概要
[[衛宮家]]四代目継承者。[[衛宮切嗣]]の父。[[封印指定]]を受けて逃亡し、後にアリマゴ島で研究生活を送っていた。
;略歴
:4代という若さで衛宮家の[[魔術]]を封印指定を受ける域にまで昇華させた天才で、20年以上に渡って逃亡生活を続けていた。その逃避行の中で彼の妻は[[魔術協会]]からの追っ手に殺されている。この時、生まれて間もなかった息子・切嗣には実母の記憶が無い<ref group="出" name="「Fate/Zero用語辞典-衛宮矩賢」『Fate/Zero material』p.93">「Fate/Zero用語辞典-衛宮矩賢」『Fate/Zero material』p.93</ref>。
:妻の死から十数年後、潜伏していたアリマゴ島で助手の少女・[[シャーレイ]]が矩賢の才能を証明するために研究の試薬を秘密裏に飲んでしまい[[死徒]]化。それを察知した[[聖堂教会]]、魔術協会が島に乗り込み、双方の手で証拠隠滅と口封じのために島の住人を皆殺しにする。その地獄を目の当たりにした切嗣は、島を逃れても同じ事をまた繰り返すであろう父を見逃すことができなかった。そして矩賢は切嗣が背後から放った銃弾5発によって殺害される。
:アニメ版ではシャーレイの短剣で前から刺された後、止めに自分の持っていた拳銃で撃たれており、自分の殺害犯を認識して死ぬこととなった。
;人物
:研究のみに関心があり、世俗の倫理観からは乖離した、典型的な[[魔術師]]然とした人物だったようである。ただ、“吸血衝動を抑えられる死徒化”の完成を目指すなど、周りへの一定の配慮は見受けられる。シャーレイにも「試薬は危険だから決して触るな」と注意していた。ただ、島の悲劇があっても「あの子のことは残念だった」「図らずも実験結果を早く出してくれた」とこぼす程度で、気にかけていないわけではなくとも、研究をやめるのには繋がらなかった。
:一方、父親としては愛情深い人物でもありアリマゴ島の事件の際もいつ結界が破られるかわからない状況で安否不明の切嗣を待ち続け、帰ってきた切嗣を安堵の余り抱きしめている。切嗣の方も、偏屈で頑固ではあるが優しい父だと愛し尊敬しており、それは父を殺害するその瞬間でさえも変わらなかった。
:アニメ版では人物像が多少異なり、危機が迫っても留まっていたのは書物を焼くなど証拠隠滅の為で、切嗣を抱き締めることも無い。
;能力
:衛宮家の魔術は[[固有結界]]の中で時間の流れを加速、停滞させるもので、体内あるいは小因果の時間操作に特化している。矩賢はこの応用で時間流を無限に加速させ、宇宙の終焉を観測することで根源に至るという方法論に行き着く。
:問題は人間の寿命の間には達成できないことで、延命の為に本意ではないが「吸血衝動を抑制できる死徒化」の研究に取り組むようになった<ref group="出" name="「Fate/Zero用語辞典-衛宮矩賢」『Fate/Zero material』p.93" />。息子の代までには完成させることを目標にしているが、シャーレイの失敗を受けて根本から見直すべきだとも判断している。
:彼の死後、魔術刻印は8割強が魔術協会に押さえられ、切嗣には残り滓だけが継がれた。