Fate/Apocrypha
;「──そのゴーレムは、決して無敵という訳ではない。<br> ──むしろ、如何なる方法で死すのかを刻み込まなければならない。<br> ──僕が作るゴーレムは生を獲得する。だからこそ、死ぬ。<br> ──ゴーレムとは、ただ単に土人形を動かすだけの術式ではない。<br> ゴーレムとは、生命の創造……即ち、<RUBY><RB>原初の人間</RB><RT>アダム</RT></RUBY>の模倣である。」
:ロシェに語った、目指すべき目標。ただ有能なゴーレムを造ればいいと思っていたロシェはこの言葉に感銘を受け、更に彼に心酔することとなる。
;「僕は弱いからな……あれなら、一撃だ。」
:どこまでも<RUBY><RB>筋肉</RB><RT>マッスル</RT></RUBY>な赤のバーサーカーと自分を比べて言った、自嘲的なセリフ。<br>病弱な自分の体に若干コンプレックスがあるのかもしれない。
; “<RUBY><RB>地</RB><RT>はは</RT></RUBY>に産まれ、<RUBY><RB>風</RB><RT>ちせい</RT></RUBY>を呑み、<RUBY><RB>水</RB><RT>いのち</RT></RUBY>を充たす”<br>“<RUBY><RB>火</RB><RT>ぶき</RT></RUBY>を振るえば、<RUBY><RB>病</RB><RT>あくま</RT></RUBY>は去れり。不仁は己が頭蓋を砕き、義は己が血を清浄へと導かん”<br>“霊峰の如き巨躯は、巌の如く堅牢で。万民を守護し、万民を統治し、万民を支配する貌を持つ”<br>“汝は土塊にして土塊にあらず。汝は人間にして人間にあらず。汝は楽園に佇む者、楽園を統治する者、楽園に導く者。汝は我らが夢、我らが希望、我らが愛”<br>“<RUBY><RB>聖霊</RB><RT>ルーアハ</RT></RUBY>を抱く汝の名は────『<RUBY><RB>原初の人間</RB><RT>アダム</RT></RUBY>』なり”
:湖に沈む『<RUBY><RB>王冠・叡智の光</RB><RT>ゴーレム・ケテルマルクト</RT></RUBY>』の起動呪文を詠唱する。
;「……僕を糾弾し、僕を非難するがいい。<br> 確かに君は僕を尊敬し、崇拝してくれていた。<br> 君が僕に向けてくれた感情は実に心地よかった。それは決して嘘ではない」<br> ──けれど。考えてみるがいい。<br>「僕は人間嫌いであり、厭世的だ。<br> 人と目を合わせることすら億劫だからこの仮面を被り、皮膚が弱いから全身を覆い隠している。<br> そんな僕が君を切り捨てる算段を整えないと何故信じられたのだ──?」
:何故、どうしてと問うロシェへ、アヴィケブロンは最後に告げる。<br>どうしようもなく開いた溝。互いを理解できなかった、しなかったが故の、致命的なすれ違い。
;「さあ────世界の救済を始めようじゃないか、僕のゴーレム。<br> 戦い、殺し、殲滅させ、世界の楽園を築こう。<br> それで下らない戦いも終わる。下らない社会も終わる。」
:ロシェという「炉心」を得て誕生を果たした『<RUBY><RB>王冠・叡智の光</RB><RT>ゴーレム・ケテルマルクト</RT></RUBY>』。彼らは往く。世界を楽園へと塗り替えるために。
;「任せたぞ『<RUBY><RB>叡智の光</RB><RT>ケテルマルクト</RT></RUBY>』! お前ならば、この大地に……必ず、必ずや楽園を創造できる!<br> 世界を、人を、我らが民を、救い給え!」
:致命傷を受けたアヴィケブロンは最期の望みを託し、自らの存在を糧として『<RUBY><RB>原初の人間</RB><RT>アダム</RT></RUBY>』に沈む。