真名:李書文
:李書文。魔拳士とも言われた伝説的な八極拳士。河北省滄州市塩山県出身。
:姓は李、名は書文、字は同臣。
:「二の打ち要らず、一つあれば事足りる」と謳われる中国拳法史史上、最強の拳法家の一人にして、李氏八極門の祖。また、李書文は「神槍」とあだ名されるほど槍に長けた人物である。彼の使った六合大槍は八極門の基本的な武器であり、極論して良いならば、八極拳のほとんどはこの六合大槍の技法を学ぶための前段階に過ぎないとさえ言える。
:彼の剛打は、牽制やフェイントの為に放ったはずの一撃すら敵の命を奪うに足るものであった。仕合において、どのような軽い手であれ、触れれば相手の命を奪ったことから、「二の打ち要らず」の称号を贈られる。
:中国武術、中華の合理は、宇宙と一体になる事を目的とした武術である。それは周天行に通じ、仙道修行に近い。周天行とは、「気(エネルギー)」を心身に巡らせ、それによって全身を活性化した上で「気」を共鳴・増幅して養っていく鍛錬法の一種。その到達点が全身のみならず周囲の空間を自分の「気」で満たすことである。彼の持つ透明化のスキル「圏境」は気を用いて天地と合一し、その姿を自然に透けこませる事であり、宝具「无二打」は自身の気で満ちた空間を形成することで相手を「気を呑まれた」状態にすることで威力を増している。
:単純に(純粋に、ではない)強さのみを求めた李書文だが、晩年は暴力ではなく、自身の生き方、信念の強さに武を見出した、と言われている。彼は一見、義侠の徒と見えるが、それは彼の合理性を重んじる性格からである。彼は正義も悪も大差はないと考えているが、相手が合理性を損なっている場合、それに露骨な嫌悪を向ける。
:この<ruby><rb>某</rb><rt>なにがし</rt></ruby>が巨利をむさぼる悪党であった場合、そしてこの悪党の被害にあっている者からの懇願があった場合、「縁が出来たな」として某と対峙し、結果として殺害するという行為に及ぶ。この「結果として悪を斃す」という行為が義侠の徒のように見えるが、中華における義侠とは「情をもって剣を取る」なので、合理性から拳を振るった彼の考えは真逆に当たる。
:それはつまり、善悪や殺人にこだわらないという道徳性こそ一般常識から逸脱していたが、人間性そのものは「良識人」であったということである。
:最後には毒を盛られてその命を終えたとされている。それもあまりに多くの対手を殺めた事で多くの憎しみを買ったためである、とも言われる。
関連
;八極拳
:書文が得意とし誰よりも極めたとされる中国武術。元々は無名の田舎武術に過ぎなかったが、書文の武名と共に広く名を知られるようになった。人体破壊術に特化した[[言峰綺礼]]のものや色々なものが混じってる[[有間都古]]のそれとは違い、正統派でありながら実戦向け、応用力のある武術となっている。拳法以外にも「六合大槍」と呼ばれる槍術があり、書文はこちらに関しても凄まじい腕前の持ち主だったとされる。
:彼がドラマCDにてくりだした技には套路、頂肘、川掌、冲捶、鉄槌、大纏、梱鎖歩、鉄山靠、閻王三点手、暗勁、寸勁、翔勁、圏境、猛虎硬爬山などがあり[[ネロ・クラウディウス|セイバー]]が皇帝特権を用いて圏境を使った時にも即座に対策するなど、実力の高さを見せつけた。
;神槍
:李書文の別名。本来のクラスは「槍兵」に該当し、晩年の姿で現れる。しかし月での聖杯戦争ではマスターとの相性により、若く猛々しい姿の「暗殺者」として召喚された。ただし、基本的な性格は老年期のものである。