概要
吸血種の中で、吸血鬼と呼ばれるモノたちの大部分をしめる種<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.180">「月姫用語辞典-死徒」『月姫読本 PlusPeriod』p.180</ref>。人間から後天的になった吸血種。吸血種は非常に多岐に渡って様々なものが存在するが、一般に言われる「吸血鬼」のイメージに適う存在。
元々人であった者が、[[真祖]]もしくは他の死徒に噛まれ吸血されたことで変異した吸血鬼<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178">「月姫用語辞典-吸血鬼」『月姫読本 PlusPeriod』p.178</ref>。厳密に言えば、「血を吸われた」結果に死徒となるわけではなく、吸った相手が「血を送り込んだ」後に死徒化する<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。ただし、全ての人間がそうなるのではなく、肉体的ポテンシャルが高く、魂のキャパシティに優れるものに限られ、常人の場合はやがて死に至ってしまう<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。また[[魔術]]を極め自己を吸血種に改造してなった者もいるが、成り立ちこそ違えど死徒の社会に参加することで同胞として認識し合う。
死後すぐさま活動を開始するわけではなく、遺体として埋葬された後、脳髄が溶けて魂が肉体から解放されるまでに数年をかける。これでようやく食屍鬼(グール)と呼ばれる動く死体(リビングデッド)になる<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。グールは欠けた肉体を取り戻すために周囲の死体を喰らい、その過程で、さらに数年をかけて失った脳の代わりに幽体の脳を形成、知能を取り戻す。通常、ここでようやく吸血鬼と呼ばれる段階に至る<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。
自意識を得た吸血鬼は自らの為の行動を開始するが、親の血が身体に入っているため、親の支配には逆らえない<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。せっかく集めた血も、大半は親に持っていかれてしまう。これゆえに、力を貯えるために、自らも親となって手下の吸血鬼を増やしていくのである<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.178"/>。元来の発生は、真祖が自らの吸血衝動の苦しみから逃れるために用意した血袋のような役割を課せられた人間たち。やがて力を付けた彼らは、真祖の支配から人間界に逃れ、吸血行動を繰り返すようになる。この当時の死徒が[[死徒二十七祖|二十七祖]]と定義されるモノたちである<ref group = "出" name = "『月姫読本 PlusPeriod』p.180"/>。
人間を超越した能力を持つが、それは長大な寿命を活かして能力を磨き上げた結果である。彼らの力は「人間の延長線上」にあり、人間の寿命が数千年単位以上であったならば誰でも同等の能力が得られることになる。不老不死である吸血鬼の肉体は、人間という器にとって過ぎたモノである故、彼らの肉体は急速に劣化していく。それを補うために、他人の血液を吸って遺伝情報を取り込み、肉体を固定させている。言い方を変えるならば「エネルギーを補給し続ける必要がある不老不死」。長い年月を生きたものほど損傷が大きく、それを補うには通常の生命では間に合わなくなるため、人間よりも種として優れる野獣や魔獣を取り込むこともある。取り込んだ動物は使い魔のように使役することが可能。感覚の受け取り方は人間とは異なっているらしく、普通の[[魔術師]]や[[サーヴァント]]では探知不可能だった[[ペイルライダー]]を探知したりしている<ref group = "出">『Fate/strange Fake』第3巻 p.245</ref>。
英霊と死徒の関係
英霊が「人類史を肯定するモノ。人間世界の秩序を護るモノ」<ref group = "出" name ="『Fate/strange Fake』第2巻 p.169">『Fate/strange Fake』第2巻 p.169</ref>「人類史の影法師」であるのに対して、死徒は「人類史を■■するモノ。人間世界のルールを汚すために存在してきたモノ」<ref group = "出" name ="『Fate/strange Fake』第2巻 p.169"/>「地球そのものの影法師」である。故に、死徒は「人が作りし[[宝具]]」「神が人のために用意した宝具」による加護を否定することが出来る<ref group = "注">なお「神が神のために用意した宝具」の場合は話は別との事である。</ref><ref group = "出" name ="『Fate/strange Fake』第2巻 p.169"/>。
原作者である奈須きのこ氏が手がけたTYPE-MOON作品の伝奇は「すべて同じ世界」と思われがちだが、あくまで基本であり大きく二つの系統に分かれている<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201704.html 竹箒日記2017/4/15]</ref>。英霊がサーヴァントとして使役できる『Fate』世界と、英霊という強大な概念を“自律した使い魔”という術式に落とし込めなかった『[[月姫]]』世界に分別されている<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15"/>。
『Fate』世界の下地は『人類史を肯定するモノ』なので英霊も主役として考えられるが、『月姫』世界の下地は『人類史を■■するモノ』なので、その敵対者である死徒たちが主題となる<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15"/>。例外として、どっちもアリな『[[Fate/strange Fake]]』と、どっちとも言えない『[[Fate/Grand Order]]』が挙げられている<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15"/>。
『Fake』にて死徒[[ジェスター・カルトゥーレ|ジェスター]]が[[オーランド・リーヴ|オーランド]]配下の宝具を持った警官たちと接触した際には宝具の能力を無効化し一方的に蹂躙する力を見せている<ref group = "出">『Fate/strange Fake』第2巻 p.166-172</ref>。逆に英霊がサーヴァントとして召喚され得るような人理が命として脈動する『Fate』世界では死徒は弱体化し、『月姫』世界ほどの力を持てないとされている。
死徒と魔術
下記のように魔術師が研究の果てに死徒になるケースは多いが、存在の基盤が変わってしまうために実は魔術との相性はあまり良くない。数百年程度なら問題はないが基礎能力の向上の代わりに魔術師としては頭打ちとなり、それ以上生きる場合には魔術師としては衰えていく一方となる。
そのため「魔術を極めるために不死を求めて死徒となる」というのは良い選択肢ではないが、「自分の魔術で目的を達成するには数百年規模の寿命が必要である」という場合には死徒になる選択肢も有効になってくる。
歴史
西暦20年頃から魔術世界に頻繁に現れるようになり、[[魔術師]]を敵とみなして襲っていたそうだが、西暦300年頃夜の森の都、千年城の戦いにて[[朱い月のブリュンスタッド|朱い月]]と[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ|魔導元帥ゼルレッチ]]の衝突があったとされ、これにより朱い月は、滅んだと言われる。<br>
[[死徒二十七祖]]の項目の説明にもあるように、「英霊召喚が可能な世界」における死徒二十七祖結成の可能性が1700年前に無くなったというのはこの衝突が原因だと思われる。<br>
月姫世界においては二十七祖の歴史は三千年とされ、欧州に最も死徒が蔓延ったのは吸血鬼と魔術師の戦争が起こった西暦300年頃だという。
死徒二十七祖
死徒たちの大元である二十七の祖のこと。
詳細は「[[死徒二十七祖]]」を参照。