真名:ゲーティア
: 魔神王ゲーティア。人理焼却を引き起こした実行犯であり、魔術王ソロモンを騙る者。
: その実態はソロモンの七十二柱の魔神の集合体。生前に召喚した悪魔とその術式、生前の後悔が一つの個体として具現化した概念的存在。本来は人理補正式として編まれた術式。
:人間の精神活動の歪みとして生まれ、名称と能力を獲得した魔神の複合体で、魔神としての超越性と、魔神の集合体としての全能性を合わせ持っている。
: ソロモンの死後、その内側に潜んで生き続けた召喚式自体が意思を持って受肉し、ソロモンの名を騙って人類総エネルギー化事業に乗り出した。
: 魔神は肉体を必要としない高度の知性体。千里眼を持つソロモンの守護英霊として彼とともに過去と未来、あらゆる世界を見た。
: ソロモン王の受け入れた多くの悲しみ・裏切り・略奪をソロモンと共に目の当たりにした魔神たちは、人間と未来に価値はないと結論し消滅という結果を恐れ、自己の消滅に留まらず『あらゆるものは消滅する』という結末を嫌悪した。「終わりある命」を前提とした地球の在り方すらも。
: そうしてゲーティアはソロモン王の亡骸の内側に潜むことで受肉し活動を再開したが、その在り方には大きな葛藤があった。
: 人の無価値を断言しながらも、魔神であるゆえに人間に使役されなければ存在できない。人間以上の能力を設定された高次元の生命でありながら、この宇宙で唯一かつ最大の『無駄遣い』である人間の下にいなくてはならない恥辱。ゲーティアはその矛盾と不誠実さを良しとせず、自己変革に乗り出した。
: 目的を人間への奉仕から離れて再設定し、地球において唯一で最高の存在であることを不可侵な形で証明し、ソロモンにもなし得なかった極点へ到達すること。魔神王ゲーティアは神に至る大事業を始めたのだ。
: 彼は歴史を狂わせる[[特異点]]として聖杯を造り、自らが設計した遺伝子に魔神柱の寄り代となる呪いを刻み、ゲーティアの意思で魔神へと変貌する魔術師たちを子孫として、担当の時代まで存続し続けるように人類史にちりばめ七つの起爆点を作り出した。
: これが各年代における人理定礎崩壊の原因であり、その企みが成立した段階で、2015年に人理焼却は実行され、人類から2016年以降の未来は消滅した。
: だが人類焼却そのものはゲーティアの真の目的ではない。
: 46億年の過去に遡り、この領域に天体が生まれる瞬間に立会い、その全てのエネルギーを取り込み、自らが星そのものとなること──創世記をやり直し、死の概念のない惑星を作り上げる大偉業には膨大な魔力が必要だった。
: 人類のあらゆる営みの熱量を未来から過去に遡りながら光帯を3000年分回収し、紀元前1000年から西暦2016年までの人類史を魔力に変換する必要があった。
: 彼は人類が憎いからではなく、「必要」性ゆえに滅ぼしたのだ。
: 以上の功績をもって彼のクラスは決定された。グランドキャスターなど偽りの冠位。
: 其は人間が生み出した、人類史を最も有効に悪用した大災害…その名を'''ビーストI'''。
: 七つの人類悪の一つ、『憐憫』の理を持つ獣。人が人を哀れみ失望するという驕りこそが、ゲーティアの獣性なのだ。
人王ゲーティア
:魔神王ゲーティアを下し世界を救った主人公の前に最後に立ちはだかる運命。
:七十二柱の魔神ではなくその残滓、最後に残った結果のようなモノ。
:今更主人公を殺したとしても彼の敗北は覆らず、ソロモン王が宝具を発動してしまった時点で魔神王も彼の偉業も消滅する。
:それは魔神王ゲーティアであれば考えようもない──「何の意味もない戦い」という選択。
:無限に等しかった彼の命は初めて限りある命となり、ヒトと同じ視点を得る。三千年の時間をかけ、この時彼はようやく誕生した。
:人理を以て人理を滅ぼし、その先にある「誰も望まない虚空の希望」を目指した者。
:何の意味も無い戦いであっても理由はある、と「譲れないもの」の為に立ちはだかり、全霊をかけて戦う。