真名:ビショーネ
: イタリア・ミラノ地方に伝わる伝承のドラゴン。沼地に住み、毒を吐き人を喰らう蛇にして竜。
: 足がなく翼の生えたタイプで、頭には王冠が載っていると伝わる。サーヴァントとしてのビショーネに、ちょこんと王冠がのっているのもこれが要因だと思われる。
: 人々を困らせていたその竜蛇はヴィスコンティ家の祖にあたる騎士に退治され、のちにヴィスコンティ家が興したミラノ公国の紋章として描かれるようになった。
: その名はビショーネとされているが、ギーブルとしている資料もある。ヨーロッパの他の地方で呼ばれるヴィーヴルという竜の同種、呼び名違いであるとも。
: 彼女の霊基は特殊であり、ヨーロッパの数多の伝承における、「お話に登場するドラゴン」という概念、その集合体のようなものとして成立したのが、このサーヴァントのビショーネである(ここで言うドラゴンは「物語の登場人物」のような立ち位置の存在であり、魔術世界で定義されている幻想種としての竜とは性質などが一致しない可能性がある)。
: 基本的に名のあるドラゴンではなく、伝承には出てくるが個体名がない、やられ役としてのドラゴンたちの想い───それがミラノのビショーネ(ビショーネには個体名があったのが大きいのかもしれない)という同種のドラゴンを中心として集まり、一つの霊基を作ったということ。
: 第三再臨は自らが「可能性のドラゴン」であることを認識し、接続可能な中で最も強大と思えるもの───円環の蛇ウロボロスに、自らの在り方をシフトさせた姿。「ウロボロスシフト」と本人は語る。
: ウロボロスは幻想種としての竜種ではないものの、完全性・永遠性・無限性などを象徴する哲学的存在であり、彼女にとっては最も強大なイメージの対象である。
関連
;ギーブル
:ミラノ地方に伝わるドラゴンの別名。ヨーロッパにおいて他の地方に伝わる竜「ヴィーヴル」の同種か、違う呼称であるともされる。
:「男の裸が苦手」という弱点があり、服を纏っていない男性を見ると赤面して逃げ出したという。
:ヴィーヴルは雌のみで雄は存在しないとされており、半竜半人の種族として描かれる場合もある。また、一説によると眼球は赤い宝石だとも。
;ウロボロス
:哲学などにおいて語られる、自分の尻尾を噛み輪状になっている蛇ないし竜。
:一体が自分で自分の尾を噛む場合もあれば、二体が互いの尻尾を噛むケースもある。後者の場合、片方或いは両方が王冠を被るとされる。
:脱皮して成長する蛇の生態や、強靭な生命力から「完全性」「永遠性」「無限性」といった象徴として扱われる。
:特定の蛇やドラゴンを指す訳ではなく、同時に幻想種における竜種にも数えられない。