生前
;メルセデス
:愛し合った相手。しかし二人の仲は第三者により引き裂かれ、その傷心につけこまれてフェルナンに体を許し結婚。アルベールという一人息子まで産んだが、心は決して折れておらず、生きているかどうかも分からぬダンテスを愛し続けていた。その為作中では唯一、モンテ・クリスト伯の正体がエドモン・ダンテスだとひと目で気づいている。
:後にフェルナンの悪行とダンテス自身に起きた一連の出来事を聞かされ、息子共々夫を見切り捨てた。
;[[ファリア神父]]
:シャトー・ディフで偶然から出会った老賢者。この世界において聖堂教会に属した者。
:「人々は愛され、救われるべきである」と心から信じていた、敬虔で高潔な人物。
:第八秘蹟会やその裏で蠢く陰謀に気づき、いつの日か人類の未来を照らすだろう輝きの欠片であるモンテ・クリスト島の秘宝「十四の秘石」を教会から奪い隠し、その結果として、ブラーガ、タランテラら三賢人によって「イタリア統一を企てた重大犯」という濡れ衣を着せられ、シャトー・ディフに送り込まれた。また彼はタランテラに掛けられた呪いによって、その真実の多くを語ることが出来なくなっていた。
:神父は獄中で出逢った、地獄の中に在って輝きを失わない無垢で誠実な青年、ダンテスに全てを託すことを決めた。互いに親子と認め合うほどの絆を育みながら、神父は彼に様々な知識を与えた。
:元は教会の人間ということから「神秘」の領域についても知識があり、ダンテスにはその存在を示唆していた。
:そしてモンテ・クリスト島の秘宝を埋め込み、最後には自らの死により彼を解き放った。
;[[エデ]]
:小説『モンテクリスト伯』においては、エドモンが復讐の為に利用すべく救い出した少女。
:元はさる王族の姫だったが、エドモンの復讐相手フェルナンの裏切りにより家族も地位も全て奪われ、奴隷になっていたところをエドモンに救われた。
:エドモンを深く愛しており、最後は彼女を置いて去ろうとする彼に愛を打ち明けて彼の心に救いをもたらし、共に新しい人生へと旅立っていった。
:原典においては二十歳にもならないまだ若い少女であり、四十を過ぎたエドモンにとっては義理の娘としか思えず、彼女の恋心に気付くのは物語の最後も最後であった。彼女もまたエドモン・ダンテスと同じく、この世界の陰にて実在した存在である。
:「英霊伝承異聞」においてはダンテスと念話のような会話を可能としており、ダンテス以外の人間には存在を感知されていない。彼の「お前の眼は運命さえ見通すのかも知れない」という言葉やただの幻だという認識も相まって謎に包まれた人物。彼の遺物についても言及しており、そもそも人間であるのかすら判然としておらず、遺物に纏わる存在であることも伺える。
:自身がカルデアに召喚された際は、彼女も自身の霊基の片隅に同行していたが、自身は精神を負傷していたためにその存在を認識できなかった。
;モレル氏
:投獄される前のダンテスの雇い主であり、彼の乗っていた船「ファラオン号」の持主。
:ダンテスが投獄された際には残された彼の父親やメルセデスを気にかけつつ復古したナポレオンに彼の解放を願い出るなど懸命に動いてくれていたのだが、ナポレオンの再度の失脚によりそれらの行動が「熱心なボナパルト派」という疑惑に変わり苦境に立たされてしまう。
:その後不幸が重なり負債が膨らみ、自殺による名誉の維持とそれに伴う同情による遺される者達の状況の緩和を覚悟するほど追い詰められるが、裏から手を回したダンテスにより苦境を脱し、死の間際に家族らに「きっと墓から出てきたエドモンが助けてくれたのだ」と語り、穏やかに天寿を全うした。
:「英雄伝承異聞」では上記の事情に加え、ダンテスへの攻撃の一環としてタランテラにより縁者を殺害されるという不幸にも合っている。
:なお、モレル氏の息子マクシミリアンは立派な若者として成長を遂げており、彼の誠実な態度とヴィルフォールの娘への一途な恋心が、最終的にダンテスへの救いへと繋がっていく。
;アルベール
:フェルナンとメルセデスの一人息子。母親に似て誠実で優しい心の持ち主だが、良くも悪くも純朴で世間知らずな典型的箱入り息子。
:旅行中盗賊団に誘拐されかけた所をダンテスに助けられ、父や友人達とは違う洗練された姿に憧憬を抱き心酔していくが、当人は復讐への足がかりとして利用したに過ぎない。
:全てを知った後で一度は憎しみを抱くも、母親伝いに父親の悪行とダンテスの身に起きた一連の出来事を聞かされ、彼を許すと同時に母親共々フェルナンを見切り捨てた。
;ジョヴァンニ・ベルトゥッチオ
:モンテ・クリスト伯の家令。
:コルシカ島の密輸業者であったが、濡れ衣を着せられたところをダンテスに救われ、以後モンテ・クリストに仕えるようになる。
:元陸軍中尉であった兄がいたが、不審死を遂げたその兄の捜査を「ナポレオンの部下だったから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
:結果的に彼が引き取って育てていたヴィルフォールの私生児が、その復讐を果たす一因となった。
;フェルナン・モンテゴ、ダングラール、ジェラール・ド・ヴィルフォール
:復讐対象となった三人の男達。
:フェルナンはメルセデスへの横恋慕故に、ダングラールは若き船長という約束された未来への妬みに、ヴィルフォールは己と父の保身の為にエドモン・ダンテスを陥れた。
:ダンテスが脱獄した時にはフェルナンは軍人、ダングラールは銀行家、ヴィルフォールは検事総長として出世を果たし、フェルナンはメルセデスと結婚し子ももうけていた。
:後に帰参したダンテスにより社会的破滅や経済的痛打、時には家族までも巻き込んだ報復を受け、自殺、茫然自失、発狂と悲惨な末路を遂げる。
:しかしダンテスはこの中の誰一人として直接手にかける事はなく、逆に罪なき家族を巻き込んでしまったことで深い後悔に苛まれてしまう。
;ガスパール・カドルッス
:準復讐対象とでも言うべき相手。ダンテスのかつての隣人であり、ダンテスの父が窮しているのを知っていながら借金を取り立て、餓死するのも放置していた(老ダンテスが息子を待つのに疲れて自ら餓死を選んだのもあるが)。
:ダングラールとフェルナンが悪事を企てていた現場に偶然居合わせていたものの、酩酊していたために看過。その後ダンテスが逮捕された時は二人に真実を暴露するよう訴えたものの、逆に現場にいた自身を巻き込むと脅迫されて黙秘してしまう。
:この「間の悪かった」出来事に端を発して二転三転の人生を送った末に殺害されており(ダンテスによってではない)、自身の再度の妨害に現れたジャンヌにダンテスはそのタイミングの悪さを「カドルッスにも匹敵する」と罵倒している。
;[[コンチェッタ]]
:ダンテスの従者。
:モンテ・クリスト伯の家令ジョヴァンニ・ベルトゥッチオの従妹。ダンテスを「おじ様」と慕う。
:コルシカ人の密輸業者の娘であり、幼少の頃からダンテスに面倒を見てもらっていた。またエドモン・ダンテスの本名も知っている。不審な死を遂げた従兄(ジョヴァンニの兄)の捜査を「コルシカ人だから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。普段は伯爵の従者たらんと男装と共に自身を律しているが、本来はよく笑い歌う少女であったという。
:ダンテスに遺物の在り処を語らせるため、タランテラによって強襲を受ける。勇敢にも抗って致命傷を負わせるも、死徒である故に再生され、殺害されてしまう。最期の一時までエドモンダンテスの救済と安寧を願い、彼を強く想っていた。彼女の死を以てダンテスの遺物は、その異能を発現した。
;[[アンジェロ・ブラーガ]]
:ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。
:エドモンは屋敷へ招いて毒殺を謀るもブラーガが「特殊な訓練を受けている」為に効き目はなく、[[概念武装|黒鍵]]と聖書のページで構成された籠手により逆に追い詰められてしまう。
:しかし、奥の手である「地中に埋めた爆薬の炸裂」で致命傷を負わせ、最終的に持ち主に返す形で、黒鍵を心臓に突き刺し殺害した。
;タランテラ
:ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。[[代行者]]であり、『月姫』世界における[[ミハイル・ロア・バルダムヨォン]]。
:ダンテスの暗躍を察知し、聖遺物を隠し持っていると思われる彼を誘うべく伯爵の知己を殺めた。その犠牲者の中には伯爵のかつての恩人であるモレル氏の縁者も含まれている。
:ファリア神父曰く「運命との出逢い」を経ることがなかったので、純粋な『永遠を求める魔術師』として在り続けている。
:世界の基盤が異なることと上記の出逢いを経ていないため『月姫』世界より大きく弱体化しているが、死徒化はしている。これによりダンテスは『当時の人間に可能な策と罠、武装』で彼と相対するも一方的に蹂躙され、挙句にコンチェッタを殺されてしまう。
:しかし、人を『火の王』として造り変える十四の遺物あるいは十三の秘宝で超常の存在へと化したダンテスの黒炎により、魂まで焼き尽くされて消滅した。
:彼曰く、ダンテスの黒い炎は『'''神なき人々が見る絶望。地獄'''。虚無の火炎』と称されるモノであり、神話の域に在る存在らしい。彼はファリア神父と同じく遺物が何であるのかを知っていたようだ。
;枢機卿
:ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。
:ブラーガ、タランテラを葬った後、ダンテスによって失脚させられた。
;[[ナポレオン]]
:フランス皇帝。モンテ・クリスト伯の物語開始時点では失脚してエルバ島に幽閉されており、その後復権するも間もなく再度失脚する。
:若き船乗りエドモン・ダンテスが、エルバ島にともに幽閉されていたナポレオンの側近・ベルトラン元帥あての荷物を配達した際、ナポレオンに面会してしまったことが、エドモンを陥れる陰謀に利用される。その後復権した際にはらモレル氏よりエドモンの開放を訴えられるが、その結論が出る前にワーテルローの戦いに敗北して再度失脚してしまう。
:エドモンを直ちに開放できなかったことを座に招かれて以後も悔いており、カルデアに召喚された後も憎悪の対象だろうと思いこんでいた。
:なお史実においてはダンテスのモデルの一人であるデュマの父、トマ=アレクサンドル・デュマ将軍と極めて仲が悪く(黒人ハーフである彼への差別意識、ナポレオンと全く異なる彼の美丈夫さや前線兵士からの信頼に対する嫉妬であろうとされる)、デュマ将軍を失脚させてその名誉を剥奪し、またフランス革命前後に進められた、黒人や奴隷の権利関係を全て撤廃するなどの行為を働いている。
;[[アレッサンドロ・ディ・カリオストロ]]
:何度か敵対したことがあるらしく、カルデアでは彼を見て「顔を見るだけで怖気がする」と言及している。
:奏章Ⅱでは悪性情報として主人公の精神に居ついた彼を倒すため、「不可逆廃棄孔 イド」を作成した。
;[[テオドリック〔オルタ〕|テオドリック]]、[[ラ・ベート・デュ・ジェヴォーダン]]
:生前に相対した存在たち。
:1838年に復讐対象であるフェルナン・モンテゴの調査部隊が彼らによって全滅したため、「そんなことで彼に失脚されては自らの手で復讐できない」として自らの手で討伐した。