概要
[[死徒二十七祖]]番外位、「転生無限者」「アカシャの蛇」。教会においては祖に並ぶものとして数えられているが、当の二十七祖たちには分不相応と軽蔑視されている<ref group="注">リメイク前は「死徒である意味がないから」等と曖昧な理由であったが、リメイク後は設定の追加により「[[原理血戒]]を持たないから」と明確な理由ができた。</ref>。
; 略歴
: 元[[聖堂教会]]の司祭で、[[魔術|魔術師]]。
: [[ネロ・カオス]]と同じく永遠を探求し、それに対する答えとして「転生」を考案、それを実行に移すために死徒になることを考える。そこで、吸血衝動が芽生えはじめていた[[アルクェイド・ブリュンスタッド]]を利用、彼女に血を吸わせて死徒となった。
: 親が最強の真祖であるアルクェイドだったこともあり、すぐに力をつけたロアは、封印されてしまった別の二十七祖の派閥をまとめあげ、一大勢力を築く。その力は、討伐に赴いた[[アルトルージュ・ブリュンスタッド|アルトルージュ]]を退けるほど。数年後、アルクェイドは教会と手を組んで彼を滅ぼした。しかし、そのときにはすでに魂を『転生』出来るように加工する作業を終えており、以後、ロアは十八代に渡って転生を繰り返した。
: 現代のロアは遠野家長男・[[遠野シキ|四季]]に転生。ルートによってロアが表層に出る場合、四季が主導権を掌握した場合に分かれている。
; 人物
: 転生後は「転生先の性格」に「ロアの意思」が加わって性格を成すため、確定的なものはない。ロアの覚醒まではその環境で決まるが、覚醒すれば善人であろうが悪人であろうが、凶悪な殺人鬼になってしまう。先代であるシエルの回想によれば身体を乗っ取られるような感覚らしく、当人の意識を保ったままロアが殺戮を行うのを為す術なく見続けるようなものらしい。
: 人格そのものが不安定化する手法ゆえ、18代目ともなれば混在してしまって、初代の人格などほとんど残っていない。余談ながら、彼に関連する人物からは悉く嫌われている。各ヒロインは言わずもがなで、他の二十七祖も死徒としての在り方、初代の彼の暴虐から祖として認めていない。例外は盟友ネロ・カオスと、肉体の方に用がある七夜くらいのもの。
:
; 能力
: 最大の特徴が転生術式。初代が永遠を希求するために開発したもので、自らの魂を加工、「魂の情報」が転写できるようになっている。前世のロアが現出するにふさわしい年齢になったとき、初めてロアとして覚醒する。それまでの肉体が持っていた「人間としての意識」を「ロアの意思」が奪うことでロアとなる。この形となったのは「とにかく永遠を純粋に追い求める」ことを初代ロアが優先したため。
: 今代のロアはナイフを得物とし、[[直死の魔眼]]に似て非なる「物を生かしている部分(=命)」を視覚情報として捉える[[魔眼]]に目覚めている。通称「偽直死の魔眼」。当然、生物に対してしか力を発揮しない。代わりに脳への負荷はなく、平然と命の源である「線」を視て、生命力を消すことが出来る。なお、「生命力を消す」ため、線・点を攻撃してから死ぬまでには若干のタイムラグが存在する。この間に生命力を回復すると死を免れることができる。
: 一方、原作中ではほとんど使わなかったが、カバラ系の魔術師で、『MELTY BLOOD』では徒手空拳と雷属性の[[魔術]]([[蒼崎青子]]いわく「数秘紋による雷霆」「意外に正統派」)を駆使して戦っている。その魔術知識は魔術協会の王冠に匹敵するレベルだという。また「月姫」のアルクェイドとの闘いでは校舎を自身の「城」とし、学校全体と自身にあらゆる傷と損壊を即座に修復する魔術を施していた。
: 尚、四季の混血としての能力は使用出来ないという。
[[固有結界]]
; オーバーロード(過負荷)
: ロアが持つ固有結界。過負荷の名の通り、魔力の過剰供給を行なうことで使用する魔術の効果が倍化する「スクウェア」状態にする、らしい。
: 転生先の肉体はどれも初代ほどのスペックを持っておらず、そのため初代以外に発動できた肉体はなかったらしい。そのため『月姫』本編では出番はなく、第2回人気投票で名称が明らかにされた。第4回人気投票では、幻のさつきルートで使用することが明らかにされた。
: MBAAのラストアーク「空洞航路・十七転生」では、発動時に「オーバーロード・ゲマトリア」という台詞がある。どうやら数秘紋を固有結界で強化しているらしい。
初代ロア
アルクェイドの死徒となったときのロア。
教会の司祭であり、後の[[埋葬機関]]となった部門の設立者。それと同時に、高い知識と技術を兼ね備えた魔術師でもある。永遠という命題に憑かれ、人間のままでは結果が出せないと悟った時、死徒となる道を選んだ。なお、理知的で穏やかな人柄ながら、根は冷酷で徹底した利己主義者だったらしい。
歴代でも最強のロアであり、数々のロアの中でも彼を越えるほどの能力を持ったものはいない。唯一、[[シエル|十七代目]]は匹敵しうるポテンシャルがあったのだとか。そうやって転生を繰り返しながら「永遠」を追い求めていると、周囲も自身も思っていたが、彼自身も最後まで理解していなかった本音とは、アルクェイドへの恋慕。一目見た彼女の姿に「永遠」を幻視してしまった彼は全てを捨ててまで挑んだ純粋に「永遠」を探求するという事が出来なくなっていた。
そして自らの純粋さを奪い、堕落させたアルクェイドを憎み、転生する度に彼女と相対する時を願い続けた。実際はその憎しみの正体はアルクェイドへの恋であったのだが彼自身は気付かぬまま、その執着を「永遠の希求」と思い込んで、無意識下でアルクェイドと相対することを目的に生きている。シエルはもしも彼にその感情は憎しみではなく恋だと教えられる者がいれば、或いは救いがあったのではないか、と洩らしていた。
尚、「MBAA」ではアルクェイドに「お前愛おしさに〜〜」と語り、彼女への恋愛感情を自覚していた。
タランテラ
『[[Fate/Grand Order]]』の世界で、十八世紀イタリアに存在していたときのロア。[[第八秘蹟会]]の上の方に所属していた。
こちらの世界線ではロアはアルクェイドと出会っておらず、転生を繰り返しているのも普通に魔術師としての研究のため。この代の時には聖堂教会の[[代行者]]の任についていたが、その中で第八秘蹟会の持つ秘宝の一つだった「十四の秘宝」を持ち出された事でファリア神父を陥れ、シャトー・ディフに幽閉してしまった。
後に出所した生前のエドモン・ダンテスから自身の復讐の傍ら、ファリア神父の復讐として追われることになる。戦いでは地力の差から終始圧倒するものの、「十四の秘宝」の力によって黒い炎をその身に宿したエドモンの反撃を受け、魂ごと焼き尽された。