概要
[[ユグドミレニア]]一族の[[魔術師|錬金術師]]。[[ジークフリート|黒のセイバー]]のマスター。
;略歴
:かつて[[アインツベルン]]に並ぶと称された[[錬金術]]の名家・ムジーク家の後継者である肥満体の中年男性。没落してもなお血筋に固執する頑迷かつ傲慢な人物で、一族の盟主である[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|ダーニック]]を除き同胞達にも高圧的に振舞う。
:しかし、魔術師としては優秀で、魔力パスの分割というシステム干渉の技術を一族に提供している。
:真名の露呈を恐れる余り、セイバーとのコミュニケーションを早々に打ち切ってしまったため齟齬が大きく、[[令呪]]の無駄打ちなど愚策を繰り返してしまう。そして[[ジーク]]の捕縛に回されるが、彼の殺意を込めた攻撃に半狂乱になり、致命傷を負わせる。[[アストルフォ|ライダー]]に糾され、考え直したセイバーから制止とジークの救命と逃がすことを要求されるが、当然承諾できず怒りも収まらなかったため、セイバーに殴られて気絶させられてしまう。
:その後、セイバー消失という責によって最後に残った令呪を[[アヴィケブロン|キャスター]]に移し替えさせられ、聖杯大戦から脱落。その後はしばらく屈辱と恐怖、自分の愚かさへの自覚から、酒を呷りセイバーへの恨み言や後悔をしながら、酒に逃避して引き籠って過ごしていた。
:[[聖杯|大聖杯]]が奪われた後、[[ホムンクルス]]達を救いにミレニア城塞へと戻ってきたジーク達と遭遇。怒りとセイバーへの悔恨の念をぶつけるが、ライダーに過ちを指摘されて己の失策を認め、ホムンクルス達の解放に承諾した。そしてホムンクルス達の醜態を見かねて彼らの治療を行い、対話を通して遂に迷いと後悔から完全に吹っ切れ、リーダー格に[[トゥール]]という名前を与える。
:[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]の襲撃の際は、ジークに穢れを遮断する効果を持った「アラクネの布」を提供し、彼のサポートを行う。それ以降も同盟側として[[聖杯戦争|聖杯大戦]]への参加を継続し、最終局面に臨む。
;人物
:恰幅の良い髭の男性。
:傲慢な上に、非常にヒステリックかつ小心者で、自己顕示欲が強いという非常に問題の多い性格をしている。両親からムジーク家がかつて如何に優れた錬金術師の大家だったのかを教え込まれた彼は、36歳になっても現実と夢想の区別が出来ず、「名門であった」という誇りだけが立派に成長してしまっている。
:また相手によって態度を変える姑息な人物で、[[ヴラド三世 (Apocrypha)|ランサー]]には臣下のような態度で接している。[[ジャンヌ・ダルク|ルーラー]]に対しても紳士のような態度で懐柔を図るが、あっさり拒絶された際には、不愉快そうな態度を隠さなくなる。
:実はそういった考えや態度が正しくないというのは彼自身、良く分かっていた。だが自ら変革する気力もなく、敷かれたレールを走り、祖父母や両親が自分にそうしたようにムジーク家の再興も息子に押し付けるつもりだった。
:サーヴァントに対する態度も同様で、実際のところ良くも悪くもそこまでサーヴァントを見下しておらず、反抗したセイバーに対して激昂してしまったのも、コミニケーションを断ったことで自分が彼を道具として見るのと同じように彼に道具として見られていたことを知った恐ろしさ、恥辱、悲しさから。もし、セイバーが自分をマスターとして、冷たいあるいは怒気を含んだ視線で見ていたなら怯えて彼の考えを承知していたと自己分析している。
:自らの愚かしさと情けなさ、聖杯大戦への参加資格を失った無常感から、[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|フィオレ]]や[[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|カウレス]]のように[[サーヴァント]]を道具ではなく、一人の英雄として認識していれば、提案に乗っていれば失敗しなかったのではないか、と後悔の念を感じていた。
:生来の捻くれ者であるため、届かぬ星に手を伸ばすような行為も当然の事として映るらしく、天と地ほどの差を付けられたアインツベルンに「いつか追いついてみせる」と宣言するなど、夢や希望を最後の瞬間まで諦めない不屈の意志を持った人物でもある。またユグドミレニアの敗色が濃くなってきても(行き場所がないという理由もあるだろうが)最後まで聖杯大戦から逃げず、フィオレの補佐やホムンクルス達の世話を行うなど意外と義理堅い人物である事も分かった。
:いい意味でも、悪い意味でも、彼は「'''人間らしい'''」のである。
;能力
:高度な錬金術を習得している。優秀な魔術師であり、戦闘中でもサーヴァントへの治癒魔術を行使することが可能で、数時間に及ぶ戦いでも継続してサーヴァントを行使できる。自身も『変成鉄腕』という錬金術による組成変換を使った戦闘用の魔術を習得しており、鉄拳による重いパンチを放つ。実はフィオレに次ぐユグドミレニアの後継者候補であり、魔術師としての能力は決して低くない。
:ホムンクルス達の製作者なだけにその見識は非常に優れており、専門的な知識と適切な治療法で彼らの命を救っている。
:ただ聖杯戦争のマスターとしての適性は微妙で、[[アキレウス|赤のライダー]]との戦闘中にセイバーに口煩く無謀な指示を飛ばしたり、セイバーだけ送り込めばいいのに現場に出て来るなど、指揮官としての能力は極めて低い。
:アニメ第16話では[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]がミレニア城塞に発生させていた『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を香と香煙による場の浄化もしくは結界を形成することによって部分的に遮断していた<ref group = "注">脚本担当の三輪清宗氏によれば、錬金術師であるゴルドなら瞬時に状況に応じた守護のそれを調合可能と思って書いたとのこと[https://twitter.com/baronmiwa/status/921760185353347072 三輪清宗公開用 Twitter 2017年10月22日 00:28]</ref>。