概要
[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]に参加する、プレイヤーの分身たる役目を担う主人公。名前は任意で入力。男性と女性が選択可能。
コミックス版・ドラマCD版での名前は「'''岸波 白野'''(きしなみ はくの)」で、性別は男。この名前は『CCC』ではデフォルトネームとして、男女共に選択可能。また竹箒日記で語られた『EXTELLA/Zero』<ref group = "出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201611.html 竹箒日記2016/11/12]</ref>。においては「'''岸浪 白野'''(男性)」「'''クラスメイトの少女'''(女性)」という表記も存在する。年齢は『EXTRA』のPVに記してある。
; 略歴
: 原因不明の記憶喪失に陥っており、自らの素性も詳しい状況も分からぬまま、命をかけた[[聖杯戦争]]の舞台に投げ出される。聖杯戦争を通じ他者と関わり合うことで、迷い悩みながらも成長していく。
: 霊子虚構世界であるムーンセルでは夢を見ることはないとされているが、主人公はたびたび「火に包まれ焼け落ちていく、廃墟と化した都市の風景」を夢に見る。(そもそも電脳にダイブすること自体が夢と同じカテゴリであり、夢の中でさらに夢を見ることはないため)
: 正体は、[[NPC]]が何らかの故障(エラー)によって自我を獲得した存在。故に、記憶喪失ではなく、そもそも過去の記憶を持ち得ない。他のNPCと同様、聖杯戦争開始と同時に生み出された、過去の人物の「再現」である。
: 主人公の基本となった人物は、バイオテロにより既存の医療技術では治療不可能な難病(記憶障害を引き起こし、最後には死に至る脳症)に侵され、冷凍睡眠によって数十年にわたり保存されている。
: ムーンセルにとって主人公は故障によって生じた「不正なデータ」であり、見方によっては「網霊(サイバーゴースト)」でもある。
; 人物
: 男女ともに茶髪に茶色い瞳、凛々しさのあるやや太めの眉毛。男性主人公は毛先のハネたミディアムショート、女性主人公は毛先にウェーブがかかったロングヘアーの髪型。
: 記憶喪失(実際は先述の通り、過去の記憶はもとより無い)ではあるが、一個人としての名前や、社会生活を送る上で必要な一般常識等は持ち合わせている。
: 聖杯戦争を通して成長していくが、初期は確たる目的意識はなく、ただ「死にたくない」という生存本能に衝き動かされて行動している。
: 個性に乏しい上、目的意識もないことから覇気にも欠けている。そのためか「存在感が薄い」とよく言われる。その存在感の薄さは[[遠坂凛 (EXTRA)|遠坂凛]]との初対面時にNPCと間違えられるほど。それでいて、他マスターと損得勘定抜きで交流を持ったり、ただ他者を助けるためだけに[[令呪]]を行使したりと、お人好しな一面も見られる。
: 逆境においても決して諦めない往生際の悪さが特徴で、悪足掻きを得意とする。その必死の行動は下馬評を覆し、数々の格上のマスターたちにさえ抗しうるほど。忍耐力も高く、ボロボロに傷付こうが絶望の淵に立たされようが、激マズの料理を食わされようが決して前に進むことを止めない不屈の意志の持ち主。
: 所謂、一級フラグ建築士であり、程度の差こそあれど'''同性からもモテる'''。特に女主人公が顕著で、『CCC』まで入れると、確定的な場合のみ取り上げても8人の女性(パートナーの[[ネロ・クラウディウス|セイバー]]と[[玉藻の前|キャスター]]・[[間桐桜 (EXTRA)|桜]]・[[BB]]・[[遠坂凛 (EXTRA)|凛]]・[[ラニ=Ⅷ|ラニ]]・[[パッションリップ]]・[[エリザベート=バートリー|ランサー]])から好意を寄せられている([[メルトリリス]]が確実なのは男主人公のみ)。
: 自覚症状があるかどうかは微妙なラインだが、CCCルートでの桜への態度やセイバーと式を挙げたりするのに抵抗がないため、'''満更でもない'''らしく、やはり性別の問題より気持ちが通じ合っている事の方が遥かに重要なようである。
: また女主人公自身セイバーを押し倒したりキャスターにドキドキしたり、桜と[[殺生院キアラ|キアラ]]の公には見せられないようなやり取りを覗きに行こうとしたり、リップの谷間に突っ込もうとするなど、怪しい反応を見せる。
: また、性別がどちらでも大幅に性格が変わらないためか、作中の描写を見る限り女性主人公は「かっこいい女性」として見られているようで、外見は小動物系で内面は割と乙女なのに女性(特にパートナーサーヴァント)からはあまり同性として意識されていない様子。
: 奈須氏にも“おとなしい外見なのに内面は鉄の少女”とマテリアルにてコメントされる。ラニルートではラニを抱えあげる。
: [[無銘|アーチャー]]によれば、立派に男役をこなし彼女たちをエスコートできるという。
: 男主人公も負けておらず、BBに激しい告白をしたり、彼に感化され自らの宿業を打ち破った'''漢'''達は、自らの命を引き換えにしてまで彼のために血路を切り開いた。また当初から厳しい態度で彼に接していたアーチャーや[[ギルガメッシュ]]ですら最終的に彼に背中を預け、「剣を預けるに相応しい主」や「我が雑種」と呼んで全幅の信頼を寄せるようになり、やはり彼の魅力も相当なものである。
: また、基本鈍感で恋愛には疎い方とはいえ、たまには積極的になり、セイバーを思わず押し倒したり、女主人公の場合、「頼れる兄」と「ちょっと気になる異性」の中間にいるアーチャーの思わぬ言動に胸を高鳴らせたりしている。
: ただしキャスターからの有り余る求愛は持て余しており、真剣な場合を除いてR-18展開につながりかねない場合は全力で逃亡、スルー、却下が基本だったがEXTELLAで遂に…
; 能力
: 当初は最弱のマスターと言われる。
: 魔術師([[ウィザード]])ではないが、[[サーヴァント]]を問題なく使役できる程度の資質はある。但し、当初は主人公がマスターとして不完全であるため、その力量に合わせて、サーヴァントの霊格が著しく低下している(最初期のステータスは全てEランク、スキルもほとんど失っている)。
: 本来は魔術師どころかハッカーですらない、ただの一般人。しかしながら全くの無能というわけではなく、例えば6回戦で敵マスターがアリーナに障壁を出現させた際、(地上のバックアップを得るキーを持っていたというのもあるが)魔術回路を通じての障壁破壊を無難に実行している。魔術師としては魔術回路の質はともかく量が少なく技量も平凡(ただし、下記のようにサイバーゴーストに近い現状故か、鍛えれば鍛える程主人公のサーヴァントはパラメータを上昇させる)。
: だが戦況を見る観察眼は達人クラスであり、凛や[[レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ|レオ]]など最高クラスのマスターから自分と同等もしくはそれ以上と、高く評価されている。
: 主人公はデータのみの存在であり、「本体」がないため、生身の人間ならば最悪の場合脳が焼き切られての電脳死に至るような高レベルの障壁(ファイアウォール)などに介入しても、瞬間的に頭痛や眩暈を催す程度で済んでしまう。しかし、自我やアバターといった、霊子もしくはデータに働きかける類の障壁などは、当然ながら無効化できない(無効化するには通常の魔術師と同様の手順が必要)。
: 主人公は、役割を逸脱したNPCという「不正なデータ」であり、生身の人間でもないので、本来であれば[[聖杯]]に接続した瞬間に不正なデータとして分解・削除される。しかし、僅かな時間ではあるが、主人公は生身の人間以外は接続できないはずの聖杯に接続することができる。これは、主人公の基本となった人物が「冷凍睡眠によって保存されている=地上で未だ生きている」ため、聖杯が接続している不正なデータと、地上に存在する類似の人間のデータが、同一か否かの判別を必要とするからである。
: ただし、最終的に不正なデータとして分解・削除される運命にあるのは変わらない。『EXTRA』においては[[トワイス・H・ピースマン]]の戦争を求める歪んだ理想を否定しきれない場合はサーヴァントと共に月の聖杯戦争を続行するが、トワイスの歪んだ理想を否定した場合は『'''ムーンセルの完全封印'''』をコマンドとして打ちこむ代償としてサーヴァントと共に不正なデータとして分解・削除される。
:CCCでは、[[殺生院キアラ]]が使った[[コードキャスト]]「五停心観」、「万色悠滞」を本人からもらい、[[シークレット・ガーデン|SG]]を取ったり、相手の精神に入り込む能力を得た。
:
『EXTELLA』シリーズ
: 『EXTELLA』ではムーンセルに望んだ願いが変更されている。'''【役割を果たしたものは消去し、次の役割に作り変える】'''というSE.RA.PHの運営形式を廃止し、'''【役割を果たしたものは次の役割を探す。目的のために生存することと、生存するための目的を探すことを同位とすることへ変更する】'''であるため、主人公はSE.RA.PHへと送り返され、人間として認められ、役割と生存の余地を与えられることとなった。
: その後はムーンセルと協調する事を選び、急速に崩壊と再生を繰り返し拡大するSE.RA.PHを見届けながら、これからの目的や居場所を探していた。
: しかしムーンセルは、脅威と記録されている[[捕食遊星ヴェルバー|捕食遊星]]の再接近を予測する。その対策としてレガリアシステムを考案。主人公は地球側の生命代表としてムーンセルから捕食遊星の情報を入手し、SE.RA.PHを守る事を承諾し、SE.RA.PHの全権を預かる事となる。
: 事を知った[[アルキメデス]]の謀略にかけられ、星舟内部にいた巨神・[[セファール]]に殺されかけるが、レガリアごと自らを精神、魂、肉体の三つに分け、三度記憶を失う事となる。精神の主人公はネロ、魂の主人公は玉藻の元に向かい、肉体の主人公は[[アルテラ (EXTELLA)|アルテラ]]の虜となる<ref group = "出">『Fate/EXTELLA』 プレミアム限定版『ヴェルバーBOX』特典『EXTELLA/material』「これまでのあらすじ」</ref>。
: 『EXTELLA』本編では、アルキメデスが並行世界を行き来し【ムーンセルは壊れた】という結果をクォンタム・タイムロックに刻み込むための謀略にかけられる。その結果『焔詩篇』の精神の主人公は肉体と魂を喪い、植物人間のようになる最悪の結末を、『蘭詩篇』では自陣営のエリザベート・バートリーが遊星の眷属となるのを見届けながら、玉藻と共にSE.RA.PHで束の間の平穏を選ぶ最後を迎える。
: だが『未明篇』では巨神と肉体の主人公が徐々に心を通わせていき、最終的にアルキメデス打倒の願いを託すべく、自らの消滅と引き換えに記録宇宙から模索したデータと自らの記憶を過去の精神の主人公へと届ける。そうして『金詩篇』においては、'''「アルキメデスはアルテラと主人公陣営の敵対を煽ってムーンセルを破壊する事を目的とする敵対存在」「アルテラを救う事がアルキメデスの野望を粉砕する事に繋がる」'''事などが『焔詩篇』の精神の主人公へ受け継がれ、敵対関係になる前のネロと玉藻の前の早期和平を果たし精神と魂の主人公は無事元のかたちに戻った。
:次いでネロとアルテラの対決を制し、彼女とも共闘関係を持ちかけるが、そこにアルキメデスによって主人公とネロ、アルテラは窮地に陥る。しかし、エリちゃん(ヴォイド)の暴走によって開放された[[巨神アルテラ]]の助けで、主人公とネロは窮地を脱出。アルキメデスの謀略についに決定的な破綻が生じた。
: 状況を次々に覆され焦るアルキメデスはとうとう、巨神・セファールを目覚めさせようと強硬手段に出る。だがアルテラから譲られた軍神の剣を触媒に、ネロは高位次元の領域へとアクセス。美の神・[[アフロディーテ|ヴィーナス]]を直接名指しして『セイバー・ヴィナス』として顕現し、遊星の使徒と化したアルキメデスをついに打ち破る。
: 力を使い果たした巨神セファールは今度こそ終焉を迎える…。はずだったが、セイバー・ヴィナスの計らいによって[[アルテラ・ラーヴァ|頭脳体(幼体)]]だけが生き残り、待ち望んだ夢の続きを、彼女とネロ、玉藻と共に生きていくことになる。
Fate/EXTRA Last Encore
:アニメ冒頭と第八話・九話に登場するキャラクター、容姿は原作における女主人公(通称ザビ子)の姿になっている。
:原作のEXTRAシリーズと同じ設定を持つ「岸波白野」であり、アニメの主人公である「[[岸浪ハクノ]]」とは共通点があり関係性があるものの、人物としては明確に別のキャラクターという扱いになっている。
:[[ネロ・クラウディウス|セイバー]]と契約し、聖杯戦争を勝ち抜き[[トワイス・H・ピースマン]]の元までたどり着いたという所までは原作同様、しかし圧倒的な力をもった[[セイヴァー]]の前に敗れ去った事をきっかけに「Last Encore」の物語が始まってしまったような描写がなされている。
:厳密には原作と全く同じルートを辿ったわけではないらしく、明確に戦闘した事の描写がある[[ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ]]以外は、他の原作マスターと闘った事はない事が[[ネロ・クラウディウス|セイバー]]や敵マスターの発言から示唆されている。(特にLast Encoreにおける[[遠坂凛 (EXTRA)|凛]]と[[ラニ=Ⅷ|ラニ]]の設定は優勝者が起きなかった為に発生した物であり、仮に原作と同じ流れならば矛盾が生じる)
:性格面もほぼ原作と同一、静かな性格ながら意志が強く、心の底からサーヴァントを思いやる心をもつ。