メモ
*前作『EXTELLA』は4つの章に分かれた一本道のシナリオだったが、本作では最終的に3つのルートに分岐する。
**このうち最初から進めるルートは2つでシナリオは4日目から分岐していき、2つともエンディングを回収することで初めて第三ルートに分岐できるようになる。第三ルートは2日目から分岐しているため第一ルート・第二ルートと比較して途中の展開が大きく異なっており、同時にそれまでのルートの「答え合わせ」や「まとめ」となるような部分も持ち合わせている。
*戦闘システムが大幅に更新され、前作とはアクション面が別物になっている。
**長いコンボは短く纏めなおされて5段程度になった代わりにアクティブスキルシステムが実装されたことで、以前よりも固有技を手軽に発動しやすくなっている。ただしクールタイムがあるため物によっては使いどころを見極める必要がある。回復系や自己強化系は特にCTが長いため、戦略性が求められるだろう。
**エクステラマニューバは廃止されているが、これはドライヴスキルとラッシュ攻撃に置き換わったと考えてよいだろう。ラッシュはゲージチャージが必要ない代わりに特定の攻撃を当てる必要があるため、ここに戦略性や装備の幅が広がっているとも言える。LINKシステムもここに一役買っており、うまく生かせばそれこそ3人掛かりで1人の相手をフルボッコにできたりもする。
**発動難易度が大きく変化したのは宝具。前作ではファンタズムサーキットを3つ集める必要があり、2回以上の発動は困難を極めた。今作ではムーンドライヴ/ドライヴスキルで敵を倒してゲージを貯めるシステムに変更されたため、2回以上の使用も十分に実現可能となっている。なおサーキット自体は廃止されておらず、1ステージに2つまで設置されており、入手すると宝具ゲージが一定量上昇するようになっている。
***今作では宝具は“通常の宝具”=ドライヴスキル と“真名解放”=宝具ゲージ消費による発動 の2種類に分けられている。ドライヴスキルの位置づけとしては「宝具の力の一部を解放」といったものだが、複数宝具を持つサーヴァントの場合はドライヴスキルと“真名解放”とで別の宝具を発動させていることも多い。
**ステージ攻略も、前作はレジムマトリクスを完成させるのが目的だったのが今作ではさまざまなミッションが次々に発令されるようになり、単なる陣取り合戦ではなくなった。極端に難しいものはないが、マスターや味方が敗走すると敗北に直結するため要領よくこなす必要がある。このことも関係してか、味方NPCのAIは大幅に強化されており、攻撃されてあっさり敗走するといったことはなくなっている。
**令呪メニューにも新たに「空間転移」が追加されており、セクター間を一瞬で移動可能になっている。
***企画が始動したのは前作『EXTELLA』リリースから1~2か月後の時期であるが、今作の開発コンセプトとしてはシステム周辺やグラフィックの強化・改善に力を入れたいという意図があったため、シナリオ自体は短めだが逆に戦闘システムは総じてブラッシュアップされており、ゲームとしての遊びやすさは格段に増していると言える。
*そのほか戦闘以外の面においても前作からはガラリと変わった部分が多い。
**その筆頭がイベントパート。一部のムービーパートを除いて3Dグラフィックモデルではなく『Grand Order』のような立ち絵式が採用されている。ちなみにこの立ち絵は台詞に合わせて口が動き、各種場面で瞬きもする。
**グラフィックも全体的に向上しており、前作と比較するとワダアルコ氏のイラストにより近くなっている。またすべてのキャラクターモーションに修正・改善を入れており、モデルの骨格部分も改善されたため動きがスムーズになっているほか、エフェクトも派手さを増した。なお立ち絵は前作から続投されているサーヴァントについては本作でも引き続き使用されているが、一部に加筆修正が施されている(カルナの目元に赤いラインが追加されている、ガウェインやネロの瞳が塗りなおされている、アルキメデスの浸食痕が消されている等)。
**ベースキャンプではマスターを操作できるが、その際選択中のサーヴァントが後ろを走って着いてくる。このあたりは『EXTRA』や『EXTRA CCC』を思い起こさせると同時に、話しかけたサーヴァントと連れているサーヴァントの組み合わせによっては特殊な会話が発生することもある。意外と細かく作りこまれており、視点を第三者(プレイヤー視点)と当事者(マスターの視点)に切り替えることができるほか、サーヴァントの近くを移動すると、近くにいるサーヴァントの視線も主人公を追いかけるように移動する。
**テキストフォントや画面デザインも一新された。イベントパートの画面フレームはよく見ると数字の0と1の羅列パターンが流れている。
**インストールスキルシステムにも変更が加わっている。大きな変更はキャラクターごとのスロットに差異がなくなり、サーヴァントによっては前作のような大幅なボーナスは得られなくなったことと、強化上限が+10(ボーナス込みで最大11)に引き下げられていることがあげられる。「心眼」と「細胞活性」は削除されたが、無印・改に加えて真、ダブルという上位カテゴリが登場したほか「皇帝特権」や「千里眼」といった新スキルも追加されており、装備の幅は広がっている。ただし所持上限は300個なので超えた場合は出撃制限がかかってしまう。このため増えすぎたスキルはQPに分解するか、合成して上位種に変換するか選ぶことになる。
**何気にマネーイズパワーシステムも続投されているが、本作ではレベル上限が引き上げられたことと、キャラクターそのものの増加も関係してか費用が大幅に削減されている。高レベルになるとコストパフォーマンスが悪化するのは同様であるため無闇矢鱈に使うものではないが、一度に数レベル上げることが可能となったことと費用が落ちたことで、前作よりはいくらか気軽に利用しやすくなっている。
**男女ともにボイスがついた主人公だが、男女間で台詞に結構な差がある。興味があれば聞き比べてみると面白いかもしれない。
*一部の攻略ステージではギミックにサーヴァントの宝具(鮮血神殿、顔のない王など)が組み込まれていることがある。また宝具演出そのものが入るステージもあり、玉藻の前、アルテラ、アルジュナの宝具は自騎で操作していなくても見る機会がある。
*前作に引き続きクラスごとにサーヴァント数の偏りがあり、特にアサシンクラスが極めて少ない。
**内訳としてはセイバー4+1騎、アーチャー2+2騎、ランサー3+1騎、ライダー2+2騎、キャスター2+1騎、アサシン1騎、バーサーカー1+2騎、ルーラー1+1騎。
*シナリオは単純な前作の後日談というわけではない。時系列が定かではない印象を受けるものの、詳細は現時点では不明である。本作はいわゆる「劇場版」のような番外編扱いであるため、もしかすると『EXTELLA』の正式な続編が出た場合に明らかになるのかもしれない。
**アルテラは前作の経緯あって幼い少女となっているが、ネロや玉藻の前がアルキメデスのことに関して名前を聞いたことのある程度といった口ぶりだったりするほか、当のアルキメデスはアルテラのことを知っているような素振りを見せつつ「スライドの痕跡」などといった意味深長な発言をする一方で、左肩から腕にかけての浸食痕がなくなっている。……相変わらず「胡散臭い」という感想をあちこちから抱かれてはいるが。
**アルジュナは当人曰く「アルキメデスを直接知らない」ということであるため、彼が召喚されたのは少なくとも前作終了後だろうか。ただし、彼やスカサハがムーンセルに召喚された理由が「カール大帝を討伐するため」だったかどうかは不明である。
*アルジュナが統率している軍(別働隊)はOP映像を見る限り、恐らくは攻性プログラムと自身、そしてそこにロビンフッドを加えた部隊であると推測できる。ロビンフッドも作中で「アルジュナのダンナのところで厄介になっていた」と発言しているので、部隊に所属しているサーヴァントは彼とみていいだろう。
*今作より新たに10騎のサーヴァントが参戦しており、内訳としては完全新規の2騎に加えて『EXTRA』から2騎、『Apocrypha』から1騎、『Zero』から2騎、前作では参戦の可能性が極めて低いと言われていた『Grand Order』からも3騎が出演を果たしている。
**全体の内訳としては『EXTRA』から8騎、『EXTRA CCC』から1騎、『EXTELLA』から2騎、『EXTELLA LINK』から2騎、『stay night』から4騎、『Zero』から3騎、『Apocrypha』から3騎、『Grand Order』から3騎。作品が完結していないこともあり、『Grand Order』初出サーヴァントの出演は依然として少ないと言える。
**ちなみに『Grand Order』からの客演組であるアルジュナ、スカサハ、ダレイオス三世と、あちらに先行出演しているアルテラは皆『Grand Order』第一部の公式ビジュアルを飾っている。このため新参戦サーヴァントの発表が行われていた途中の段階では「『Grand Order』のビジュアルにいたサーヴァントが他にも参戦するのではないか?」と予想されていたこともあった。またアーチャーの候補として『EXTRA』で名前が出たこともある[[アタランテ]]、バーサーカーの候補として『EXTRA CCC』での出演候補であった[[ナイチンゲール]]、キャスターの候補として過去作に登場した[[ナーサリー・ライム]]や[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|アンデルセン]]、ルーラーの候補として『Apocrypha』でジャンヌとの因縁がある[[天草四郎時貞]]の名を挙げる人もいたようである。
*新規参戦の10騎が選出された経緯について、『コンプティーク』2018年7月号に掲載されているインタビュー記事<ref group = "出">「コンプティーク」2018年7月号 P.36-38</ref>によると、今作のストーリーを検討する段階でボスキャラクターを設定するところから始まり、いくつかの候補の中からカール大帝を起用することが決定した。そこでTYPE-MOONより「主人公をシャルルマーニュにするのはどうか」との提案がなされ、設定・ストーリーが構成されていったという。当初シャルルマーニュのキャラクターはダークヒーロー系であったが、紆余曲折を経て現行の「ノリが良くて可愛い後輩」系キャラクターに落ち着いたとのことである。ほかのサーヴァントについては、まずロビンフッドとドレイクは前作『EXTELLA』の時から登場させたいという意図があったため最初に参戦が決定した。またアクションゲームというジャンルの特徴を活かすため、派手なモーションが映えるサーヴァントとしてランスロット、イスカンダルと因縁があり、さらに巨大な3Dモデルを動かすというインパクトの大きさを考慮してダレイオス三世などが選出されている。師弟対決やライバル対決を再現して楽しめるのではないかとの考えもあり選択されたスカサハやアルジュナ、ジャンル的に攻撃手段が斬撃に偏りがちであるため別の攻撃方法によるアクションも楽しんでほしいという意図から飛び道具や海魔召喚といった一風変わったスタイルを持つジルなどもおり、シナリオ面だけではなく総合的な判断でサーヴァントを選出したとのことである。
**以上のこともあり、結果的に新規参戦サーヴァントはその多くが誰かしらに因縁関係を持っている面々となった。シャルルマーニュとカール大帝は互いにその存在が不可分ともいえる関係にあり、またジルはジャンヌ、ランスロットはアルトリアとガウェイン、スカサハはクー・フーリン、アストルフォはシャルルマーニュ、ダレイオス三世はイスカンダル、アルジュナはカルナとそれぞれ関係がある。
*OP映像は『EXTRA CCC』や前作『EXTELLA』のようなアニメ映像ではなく、3Dグラフィックモデルによるムービー映像となっている。これについてはEXTRAシリーズにおけるアニメーション制作を手掛けているシャフトがちょうど『[[Fate/EXTRA Last Encore]]』を制作していた時期だったために、ゲームの方まで受注できなかったのではないかという見方がある。
*本作は最初からプラットフォーム(媒体)がPS4およびPSVitaと決まっており、リリース時期も企画当初からある程度定まっていたとのこと。
**その後、当初から予定があったかは不明だが前作同様にNintendo Switch版の発売が発表され、同年10月10日より予約受付が開始された。ただし前作とは異なる点がいくつかあり、PS4/PSVita版で配信中のDLC衣装はソフトに収録されないため後日有料でダウンロードする必要がある。またNintendo Switch版で新規収録される「ふにふに衣装」については後日PS4/PSVita版でも有料DLCとして配信された。