魔法の種類と魔法使い
第一魔法
;使い手
:[[ユミナ]]。AD(西暦)前夜に誕生し<ref group="出">「『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』シークレットファイル-File02 時計塔の年表」『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 material』p.21</ref>、既に死去<ref group="出" name="「月姫用語辞典-魔法」『月姫読本PlusPeriod』p.189" />。直系の人物が辛うじて存命と伝えられている。<ref group="出" name="「不可能を可能にする“魔法”」『Fate/complete material III World material.』p.48" />
:青子曰くユミナは「影も形もないほど死んだが、その死を以てほぼ殺せない状態になった」とのことで、そのため『今生きている魔法使いは四人だが、今も残っているのは五人』とカウントしている。
;内容
:詳細不明。最も古い魔法の1つ。その内容は一部特権階級の魔術師にとっては常識である<ref group="出" name="「不可能を可能にする“魔法”」『Fate/complete material III World material.』p.48" />。
;関連
*[[魔女]]が第一魔法の成立に関わっているが、その詳細は不明。文明の発展と共に、魔女は様々なカタチで姿と在り方を変えていった、一部は第一に加わった。
*エーテル塊は第一魔法との関連を匂わされている。これはエーテルが四大元素のどれにもならず物質化したもので、使い道が全くなく、ある意味で無を作る様なもの<ref group="出">「空の境界設定用語集-エーテル塊」限定愛蔵版『空の境界』付属冊子</ref>。
*[[久遠寺有珠]]の用いるプロイの魔術は「第一」に関連するとされる。また、その魔術系統である「ユミナ」(時計塔植物科の別名でもある)は魔法使いのひとりの名前として挙げられる<ref group="出" name="きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編">きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編</ref>。なお魔法使いの直系は有珠の母と同じく、マインスターと呼ばれている模様。
** また、これに関連して、『[[Fate/Grand Order]]』では[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]が使用する童話魔術が有珠のプロイの魔術と酷似しており、その概要は「物語を童話としてまとめ、それを基にして現実に魔術を行使する」というもの。
*** これらの要素から、第一魔法とは'''「虚構と現実を変換する」'''というものではないかと一部では囁かれている。
*第一魔法の具現者は、[[バルトメロイ・ローレライ|バルトメロイ]]の当主が自分達と対等と見做す唯一の魔術師である<ref group="出">「バルトメロイ・ローレライ」『Character material』p.16</ref>。使い手ではなく、「具現者」を指しているため、その発言の対象がユミナ本人か、魔女というシステム全体かは不明。
* 第一魔法は、その使い手が第三魔法より後に誕生したのにもかかわらず「第一」と分類されるのは、その特性も関与している<ref group="出" name="きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編">きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編</ref>。
*『魔法使いの夜』では「はじめの一つは全てを変えた。」とされる。
第二魔法『万華鏡(カレイドスコープ)』
;使い手
:[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ]]
;内容
:[[並行世界]]の証明と運営。並行世界の観察、自身の同一性を維持しての移動を可能にする<ref group="出" name="「不可能を可能にする“魔法”」『Fate/complete material III World material.』p.48" />。『[[トラぶる花札道中記]]』を見るに、第二魔法の使い手でない者が並行世界に移動した場合、その世界での自分と競合し消滅する危険がある様だ。
:移動時にゼルレッチは「他の時間軸にある地球の宝石に転移する」という方法をとっており、移動先の世界にある宝石が集まってゼルレッチの形を成したところに彼の魂が転移してくる。同時に移動前の世界のゼルレッチは元の宝石に戻る。
:鉱石・宝石が存在する世界ならどこにでも出現できるが、魂は一つきりなので複数世界に同時に存在はできない。なお、元々は生身で移動していたがこちらの方が楽だと現在のものに移行したらしい。
:時間に関係する効果を持つらしく、ゼルレッチの異名に「時の翁」がある他<ref group="出">「聖杯戦争の成り立ち」『Fate/complete material III World material.』p.6</ref>、彼が作った宝箱は内側での1時間が外側での1日相当と時間の流れを歪めており<ref group="出">「魔法級の効果」『Fate/complete material III World material.』p.49</ref>、カレイドステッキは『[[フェイト/タイガーころしあむ アッパー]]』にて時間遡行を実現している。下記の「話題まとめ」も参照。
:上記の並行世界の移動時にも多少の時間差が生じるため、少しだけなら時間移動も可能らしい。
;関連
*第二魔法に関する物は多く、これまでに宝石剣ゼルレッチ、ゼルレッチの宝箱、カレイドステッキが登場している。ゼルレッチの門下生の家系である[[遠坂家]]には宝石剣の設計図と他2つの実物が伝わっている。詳細は「[[魔術礼装]]」も参照のこと。
*第二魔法の領域に、ある事柄を複数の平行世界からひとつの世界に取り出す「多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)」がある。[[佐々木小次郎]]は純粋な剣技として「全く同時に太刀を振るう」ことを目指した結果、これに届いた他<ref group="出">『Fate/stay night』Fateルート六日目『魔剣~VSアサシン2』</ref>、魔力を融通する宝石剣も同様に呼ばれている<ref group="出">『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十五日目『宝石剣作成~大聖杯の記憶。』</ref>。
*『魔法使いの夜』では第一に対して「つぎのニつは多くを認めた。」とされている。
**事実この魔法は「世界には違う展開を迎える余地がある」事を証明し、「他に成功した並行世界があるかもしれない」という概念が夢を失いつつあった星に希望を与え、世界の寿命を延ばした。
*名称は『型月稿本』のゼルレッチの項(P.33)にて明らかとなった。
第三魔法『天の杯(ヘブンズ・フィール)』
;使い手
:不明([[アインツベルン]]の工房を作った魔術師たちの師)、[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン]]
:最後の使い手はAD(西暦)前夜にこの世から去ったが、アインツベルンはその術式を人間以上の知性と知識で継承し続けている<ref group="出" name="きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編">きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編</ref>。
:ユスティーツァは第三魔法を再現する試みの中、偶然生まれた[[ホムンクルス]]で、1人当たり数年を要するが、第三魔法を行使できた<ref group="出">「#15 神話の対決」『Fate/stay night[UBW] Animation Elements』p.19</ref>。彼女が[[聖杯#冬木の聖杯|大聖杯]]の礎となった事で、[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]は第三魔法を指して「アインツベルンから失われた」と語っている<ref group="出" name="『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十五日目『真相〜反英雄アンリマユ』" />。
;内容
:現存する5つの魔法のうち、3番目に位置する黄金の杯。魂の物質化。
:魂は物質界より上にある星幽界に属し<ref group="出">『Fate/stay night』Heaven's Feelルート七日目『跳梁』</ref>、物質界へは肉体を介して干渉している。魂だけならいつまでも滅びないが、肉体を得るといつかは死ぬ事が定められる。
:そこで第三魔法は魂だけで物質界に干渉できるようにし、不老不死を実現する。精神体のまま魂単体で自然界に干渉できるという、高次元の存在を作る業。魂そのものを生き物にして、次の段階に向かう生命体として確立する。
:また魂を永久機関にし、魔力切れを起こさせない<ref group="出">『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十六日目『宝石剣ゼルレッチ』</ref>。
:『Fate/Grand Order』でアイテムとしての聖杯の説明に「形而上の存在を汲み上げ、物質に転換する第三魔法の産物」とあり、魂以外にも応用が利く可能性が示されている。
;関連
* 第三魔法そのものは西暦以前からあったものの、神代の終わりと共に消失、実現不可となったところ、ユスティーツァが再現可能状態にした<ref group="出" name="きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編">きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編</ref>。
**『Fate/stay night』のエンドによっては、イリヤスフィールが不完全ながら再現する。肉体に引きずられて瀕死にあった魂を修復し、自身の体の一部を新しい肉体として与えた<ref group="出">「奈須きのこ一問一答-『Fate』の素朴な疑問」『Fate/complete material III World material.』p.131</ref>。
*アインツベルンに伝わる[[魔術礼装|限定礼装]]「天のドレス」は、魂を数秒だけ物質化させる魔術を帯びている<ref group="出">「Fate用語辞典-天のドレス」『Fate/side material』p.67</ref>この礼装の別名の1つに「三番目のドレス(ヘブンズ・フィール)」がある。<ref group="出">『Fate/stay night』Heaven's Feelルート六日目『冬の城〜イリヤ(II)』</ref>。
**バッドエンドによると、「転送(アポート)」の成功率を上げる効果もあるらしい。意識の転移と違い、新しい器に移った後は戻れない様だが、第三魔法とも違って、元の肉体も魂を保持する為に残すとのこと<ref group="出">『Fate/stay night』Fateルート十一日目『天のドレス』</ref>。
*アインツベルンは第三魔法へのサンプルとして、魂の出力装置であるホムンクルスを鋳造し、データを取り続けている<ref group="出">「リーゼリット-TYPE-MOONコメント」『Fate/complete material Ⅴ Hollow material.』p.99</ref>。
** ただし、ホムンクルスは本当の魂がなく、魂の物質化はできない<ref group="出" name="きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編">きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song編</ref>。
*大聖杯には第三魔法の一部を使っているとされるが詳細不明。[[サーヴァント]]は今生きている訳ではなく、依り代無しには現界できないので、物質化した魂ではない。逆にいえば英霊は魔法が無くとも依り代さえあれば形になる<ref group="出" name="『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十五日目『真相〜反英雄アンリマユ』" />。
*[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]でのサーヴァントは「第三法と呼ばれる魔術によって実体化した霊子生命である」と説明されている<ref group="出">「[https://fate-extra.jp/keyword3.html フェイト/エクストラ 公式サイト:キーワード/サーヴァント]」</ref>。
*魂の物質化は人間でなければ今でも実現できることのようである。[[アンリマユ]]は元々自力で魂の物質化ができる存在であり、大聖杯の第三魔法とは関係が無い<ref group="出" name="『Fate/stay night』Heaven's Feelルート十五日目『真相〜反英雄アンリマユ』" />。また千年クラスの歴史を持つ[[幻想種]]──例えば人狼である[[ルゥ=ベオウルフ]]は通常の物質的肉体を有してはおらず、存在自体が「魂の物質化をしているようなもの」と表現されている。
*[[ウィザード]]達が行う霊子ダイブは「電脳世界における魂の物質化」と称される<ref group="出">「Fate/EXTRA用語辞典-魔術師」『Fate/EXTRA material』p.169</ref>。
*『[[Fate/Apocrypha]]』では[[天草四郎時貞|シロウ・コトミネ]]が自身の願いである「人類の救済」を叶えるために、大聖杯を第三魔法を行使し続ける物に改造し、全人類に第三魔法を適用させようとした。
*『[[Fate/strange Fake]]』における聖杯戦争は第三魔法を魔法ではなくし、魔術の段階にまで引きずり下ろすことを最終目的として開催されている。
*『Fate/Grand Order』では[[ビーストⅢ/R]]のプロフィールにおいて、ヘブンズホールは第三魔法の亜種とされている。人間が善き行いをする時、持っていては都合の悪いもの(この世全ての欲)を吸収してくれる、社会においてなくてはならない機構。
*『[[MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア]]』においては[[タタリ/ワラキアの夜|ズェピア・エルトナム・オべローン]]が人類滅亡を阻止するために挑み、敗れたモノとされる。
*『[[ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]』では現代でも[[アトラス院]]院長として存在し続けているズェピアが希求する魔法としてこれを挙げている。
*『Fate/Grand Order』のイベント「SABER WARS II」にて、並行世界の[[サーヴァントユニヴァース]]は元々サーヴァントしかいない世界という訳ではなく、「『宇宙の更新』により人間は肉体を捨て魂の器『霊基』に自らのあり方を変えた=サーヴァント化した」「限られた寿命、限られた能力からの解放」「サーヴァントとは魂を物質化したもの」と語られており、宇宙規模で第三魔法が発動したことが示唆されている。
*『魔法使いの夜』ではそれまでの魔法の流れから「受けて三つは未来を示した。」とされている。
第四魔法
;使い手
:不明
;内容
:定義不明
;関連
*内容も使い手も伝わっていないが、現存する魔法使いたちは異口同音に「確かにそれはある」と実在を認めている<ref group="出" name="「不可能を可能にする“魔法”」『Fate/complete material III World material.』p.48" />。
*『魔法使いの夜』では「繋ぐ四つは姿を隠した。」とされている。
第五魔法『魔法・青』
;使い手
:[[蒼崎青子]]
;内容
:蒼崎青子の祖父が汲み上げた魔法<ref group="出">「蒼崎青子」『Character material』p.8</ref>。『[[MELTY BLOOD Actress Again]]』の時点で30年程の歴史しかない。
:『魔法使いの夜』での描写によれば、時間旅行を可能とする魔法のようである。しかし全貌は未だ明らかにされておらず、時間旅行はこの魔法の本質ではなく、あくまで副産物に過ぎないようでもある。
:この魔法で時間旅行を行う場合、あくまで「何かを過去や未来に飛ばす」だけで、あるものをなかったことにすることはできない。たとえば「ある生物が死んだ時間」を過去・未来に飛ばすことでその生物を生き返らせる(正確に言えば、死を回避する)ことも可能だが、それは問題を解決しているとは言えず、あくまで負債をどこかに押し付けているに過ぎない。むしろ時間旅行そのものにかかるコストを考えれば、トータルでは人類・世界の負債を増やしているとさえ言える。
;関連
*[[オシリスの砂]]は第五魔法を「星の命に何の利益も齎さない力」と評している。
*第五魔法には[[蒼崎橙子|橙子]]の業界屈指の魔術回路より青子の単純な魔術回路が適していた。これが蒼崎家の後継争いにも影響している<ref group="出" name="4gamerまほよインタビュー">「[https://www.4gamer.net/games/115/G011514/20120511075/index_4.html 4Gamer.net-TYPE-MOONの原点を辿る「魔法使いの夜」インタビュー。奈須きのこ&こやまひろかず&つくりものじ氏の3名に聞く,ノベルゲームの未来と可能性-「魔法使いの夜」,そしてこれから]」</ref>。
*第五魔法の正体は「進む文明」という『魔法使いの夜』におけるテーマにも関わってくる。またこの魔法の中に消費文明の代表である青子が何故 「最新の」魔法使いなのかの答えがあるとか<ref group="出" name="4gamerまほよインタビュー"/>。
*『Fate/Grand Order』にて[[ゲーティア]]が行おうとした「ゼロに戻ってから良い前提を作り直す」という行為は「逆行運河/創世光年」と呼ばれている。これは『[[MELTY BLOOD]]』にて青子が使用するラストアークと同名であり、青子の痕跡や第五魔法の一端が知れる、ある意味で魔法に近しいものであるらしい<ref group="出">「[https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20170302098/index_2.html 4Gamer.net-「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは-人類史の記録を辿る旅――Grand Orderの意義]」</ref>。
*青子は、魔術師としての腕前こそ平凡だが、破壊にかけては卓越している。その特性から、”魔法・青”もまた破壊に関する魔法ではないかと噂されている<ref group="出" name="「不可能を可能にする“魔法”」『Fate/complete material III World material.』p.48" />。
*『魔法使いの夜』では「そして終わりの五つ目は、とっくに意義(せき)を失っていた。」と書かれる。
第六魔法
;使い手
:存在していない。
;内容
:不明。Program No.6、第六法などとも呼ばれる。
:かつてアトラスの錬金術師、[[タタリ/ワラキアの夜|ズェピア・エルトナム・オべローン]]が人類滅亡を阻止するために挑み、敗れたモノ。
:これの使い手が現れるとき、世界に根本的な改変がもたらされるとか。
;関連
*『MELTY BLOOD』シリーズにおいてはズェピアが挑んで敗れたモノとされるが、『Fate/Grand Order』とクロスオーバーしている漫画『[[MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア]]』においてはズェピアは第三魔法に挑んで敗れたと自称している。
*「まだ実現できていない魔法を[[黒桐幹也]]はさらっと言い当てていたりする」という話が出ている<ref group="出" name="「空の境界設定用語集-魔法」限定愛蔵版『空の境界』付属冊子" />。このことで注目されている台詞が「ふぅん。そうなると最後の魔法っていうのは、みんなを幸せにする事ぐらいになっちゃうな」である。