概要
『Fate/Grand Order』で主人公が最初に出会う少女であり、パートナー。<br>
「[[シールダー|盾兵]]」の[[デミ・サーヴァント]]。
; 略歴
: [[人理継続保障機関フィニス・カルデア|人理継続保障機関カルデア]]の局員。
: 西暦2000年にカルデアの前所長[[マリスビリー・アニムスフィア|マリスビリー]]が人間と英霊を融合させることで英霊を「人間に」するため遺伝子操作によって作り出したデザインベビーで、英霊を呼ぶのに相応しい質の良い魔術回路と無垢な魂を持った人間。30歳ほどで生命活動を停止するデザインベビーが、サーヴァントとの融合実験で肉体の寿命がさらに短くなり、長くても18歳と短命で、『Grand Order』第1部第6章の時点であと1年生きられるかどうかという状態であり、第1部終章では寿命的な面と戦闘面もほぼ限界に達していた。
: 西暦2010年、10歳の時に英霊と人間を融合させるデミ・サーヴァント実験の被検体となり、英霊の召喚自体は成功したものの、彼女の中に召喚された英霊[[ギャラハッド]]は人道に反する試みに不快感を示し、カルデアへの協力を断る。その高潔さから彼女と融合することも、彼女の死亡を招く彼女の体からの退去も拒み、彼女の中で眠りにつくことを選んだ。
:誕生後14年間に渡り無菌室へ隔離・秘匿され監視されるという扱いを受けていたが、彼女が隔離されていたセクションの存在を知り憤った[[ロマニ・アーキマン|Dr.ロマン]]の「マシュのマスター適性は一流のものであり、これを活用しないのは資源の無駄だ」という説得によって15歳からカルデア内なら移動していいようになり、選りすぐりのマスターを集めたAチームのメンバーとして訓練を受け、半年も経たずにマスター候補Aチーム主席となる。
:『Grand Order』のプロローグで16歳の誕生日の朝、カルデアにやって来た主人公と運命的な出会いを果たす。
: ギャラハッドは召喚以降沈黙を守り続けたが、『Grand Order』本編開始から間もなくカルデアを襲った破壊工作で下半身が潰れるという致命傷を負った彼女に手を差し伸べて最後まで寄り添おうとした主人公に心打たれ、マシュとの間に「過去の異変の排除」を条件に戦闘能力を授ける契約を交わし、人間と英霊の融合体「デミ・サーヴァント」として彼女を蘇生させて消滅した。これ以降マシュは主人公をマスターとして、'''シールダー'''のクラスのサーヴァントとして共に聖杯探索を行っていくこととなる。
: なお、戦闘能力を譲ったギャラハッドは真名も告げずに消滅してしまったため、当初マシュは自身の宝具はおろかクラス名すら解らない状態であった(第1部第3章においては自身をシールダークラスのサーヴァントとして認識しているが、それ以前は何のクラスか他の英霊に質問されても答えられなかった)。
; 人物
: ショートヘアーで片目が隠れるような前髪をしているが、[[ランスロット〔セイバー〕|ランスロット]]がマシュに融合した英霊の正体に気づきかけた時のポイントに「片目を隠す髪」を挙げていたため、髪型などの外見も融合した英霊にいくらか影響を受けている可能性がある。ちなみに、髪の色はグラフィックで見る限り薄い紫だが<ref group = "注">[[武則天]]からも色味に因んで<ruby>紫菜<rb></rb><rt>ずーさい</rt></ruby>(海苔の意味)というあだ名をつけられている。一方で、アニメ版や[[概念礼装]]等のイラストによってはピンク色に見える場合もある。</ref>、[[バーソロミュー・ロバーツ]]からは「亜麻色の髪」と言われている(とはいえ、亜麻色の髪というのは賛辞の言葉としてありふれたものなので、マシュの髪の色が亜麻色だという事は確認されていない)。
: 人間であった頃には眼鏡に白衣と研究者然とした服装を纏っていたが、シールダーとなってからは視力も向上したのか眼鏡を外し、初期状態のままでは少々露出の多いサーヴァントとしての姿のままで行動している。一応カルデアでの待機中には元の眼鏡を付けた白衣姿に戻っている。
: 性格は外交的<ref group = "注">自分からしっかり挨拶をする。相手に会話、意見を求める。</ref>、弱気<ref group = "注">しっかりしているようで恐がり。戦うのがいつも怖い。でも頑張る。</ref>、能動的<ref group = "注">控えめのようでぐいぐい前に出る。不思議ちゃん系に見えるのはここが原因。</ref>。無口、かつ無駄のないクールな態度と言葉遣いなため、まるで人形のような~といった形容詞がピッタリはまってしまう。実際にはマシュ本人は知的好奇心が旺盛で能動的、少しだけ無口で台詞回しがおかしいだけの、いたって普通の少女。真面目、純真さ故にたまに天然。
:うまれたばかりのひな鳥のような精神構造をしており、純粋で疑う事を知らず、自分が信じるもののためだけに活動する。人間的な精神構造、矛盾は旅を通じて成長していく。
:マシュの要素は「真面目でおとなしい優等生」「先輩をたてる後輩。それが愛情かどうかは見てる方には分からない」「ちょっとだけ不思議ちゃん(に勘違いされる)」といったものに要約される。
: 研究員として以前からカルデアに居たにも関わらず、後からやって来た主人公を「先輩」と呼ぶ。読書や勉学は数多くしてきたのか知識は豊富で、魔術や歴史、英雄について主人公に説明するシーンも多いが、少し常識が欠けている。人生経験は希薄であるため、主人公のような普通の人間なら驚かないような物事にも新鮮そうな反応を見せる。
: 感情表現が苦手で、人の感情の機微などにも疎く、人間臭い一面を持つサーヴァントに驚いたり、感心することもある。
: 主人公に対して初対面の時から「敵意も脅威も感じなかった」と信頼を寄せ、シールダーとなってからも一途な信頼を向ける。主人公が特に女性サーヴァントから好意を向けられると「妬く」こともあり、中には必死に主人公を引き止めたり、叱ったりする場面もある。しかし自分が「恋心を抱いている」事を自覚しておらず、アルテミスや清姫にその事を指摘されても不思議がっている一面も見られる。
:一方で外面こそクールでしっかりしているように見えるが、芯は至って真逆の「恐がり」。どれだけ慣れても強くなっても戦うのはいつも怖く、できれば穏やかに過ごしたがっているが、主人公のために頑張っている。彼女はマスターを守ることを第一に考え、マスターが危機に陥れば命を投げ出すくらいであるが、そこに戦士としての覚悟や経験が全くなく、元から持つ恐怖と戸惑いを克服しないままソレを実行する姿を[[子ギル (Grand Order)|子ギル]]は「容易く折れそうが故の可憐さ」と評している。
: 意外とお祭り好きで、イベントの時には普段の様子からは想像もつかないほどテンションの高い振る舞いを見せることもある。また酒に非常に弱く、酔うと積極的になりやたらと主人公に抱きついたりする<ref group="注">タチが悪いことに多分に心理的なものらしく、ノンアルコールカクテルでも「酒を飲んだ」と認識すると酔っぱらってしまう。</ref>。他にも、『人魚姫』に胸をときめかせたり、[[チャールズ・バベッジ|主人公の夢の中]]で自分がお姫様として登場していたと知ると機嫌が良くなったりとかなりの乙女でもある。
:また、素直すぎるが故に嘘もつき慣れていないようであり、『二代目はオルタちゃん』では「こういう嘘が苦手で、絶対にバレるから」という理由でマシュに一切伝えなかった。
:[[クロエ・フォン・アインツベルン (Grand Order)|クロエ]]曰く、見た目は[[リーゼリット|リズ]]寄りだが性格は[[セラ]]寄り。かつての自分は皆と会話をしておらず、状況に対する意見を述べるだけで、自分の気持ちを伝える事をできなかった。だが人理修復の旅を経て、多くの場所で多くの人々に、個人が生きる意味、理由、その目的。善悪の観念と人間性の在り方などを教わった。それ故に[[クリプター|他のAチーム]]の事を、結成してからの一年間の時間にどのような意味があったのかを確かめたいと考えている。
:第2部においては、地球白紙化を巡る戦いの中で無垢でなくなっていたのにも関わらず、無意識の内に無垢であろうとしており、奏章Ⅳではそれを自身の罪として自覚するに至った。
; 能力
: 元々カルデアのマスター候補だったのだが、「戦闘訓練ではいつでも居残りだった」と語る辺り運動神経はそこまでよろしくは無かった模様。
: 人間だったころから謎生物であるフォウの言語をニュアンスを理解できるが、明確な言語として認識できる訳ではない。言語を話せない一部の[[バーサーカー|「狂戦士」のサーヴァント]]ともある程度なら意思の疎通は可能な模様。
: 「[[デミ・サーヴァント]]」として蘇生した後は融合したサーヴァント=ギャラハッドの能力が使用可能となっている。召喚の盾を持っているため、[[サーヴァント]]の気配に敏感。
: 身体能力などもかなり向上しており、人間や悪霊、魔物相手であれば危なげなく戦えるが、完全なサーヴァントと比べると劣るらしい。
: それでも通常のサーヴァントであるカーミラをして「熟練の技」と言わしめるほどの技量を持っているのだが、これはギャラハッドの技量がそのまま反映されていると思われる。
: また、半分は人間であるために霊体化などは不可能なようだが、半分は英霊であるためか肉体的な疲労にはかなり耐性があり、眠らなくとも十全に能力を発揮できる。
: デミ・サーヴァントが持つ特殊「憑依継承(サクスィード・ファンタズム)」によって憑依した英霊が持つスキルを一つだけ継承し、自己流に昇華しており、マシュの場合は魔力をそのまま防御力に変換する『魔力防御』を継承している。
: 芸術面ではかなり残念であり、下記の『偉人と神話のぐらんどおーだー』では彼女のヘタウマ系の挿絵が拝める他、本編でも第2部第1章で主人公の顔を描いた凧が「前衛芸術」と評されたり、中国異聞帯では主人公一行が総ツッコミした「[[多多益善号]]」のデザインをただ一人褒めていたりとその片鱗が伺える。もっとも、本人には自覚がないようで、曰く「風景画と人物画には絶対の自信がある」との事<ref group = "注">『偉人と神話のぐらんどおーだー』でも、彼女が絵を初披露した回のタイトルは「見たものしか描けないタイプ」なので、実際には(というか見たものであれば)もっと上手い可能性もある。</ref>。『育て! マイ・リトル・ドラゴン』の「ドラゴンこばなし」のロゴでは可愛らしいドラゴンの絵を披露している<ref group = "注">ここでは主人公から「味のある絵」、[[ビショーネ]]からは「あったかみのある絵」と評されている。少なくともプレイヤー視点では下手だったり芸術的な訳でもないので、今回は資料を見ながら描いたのだろうか。</ref>。
: バレンタインの際には贈り物としてケーキやタルト、シュークリームなどさまざまなスイーツを拵えており、こちらの見た目は美しく[[概念礼装]]の解説でも評価されている。
霊衣解放
;常夏の水着
:カルデアのみんなに選んでもらった初めての水着。2016年の思い出。
;常夏の水着Ver.02
:ダヴィンチちゃんに見立ててもらった水着。2020年の思い出。
;Bright Voyager
:[[ミス・クレーン]]に製作してもらったアイドル衣装。『[[Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM]]』に登場した同名の曲がモチーフ。
;華麗なるサーカス団員
:『Fate/Grand Order Arcade』に実装された総身霊衣。2019年冬祭りの際の衣装がモチーフ。
;オルテナウス、オルテナウス(改修型)
:[[レオナルド・ダ・ヴィンチ|ダ・ヴィンチ]]が改良した霊基外骨格。シールダー・アーマードとも呼ばれる。
:バイザーが付いている(改修型では付いていない)。オルテナウス計画に使う予定だった。
:内部加圧、燃焼機関、ソフトウェアなどが組み込まれており、ソフトウェアは遠距離のシャドウ・ボーダーから更新する事が出来る。
:魔力探知の機能も付いており、ソフトウェアによって動いている。駆動音と排気音を静音の護符を起動する事で緩和する静音モードがあり、戦闘する際は静音モードを解除する。自動調律機能があり、戦闘前に整備したて一歩手前の調子にしたり、戦闘中に出力が低下した際に回復してくれる。連続で戦闘を行う場合には、連続戦闘対応モードに自動調律され、排気を行う。アマルガムゴートによって機能を拡大し、出力を一時上昇させる事が可能。出力は数値で表示される。ボーダー観測機器と同期させることができる。
:耐火設計も仕込まれており、自然界に存在する超高熱ならばそこそこ耐えることができる。だが溶岩の中に浸かるような状況は想定外で、魔力を帯びた氷雪の中心地でなければ[[スルト]]の超高熱によって吹き飛んでいたとされる。対閃光防御も付いている。
:盾は格納スペースがあり、カルデア式簡易キャンプや寝袋などの野営道具、レーションなどの糧食や携帯食料、飲料水、皿などの一式を入れて常備している。[[フォウ]]を収納スペースに入れることもある。背中に加速用のブースターが付いており、これを用いて加速する。下部にはバンカーボルトが付いており、攻撃や全力防御時の姿勢固定に使う。
:ただし、元の霊基ではないため[[ギャラハッド]]由来の<ruby><rb>技術</rb><rt>スキル</rt></ruby>は使う事が出来ない。それらの欠けた部分は霊基外骨骼で補う。
:第2部ではマシュの中のギャラハッドの霊基が沈黙した事で霊基の出力が半分以下になったマシュを補うために使用した。しかし戦う度に破損する体をギャラハッドの霊基が補っていった結果、両者の霊基の融合が進みマシュが生きたまま英霊となる可能性すらあった。
:外見だけでなくスキル・宝具・モーションもオルテナウス仕様へと変化する<ref group="注">スキルレベルなどは変化前のものを引き継ぐ。</ref>。霊衣を第三再臨まで、または水着に変更するとスキル・宝具・モーションは以前の物に戻る。
:ゲームではマシュ・キリエライトの霊衣として実装された。他のサーヴァントの文字通りの「着せ替え」に過ぎない霊衣とは異なり、ストーリー進行に応じて自動的に追加される上、オルテナウスを装備している事になっている第2部ストーリーの該当部分では、マシュの霊衣はオルテナウスで固定される。
:なおメインストーリーと関係のない期間限定イベントや幕間の物語、フリークエスト等はマシュの霊衣を変更する事で以前のマシュの仕様に戻す事ができる<ref group="注">2019年正月イベント『雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~』が初の例外で、明確にメインストーリー第2部第3章以降の出来事とされており、イベント内でもマシュはオルテナウス固定となる。</ref>。
:名前の元ネタは、ユーフラテス川に住み、その骨を握ると俗世の喜びや悲しみが消えるという伝説を持つ魚と思われる。なお、マシュと融合した英霊であるギャラハッドが持つ「ダビデの剣」の柄にこれが素材として使用されているという伝説もある。
;[[パラディーン]]
:自ら選び、導き出した新たなマシュ。カルデアが保障する未来を示す盾と剣。
:自己の存在理由を獲得した事で英霊ギャラハッドと訣別し、新たな霊基を作り上げクラス「シールダー・パラディーン」となった姿。
:英霊ギャラハッドの力を借りたサーヴァントではなく、マシュ・キリエライトとしての意義に目覚めた事で誕生したクラス。
:ギャラハッドの戦闘スタイルを模していたのとは打って変わり、パラディーン化した事で独自の戦闘スタイル、独自の特性を持つ事になった。
:『円卓の盾』の絶大な防御力と、ブラックバレルを基にした人理測定砲レイプルーフによる一点突破型の攻撃力を持つ。
:オルテナウス霊衣と同様、外見だけでなくスキル・宝具・モーションもパラディーン仕様へと変化する。スキルレベルや性能の戻し方などもオルテナウスと同様。
:ゲームではマシュ・キリエライトの霊衣として実装され、オルテナウス同様「マシュの変化した姿」として扱われている。またレアリティが☆5となり<ref group ="注">セイントグラフ上は全ての再臨段階・霊衣で☆5となっているが、内部的には霊衣「パラディーン」の状態でのみ☆5となっている模様。「パラディーン」以外の状態でマイルームの「お気に入り変更」の対象に選ぶと分かりやすい。</ref>、コストが16になる。