Fate/Apocrypha
;「……確かに、私は父にも母にも愛されなかった。それでもやはり、血の繋がりの証とも言えるものを取り戻したい。<br> 我欲に塗れていると言っても否定はできません。そもそも、今更不死になったところで何か変わる訳でもない。<br> ただ、それでも───」
:フィオレに語った自らの願い。父と母とのささやかな繋がりを求めて。
;「ええ、教師ですよ」
:ライダーにホムンクルスへの接し方についてアドバイスした際、「まるで教師みたいな言い方だなぁ」と言われた事への反応。彼が正論や合理的な思考に囚われた堅物ではなく、柔軟な対応ができる人物であることが良く分かる。また大英雄達の後見人であった自負も垣間見える。
;「なるほど。仮にもこれが聖杯戦争であるならば、こういう可能性もまた有り得なくは無かったか。<br> ………運命というものは、時に死者である我々にまで牙を剥く」
:赤のライダーとの戦いを終えた際のセリフ。生前に知己を得た者と殺し合うという、運命の悪戯を苦々しく思いながらも、主に勝利を捧げるため、そして自らの願いを叶える為彼を倒すことを決意する。
;「愚問ですよ。此度の聖杯大戦において、私は“黒”のアーチャーとして顕現した。そして君は“赤”のライダーとして顕現した。<br> 互いに懸ける望みがあり、未練があった。だから此処に居るのでしょう。私も、そして君も」
:「どうして、貴方が」と問う嘗ての弟子に返した至極当然の返答。愕然とする弟子を厳しい言葉で撥ね付け、ただ「戦え」と言外に告げる。
;「キャスター、君はまさか───」
:この時、彼の声は凍るように冷たい。[[アヴィケブロン|キャスター]]がシロウの誘いに乗る条件として「元のマスターであるロシェに危害を加えるな」と提示した際に、その真意を悟ったが故の激怒。
;「当然でしょう。迷う者を導くことが教師の務めです。<br> 英霊になったからといって、生前からの務めをおろそかにはしませんよ」
:カウレスにフィオレがユグドミレニアの長になった場合、人間的な精神を持った彼女は耐えきれなくなる可能性が高い事を語って。最終的に座に還る英霊にとっては、例え自分のマスターであってもその後の事は無関係といっても良いのだが、数多の英雄を教導した大賢者は最後までマスターの事を考えていた。
;「では最後に。<br> 私は、<RUBY><RB>バーサーカー</RB><RT>フランケンシュタイン</RT></RUBY>のマスターが貴方で良かったと思います。恐らくは、彼女自身もそうでしょう」
:カウレスとの問答の終わり。カウレスがバーサーカーを無駄死にさせてしまった、と気に病み続けていた事を見抜き、別れ際に言い放つ。明確な保証のない言葉だったが、カウレスの心に慰めをもたらし、彼が張り続けていた虚勢は脆くも崩れ去った。<br>マスターだけでなく自分にまで教えを授けて去っていく彼の姿にカウレスは「どこまでも教師なんだな、アイツは」と密かな感謝の念を込めて呟いていた。
;「おや。修羅場ですか?」
:[[ジャンヌ・ダルク|ルーラー]]と[[アストルフォ|ライダー]]が[[ジーク]]を巡って論争していた場面に対して。彼にしては珍しく口を押さえてくつくつと笑っていた。
;「空に浮かぶ射手座。それが私であるならば、私は常に矢を番えている。<br> つまり宝具はもう発動済みです。真名を発動させる必要すらない。<br> 何故なら、矢は既に放たれているからです」
:教え子である[[アキレウス|赤のライダー]]との一騎打ちにて一瞬の隙を突かれ致命傷を受けたケイローン。決闘の条件に黒の陣営に彼の宝具を貸し出す約束を取り付けた直後に油断した赤のライダーの隙を突いて宝具「<ruby><rb>天蠍一射</rb><rt>アンタレス・スナイプ</rt></ruby>」の一射を投下。上空から何の前触れもなく、赤のライダーの踵を正確に射抜いた。
;「マスター。最後の最後で、私はようやくサーヴァントとしての務めを果たせたようです。<br> どうか、最後の教え子であるあの子たちが夜空の星のように輝きますように」
:黒の陣営にとって最大の難敵になるであろう赤のライダーの不死性を奪い、戦闘機と共に落下していくケイローン。二度目の生で出会った[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|最後の]][[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|教え子たち]]の生き様とその未来を胸に刻みながら、彼はサーヴァントとしての役目を終えた。