く言うと軽薄。だが相手のマスターを狙う合理性と冷徹な思考、敵の戦術を分析する洞察力も同時に併せ持つ。
というのも、元々の性格はJKとは正反対で、思慮深く話の分かる凛とした姫である。今の「我侭で短絡的、ギャルギャルしい女子高生」キャラは演技。
天魔の姫として冷酷ではあるものの、自分の役割や責務に生真面目で誇り高いが、その気真面目さと賢さから「鬼の娘」という悪逆属性に落ち込み、自家中毒っぽくなり、ちょっと陰にこもりがちな性格でもある。
一言で述べるのなら「才色兼備、だけど陰のあるアンニュイなクラス委員長」といったところだが、このあたりの本性はJK演技のおかげでほぼ隠れている。
マスターである一人を「カレシ」と呼び、本人曰く「運命的出会いから告白、デートと恋のラブ値上昇中」。更にキャスターの獣耳を見て、一人の反応を分析した結果、新たに狐耳と狐尾を生やした[注 3]。当然、キャスターは自分のアイデンティティをパクられたため激怒している。
能力
数多の物に変化させられる黄金の太刀「大通連」、三人寄らなくとも文殊の智恵を授けられる白銀の太刀「小通連」、朱鞘の厳物造太刀「顕明連」という三振りの宝剣を保有し、セイバーの周囲で宙に浮く形で展開された太刀を巧みに操り、三振りそれぞれを独立して攻撃や防御、足場にするなど間合いを問わない三刀流の剣術で相手を追い立てていく戦闘スタイルをとる。
ただしキャスター曰く「剣術としては雑」らしく、防戦一方とはいえステータスが低いキャスターでもある程度凌げるレベル。
それ以外にも変化能力や魅了の魔眼、神通力など多彩な能力を持つ。魔眼はキャスターからの「一人とのラブ値とやらも『魅了』様々ですか」という煽りに対して「フツーのウィザードなら抵抗できて当然」と本人に評されていた……が、実際にはそれは平時の話であり、本気で魔眼を発動させたら一流のウィザードでない限り抵抗は難しい。
スキル
Fate/EXTRA CCC FoxTailに登場するスキル
水煉
大通連を水流に変化させる神通力。キャスターの呪相・炎天を相殺した。
楼嵐
大通連を疾風に変化させる神通力。キャスターの呪相・密天を相殺した。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
セイバー 坂神一人 神通力:? FoxTail作中では神通力のランクがBに低下している
主人公 (Grand Order) D D A A B EX 対魔力:A
騎乗:B
神性:A
神通力:B(A)
魔眼:B+
才知の祝福:C
三千大千世界:EX
神通力はサーヴァントとして顕現してるため能力がランクダウンしている

宝具

天鬼雨(てんきあめ)
ランク:B+
種別:対軍宝具
レンジ:1~40
最大捕捉:250人
由来:文殊師理菩薩に打たせた通力自在の名剣「大通連」。智慧の剣とも。
セイバーが保有する三振りの宝剣のうち、黄金色の一振り。正しくは文殊智剣大通連(もんじゅちけんだいとうれん)。
普段はセイバーの周囲で宙に浮いて展開され、独立して攻撃や防御を行う第一刀『大通連』の真名解放。愛剣・大通連を250本まで分裂させ、数え切れないほどの宝剣が上空で同心円状に何重にも展開され、剣の豪雨を勢いよく降らせる。神通力。生前は大通連と夫婦剣だった夫の持つ素早丸(そはやまる)との連携技として、計500本の雨を降らせていたという。
今は思い出の詰まったかんざしを素早丸に見立てており、宙に浮く大通連と接触させることで天鬼雨を発動させている。かなり大雑把な射撃精度だが、「才知の祝福」発動時には「自身の周りに自分だけを避けるように降り落とす」等、細やかな操作が可能になる。
『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃&自身のクリティカル威力をアップ[注 4]」という効果のBuster宝具。
才知の祝福(さいちのしゅくふく)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
由来:文珠師理菩薩に打たせた通力自在の名剣「小通連」。普賢菩薩の慈悲の剣とする文献もある。
セイバーが保有する三振りの宝剣のうち、白銀色の一振り。普段はセイバーの周囲で宙に浮いて展開され、独立して攻撃や防御を行う第二刀『小通連』の真名開放。INT(賢さ)を上昇させ瞬間ごとに最適解を思案して立ち回れるため、剣筋に知性が宿ったように鈴鹿御前の乱雑な剣捌きを補強する。雑だった剣筋は確かなものとなり、戦術もより広がる。
また「天鬼雨」の性能が上がったり「三千大千世界」が使用可能となったりと良いこと尽くめなのだが、必要以上に頭が回転してしまう為、女子高生を演じる非効率的な生き方を省みて一時的に自己嫌悪に陥ってしまう。また、女子高生の生き方に誇りを持っている分、無意識レベルで損得を計算してしまうこと自体にもガッカリしてしまう。なので鈴鹿御前は積極的に使いたがらない。使用者の意思とは無関係に強引に最適解を演算する。その為たとえ狂化されても「目的」と「答え」を把握している場合は演算を元に勝手に体が動くらしい。
円周率を計算すると終わらずに言い続けられるという発言から、戦闘以外の多岐に渡って文殊の智恵を授けられるものと思われる。
使用中は手に持つため、代わりに顕明連を宙に浮かせる。
『Grand Order』では「自身に毎ターンNP獲得状態を付与[注 5]&自身に必中状態を付与&自身の宝具威力をアップ[注 6]」という効果の保有スキル。
三千大千世界
ランク:EX
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
由来:近海の水海の蛇の尾より取りし剣「顕明連」。双無き剣とも、水海剣とも。
セイバーの愛剣、顕明連(けんみょうれん)を朝日に当てる事で三千大千世界……あらゆる世界、並行世界すらも太刀の中に作り出し見渡す事が出来るが、それが何を意味するか、鈴鹿御前は語らない。
後に『Fate/Grand Order material Ⅴ』にて詳細が明らかになったが、上記の意味は「自身を未来演算機と化す」行為、要するに「自分をムーンセル化する」という常軌を逸したもの。
未来演算によって自身のあらゆる可能性を確認・選択することで最適解にたどり着くことができるが、演算処理が膨大なため「才知の祝福」と併用しないと使用できない。
実はこの宝具を長時間使用すると英霊としての資格を剥奪されるというリスクを抱えている。権能に近いスキルの為、使い続けると本来の姿である「立烏帽子を被った巫女」の姿に戻って行ってしまい、完全に戻ってしまえばサーヴァントとして存在できなくなり、消滅してしまう。

真名:鈴鹿御前

すずかごぜん。文献によって、天女・盗賊・鬼とさまざまに伝えられる、平安時代の女性。その正体は、天界から遣わされた第四天魔王の愛娘。
「立烏帽子」とも呼ばれ、坂上田村麻呂と共に多くの鬼を退治した伝承を持つ。
当初は日本を侵略するために大獄丸と手を組もうとしたが決裂。
自分を倒しに来た坂上田村麻呂を大獄丸と勘違いして殺そうとするが、互いに一目惚れして紆余曲折の末にコンビを組む。
それ以降は二人で協力して悪路の高丸、大獄丸といった鬼を数多く退治した。
坂上田村麻呂の為に宿敵の大嶽丸を倒したものの、その方法は大嶽丸の妻になる、というもの。
裏切られたと悲観した田村麻呂は真相を知ることなく、鬼の仲間として殺害された。

関連

第四天魔王
第四天
第四天とは、天上界のうち欲界の第四天である。第四天は欲界の浄土ともされ、兜率天(とそつてん)と呼ばれる。
兜率天には七宝でできた宮殿があり、内院と外院の二院に分かれ、内院は必ず仏陀になることが約束された菩薩が住む。
内院では現在、弥勒菩薩が修行をおこなっており、釈迦牟尼仏の入滅後、56億7000万年後に弥勒仏として下生するとされている。
仏伝によると、釈迦もこの世に生誕する前に兜率天で修行をしていたとされ、第四天から降下して摩耶夫人の胎内に宿り生誕したとされている。
天魔
天魔とは、欲界の第六天(他化自在天)を支配する天主・第六天魔王波旬を指すものである。仏教において仏道の修行を妨げる悪魔とされ、天魔波旬天魔波旬第六天魔王第六天魔王波旬魔羅悪魔魔神天子魔他化自在天と呼ばれる。マーラの事である。
第六天魔王は神道において神世七代の第六代の神オモダル(淤母陀琉神、面足尊)・アヤカシコネ(阿夜訶志古泥神、綾惶根尊)と同一視される。
ただし、第四天(兜率天)を支配する天主・第四天魔王なる悪魔は本来の仏教には存在しない。
原典のひとつである奥浄瑠璃『田村三代記』の代表的な写本では第六天魔王の娘・立烏帽子とされる本と、第四天魔王の娘・立烏帽子とされる本が存在する。
『田村三代記』の成り立ちは、江戸時代の東北で御伽草子『鈴鹿の草子』などを下敷きとして発展した奥浄瑠璃の演目のため、伝承が口伝えでのみ継承されてきた性質からいつしか第六天魔王の娘が第四天魔王の娘と変化して、そのまま写本となったと考えられる。
現代では第四天魔王の娘とされた写本の方が広く知れ渡っている事から、こちらの話が有名になったものと考えられる。
三明の剣
鈴鹿御前(立烏帽子)は、三明の剣(さんみょうのつるぎ)と呼ばれる顕明連大通連小通連という三振りの宝剣を所有している。いずれも御伽草子や奥浄瑠璃などに登場する架空の刀剣であるため実在はしない。
大通連と小通連は天竺にて文珠師理菩薩に打たせ給わった剣で、通力自在の名剣である。大通連と夫婦刀とされる素早丸は、坂上田村麻呂の佩刀と伝わる騒速(そはや)がモデルとされ実在している。
顕明連は近江の水海に棲む蛇の尾より取れた剣とされ、双無き剣とも水海剣とも呼ばれる。旭日にかざして虚空を三度振れば三千大千世界を見渡すことができるという。
これら三明の剣は仏教語の「三明六通」に由来するものと考えられる。また「文珠師理菩薩」や「三千大千世界」などにも仏教の影響が見受けられる。
もっとも、彼女を祀る鈴鹿峠の片山神社には「鈴鹿流薙刀術発祥之地」の碑が建ち、京都祇園祭の山車である鈴鹿山の御神体でも大長刀を手にしていることから、鈴鹿姫信仰の上では刀剣より薙刀を振るう印象が強く浸透している。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/EXTRA CCC FoxTail
セイバーのクラスで登場。メインヒロインであるキャス狐のライバルとして立ちふさがる。
Fate/EXTRA Last Encore
999年前の聖杯戦争で、ダン・ブラックモア主従を倒したサーヴァントとして少しだけ登場。
Fate/Grand Order
イベント『深海電脳楽土SE.RA.PH』開催に伴い実装。イベント後はストーリーガチャに追加。
イベントストーリーでは海洋油田基地セラフィックスの聖杯戦争に召喚されたサーヴァントの一人として登場。

その他

ちびちゅき!
キャス狐、アタランテといった他の獣耳属性のサーヴァント達と競演。
後にキャス狐の良妻賢部に対抗してギャルサークルを立ち上げるが……。

人間関係

Fate/EXTRA CCC FoxTail

坂神一人
マスター。「カズくん」あるいは「カレシ」と呼び、べた惚れしている。名字で呼ばないのは、後述する坂上田村麻呂と紛らわしいため。
やたらと恋人付き合いしたがるのは、生前の田村麻呂とそういう関係を全部すっ飛ばして結婚した結果悲劇となったことへの後悔からでもある。
共闘関係を楽しみつつも、彼のあまりにも自罰的な有様から「もっとハッピーになっていい」と心を痛めている。
BB
彼女のオーダーに従い、聖杯戦争参加者たちを抹殺している。
実際には彼女が悪であることも承知の上で「互いに利用し合う関係」と認識している。
玉藻の前
因縁の相手。似た者同士だが相性は最悪。どれくらい似ているかというと、SG3つのうち最初の2つが同じ。
岸波白野
因縁の相手のマスター。セイバーから白野への評価は「無能なうえ無個性で無価値じゃん、だっさ!」
ラニ=Ⅷ
敵対関係……のはずだが、下着に関する意見の一致からあっという間に意気投合した。
ガウェイン
温泉での行動から「覗き魔」とセメントな対応。
彼の正体を知ってなお、「太陽が出てる間無敵ならどうとでもなる」と強気だが、太陽さえ封じれば雑魚だと舐めていた結果であり、後に交戦した結果態度を改めた。
実際のところ、彼女のアリーナはBBの心象を反映しているのか常に夜なので太陽の加護が働かず、謹厳実直な彼の剣術に対しても相性よく捌ける事が理由と思われる。
なおキャス狐の評価では、宝具を度外視してスペック差でゴリ押しの短期決戦という条件では7:3でガウェインに軍配が上がるという見立てであった。
カルナ
敵対する相手。初対面時は「ギャル男」などと呼んでいたが、直後に「黒の生徒会」に参戦すると聞いて歓迎していた。
ヴァイオレット
同じ「黒の生徒会」に所属する同志。
堅物でリソースにうるさい彼女に当初は辟易していたが、素の性格を知って態度を軟化させ、友人になった。
カリギュラ
月の聖杯戦争一回戦の対戦相手。
徒手空拳を完全に見切り、令呪による宝具発動で狂化させられるも「才知の祝福」によって「理性」を「知性」で押し込むことで破った。
源頼光
月の聖杯戦争二回戦の対戦相手。

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
マスター。
「いつか来る最高の出会い」の為のJK磨きとしてサーヴァントとして付き合っている、というスタンスであり、最終的には「仕えるマスターとしては最良」と協力的になってくれるが、恋愛関係までは発展せず、「恋」の一歩手前に留まる。
タマモキャット
JK擬態を無理して演じている彼女にとって、ブレブレであることにブレない天然なキャットは天敵。また、キャットが実は因縁の相手アルターエゴであることも拍車をかけていた。
初対面時は敵対していたが、後に仲間として宝具の連携技を見せた。別れ際にはオリジナルを倒すという固い絆で結ばれたケモ友として打ち解けている。
お栄
彼女のとと様の腕を折ると提案した遊び人の金さんの発言に対し、仮にそれが正しくても彼女の気持ちを慮り「この国ゆかりの英霊として見過ごせないっつーの!」と憤った。
別れ際には出会えてよかった、楽しかった。絵は描けないからとお栄とスマホで記念撮影をしている。
密かに彼女のイナセな江戸弁に憧れており、うまく自分のJK喋りに取り込めないか画策している。
酒呑童子茨木童子
自身の幕間の物語で、「鬼である彼女達が日本を魔国にするのをサボっているから自分が出張らざるを得なかった」と怒りを向けている。
女王メイヴ
彼女の悪行そのものは認めていないが、「本気で毎日、恋に生きている」というスタンスは気に入り、リスペクトしている。
その一方で、「もうちょっと自分を大切にしてほしい」と彼女の恋の行方を心配している。
紅閻魔
料理の師匠。
「細やかな料理にどうやっても向かない者はいる」と、料理が大雑把な事の改善を諦めている。
ただそれでも味と栄養は揃っているらしく、妥協半分ではあるが及第点を貰っている。

ちびちゅき!

白純里緒アストルフォ
ギャルサークルのメンバー達。性別については気づいていない模様。

生前

第四天魔王
父親であり天帝。地上の人間の国を混乱させるために命令を下した上司。
坂上田村麻呂
神通力を使い狼藉を働く鈴鹿御前を退治するよう帝から命令を受けた彼と、互いに一目惚れした関係。二人は助け合いながら数多の鬼を退治し、英雄としての功績を紡いでいった。
だが、大嶽丸を討伐する際に偽りの花嫁となった事で、裏切られたと思った彼に大嶽丸の後に殺される事でその関係は終わってしまった。
気安く田村麻呂の名を口にされる事を極端に嫌がることから、彼女にとって今も特別な存在であることが伺える(後述)。
坂上正林
鈴鹿山で一緒に住むこととなった田村麻呂との間に儲けた娘。
大嶽丸
当初は共に日本を征服しようと、喧嘩を売ってるとしか思えない内容の同盟を結ぼうとする。
後に偽りの花嫁として潜入し、彼の護りを内側から解呪し田村麻呂と共に彼を討ち果たした。
悪路の高丸
田村麻呂と協力して、最近ちょっと調子にノッていた彼を撃退した。

名台詞

Fate/EXTRA CCC Foxtail

「カズくん ごめーん。 今ので絶対倒せるハズだったし!
 え~なんか、あいつらカンジ悪くない?」
白野に頭上からいきなり斬りかかり、緊迫した空気が流れるが、あっという間にシリアスな雰囲気は崩壊。
モニターしている旧校舎の面々も含めて全員沈黙するしかなかった。
「カズくんはあんな獣耳とかどう? えーと……『萌え』?」
キャス狐の耳を見て、カレシの反応をリサーチ。
若者言葉を多用していてもやはり過去の人間であるため、「萌え」という新しい言葉には馴染みがないらしい。
「いきなり嫁ポジション狙うとか。焦りすぎだし」
キャス狐の逆鱗を突きまくる。それも分かってて。……後々考えると、恋人関係を全部すっ飛ばした結果悲劇となった自身に対する自嘲とも言える。
「―――吐いた唾は飲めないわよ、駄狐」
キャス狐に「雑な剣筋」「何振りあっても捌ける」と挑発されて激怒。宝具を解放する。
「草紙 枕を紐解けば 音に聞こえし大通連
 いらかの如く八雲立ち 群がる悪鬼を雀刺し
 文殊智剣大神通――恋愛発破 天鬼雨!!
 ――で どう捌いてくれるのかマジ楽しみ」
第一刀宝具解放。キャス狐の「何振りあっても捌ける」発言に対して、じゃあやってみろとばかりの剣の豪雨。
「貴様を私の臣下としてあつかってやるから私の言うとおり働くがいい
 まずは私の代わりに日本を侵略するのだ」
大嶽丸に出した同盟の書状(メール)。……ほとんど降伏勧告である。キャス狐からも盛大にツッコまれた。
「度重なる無礼に我 激おこ
 私の命令を拒否するお前は悪に相違ない
 殺してやるから私の元まで参れ」
上記の後に出した書状(メール)。さすがに平安時代なのでこんな文章ではなかったと思われるが。
「私は結局あんたみたいに人間騙したり殺したり逃げたりしてないし とやかく言われたくないんですけどー」
キャス狐から散々ツッコまれたことに対する意趣返し。
最大級の地雷を容赦なく踏み潰されたキャス狐のキレっぷりはおばさま呼ばわり負け犬呼ばわりの比ではなかった。
「サーヴァント保有スキル「JK力 A」ここにありっしょ!」
キャス狐から「立烏帽子」として誇りはないのかと散々問われて。もっとも何を着てもそれが「立烏帽子」スタイルだと主張し、私服のキャス狐も同じ結論なため、やはり似た者同士である。
「これなるは 菩薩が鍛えし 小通連
 抜かば智慧は文殊が如く――
 才知の祝福!!」
第二刀宝具解放。マスターからの「我が侭はここまで 実力を見せろセイバー」という命に答え、本気を出す為に宝具を使用する。
「カズくんの為なら喜んで再び闇に染まりましょう――」
マスターと一緒に居られるのなら、自分の心をも差し出す覚悟を示す。

Fate/Grand Order

「マスターに私の魔眼は効いてない筈だけど、なんでこんなに良くしてくれるのかなー。
 ……私なんかに優しくしてくれる人がいるなんて、人界も悪くないっていうか……」
マイルーム会話「絆Lv4」。自分に良くしてくれるのは、魅了の魔眼にかかってるのではなく、マスターの人柄に他ならなかった。自分のような人間でない存在であっても優しくする人間に、一途の希望を抱いていく。
実は修正が都合二度行われており、一回目の修正が行われたものは「優しくしてくれる人が3人もいる」と独白を述べているが、その内訳は「田村麻呂、カズくん、FGO主人公」、と考えられるが、日時未明またもサイレント修正が行われ「3人も」の部分は台詞から無くなった。
「……聞こえたのよ。ここに呼ばれた時。小さかったけど、確かに声が。
 “勝ちたい”って。“無意味な死にしたくない”って。
 ただの独り言よ。人間がよくやる、いまわの際の泣き文句。
 でも、私はその願いを叶えるの。顔も知らないマスターで、生きているかもわからないけど。
 あれは震えながら零れた、せいいっぱいの力で残した、私に向けての声だった。
 名前も知らないマスターが、名前も知らない私に向けて託した、最後の、人間らしい願いだった!
 だったら、私はこの聖杯戦争に勝つしかないじゃん!
 あれを聞いて逃げ出すなんて、それこそ女が廃るってモンでしょう!?」
『深海電脳楽土 SE.RA.PH』にて。
考えはともかく、行動はBBの傀儡でしかないが、BBも魔神柱も関係ない。故に「魔神柱/BBの言いなりでいいのか」と問いかけた主人公に対して怒気を発した。
自分を召喚したマスターは名前すら知らないが確かにいた。例えそれがいまわの際の泣き文句であれど、自分に向けて願いを託されたのならば、そこから逃げず、聖杯戦争に勝つしかない。
「――――――そう。そういうコトだったワケ、SE.RA.PHの動力って。」
「128騎のサーヴァントを召喚する以上、128人のマスターがいるのは当然。」
「私は、私のマスターを知らなかった。誰に喚ばれたのか、今どうしているのか知らなかった。」
「その答えがこれなのか! 申し開きがあれば申してみよ、アーチャー!」
同上。
天体室に辿り着き、SE.RA.PHで行われていた聖杯戦争の正体を知る一行。余程頭に来たのか、最後の台詞は素の言葉遣いに戻ってしまっている。
「うわっ、マジ引くっしょ。 ノータイムで折檻とか、DVにも程があるっしょ。
 なに、緑ってば本性はケダモノなワケ? あの巫女狐といい勝負だったり?」
『ネロ祭再び~2017 Autunn~』にて。当然、ロビンからは「ワケねえだろ」と突っ込まれてしまう。
「……マスター? 気安く、その名前を口にしないことよ?」
『葛飾北斎体験クエスト』にて、北斎から素性を問われた際、「自分が田村麻呂だ」と答えた場合の言葉。
流石に生前の最愛のパートナーを騙られるのは我慢ならなかったのか、普段のJK口調ではなく素の口調でマスターに注意している。是非もない。

メモ

  • ファンからの通称はJKセイバー。女子高生的なファッション及び軽薄な言動から。また上述の通り本来の耳と尻尾ではないのだが狐セイバーとも。
    • 本編中で真名が判明する前に公開された「フェイト/エクストラ CCC FoxTail2巻 武内崇×たけのこ星人 座談会」でもJKセイバーと表記されている。
    • ただJKセイバーという場合、彼女の登場以前からあるあっちのセイバーの女子高生バージョン等を指すこともあるので少々ややこしい。
  • 「立烏帽子を被った姿」「変化を得意とする」といった設定、何よりその宝具から、真名が公開される前から彼女の正体を推測するのは難しくはなかった。実際、劇中でも凛とラニは比較的初期から彼女の真名に目星をつけていた。
  • 原作『CCC』にも、その没案にもなかった、漫画版オリジナルキャラクターの一人。コミックス1巻に収録されている制作楽屋裏漫画によると、武内氏の「サプライズが欲しい」という考えから生まれたらしい。
    • キャラクター原案を制作したのは武内氏(制作楽屋裏漫画ではデザインも設定もたけのこ氏に丸投げする気な様子だったが、まあ色々あったのだろう)。あの武内氏がセイバー顔じゃないセイバーを書くなんて驚きである。
      • セイバー顔ではないものの「フェイト/エクストラ CCC FoxTail2巻 武内崇×たけのこ星人 座談会」によると当初はアルクェイド顔だったとか。今の顔になったのは奈須氏のリクエストだそうで。
      • たけのこ氏デザインの鈴鹿御前のうち、ひとつの案はコミックス4巻に収録されている没プロット「妖狐伝(仮)」で見られる。
    • 設定はたけのこ星人と那須きのこ両人によるもの。また、森瀬繚氏も設定の調査に尽力している。[出 1]
    • 作劇的な観点から見た場合、原作『CCC』に登場し、本作では登場していないランサーの役目を引き継いだキャラクター、と言えるかも知れない。
      (特に『CCC』ではセイバーとの関係性において顕著だが)物語序盤を引っ掻き回すライバルキャラのポジション、女子を強調した軽い言動など、共通性も多く見られる。「キャスターが主役の、CCCの物語」において、武内氏の意向である「サプライズ」を満たしつつ、似たような立ち位置のライバル的キャラクターが必要とされた、のかも知れない(一応、キャスターとランサーも「料理好き【愛妻願望】」「ケモミミ派と邪教ホーン派」で対となってはいたが)。
      • 実際、彼女のSGのうち二つは「独占願望」と「料理上手」で、キャス狐のそれと完全に同じであった。さすがに3つ目は異なると思われるが、彼女の正体である鈴鹿御前を祀る鈴鹿峠の片山神社では瀬織津姫と習合されており、伊勢神宮内宮別宮荒祭宮では瀬織津姫を天照大神の荒御魂としている為、キャス狐の「金毛白面」と揃えてくる可能性はある。
        • 『Fate/Grand Order』で明かされた最後のSGは「奉仕体質」だったが、『Fate/Grand Order』と『Fate/EXTRA CCC』でSGの内容が一部異なっていたメルトリリスパッションリップのような例もあるので、まだ判断はできない。
    • また、ランサーとも「生前に後悔を抱え、現代の女性の在り方を模倣する」という形で、「ただ可愛く在り、ちやほやされる事が仕事であるアイドル」と「可愛くて、最強で、恋愛に一直線な女子高生(JK)」というそれぞれを目指している点でも対になっているとも言える。
  • 彼女が登場するサクラ迷宮第七階層やセラフィックス裏側の領域は、鳥居や日本風建築などが存在する和風なイメージになっている。
    • とはいえ趣味を反映しすぎた結果、天守閣(彼女の生まれた時代である平安時代にはまだない)や観覧車が立ち並ぶカオスな有様になっているのだが。
  • 和装なのである意味当然だが、「はいてない」らしい。……ラニの評価だから、たぶん正しいのだろう。
    • 温泉にて彼女の真名を看破した際には、ラニは彼女にノーパン同盟の仲間とされた。
  • 『田村三代記』において第六天魔王の娘の立烏帽子として登場する。第六天魔王は織田信長が自称したといわれる仏教における欲界の魔王の名でもある。
  • 『Fate/Grand Order』と『Fate/EXTRA CCC』とのコラボイベントにて、BBの口から「鈴鹿御前が本気を出した場合の演算能力はムーンセルに匹敵する」という驚愕の情報が明かされた。第二宝具にINT上昇効果があるのは前から明かされていたが、宝具ランクにしては効果が桁外れすぎるため、単なる千里眼と同程度の効果にしては異様に勿体ぶって記述されている第三宝具「三千大千世界」との関連性が疑われている。
    • 「平行世界をも作り出し」の一文から、千里眼よりも第二魔法に近いのではとの声もある。
      • 史実における仏教では、須弥山を中心として日・月・四大州・六欲天・梵天などを含んだ我々の住む須弥山世界を一世界としている。この一世界が1000個集まったものが小千世界、小千世界が1000個集まったものが中千世界、中千世界が1000個集まったものが大千世界である。大中小の各千世界で構成されているため、三千大千世界や三千世界とも呼ばれる。つまり三千大千世界は10億(1000の3乗)の須弥山世界であり、仏教における全宇宙である。
    • 後にマテリアルで明かされた内容は、上記の宝具説明に記したように、ストレートに「三千大千世界を使用する事で自身をムーンセル化する」というものであった。
    • 葛飾北斎体験クエストでもBBから貴方こそ本気を出せばいいんじゃないですか? と「千里真眼」という意味深な情報が明かされた。
  • 原典では第六天魔王と第四天魔王の両方の出典があるなかで「天界から遣わされた第四天魔王の愛娘」として設定されているものの、第四天魔王の正体など謎が多い。史実における仏教では第四天魔王が存在しないためである。
    • 第四天を前提とした考察としては仏教の三界からそれぞれ「欲界の第四天」「色界の第四天」「無色界の第四天」が考えられる。
      • 欲界の第四天説は、釈迦牟尼仏の次に現われる未来仏として仏陀になることが約束された弥勒菩薩が第四天の内院で修行しているため当てはまるか。
      • 色界の第四天説は、坂上田村麻呂の後裔を称した田村家の愛姫を正室とした伊達政宗が梵天を信仰し、江戸時代には伊達家の庇護のもと仙台を中心に奥浄瑠璃が盛んに行われた事から『田村三代記』では第六天魔王の娘から、梵天が支配するとされる欲界の第四天へと変化したのではないかという説がある。
      • 無色界の第四天説は、色界の第四天である有頂天(非想非非想天)ではないかという見方もある。原典では天子(帝)の十善の位よりも上の十二善の位を称しているためである。
    • 『Fate/Grand Order』と『Fate/EXTRA CCC』とのコラボイベントにて、タマモキャットは「天帝の娘。血統は折り紙付き」と発言していることから天帝=帝釈天の可能性もある。
  • 生前の恋仲であった坂上田村麻呂との逸話だが、何故か『Fate/EXTRA CCC FoxTail』と『Fate/Grand Order』とで事の顛末が異なっている。
    『FoxTail』では共に悪鬼討伐をした後、二十五歳で寿命を迎えてしまった鈴鹿御前を取り戻すために坂上田村麻呂が冥府まで訪れて直談判、その結果黄泉帰りできた鈴鹿御前と仲睦まじく暮らしました……というハッピーエンドで終わっている。これはラニや玉藻の前が語った鈴鹿御前の物語だが、側で聞いていた鈴鹿御前がそれを否定していることもないため『FoxTail』ではこのような話で合っているらしい。
    対して『Grand Order』では真名の項目などで前述してある通り、田村麻呂との関係は悲恋という形で終わっている。
    登場作品によって正反対ともいえる結末だが、これが単なる設定変更であるのか、それとも英霊としての鈴鹿御前がそれぞれ別の逸話からサーヴァントとして現界したのかは、現段階では不明である。
    とはいえ、英霊になってもなお田村麻呂は彼女にとって特別な関係であることは変わらず、(選択肢次第であるが)主人公が田村麻呂を騙った時は普段のJK演技をかなぐり捨てて真面目に警告していた。
    • ちなみに『Foxtail』で語られた逸話については、有名な奥浄瑠璃『田村三代記』などで見られる筋書きとほぼ同じである。
      対して『Grand Order』では大嶽丸とともに田村麻呂に殺害されたとのことだが、この通りの逸話はほとんど耳にすることがなく、出所は不明である。
      類似する話であれば「出羽国切畑の伝説」において、松岡の切畑山にあくる王(悪路王)という鬼が住んでおり、そこに立烏帽子(鈴鹿御前)が妻として通っていたが、二人とも田村利仁(田村麻呂)によって切り殺された……という逸話が遺されている。話によっては立烏帽子は田村に恋をしていたが彼はそれに気づけずに切り捨ててしまったという結末のものも存在するという。事の顛末自体は『Grand Order』のものと似ているため、大嶽丸との関係性にこういった伝承を組み込み、型月独自の物語として形成した可能性がある。

話題まとめ

正体について
鎌倉時代の『保元物語』に盗賊・立烏帽子と記されたものが最も古い記述と考えられ、『弘長元年公卿勅使記』では盗賊・立烏帽子が崇敬した女神が鈴鹿姫であるとされた。『耕雲紀行』になると立烏帽子と鈴鹿姫は同一視され、坂上田村麻呂に討伐される物語となった。
この鈴鹿姫は鈴鹿峠に鈴鹿明神(現在の片山神社)として祀られた神社であり、峠にある鏡岩を挟んで反対側に祀られた田村明神(田村堂)と共に東海道を通行する人々の守護神とされ、鈴鹿峠の夫婦神として信仰された。片山神社の由緒では、坂上田村麻呂が立烏帽子討伐を命じられたものの夫婦となり、二人が亡くなった後に鈴鹿峠の里の人々が立烏帽子を鈴鹿御前として祀り、田村麻呂を田村堂に祀ったとされる。田村明神は明治時代に片山神社へと合祀されている。片山神社は江戸時代には鈴鹿明神(鈴鹿権現)と呼ばれ、鈴鹿権現を祀る祇園祭の「鈴鹿山」では瀬織津姫と同一視されている。
室町時代に入ると世阿弥作とされる謡曲『田村』で田村麻呂が鈴鹿山の悪魔(鬼神)を討伐する物語が作られ、鈴鹿山大嶽丸を討伐する古浄瑠璃などのベースが完成した。鈴鹿峠で夫婦神として信仰されていたことから、鈴鹿姫と田村麻呂の物語が融合して『鈴鹿の物語』が完成した。この『鈴鹿の物語』が『鈴鹿の草子』『田村の草子』として発展する。マテリアルVで出典にあげられている『鈴鹿の草子』は古い形態を残す古写本系統の物語「鈴鹿系」に、『田村の草子』は後世に鈴鹿系から改編された絵巻・絵本・版本など流布本系統の物語「田村系」に分類される。
「鈴鹿系」では、日本を魔国にするために鈴鹿山へと降臨し、自分を討伐に来た田村丸将軍との戦いを経て改心、結婚して共に鬼退治をする第六天魔王の娘・立烏帽子とされる。
「田村系」では、大嶽丸を討伐するために鈴鹿山へとやって来た田村丸将軍に助力をするため、鈴鹿山へと天下だって結婚し、共に鬼退治をる天女・鈴鹿御前とされた。
江戸時代に『鈴鹿の草子』『田村の草子』が東北へと持ち込まれ、東北に残る本地譚と結び付いて『田村三代記』が作られた。こちらでは第六天魔王の娘の他に第四天魔王の娘・立烏帽子とする写本もある。
民俗学の書籍から言葉借りると「田村丸を助ける鈴鹿御前が天女であるのに対して立烏帽子は鬼女である」ため、女神や天女の場合は鈴鹿御前、盗賊ら鬼や天の魔焰の場合は立烏帽子と大雑把に覚えておくとよい。
『Fate/EXTRA CCC FoxTail』や『Fate/Grand Order』では第四天魔王の娘とされていることから、鈴鹿御前の正体は「鈴鹿系」、特に『田村三代記』をベースにしているものと思われる。
比翼連理か、悲恋か
『Fate/EXTRA CCC FoxTail』と『Fate/Grand Order』では、生前に恋仲であった坂上田村麻呂との事の顛末が異なっている。
『FoxTail』の回想ではラニや玉藻の前が語った鈴鹿御前の物語はハッピーエンドとして描かれており、側で聞いていた鈴鹿御前も特にそれを否定していることもないため、出典にあげられている『鈴鹿の草子』『田村の草子』『田村三代記』のように娘の小りん姫(Fate世界では正林の表記を採用)と共に生涯を添い遂げたと思われる。
一方で『Grand Order』では悲恋にスポットが当てられているが、マテリアルVで出典としてあげられている。
『鈴鹿の草子』『田村の草子』『田村三代記』には悲恋に該当する物語はみられない。田村麻呂の手で倒されたとのことだが、これらの物語は初代田村が約束を破って産屋を覗いため、母である大蛇の予言で日ノ本の将軍にしかなれなくなった二代田村の子供である三代田村が、鈴鹿御前と婚姻することで鬼退治や冥界下りを経て日ノ本を守護する夫婦神として示現するという田村語りの本質部分に反する。
類似する話であれば菅江真澄が収集した「出羽国切畑の伝説」において、松岡の切畑山にあくる王(悪路王)という鬼が住んでおり、そこに立烏帽子(鈴鹿御前)が妻として通っていたが、二人とも田村利仁(田村麻呂)によって切り殺された……という本地譚(いわゆる地方伝承)が遺されている。
事の顛末自体は『Grand Order』のものと似ているため、大嶽丸との関係性にこういった本地譚を組み込み、マテリアルVにも「Fate解釈では~」の一文があるように悲恋については型月独自のオリジナル物語として形成した可能性がある。
上記の正体についてにもあるように、鈴鹿明神(鈴鹿権現)は現在も神として信仰されているため、片山神社など彼女ゆかりの聖地を巡る際は鈴鹿明神と田村明神は夫婦神である(=悲恋はFate解釈である)ということに留意して手を合わせるのがよいと思われる。
剣合わせ
『Fate/EXTRA CCC FoxTail』作中での回想にある鈴鹿御前と坂上田村麻呂が剣合わせをしたシーンは、室町時代前期の『太平記』や『酒呑童子絵巻』などにも記述されている。
『酒呑童子絵巻』では、剣合わせの際に田村麻呂が用いたのは安綱より奉じられた血吸という太刀であった。剣合わせの後に田村麻呂は伊勢神宮に血吸を奉納したが、その後は伊勢神宮に参拝した源頼光が夢の中で天照大神より託され、酒呑童子の首を斬ったときに使われた。言わば源頼光の振るう「童子切安綱」の由緒を高めるためのエピソードになっている。
この『酒呑童子絵巻』のエピソードは『太平記』巻三十二「直冬上洛事付鬼丸鬼切事」からの引用と考えられている。

脚注

注釈

  1. 苗字か名前かは相手によって気分で変わる
  2. マスターは「マスター」と気軽に呼び捨て
  3. 一人は当然そんなサービスは求めていない。また、一人に会ったばかりの頃にも「ケモ耳をつけて遊ぶ遊園地」にJK的に強い関心を抱いていたので、キャスターへの対抗意識が無くても遅かれ早かれケモ耳に手を出していただろうとキャスターは後日推測していた。
  4. 3ターン、オーバーチャージで効果UP
  5. 5ターン
  6. 3ターン

出典

  1. コンプエース2018年4月号 たけのこ星人インタビューより。

リンク