プロイキッシャー
「童話の怪物」とも称される有珠の使い魔。略称は「プロイ」。<br>純血の魔女マインスターの血統に伝わる秘儀。神秘を体現する魔術世界の中にあってもすこぶるつきの異端であり、破格の魔術系統。<br>童話をモチーフとしており、元となった伝承や童話に即した使用・発動条件があるものの、発動可能であるなら、あらゆる寓話、あらゆる不思議を許容する、「[[魔法]]以上に魔法に近い」と謳われる性能を発揮する。奈須きのこ氏曰く「魔法と魔術の関係とかほとんどブチ壊し」。<br>「伝承防御」と呼ばれる特性を有しており、近代兵器では傷つかず、生半可な魔術(神秘)でも傷つかない(例外はある)。対抗するには、元となった伝承・童話に即した欠点をつく必要がある。<br>文明圏では著しく威力を削がれるため、夜と霧、深い森の中などで用いるのが望ましい。
プロイキッシャーは一つではなく数多くの種類が存在している。有珠が作った物のみならず、代々の魔女から継承してきたものもあり、正確な総数は有珠も把握していない。先代から受け継いだプロイは20個ほど、有珠の作ったものは10個ほどらしい。<br>プロイには主にマザーグースを元にしたものと、ルイス・キャロルの創作童話を元にしたものの二系統がある。魔女は自分の代で、先代から遺されたプロイを自分用にチューンナップするとされており、後者の系統は、有珠の母がルイス・キャロルにはまったためにアレンジされたものらしい。<br>
初代の魔女から伝わる三つの奇跡、特に強い三大プロイを「グレートスリー」と呼ぶ。<br>'''「第一(はじまり)より別たれた、この世で最も大きな虚構」'''<br>千年以上前に詠唱され、今も機能し続ける魔術。世界を探しても他に二つあるかないかという貴重品。グレートスリーの価格は「一つの王国より希少」と値付けられ、「至高の幻想(クラウン・ファンタズム)」と称される、魔術世界においての至宝である。<br>神代のテクスチャを現代の上に貼り付けられる事から、[[魔術協会]]においては『一つの王国より高価/貴重/巨大なもの』と言われている。<br>さらにこれらは「元々この世界にあったもの」を材料に構築されているため、現実世界とは異なる法則を内包しているのに世界からの修正が働かない<ref group="注">有珠は「世界は無数のパズルのピースが組み合わさったものであり、私はそのピースを組み替えるのではなくピースを別の何かに変化させる」と呼称しており、自分から発した別世界の法則を現実世界に適用するが世界からの修正を受ける[[固有結界]]を「デリカシーのない魔術」と嫌っている。</ref>。<br>もっとも、グレートスリーに限らず有珠がプロイを売りに出すことは基本的にないし、そもそもマインスターの血に縛られた有珠にしか使えない魔術系統であるので、売りにだすことに意味はない(ただし、有珠が起動させたプロイを他人に預けて使わせることが可能であったり、使用条件次第では有珠の知らないところで勝手に作動するプロイもある)。<br>リデルが買い取ったとされるプロイがどうなっているのかは不明。
各プロイキッシャーには元々名前がなく、かつての有珠は、強さ順や思い入れ順で順番をつけて呼んでいた。ただし、その日の気分で順番は変動する。<br>有珠の幼馴染の[[メイ・リデル・アーシェロット]]により、それでは有珠はともかく自分が困る、ということで、それまで名前のなかったプロイに名前がつけられたという経緯がある。
プロイは呪力によって編まれているため屋敷には呪いが蓄積しており、呪いが屋敷の許容量を超えそうになった際にはプロイの中のいくつかを解体して有珠は対応した。<br>
解体はプロイの呪力を解いて無力化させるもので、有珠はそれに専用のツールを使っている。<br>
人里に危険物を捨てるわけにもいかないため、解体の際に有珠は人気のない場所を選び、解体後はそれぞれに石の祠を作ってプロイたちを供養する。
プロイキッシャーリスト
;夜の饗宴(ディドルディドル)<br><br>
:''──Hey diddle diddle 猫弾き語る 牛の月越え''<br>
:''子犬大笑い、転げまわって スプーンは皿と逃げる──''<br><br>
: 本体:鈴<br> 材料:猫目石<br>猫鈴。硝子細工の青猫。<br>基本となるプロイキッシャー。地面に沈めると、夜を助長させる鐘を鳴らす。他のプロイを使うための童話詠唱が成立される下地を作り、確かなものにする。既にある場合、効果を二倍にする。<br>夜に使用した場合、基本的にディドルディドルを防ぐ術はないが、文明の光には弱い。駅前では使用不可。<br>一回限りの使い捨てで、量産はできるがそれなりに貴重品。原価は草十郎の給料二ヶ月分だとか。
;おしゃべり双子<br><br>
:''──トゥイードルダムとトゥイードルディー 戦うことになったとさ''<br>
:''ダムが言うにはディーの野郎が おもちゃを壊したからだとさ──''<br><br>
: 本体:ダイス<br> 材料:カスタネットとホチキス<br>本体である黒いダイスを振るい、出た目によって姿を変える。ダイスは二つで一セットであり、双子でそれぞれ「トゥイードルディー」「トゥイードルダム」という名がある。<br>出目によってとる姿はそれぞれ──<br> 1.人間<br> 2.計量用の重し<br> 3.ペンギン<br> 4.(振り直し)<br> 5.鍋のふた・ラウンドシールド<br> 6.ブタ<br>──ただし、有珠では六の目のブタしか出せない。双子は「六の目は出すな」と言いつつ、「ズルをしないと六の目以外は出ないが定め」とも言う。<br>ブタの姿は1メートル程のぬいぐるみで、口がホチキスになっている。噛み付くことで、「まるで本に書かれた文字になってしまったように」対象の自由を奪う。噛んだ状態だと双子も動けない。<br>人間社会に毒されているため、普通の魔術が効く。<br>時々、有珠が試運転・準備運動として館の雑事をさせているらしい。夜中に絨毯の手入れをしたり、森の中で落ち葉を拾ったりしている様が草十郎に目撃されている。
:なぜなにプロイで人間時のビジュアルが少しだけお披露目されているほか、『Original Soundtrack Repetition』のジャケットにも描かれている。
;午睡の鏡(セカンドチケット)
: 本体:有珠の部屋の鏡/館のロビーの鏡<br> 材料:古い鏡、魔女の滴<br>久遠寺邸にある鏡が本体で、有珠の部屋と、二階ロビーの直径1メートル程の鏡がある。霧として顕現して結界を作るプロイキッシャーであり、結界内の索敵と警備を担当。二つのモードがあり、三咲市全体をフォローするモードと、館限定のモードがある。<br>モチーフは「鏡の国のアリス」。結界内の物理法則を緩和、曲解する力があり、たまに暴走して洋館内にゲートを作って、通る人を鏡の中に招いたりする。鏡の中には城と多くの森、平原と川があるらしい。<br>もともとは内部に異世界を持つだけの魔術卵(エンブリオ)で、長らく壊れていたが、有珠の母と[[蒼崎橙子]]によって作り直された。<br>「三大にはなれなかったが、機能的に三大に負けていない」とされる強力なプロイ。
;名無しの森
: 本体:チェスのコマ<br> 材料:トネリコの芽<br>暗示による人払いの結界を敷く。「この先に用はない」と意識を誘導することで、結界に立ち入らぬよう人を遠ざける。「森」と呼称される結界内では、魔術的抵抗を持たない人間はそこで起きる出来事を童話の中であるかのように認識し、人物像の特定や声の確認ができないといった、あやふやな感覚におちいる。<br>本体であるチェスのコマだけでは意味がなく、土台となる地図が必要。有珠は「午睡の鏡」の表面を地図にして使用している。<br>自然物・天然素材に効果がない。
;スクラッチ・ダンプティ<br><br>
:''──ハンプティ・ダンプティ 塀に登ったら ハンプティ・ダンプティ 落っこちた''<br>
:''ハンプティ・ダンプティ 戻そうとしても ハンプティ・ダンプティ 戻らない──''<br><br>
: 本体:手製のイースターエッグ<br> 材料:オークの木と真鍮細工<br>割れる卵。囁く卵。爆弾卵。<br>モチーフはマザーグースの「ハンプティダンプティ」。大威力は持たないが、対個人戦においてトップランクに性質が悪いプロイキッシャー。特に乱戦時に嫌がらせをするのに最適。<br>鈍色をした装飾卵(イースターエッグ)で、表面には「女王アリスを讃える唄」の詩篇と扉の絵が描かれており、中からは時計の針の音がする。起動すると十倍〜三十倍に巨大化。作中では直径1メートル程の大きさになった。<br>効果は二つあり、一つは卵にとっての観察対象の近くに浮遊し、観察対象が卵から目を離すと落下して、呪いのカケラを振りまく。見ている限りは落ちないが、常に視界に卵を収めていなければ落下を防げない。落下した後に振りまく呪いは対象の五感を奪うものであり、感覚を奪われた対象は生きた石膏像のようになる。卵はもとから壊れるのが仕事なので、呪いは解呪されない限り解けない。<br>もう一つの効果は、観察対象を卵の中に閉じこめる。時限式であり、所有者を讃える唄を歌い続け、歌が終わると卵の表面に描かれた扉が開いて、中から手が出てきて対象を捕縛する。撃退するには、扉から手が出てきた時に目を逸らせばよい。<br>発声するための機能は持たないが、知性を有しており、「最後まで吟わせろ、こんな褒め殺したい間抜けはまたとない」と、ロビンが意思疎通をして有珠に伝えている描写がある。
;シックス・スィング・チョコレイト(6ペンスの歌)<br><br>
:''──6ペンス、ポッケのライ麦 24羽の黒鶫''<br>
:''パイの中で合唱会だ 王様びっくり仰天だ──''<br><br>
: 本体:収納箱<br> 材料:カカオマス、ココアパウダー、粉骨<br>偵察を得意とする、二十四羽の椋鳥。三咲町を監視する鳥たちのネットワーク。不貞を働こうとするものを見つけ出す。ただし、昼は完璧だが夜目が利かないので夜中の活動は不向き。<br>普通の使い魔レベルのプロイキッシャーで、戦闘能力は皆無。実は鉄砲でも倒せる。一日に十羽は電柱にぶつかって墜落死している。<br>収納箱を本体とするチョコレイトのお菓子。使えば使うだけ減るので、有珠はいつもこのチョコレイトを作り置きしている。箱を閉じると、行動中の椋鳥はすべてチョコレイトに戻る。魔力で練成されたチョコレイトであるため、負傷者の傷に溶け込んで応急処置をするという使い方もある。<br>同じ鳥のロビンに比べ、有珠から「地味だが役に立つ」という評価をいただいている。
;スクリプス・ハンプティ
: 本体:なし<br> 材料:魔女の歴史<br>月目のプロイキッシャー。有珠の左目の魔眼であり、プロイキッシャーでもある。<br>重複詠唱、アクロスティックを行う。アクロスティックとは、ルイス・キャロルの「鞄語」など、一つの言葉にたくさんの意味を持たせる事。異なる二つの意味を新しい「言葉」として生み出すルール変更。<br>多大な魔力を必要とするため、ディドルディドルが働いていないと使用できない。
;スノウホワイト
: 本体:ブローチの形をした砂糖細工・キャンディ<br> 材料:最初の過ち<br>数分だけ粉雪が降る。有珠の作った最初のプロイキッシャー。失敗作で使い道はないが、記念にとってある。
;橋の巨人(テムズトロル)<br><br>
:''──ロンドン橋落ちた 落ちた 落ちた''<br>
:''ロンドン橋落ちて 川の底──''<br><br>
: 本体:淑女のフィギュア<br> 材料:ver.によって異なる<br>グレートスリーの一つ。フォーリンダウン。グレートブリッジ。マザーグースの「ロンドン橋」。<br>千年クラスの神秘を重ねた、世界屈指のゴーレム。額にはところどころ間違ったお約束の「emeth」の文字が記されている。特別な異能は持たないが、ただ巨大である、というだけで十分な脅威である。顕現時のサイズや制圧力は召喚地域によって異なり、作中では森の中で数キロ離れて逃走していた口裂け男を叩き潰したほど。<br>「橋」の擬人化であるため、自然に流れる川がないと召喚できない<ref group ="注">ただし「魔法使いの夜」のシナリオ内では、積雪を線上に太陽の[[ルーン魔術|ルーン]]で溶かすことより、「雪解けの流水」を作り出してテムズの召喚を行う場面がある。</ref>。いかに巨大なゴーレムになろうと、本体を壊せば停止する。<br>その奇跡は原典である「ロンドン橋」の詩に準じて、素材によって四つの形態をとる。第一段階は木、第二段階は石。有珠では第二段階までしかテムズの行使はできない。これは技量的な問題もあるが、文明に興味の無い有珠の心象世界では、橋は木と石でしかないため、具現化できないとされる。<br>もし最終段階のテムズを行使できる術者がいるなら、煤煙都市ロンドンを上回る都市の巨人として顕現し、奥の手を出し切った青子にも踏破は不可能であるという。
;月の油(フラットスナーク)<br><br>
:''──ベイカー、スナーク見つけたよ ベイカー、皆を集めたよ''<br>
:''でもでもベイカーぼけちゃった そう、そのスナークの正体とは──''<br><br>
: 本体:油<br> 材料:神代にいたとされる、遊牧神のお腹の贅肉(脂肪分)をしぼったもの、というふれこみ。<br>グレートスリーの一つ。触れられぬもの。不可解の島。五次元平面。ルイス・キャロルの「スナーク狩り」。<br>数あるプロイキッシャーの中でも特に正体不明とされ、不敗を誇る。<br>濃密な魔力を含んだ緑の霧を吐き出し、結界内にて、棄てられたモノ、忘れられたモノを童話的に蘇らせる「童話世界の再生」を行い、支配下に置く。結界内ではありとあらゆるものがプロイキッシャーと化し、敵に襲い掛かる。魔力の霧はゆっくりと吐き出されていくため、スナークの起動直後のプロイキッシャーは比較的強くない。時間経過に従って霧の濃度が上がると、プロイキッシャーはより巨大なものが動き出し、より強力になっていく。結界自体も捩じれ、広がっていく。<br>本来は文明と相性が悪く、「遊び」がないとスナーク化できないのだが、作中で使用された「遊園地」はもともと童話の世界に近いので、相性は抜群だった。もしも展開されたのがオフィス街であったのなら、あそこまでの威力にはならなかったとされる。せいぜい、ビルの窓に恐竜の影絵を写す程度。<br>正体不明とされる本体は緑色の油であり、有珠は小瓶状のフラスコに入れている。顕現時は夜を皮膜にして空に浮かび、月に擬態している。月を眼窩に収めた、緑の霧の逆さま髑髏。月の顔。普段は霧と雲で姿を隠しているが、作中では有珠の意向で隠れていなかった。スナークは童話の「主題」であるがゆえに、常にページの中に、視界の中に入っていなければならない。<br>性格が悪く、最悪低俗な道化の王様。己の欲望を止められずに、敗者には死と惨劇を、と有珠の命令を無視して「氷の城」を降らせることで、遊園地ごと青子たちを殺そうとした。<br>もとが油なだけに、火が弱点。この時代で精製することは不可能な、代えのきかない貴重品。
;薔薇の猟犬(ワンダースナッチ)
:グレートスリーの一つ。濃霧の怪物。<br>詳細不明。地下鉄で三十体を越える人形を貪り喰らった。また、本編半年前の青子との殺し合いに使用されたらしい。青子いわく「十回中百回殺された」。他に、「なぜなにプロイ」ではロビンのお仕置きに使用されている。<br>「魔法使いの基礎音律」に掲載されているイラストによると、白い霧に浮かぶ牙・歯型、ジャバウォックフォーム、毒爪トカゲフォームといったデザイン原案がある。
:後の『Grand Order』にて詳細が判明。有珠が再現する怪物の中で最大・最高のもの。山一つ、街一つを覆う濃霧の結界。
:ルイス・キャロルの物語で登場するオリジナルのモンスター、バンダースナッチの名を模している。深い霧をともなって現れる『鋭い牙と真っ赤な爪』を持つ獣たち。
:白い霧の中でかろうじて見えるのは血のように赤い爪を持つ、猟犬ともトカゲ(竜)とも。
:その姿を見る事はできず、見えないが故に無敵であり、迷い込んだ獲物たちは抗う術はなく、また、脱出する事も敵わない。
:ワンダースナッチの全容───その正体を見る事ができた者のみが、白い霧の世界から逃げ出せたと言う。
:霧に触れた者は獣たちに食われて死ぬため、これが発動された場合霧には最大限の注意を払わねばならない。
:青子曰く「有珠が本気になった時に展開する、最悪の殺人結界」。
:期間限定イベント『魔法使いの夜アフターナイト』では有珠に取り憑いた霊の影響か、「ひとりで鏡を見たら鏡の世界に閉じ込められる」という『ワンダースナッチ・オルタ』とでも呼ぶべきものとして発動していた。
;願掛け卵(スイーツハーツ)
:卵形のプティング。王冠をさかさまにして、ゆで卵をのせたような形をしている。呪いと確率変動、二心同体、願掛けによる魔力強化のプロイキッシャー。<br>一定範囲を舞台に「ゲーム」を執り行う。使用者が定めた条件が満たされたら発動し、一日の間稼動する。ゲーム中は新しいルールが一つ追加される。ゲームをクリアして生き延びたパーティの魔力を向上させる、戦闘前の運試しみたいなもの。大抵は全滅するデスゲーム。ゲームの区域からの脱出は困難。ゲームをクリアすれば、仮に中で何人死んでいようとも、内容は無効扱いになる。また、ゲーム中の記憶は失う。<br>ゲームをクリアする条件は、使用者を暴くことと、ゲーム終了時間まで誰かが生き残ること。使用者がプティングを食すと、スイーツハーツは自身を食べた相手そっくりに擬態する。使用者は卵の中に閉じこめられ、本物と偽物は入れ替わる。つまり使用者を暴くということは、誰が入れ替わったスイーツハーツであるかを突き止めることを意味する。<br>ただし、擬態している間はスイーツハーツ自身も自分がプロイキッシャーであることは忘れている。「ルール実行可能」な条件になると自動的に切り替わり、スイーツハーツとして活動する。再び擬態状態に戻れば、スイーツハーツであった時の記憶は失われる。完全潜行型で、魔力の感知で正体を暴くことはできない。<br>不正解を指摘したり、証拠不十分だとゲーム失格となるため、あてずっぽうで片端から試してみるという方法はとれない。<br>思春期限定、女の子限定。食べたときに願っていたことが報酬として叶う。使用条件は、片思──
;ゴブリンフロン
:香水。かけると一日、悪口とスラングしか言えなくなる。
;収納の小瓶
:正式名称不明。<br>名前を呼ばれて返事をした人間を、小さなガラス瓶の中に閉じ込める。内部は絵本の中に入ったかのようで、「空気が文字になったよう」に感じられる。中から外の声は聞こえるが、中の声は術者にしか聞こえない。<br>きちんとしたものとは別に、片手間に作った劣化品もある。抵抗する意思が残っていると割れるシロモノで、眠っているか、衰弱しているかしないと効果がない。また、相手に薬や魔術を使って意思を奪っている場合も、その余分な「重み」で割れてしまう。
;[[ロスト・ロビン・ロンド]]<br><br>
:''──誰が駒鳥殺したか 誰が駒鳥殺したか──''<br><br>
:でっぷりとした青い駒鳥。マザーグースの「クックロビン(誰が駒鳥を殺したか?)」が由来。原典に準じて、探偵役と被害者役の能力を持つ。二十四羽の椋鳥のように広範囲をカバーすることはできないが、夜目が利き、特定対象の監視・追跡に長じている。本領は敵からの攻撃を術者の身代わりとして受ける「空蝉」の能力。ただし連続使用はできない。また死んでも復活するという特性を持っている。
:知性を有しているが、基本的に頭は悪い。有珠からは「駄鳥」と呼ばれ、役立たずとして散々な扱いを受けている。
:ただそこにいるだけで意味のある、マインスター最後のプロイである。
;願い星箱(オンリーワン/ナンバーワン・シャイニースター)
:有珠が作り出したプロイキッシャー。唯一で一番の願いならなんでも叶えてくれるという個人限定の願望機。
:彼女が買い物帰りにたまたま見かけた商店街のキャンディマシンが<ruby><rb>原型</rb><rt>元ネタ</rt></ruby>で、形は紫色で星の意匠のついたキャンディマシン。
:『ハンドルを回して出てきた願いの<ruby><rb>飴</rb><rt>ほし</rt></ruby>が、もしその人の心から願う<ruby><rb>真実</rb><rt>ほんとう</rt></ruby>で一番の願いと同じものなら───そんな不思議が起きたのなら───その奇跡は、願いは、きっとこの世で一番の星。』という<ruby><rb>概念</rb><rt>コンセプト</rt></ruby>で作られたが、『ただ一つの』『一番の』願いを叶えるという点で「『この世で一番の願い』は誰もが持っているもので、だからこそ『この世でただ一つの願いは存在しない』」という矛盾から起動条件(童話になるためのプロット)が満たされないため、失敗作として解体されようとしていた。
:「願いを叶える度に力が増す」という特性を持ち、願い箱星に同化した[[椀々様]]は[[五月連休温泉 隈乃|隈乃温泉]]の五つの秘湯を利用してその特性を最大限に発揮しようとしていた。
:椀々様が[[木乃美芳助]]の願いを叶えようとした際は、彼の願いが『この世でただ一つの願い』と条件の一つを満たしていたため、椀々様の意思によりその願いを一番にしようと'''他の人々の願いを全て否定することで、最終的に芳助の願いを一番にする'''という方法で願いを叶えようとしていた。
:有珠曰く、他の人々の願いが全て否定された暁には『月の油』や『橋の巨人』を上回るプロイキッシャーとして完成していたとのこと。
:願望機として見た場合起動条件が非常に厳しいものの、人類を滅ぼす方向で願いを叶える冬木の汚染された[[聖杯]]に匹敵もしくはそれ以上の悪辣性を椀々様の意思によって発揮している。また物理的に破壊や停止が可能な上に場合によっては[[抑止力]]が介入してくる冬木の聖杯に対し、こちらは'''「十分な量の力が溜まってしまえばまず終わり」'''である。
;マイディアー・ブライトスター
:『Fate/Grand Order』のサーヴァントとしての有珠が作り出したプロイキッシャー。
:名前の通り「生前」に生み出してしまったシャイニースターの反省から作り上げたお守りプロイ。
:外見は夜空と一つ星を封入したスノードーム。
:シャイニースターと同様に「願いをかける」プロイであるが、その恩恵は願った人の周囲の人間に対してのみもたらされ、願った本人には決して光が届くことはない。