真名:ロウヒ
: 魔女ロウヒ。フィンランド神話やカレワラ叙事詩の主要人物の一人。
: 伝説上の北国"ポホヨラ"を統べる女主人。極北の地がもたらすあらゆる厄災の象徴とされる存在。
: 強大な魔力を誇り、その呪いは太陽と月すらも従えると云う。
: 変身や治癒、天候の操作、太陽と月の軌道調整、優れた生き物を生み出し従えるなど、多様な魔術を操る。
: みずからも巨大な鷲コッコへと変身し、その背に戦士たちを乗せて闘う。
:“ポホヨラの娘”“虹の乙女”と呼ばれる美しき神秘の乙女たちの母でもある。
: カレワラ叙事詩では意地悪で、鷲鼻、乱ぐい歯などと形容される醜い老婆。
関連
; サンポ
: フィンランド神話に登場する、手にした者は幸福になると伝わる神器。カレワラ叙事詩においては無限の穀物や塩、金などを生み出す石臼として描かれている。
: 伝承において、ロウヒは娘に求婚しに来たワイナミョイネンにサンポの作成を要求し、彼が連れてきたイルマリネンによってそれは成された。
: しかし二人は諸事情あって失意のまま帰郷を果たす事となり、後にサンポを奪還しようとレンミンカイネンを連れてロウヒと戦いを繰り広げる。
: 戦の最中にサンポは砕けて海に落ちてしまったが、その破片は土地に繁栄をもたらしたり、深海の神のもとで塩を作り出していると言われる。
: 『ポホヨラのクリスマス・イブ』では、特異点の空を支える殻の破片でありロウヒの呪いの結晶でもある「空のかけら」を集めてロウヒがサンポを復活させ、行使した。
: その際に使った"かけら"は一つ足りなかったものの、本来の権能と思われる「霊脈の大規模な書き換え」「極地への資源の異常な集中」といった大魔術が行使され、ポールシフト<ref group ="注">地軸の急激な移動。サンポの場合は4cm~数m単位の移動が起こると予想されていた。</ref>が起こる結果となった。
: 最終的に全てのかけらが集まり、ロウヒによってサンポの影響は修正された。だが、それでも数ミリ前後の地軸移動によって、数年に一度レベルの大地震や大噴火といったスケールの災害が起こると予見されている。
; ロヴィアタル
: 冥界に生まれた災厄と苦痛の女神。死の国の王トゥオニを父に持つ盲目の娘であり、死と病を司る。
: フィンランドの古い口承ではロヴィアタル=ロウヒという関係性だったが、カレワラ叙事詩の編纂にあたって異なる人物として分けられた。
: バーサーカーとしてのロウヒには、叙事詩編纂以降のロウヒ像が濃く反映されている。