メモ
* 『EXTRA』作中では真名が明言されておらず『Fate/EXTRA material』でようやく「覚者(ブッダ)」と確定した。
** 誤解が多いがブッダ(仏陀)は個人名ではなく「悟りを開いた者の称号」といったもの。つまり冬木の聖杯戦争における[[ハサン・サッバーハ]]のように「覚者の称号を持つ何者か」であって、仏陀そのものは別の世界にも存在するとされ特定の個人名までは特定していない。ただし宗教にもよるが仏教において悟りを得た最高の聖人は阿羅漢という称号で呼ばれ仏陀を単純に称号として使うことはあまりない。
***宝具における'''アミターバ'''とは'''阿弥陀仏'''のサンスクリット名であるが、宝具に使い手以外の個人名を使うのはいくつか例があり、[[殺生院キアラ〔アルターエゴ〕]]の宝具名にも「アミダ・アミデュラ」という名称がついてる事から恐らく救いの仏というイメージを阿弥陀仏の名を使う事で表現しているのだろう<ref group = "注">余談だが阿弥陀仏が修行開始時に持っていた名は<ruby><rb>法蔵</rb><rp>(</rp><rt>ほうぞう</rt><rp>)</rp></ruby>(ダルマーカラ)である。</ref>。
*** ただし容姿やトワイスなどからされる紹介、使用スキルなどから、'''基本となるモチーフ'''はほぼ間違いなく「釈迦(ゴータマ・シッダールタ)」であると推察でき、多くの仏教の宗派では基本的に仏陀≒釈迦として扱われているので個人名は出さないが言外に…という宗教的な配慮がされているのだろう<ref group = "注">事実、ビジュアルファンブックにおいてキャラクター原案の武内氏が「[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%83%E3%83%80_(%E6%BC%AB%E7%94%BB) 『手塚治虫のブッダ』]を買ってきて一気読みした」とほぼ確定的なコメントをしている。</ref>。
****ちなみにインド神話と関連深いヴェーダでは釈迦は、[[ラーマ]]やクリシュナと同じくヴィシュヌのアヴァターラとされているが、インドの宗教の伝統を否定した側面もある仏教はヒンドゥー教等のインド宗教では良いイメージを持たれているとは言えず、実際釈迦のアヴァターラとしての役目も「偉大なるヴェーダ聖典を悪人から遠ざけるために、敢えて偽の宗教である仏教を広め、人々を混乱させるために出現した」とされ'''ヴィシュヌのアヴァターラとされる釈迦という設定は必ずしも好意的な設定であるとは言いにくく、宗教的にも非常にデリケートな面を持つ'''という点に注意すべきである。
****なお、後の『Grand Order』ではほぼほぼ「釈迦如来」として扱われている。玄奘三蔵の宝具「五行山・釈迦如来掌」で登場していたり、『Grand Order material Ⅳ』における玄奘三蔵の覚者への反応が「いつだってお釈迦様の加護があるわ。だからみんな大丈夫!」となっている辺りは特に顕著。
* このサーヴァントを獲得するマスターは、善悪はどうあれ『人類を救う』理念に開眼している。
* 「対英雄」や「菩提樹の悟り:EX」は極めて強力なスキルだが、主人公のサーヴァントは反英雄や神性を持つサーヴァントが多く、運よくこのスキルを軽減出来る条件が揃っている。
* 歴代二人目となる『カリスマ:A+』の持ち主。<br>それまでは英雄王[[ギルガメッシュ]]しか該当者のいなかったランクだけに、セイヴァーの突出したカリスマ性が見て取れる。<br>もっともセイヴァーは全世界に広まる大宗教の一つであると同時にその開祖でもあり、数多の人々を信仰の下に救ってきた救世主にして、現代社会において多大なる影響を現在進行形で与えている偉人である。そのため『カリスマ:A+』という評価はむしろ妥当といえるだろう。
* トワイスが消滅しても特にダメージを受けた様子すら無く任意で帰っているが、これは[[玉藻の前]]がムーンセルの強制消去に耐えていたように「大元の存在が規格外であるが故に耐性があること」が理由の模様。
* 全く正反対の人物に見えるが「マスターの行き着く果てに慈悲を示し、間違っていると知りながら仕えていた」というサーヴァントとしての在り方は[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|アンデルセン]]と同じ。
* 前述した通り「この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者」「地上でただ一人、生命の真意に辿り着いたもの」だとトワイスが説明している。<br>ただしTYPE-MOONの世界ではどうなのか不明だが、一般常識として釈迦は自分が最初の仏陀であることも最後の仏陀であることも明白に否定している上、5000人以上の弟子に「私と同じ悟りに達した<ref group = "注">ただし、全知者たる仏陀になったという意味ではなく、すべての煩悩を滅ぼした阿羅漢になったという意味と取るのがどの宗派でも常識。</ref>」と言っているので、その点から言って上記のトワイスの理解は明白におかしい。『手塚治虫のブッダ』ではそんな扱いだが……。
** そもそも仏陀が複数いるという概念の無かった頃の初期の原始仏教や、ある種の流派の大乗仏教<ref group = "注">日蓮を崇拝する宗派や、その母胎となった天台宗など「法華経」を重んじる宗派。</ref>には、釈迦を久遠の過去に悟りを開き、一切の仏を自身の化身とする根源的な仏とする見解もあるため、「釈迦如来唯一人を仏陀として認定する」というトワイスの意見は別に間違いではない。
** 釈迦が認めた弟子達はいずれの宗派においても、「煩悩の滅尽」という点では釈迦と等しいものの、その「一切を知る智慧」においては師である釈迦には遥かに及ばないとされる。
** ある種の密教宗派の世界観では<ref group = "注">弘法大師・空海の系統につらなる密教グループ。</ref>、生前の釈迦は大日如来の応身(教えを広める為に現世に現れる化身)として扱われ、入滅後には大日如来と同一の存在(報身)として扱われる。大日如来とは、一切万象と同一である汎神論的な如来。
*** ちなみに[[玉藻の前]]の大本の大本である天照大神も型月においては大日如来とされている。つまり彼女とセイヴァーも非常に遠いが元は同一の関係性でもある。両者共トワイスに仕えていた辺り彼は不思議な縁がある様だ。
* 嫌いなものに「毒茸」とあるが、これは釈迦がスーカラマッタヴァという茸の入った料理(ただしどのような料理だったかは諸説ある)を食べた際、その毒に当たってしまったことが原因と思われる。
* 『EXTRA』のサーヴァントでは唯一CVが設定されていなかったが、サウンドドラマ版では原作者である奈須きのこ氏などの要望を元に田中秀幸氏が担当することになった。
* 『Fate/Grand Order』で言及・示された仏の力として「時間軸に縛られない(これ自体は規模の大きい神霊なら大体無視できると金色白面の際に語られていた)」「他者の記憶を封じる」「世界の端と称された掌で仏敵を押しつぶす」「筋力Eの弟子に力の極一部を貸す事でランクBの対城・対軍宝具を使用させる」と今まで語られた以上に多くの強大な力を持つことが語られた。また「五行山・釈迦如来掌」の宝具の説明や逸話からして恐らく本来は彼自身が同じ技を使用できる、というかこっちの方がオリジナルだろう。
** 「釈迦の掌」には様々な意味があるが、世界の端となれば『西遊記』の孫悟空の逸話が有名と言える。「孫悟空はかの觔斗雲で飛行し世界の端に来たと思い、そこにあった世界の柱に落書きをしたが、戻ってみるとその落書きは釈迦の指に描かれており、結局は釈迦の掌から抜け出せていなかった」という逸話である。ちなみに觔斗雲の移動距離は宙返りすると10万8000里=6万500km移動すると描かれている。ちなみに地球一周は4万Km、あながち世界の端という表現も間違いでは無い。
* 同じく「菩薩」として悟り仏に至った[[玄奘三蔵]]曰く「仏は人類の存亡について、それすらも大きなうねりの一つとして認識しており決して関与しない」という事が語られた。
** その為、人類史を修復する為に英霊達が多く集うカルデアでも召喚は非常に厳しいと思われる。以前から『Fate/Grand Order』への登場が疑問視されていた中でのこの情報だが、同時にシナリオ中に名と存在が示唆される・宝具の演出とは言え姿を見せる等の描写もあり、トワイスの前例があるように個人を救済するために動く可能性もまだ残っているため、彼が登場するかは仏のみぞ知る。
*その正体から他作品で'''もっとも登場させにくいサーヴァント'''の一人とも称される。サーヴァントでありながら他作品では表現や活躍がさせにくく、出しにくいとされるサーヴァントは[[ペイルライダー]]や[[マックスウェル]]等が居るが、このキャラの場合は宗教的側面という別の方向性で出すのが困難なタイプである。その為他作品で登場出来たのも何でもありな「ちびちゅき」や「コハエース」、FGOで[[玄奘三蔵]]の宝具で少しばかり登場しただけである。
**その為原作でラスボスを張ってたとはいえ、登場出来ないかもしれないとファンからですら半信半疑であったアニメでの登場に多くの人が驚いた。しかし本編に出すのが精いっぱいなせいか、アニメの広告、PV、グッズなどの関連商品などでも第一話から登場しているにも関わらず、一切姿を出さない徹底ぶりであった。
**なお出しにくいのは確かではあるが、ペイルライダーやマックスウェルなどと比べればまだ容易な方である(なんだかんだで覚者がゲームやアニメに登場しているのも恐らくそのため)。まあそもそもこの二名はアニメ化もまだであり、片方は作品の完結すらしてないので単純に出るチャンスが未だに訪れて無いと思われるが。
**他作品での直接登場こそ無いものの、その存在が何かしらの影響を与えている事例はいくつか存在する。…中には、彼の意思とは全く関係無いところで遺骨(実際の真偽はともかく)が'''[[荒耶宗蓮|ドーピング]][[青岩院|の材料]]'''として使用されるという迷惑この上ないケースもあるが。
*『一に還る転生』のダメージ値の'''五十六億七千万'''は、釈迦の入滅から五十六億七千万年後に弥勒が次の仏陀として現れるという伝承<ref group="出">[https://kotobank.jp/word/%E5%BC%A5%E5%8B%92%E8%8F%A9%E8%96%A9-640508#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 「弥勒菩薩」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)(執筆者:定方 晟)]</ref>に由来すると思われる。<ref group="注">人口に比例すると言われているが、これはデマである。そもそも『Fate/EXTRA』が発売された2010年の時点での世界人口は68.8億人であり、56.7億人は1990年代の世界人口である。</ref>
*元ネタである仏教において、如来に届いていない菩薩さえ遥かに強大である。たとえば観世音菩薩は千変万化の力を持ち、無上の力を持つ者は、勢至菩薩の知恵によって支えられているという。