本編
; 「そうなのか? ……それはそれで悲しいな。強く生きられよ、そこな騎士よ。」<br>(……私が指摘したのは彼一人だけではないのだが……まあ、そこはよいか)
: 主人公から事態を悪化させないためとはいえ「円卓の騎士じゃない」と言われてションボリしてしまったベディヴィエールへのフォロー。やはり何だかんだで人が良い。
:そして何だかんだでマシュに宿った英霊の正体もある程度は見抜いている。
; 「うむ、それは困った。実に困った。<br> どこかに我々以上に強く、単独行動に向いており、しかもサーヴァントを使役できて、力になってくれる、そんな御仁がいればいいのだが……」
: 連携を渋る百貌と別件の対策に手をこまねくようにしながらもその実、[[主人公 (Grand Order)|ある人物]]に目を向けながら。口車に乗ってしまった百貌はもうぐうの音も出ない。
; 「……それもこちらの台詞ですなあ。<br> 我らなぞより、貴方が背負った責務の方がよほど大事だ。<br> ご武運を、ベディヴィエール卿。<br> かつて我らの英雄を騎士と呼び、敵でありながら讃えた王がいましたが……<br> 貴方はその人物によく似ている。<br> 騎士道というのも捨てたものではないようだ。」
: トリスタンの相手を自分達に任せ、今までの感謝の言葉と共に先へと進んだベディヴィエールへと向けた台詞。
: 薄々とベディヴィエールの事情を察していたらしく、彼の旅の結末を案じるとともに、話に聞いたとある王の姿を彼に重ねた。
; 「ギフトなぞ我々には必要なし。<br> 痩せた土地と共存し、この地に生きる同胞を護り、この地に起きた教えを全てとした!<br> 他の国なぞ知らぬ! 理想の国なぞ知らぬ! 我らは、この土地に住む人々を愛した!<br> 我らはその為に生き、その為に死んだのだ! それが我ら山の翁の、原初の掟である……!」
: ギフトに縛られてもいないのに何故己諸共魔神の腕に喰わせることができるのか、と問いただすトリスタンに対する呪腕のハサンの返答。
: ただ己の生まれ育った大地と、そこに生きる人々、その地で生まれた神の教えを護るために生きるという山の翁の掟、そして何より呪腕のハサンが最も大切に思ってきた最愛の人とその子を護り抜こうとする信念。それこそが呪腕のハサンの誇りであり、己の名を捨て、素顔を捨ててまで山の翁を目指した理由であった。
; 「なんと……なんと、いう事だ―――<br> 貴方はこう言われるのか。この時代に留まり、山の民の復興に尽くせ、と。<br> はは……ははは。私も、多くの仕事をこなしてきましたが――<br> これ以上やりがいのある仕事を、他に知りませぬ。このハナム、一命に換えてもやり遂げましょう……。<br> そして……それが成った暁には……改めて、恩を返さねばなりますまい。<br> カルデアの○○―――さて、うまく縁が結ばれればいいのですが……<br> 私、この通り未熟者ですからなぁ。うまくお役に立てるか、今から心配ですぞ?」
: 『山の翁』に首を刎ねられることなく『ハサン・サッバーハ』の任を解かれ、かつての名前であるハナムを取り戻した彼は名乗りながら誓う。
: かつて名を捨て、顔を捨て、結果として19名の山の翁の中に埋もれるという結末を迎えた彼は、呪腕を代償に一矢報いた戦いの果てに『生きたまま山の翁の任を遂げた唯一の翁』という文字通り唯一の誉を得たのだ。
: その事を噛みしめながらハナムは、山の民の復興に尽くすこと、そしてその後、恩を返すためにカルデアへと赴くことを心から誓うのだった。