話題まとめ
;ランスロットの強さ
:妖精(湖の乙女)に育てられ、その加護を受けた「湖の騎士」ランスロット。伝承の上では円卓の騎士最強と謳われており、単純に戦士としての技量であれば、[[アルトリア・ペンドラゴン|アーサー王]]、[[ガウェイン|ガウェイン卿]]を上回るとされている。
:火を吐く大蛇を退治した、キャメロットの試合では負け知らずだったなど、その武勲は枚挙に暇がない。「無窮の武練」「騎士は徒手にて死せず」の強力さに目が行きがちだが、その大本になったのは彼自身の無双の手練である。
:このためファンから「狂化させずに本領たる「剣士」であったら、もっと強かったのでは?」と言われることも多く、実際に虚淵氏も「そもそも臓硯が雁夜への制裁などという余計な遊び心をおこさず、狂化を強要したりしなければ良かったのに……」と評している。が、同時に[[ギルガメッシュ]]相手に善戦出来たのは「狂化」による能力増幅の結果であり、また脇目もふらず時臣に突っかかる雁夜に強豪を避ける思慮は期待出来ない、という点からの敗北の流れも挙げられている<ref group="出">「Fate/Zero用語辞典-間桐雁夜」『Fate/Zero material』p.103-104</ref>。「狂化」と「無窮の武練」の相性の良さもあってバーサーカーとして非常に優秀な点もあり、必ずしも四次において他クラスが有利とは限らない。
:無論、これは「ランスロットの戦いでの強さ」と言う点に限った話であり、そもそも彼を狂化させるとマスターの魔力消費がとんでもない事になると言う大きなデメリットがあるのだが。
:Fateシリーズの続編に他の円卓の騎士が登場する度に、ファンから「彼も優秀なマスターに召喚されていたら」と惜しむ声が上がる英霊。伝承において円卓の騎士最強と謳われる彼の真の実力を見てみたいと思うファンは多い。
:本編の狂戦士状態でも、「'''他サーヴァントに対しては強敵でありながら、[[ディルムッド・オディナ|ランサー]]だけが相性関係で優位に立てる相手'''」として作者である虚淵氏考案のランサーチームの必勝パターンにおいて他チームの殲滅役として組み込まれる<ref group="出">「Fate/Zero用語辞典-ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」『Fate/Zero material』p.95</ref>など、実力だけなら四次聖杯戦争でも上位なことが伺える。
:ステータスについて、間桐臓硯が召喚前にマスターとして格の劣る雁夜では基礎能力に影響しかねない、と語りそれを補うために狂戦士として召喚させたという経緯から「雁夜がマスターなことでステータスが大きく下がっているのではないか?」という推論がファンから挙がることがあるが、狂化の強要は臓硯の雁夜への制裁と遊び心であり、実際に下がるか、下がっているかの公式回答はない。
;「無毀なる湖光(アロンダイト)」の由来と評価
:アロンダイトは本来、14世紀にアーサー王伝説とは無関係の別の物語に登場した剣である。
:その物語にはランスロットは登場せず、別の登場人物が持つ剣である。箔付けのために「元々はランスロットが持っていた剣」との故事が記されただけであり、実際に彼の剣の名がアロンダイトであったのかどうかは信憑性に欠ける。
:しかしその後、この「元々はランスロットが持っていた剣」という話が一人歩きをし、剣自体の伝承とは別に彼自身が多くの武勲を持つことや、彼を育てたと言われる「湖の乙女」はアーサー王にエクスカリバーを授けた精霊でもあることから、その愛剣のアロンダイトもエクスカリバーに匹敵する兄弟剣ではないか、と今日では一般にも言われるようになった。
:また『アーサー王伝説』の中でランスロットが使っていた剣は「エクスカリバーの斬撃を受け止める」「決して刃毀れしない」などの描写があり、上記と合わさって「アロンダイト=ランスロットが使っていた、詳細は不明だがやたらと頑丈な剣」という認識が広まった。
:Fateでもこの説に則ったと思われ、「約束された勝利の剣」と対を成す、同格の宝具に設定されている。TYPE-MOON BOOKS版『Fate/Zero』第4巻巻頭の武器紹介には──
:'''「かつて最強と謳われた騎士が愛用した名剣。エクスカリバーと起源を同じくする神造兵装であり、その強靭さにおいてはエクスカリバーにも匹敵する。当代最高の騎士だけが帯びることを許された誉れの剣だが、同胞だった騎士の親族を斬ったことで、聖剣としての格を喪失し、魔剣としての属性を得てしまった」'''
:──とある。
:「無毀なる湖光」の種別は常時発動型の対人宝具であり、対城宝具「約束された勝利の剣」や対軍宝具「転輪する勝利の剣」とは異なっている。
:現在判明している円卓の剣は、上記の二振りに加えて、起源は異なるがモードレッドの「我が麗しき父への叛逆」までもが、いわゆる「エネルギーを放出する」真名解放型宝具。それに対してこの「無毀なる湖光」のみが常時発動型。
:と、このように彼の切り札で、騎士らしい白兵戦向きで癖も無く、超強力な性能のはずなのだが、以前はファンから「燃費と効果が割にあわないダメ宝具」「硬いだけの棒」「使わないほうが強そう」等などA++ランクの神造兵装としてはアレな評価を下されていたことがある。
:理由としては主に「解放した戦いで竜属性を持ち相性がいいセイバーを倒しきれなかった」「常時発動な上に魔力負担が倍増する仕様」「他の宝具2つ封印する必要がある上に、全ステータス1ランクアップとST判定成功率2倍という能力が見た目でも成果でも分かりにくい」「すごい剣のくせにビームも出せないなんて」など。
:まあセイバーは戦意喪失していたとはいえ、防御はしていた。また『Fate/Grand Order』での『縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)』の説明によると、「本来であれば光の斬撃となる魔力をあえて放出せず、対象を斬りつけた際に解放する剣技に寄った宝具」とのことで、アロンダイトという剣自体はエネルギー放出型としても機能するようである。光の斬撃を放つときの真名については、「我が麗しき父への叛逆」と剣としてのクラレントの名が別物である例があるため、現時点では不明。
:と、まあいろいろと擁護は出来るのだが、『Zero』の時点では「'''活躍の場がない'''」「'''地味で分かりにくい'''」と言う最大の欠点については動かしようのない事実であり、不遇評価を受けたのは無理からぬ事であろう。
:だが『Grand Order』では「シナリオ上で大きな活躍の場が用意される」「ステータスが具体的に数値化され、分かりにくさが解消される」と言う事で再評価され、アロンダイトの名誉は回復された。
;聖剣と魔剣
:「勝利すべき黄金の剣」がそうであったように、聖剣は不当な使い方をすると失われてしまうらしい。
:「約束された勝利の剣」は、劇中でセイバーの[[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕|黒化]]に伴って「黒い聖剣」としても力を振るう。これは、湖の乙女にもヴィヴィアンとモリガンの善悪の二面性があるように、「約束された勝利の剣」にも元来二面性があるため、と言われる。
:起源を同じくする「無毀なる湖光」も、最初からそういった二面性があったのかもしれない。
;王妃ギネヴィア
:アーサー王の妻であり、ランスロットとの不倫によって2人を引き裂いたとされる女性。Fateにおける彼女は、「実は女性だった」王に嫁がざるを得なかった悲劇の女性である。
:幼い頃から自らを省みない人生観を培ってきており、女性だという自意識、男女差の認識も無かった。人を結び付けるのは理念の尊さだけと信じ、王と王妃の関係も理想のみで成り立つと思っていた。
:アルトリアへの敬愛、憧憬を持ち、自らもその生き方に倣おうとしたが、結局普通の女性には過ぎたことだった<ref group="出" name="「Fate/Zero用語辞典-ギネヴィア」『Fate/Zero material』p.94">「Fate/Zero用語辞典-ギネヴィア」『Fate/Zero material』p.94</ref>。魔術で男性器を生やした人を悦ばせても<ref group="出">「Fate用語辞典-セイバー」『Fate/side material』p.64</ref>子供はできなかったり……気苦労が絶えないというものである。
:王の性別という秘密を1人背負う事に対する苦悩や重圧に次第に蝕まれて行く中、ランスロットとの出会いで理念以外でも人は結び付くことを知る。
:「おそらく魂の在り方として眼鏡ッ娘。でも『外すと美人』のステレオタイプ」「信念のツンと魂のデレの波状攻撃によって、彼女白身とランスロットの双方を窮地へと追い込んでいく。まさに命を賭けた乱世のツンデレ」<ref group="出" name="「Fate/Zero用語辞典-ギネヴィア」『Fate/Zero material』p.94" />。
:奈須氏によるとランスロットと結ばれた経緯は、
:''「国のために偽装結婚し、王妃として努力したがやはり寂しかったギネヴィア」がランスに転んでしまう→ランス、王妃に夫との不仲を相談されていたらいつのまにか王妃と恋仲になっていた、何を言っているか分からないが(以下略 状態→''
:というものだった。現実では寝取り男と扱われることもあるが、型月世界におけるランスロットはどちらかというと王妃に巻き込まれた立場である。彼もそれ以前からギネヴィアを異性として愛してはいたが、臣下としての距離感は保っていた。
:当初、ランスロットはアーサー王が女性と知らず、ギネヴィアと関係を持った後に暴露された。今まで1人の少女に王の重荷を背負わせてきた罪悪感に苛まれる一方、王を裏切ったギネヴィアの気持ちもわかるため、根本的に人が好い彼は板挟みになったのだった<ref group = "出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201210.html 竹箒日記2012/10/3]</ref>。
:アルトリアの方は、自身が女であるという負い目もあり、2人の関係を容認していた。「男ですらない王に嫁がされた妃」を必死に支えようとした彼には感謝すらしていた。
:アルトリアが彼女と彼に敵対しなければならなかったのは、2人の不倫が衆目に晒されてしまったがためである。個人として2人の関係を背信とは考えておらずとも、「アーサー王」は2人を咎めぬわけにはいかなかった。