話題まとめ
;トロイの木馬
:トロイア戦争において難攻不落を誇るトロイにアカイア軍は幾度も攻撃を仕掛けるが、堅牢な城壁に阻まれて攻撃は悉く失敗。戦いが10年に及ぶ頃、正攻法では勝てないと判断したオデュッセウスは一計を案じる。
:ある朝、アカイア軍はトロイから姿を消し、城門の前には巨大な木馬が置かれていた。この木馬を勝利の証と思い込んだトロイ軍は王女カサンドラの警告を無視して中に運び込んで盛大な勝利の宴を催す。だが、木馬の内部にはオデュッセウスらアカイア軍の兵士が潜んでおり、トロイの城門を内部から開けてしまう。
:城門が開かれると、撤退した筈のアカイア軍は怒涛の勢いでトロイに攻め込み、トロイを一夜で滅ぼす。
:潜入、なりすまし、偽装などの故事としても知られ、コンピューターやインターネットの普及後はコンピューターウィルスの名称にも用いられている。
;最古の海賊
:智将のイメージが強いオデュッセウスだが、ホメロスの『オデュッセイア』では行く先々で略奪を繰り返したと記述されている。トロイに辿り着くまでに立ち寄った9つの町全てで略奪を行い、トロイ陥落後は金銀財宝を奪いつくし、更に故郷に帰るまでの20年間にも略奪を行わなかった日は無かったとされている。この為、オデュッセウスを'''世界最古の海賊'''と見る向きもあるという。
;意外にお茶目
:Fateのオデュッセウスは「基本はクールだが時折天然ボケをかます」「興味があるなら首を突っ込みたがる」というキャラクターであるが、実は原典でもそういう一面が描かれていた。
:ある航海の途中、歌声によって精神に作用し自殺や発狂へ追い込む海の魔女「セイレーン」の噂を聞いたオデュッセウスは「'''歌声が美しいのなら一度は聞いてみたいなあ'''」と少々危うい興味を抱く。
:船長たる自分の死は船団壊滅の原因になるが、'''それはそうと「聞いたら死ぬ歌」をぜひ生きたままで聞きたい'''。そんな興味が抑えきれなくなった彼はある奇策を思いつき、止めようとする部下を説得した。
:狂って自死するのなら物理的に死ねなくなればいいと、'''自らを縄でガチガチに拘束された状態でマストに括り付けてもらい'''、セイレーン出没海域にいる間は自分が何をしても気にせず船を進めてくれと部下たちに命じた。
:当然ながらセイレーンの歌を聞いた彼はジタバタと暴れ今すぐにでも海に飛び込みたがったり意味のわからない事を喚いていたが、事前の指示で耳栓装備済みの部下達は狂乱中の彼を完全無視して海域突破に勤しんだという。