その他の聖杯戦争
偽りの聖杯戦争
『[[Fate/strange Fake]]』で何者かが冬木の聖杯戦争の技術を模倣し、アメリカ・[[スノーフィールド]]にて再現したもの。 不完全な模倣ゆえにシステムには欠陥が存在し、在るはずのクラスが欠け、選ばれるはずのないサーヴァントが呼び出された。<br>
主催側もいくつかの組織が別々の思惑を持って開催しており、ロード・エルメロイⅡ世は少なくとも「戦争を隠匿して行おうとする勢力」「戦争を公開してシステムを解析させたい勢力」「聖杯戦争そのものを冒涜したい勢力」が混じっていると推測している。<br>
最初に召喚された6柱は「呼び水」であり、その「呼び水」に霊脈がかき乱れることによって「真なる聖杯戦争」としてさらに7柱が召喚される。「真なる聖杯戦争」のサーヴァントとして召喚されたサーヴァント達は勢力を組んでいるわけではなく完全に異なる思惑で動いている。主催側の一人であるファルデウスはなぜか、通常のサーヴァントを呼ぶ単位である「騎」ではなく、神を数える単位である「柱」としてサーヴァントの数を数えているがその詳細は不明。<br>
時間制限があるようで、「呼び水」である6柱が揃ってから7日間の時間制限が始まっている。<br>
主催側の一人であるフランチェスカ曰く、本物か偽物かわからなくなるほどにルールをかなりいじり回した模様。冬木の聖杯戦争ではエクストラクラスが召喚される場合、三騎士以外の四騎の枠の一つを潰す形で召喚されるが三騎士の一つであるアーチャーが後天的にアヴェンジャーへと歪曲され、ランサーの枠を潰す形でウォッチャーのサーヴァントが召喚された。更には英霊以上の力を持つ『[[イシュタル|何か]]』がその場にいた[[ホムンクルス]]の肉体を器とする形で召喚されている。
ムーンセルの聖杯戦争
『[[Fate/EXTRA]]』で西暦2032年に開催。霊子虚構世界「SE.RA.PH(セラフ)」と呼ばれる仮想現実世界を舞台に、聖杯「[[ムーンセル・オートマトン]]」の所有権を巡って戦う。かつてあった聖杯を巡る戦い(冬木の聖杯戦争)をモデルにしているが、システムは根本から大きく異なる。<br>
聖杯であるムーンセル自体が開催しているという点でも他の聖杯戦争とは一線を画している。またその規模も非常に大きく、トーナメント形式とは言え100体以上のサーヴァントが召喚されている。<br>
EXTRAの世界は、Fate本編と地続きの未来ではなく、1970年代から派生したパラレルワールド(ムーンセルは正史世界には存在しないので厳密にはそれ以前からムーンセルの有無で正史世界とは差異がある)である。
聖杯大戦
『[[Fate/Apocrypha]]』で第三次聖杯戦争後、ナチスドイツによって冬木の大聖杯が強奪され、アインツベルンが「復讐者」ではなく「[[天草四郎時貞|ルーラー]]」を召喚した事で生まれた平行世界における聖杯戦争。<br>
西暦2000年頃に開催。予備システムの稼働により、ルーマニアのトゥリファスに7騎+7騎+ルーラー1騎の計15騎のサーヴァントが召喚され、「黒」と「赤」の陣営に分かれて戦う。「聖杯大戦」という名はこの規模の拡大によって付けられた名称で、魔術協会・ユグドミレニア共にこの呼び方をする。<br>
チーム戦ではあるものの、聖杯を手にするのは一組というのは他の聖杯戦争と同一である。<br>よって、赤と黒の戦争が終結すれば、一時は味方であった者との第二の争いが始まる。<br>
この世界では聖杯戦争が世界的に広まり、各地で行われるようになった上に大聖杯も汚染されていないので、大聖杯によってルール管理者として「[[ルーラー]]」が召喚されている。<br>
「ルーラー」はこれ以前にも大規模な聖杯戦争やルールが特殊な戦争で幾度となく召喚されており、その存在は聖杯戦争関係者からは普通の物と受け止められており、「黒」も「赤」もその存在について熟知している。<br>
第三次の後、アインツベルンは新たな大聖杯の構築に奔走するが、遠坂は聖杯の獲得を断念して別の手段で根源への到達を目指し、マキリは完全に零落し聖杯の事を口伝として伝えるのみとなっている。
亜種聖杯戦争
『Fate/Apocrypha』の世界において、十数年前から乱発されていた極小の聖杯戦争。<br>
ダーニックが撹乱のために聖杯戦争の仕組みを魔術師という魔術師にバラ撒いたせいで発生したとされる。<br>
召喚される英霊数は冬木のものには届かず、わずか二騎で行われるものから相当の規模である五騎までと様々である。<br>
大雑把に百の聖杯が作成された場合、九十五が途中で頓挫、残り五つのうち四つが不完全で暴発、最後の一つが冬木とは比較にならないほど劣化した儀式として成立するらしい。<br>
ちなみに額面通りに受け取ると、単純計算で一回の亜種聖杯戦争の裏には'''99の失敗'''が存在する事になる。<br>
そんな劣化聖杯で呼び出されるサーヴァントにとってはたまったものではなく、召喚を拒絶するサーヴァントやマスターに叛逆するサーヴァントも多数発生した。<br>
霊脈の関係上、サーヴァントが冬木の聖杯戦争ほど実力を発揮できず知名度補正の影響が大きい場合が多く、地元サーヴァントの触媒争奪戦になることが多い。例えばギリシャにて開催された場合「ヘラクレスの触媒」の取り合いによって聖杯戦争開催以前に勝負が決するため、実質単なる魔術師同士の魔術合戦と化すという。<br>
まともな英霊が召喚される事も確実とは言えず、本来召喚できない[[幻霊]]にエーテル体を与えただけのものが召喚されることすらあり、まして神代の大英雄を召喚するなど奇跡に等しいとか。
初期においては「暗殺者の春」と呼ばれるほどにアサシンによるマスター殺しが猛威を振るったが、やがて「度重なる召喚で19人の[[ハサン・サッバーハ|ハサン]]全員の宝具が解析され、対策が広まっている」という設定がある。<br>
具体的な開催頻度は不明だが、少なくとも上記の通り'''アサシンとしてハサンが召喚されるかも怪しい'''(と言うよりそもそも'''アサシンクラスがいるかも怪しい''')環境下で'''ハサン達が一通り召喚・対策される'''ぐらいには頻繁に起きている模様。
ただ、仮にアサシンが召喚される可能性が50%、アサシンとしてハサンが召喚される可能性が50%、19人が平均して10回呼び出された……と仮定しても、これだけで'''760回'''もの亜種聖杯戦争が行われている事になる。開催以前に頓挫した物も含めれば、数千、下手をすれば数万の亜種聖杯戦争が試みられたと言う事であり、もはや魔術師の大半が聖杯戦争に関わっていると言ってもおかしくない。流石に少々無理があるため、現在では変更されている可能性もあるだろう。
虎聖杯戦争
『[[フェイト/タイガーころしあむ]]』、『[[フェイト/タイガーころしあむ アッパー]]』で行われた聖杯戦争。<br>
[[藤村大河]]がひょんなことから聖杯を手に入れてしまい、'''「みんなの願いを叶えて」'''と願ったことから始まった争奪戦。<br>
その性質上参加すれば誰もが願いを叶えられる可能性があり、願いがなくとも参戦することで結果的に無意識に持っていた願いが叶う、という因果になっている。<br>
歴代の真面目な聖杯と比較しても願いを叶える能力はずっと高いのだが、手段をきちんと考えないと面白おかしい結果になってしまうというリスクが有る。
[[カプセルさーばんと]]世界での第四次聖杯戦争
「カプセルさーばんと」本編の3年前に発生していた。じゃんけんによりアインツベルンが勝利したがアハト爺と臓硯爺の後出しした、してないの言い争いの結果ノーサイドゲームになった。
[[Fate/Prototype]]、[[Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ|蒼銀のフラグメンツ]]での聖杯戦争
『Fate/Prototype』の世界において、[[聖堂教会]]の所有していた模造聖杯を使用して行われる聖杯戦争。<br>
概要は概ね冬木と変わらない。だが聖杯を用意したのは魔術師達ではなく、聖堂教会が主催者。聖杯はサーヴァントの魂を貯める小聖杯と本体の大聖杯ではなく、善き魂である英霊を召喚するための小聖杯(シンボル)と多くの魂を溜めるための地下大聖杯(セイントグラフ)の2つに分かれている。開催目的は根源への到達や第三魔法ではなく、サーヴァント七騎の魂を呼び水にさらなる高位存在を呼び出すこと。冬木の聖杯は[[アンリマユ]]の召喚によって汚染されたが、こちらの聖杯は発端から既に狂っておりその結果[[ビースト (Prototype)|ビースト]]が召喚される。開催地は冬木のような地方都市ではなく、極東最大の大都市・[[東京]]など、相違点も多い。<br>
2回開催されており、一度目は『蒼銀のフラグメンツ』の1991年、二度目は『Fate/Prototype』の1999年。<br>
他の聖杯戦争と比較しても被害規模がとんでもなく、『蒼銀のフラグメンツ』では建設中だった「海ほたる」が半壊し、'''米海軍第七艦隊が一部隊完全に壊滅した。'''『Prototype』でも新宿が水没し、'''東京が壊滅する'''ことが示唆されている。
迷宮の聖杯戦争
『[[Fate/Labyrinth]]』で[[コーバック・アルカトラス]]作の第七迷宮にて行われる聖杯戦争。亜種聖杯戦争ともされるが、『Fate/Apocrypha』との関連性は不明。<br>
召喚される英霊は四騎。マスターはおらず、迷宮のモンスターや罠をくぐり抜け、拾ったマジックアイテムから魔力を補給し、最奥部にある聖杯を目指す。
その目的は聖杯を設置した[[ヴォルフガング・ファウストゥス]]の本当の目的である「自身の霊基再臨」を果たすため、サーヴァントから英霊核を奪いとり、自身の魔力源とすること。その意味では、「根源への穴を開ける」か「自分の霊格を上げる」かの違いはあるが、本来の聖杯戦争の真の目的に一番近いとも言える。
[[Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]]のイリヤ世界における聖杯戦争
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]のイリヤ世界で本編の時間軸の10年前、アインツベルン家が行おうとしていた儀式。<br>
内容は冬木の聖杯戦争に準ずると推定されるが、[[衛宮切嗣]]と[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]が出奔したために、この世界では行われることがなかった。<br>
とは言え『stay night』に連なるいわゆる正史世界との齟齬も少なくない。例えばクラスは基本7クラスがすべてで[[エクストラクラス|例外]]はないとされるほか、(正史では先祖が聖杯戦争に参加していた)[[遠坂凛 (プリズマ☆イリヤ)|凛]]や[[ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト (プリズマ☆イリヤ)|ルヴィア]]が聖杯戦争を全く知らなかった。本編中に「第四次聖杯戦争」という用語は登場しないため、イリヤの世界ではこれが「第三次」以前の聖杯戦争になるはずだった可能性も考えられる。<br>
戦争自体の真相も「願望機を求めて戦い合う擬似戦争」とだけ解説されており、根源に至るという裏の目的がこちらの世界にも存在するかは不明。
[[Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]]の美遊世界における聖杯戦争
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の美遊世界で[[エインズワース家]]が行おうとしている儀式。
<br>エインズワース家が間桐家とその他の魔術師一族と手を組み、各々が「聖杯となる器」「聖杯を降霊可能な土地」「英霊召喚システム」を用意したとのこと。<br>
置換魔術の特性を考えると、エインズワース家が用意したのは「英霊召喚システム」。<br>
エインズワース家のそれは「[[クラスカード|サーヴァントカード]]」と呼ばれる英霊の力が宿ったカードを術者自身の身に宿して戦わせる「夢幻召喚(インストール)」という形をとっている。<br>
これは、奪い合う「聖杯」である美遊が既に完成されているため、わざわざ英霊の魂を召喚して来なくても良いからであろうか。
第五次まで終わっており、[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン (プリズマ☆イリヤ)|イリヤ]]達が巻き込まれたのは「第六次聖杯戦争」である。第四次までは失敗続きであり、特に第四次では当時の当主だった[[ザカリー・エインズワース]]が死去し、残りの2家も壊滅したとのこと。<br>
そして第五次聖杯戦争でも[[衛宮士郎 (美遊世界)|衛宮士郎]]がイレギュラーから参戦してしまい、残り六騎を撃破して勝者となり、聖杯である[[美遊・エーデルフェルト|美遊]]に願って彼女を平行世界へと送り出すことで終息したはずだったが……。
帝都聖杯奇譚
『[[Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚]]』および『[[帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline]]』で西暦1945年に開催。第三次聖杯戦争が[[織田信長|アーチャー]]の勝利で終わった後、聖杯が突如消失し、再出現したために発生した聖杯戦争。<br>
第三次聖杯戦争が「一昨年」の出来事として言及されているため、本編の時間軸とは数年のズレがある。<br>
アーチャーと帝国陸軍が帝都に聖杯を持ち帰った為か、帝都で開催された。<br>
第三次での被害が大きかったために御三家はどこも参加できず(間桐少佐は帝国陸軍所属)、聖堂教会も太平洋戦争末期のため大日本帝国で大きく動けず、第三次の監督役もアーチャーに殺されているため<ref group = "注">『type Redline』では責任を問われて更迭されたことになっている。</ref>、参加勢力は[[ドイツ第三帝国]]と[[大日本帝国|帝国陸軍]]がメイン。<br>
開催地や参加勢力の影響が相当に波及しており、召喚されたサーヴァントはその大半が日本出身である。
Fate/Requiemでの聖杯戦争
『[[Fate/Requiem]]』の世界で、14年前<ref group="注">作中年代が2025年と推定されるので、2011年にあたる。</ref>に起きた大戦争。<br>
世界各地で聖杯戦争が同時多発的に発生し、その勝者がさらなる聖杯戦争に巻き込まれ……と連鎖的に続き、地球規模で世界が大変動を迎えた。<br>
結果、主だった都市以外は人の住めない荒野と化し、そこを徘徊するドローンのせいで他の都市への移動や飛行機の運行もままならない有様となった。<br>
この戦争で最終勝利したのが[[真鶴チトセ]]と[[ルキウス・ロンギヌス]]であり、これ以降人類は心臓に聖杯を持ち、不老不死となり、誰もがサーヴァントを従えるようになった。
亜種二連聖杯戦争
『[[Fate:Lost Einherjar 極光のアスラウグ]]』で、北欧のオスロで開催された聖杯戦争。<br>
『Fate/Apocrypha』に連なる世界であり、そちらにおける亜種聖杯戦争の一つ。<br>
二連の名前の通り、マスターの一人である[[レミナ・エルトフロム・ユグドミレニア]]がアーチャーとバーサーカー二人を従えているように、マスター四人がそれぞれ二人のサーヴァントを従えているが、カラクリは第一巻時点では不明である。<br>
本来なら不完全な聖杯である亜種聖杯を二個連結させることで無理やり聖杯として稼働させ、上記のシステムを作っているとか。<br>
世界中で亜種聖杯戦争が数十回以上開催されているため運営のシステム化が非常に進んでおり'''「運営側が予算不足なためスポンサーを募る」「聖杯戦争を生配信して魔術関係の視聴者から金を取る」「配信の都合に合わせてマスター狙いは禁止、戦闘禁止期間も厳密に定まっている」'''など聖杯戦争が完全に「エンターテインメント」として扱われている。
盈月の儀
『[[Fate/Samurai Remnant]]』の世界で開催された聖杯戦争。<br>
慶安四年の江戸を舞台としている。<br>
[[土御門泰広]]が[[安倍晴明]]の遺した聖杯戦争に関する情報を基に考案し、組み上げられた大掛かりな魔術儀式だが、枝葉のかたちのみを模倣した出来損ない。<br>
しかし仕組みそのものは再現されているため、盈月の儀における聖杯の[[聖杯|盈月]]は願望機としての機能を有する。<br>
ルールとしては通常の聖杯戦争と同じくマスター七人と英霊七騎による生存競争だが、土地の霊脈に紐づいた逸れのサーヴァントが多数召喚されるなど些か差異がある。
聖杯探索
『[[Fate/Grand Order]]』の世界を起点にした人理の焼却に伴って勃発したもの。<br>
亜種聖杯戦争にしても異質なものだが、公式サイト等には「史上最大の聖杯戦争」との記述がある。
魔術王[[ソロモン]]を名乗る者による人理定礎の破壊を目的に、各時代に聖杯を預けられた人物が出現しており、唯一その脅威に立ち向かえる[[人理継続保障機関フィニス・カルデア]]は、聖杯の奪取ないし彼らの撃破を目的としてレイシフトによる特異点への突入を行う。<br>
各特異点には聖杯所有者が召喚するサーヴァントの他、マスターを持たずに召喚される「はぐれサーヴァント」が複数出現。彼らが人理定礎を守護する側と破壊する側に分かれて戦いを繰り広げるため、特異点ごとに亜種聖杯戦争が起きているともとれる。<br>
最終的に7つの特異点の聖杯がカルデアに回収され、その後に魔術王の正体であった[[ゲーティア]]を倒したことで一旦事件は幕を引いたが…
[[Fate/Grand Order]]での聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界において、フィニス・カルデア発足前に開催されていた聖杯戦争。<br>
『[[Fate/stay night]]』で語られたものと異なり、2004年での冬木市が最初にして最後の開催地とされている。また、アメリカで聖杯戦争を執り行われたという公式記録がない。<br>
[[聖杯]]を手に入れた勝者は[[時計塔]]のロードの一人にしてカルデアの前所長である[[マリスビリー・アニムスフィア]]とそのサーヴァントの[[ソロモン]]。マリスビリーはカルデアの活動や開発のための資金を、ソロモンは[[ロマニ・アーキマン|人間への転生]]を聖杯に願った。今後の活動に影響を及ぼさないよう、「セイバーが聖杯戦争での勝者」と情報操作をしていた。冬木市での聖杯戦争の英霊召喚をもとに、「守護英霊召喚システム・フェイト」が造られた。
何気に、滞りなく勝者の一組が決定し、聖杯が破壊される事も無く、勝者の望みがきちんと叶えられている数少ない聖杯戦争。<br>
ソロモンが語ったところによると、少なくとも『Grand Order』の世界における「聖杯戦争」とは、元々はソロモンの時代に存在した「[[ビースト|人類悪]]による世界の危機に対し、[[グランドクラス|その時代最高峰の七騎]]を召喚しぶつける決戦魔術」が源流であり、後世のものはそれを格落ちで再現、要所改変したものに過ぎないとされる。この設定が他作品においても同様なのかは現在不明。
Fate/Accel Zero Orderでの第四次聖杯戦争
『Fate/Grand Order』に登場する並行世界にて開催された第四次聖杯戦争。<br>
大筋は本来の第四次聖杯戦争と同様だが、アインツベルンの研究が一世代早く進んだことで[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン|アイリスフィール]]が究極のホムンクルスとなっているため、アインツベルンが[[衛宮切嗣]]を雇わずアイリスフィールが[[アルトリア・ペンドラゴン|セイバー]]のマスターとして直接参加しているという点が異なる。<br>
また、その結果「最強のスペックを持つマスター」「最優のサーヴァント」「小聖杯の優先権」を持つアインツベルンの勝利がほぼ確定となり、アンリマユの誕生が決定的となった。外部からこれを阻止せんとする動きが立ち上がり、カルデアの[[レイシフト]]とは他に、[[抑止力]]の代行者として[[エミヤ〔アサシン〕]]が干渉。
深海電脳楽土SE.RA.PHでの聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界における特異点で開催された聖杯戦争。<br>
2030年にレイシフトさせられて電脳化された[[海洋油田基地セラフィックス]]を舞台として、128人のマスターと128騎のサーヴァントがバトルロイヤル形式で戦うという、上記のムーンセルの聖杯戦争の初期形式を模している。<br>
だが、ここでのマスターはすべてセラフィックスの隠された区画である「天体室」に「死亡がまだ確定していない状態」で安置された素体が使用されており、事実上召喚されたのははぐれサーヴァントのみである。その為に、召喚されたサーヴァントの中には我欲のままに行動する輩も数多く居る。<br>
さらに言うなら、そもそも聖杯戦争の開催目的は、[[ビーストⅢ/R|殺生院キアラのビースト]]としての霊基を確立するため(と彼女の暇つぶし)であり、死亡したサーヴァントも残ったサーヴァントも最終的にはキアラに吸収されてしまう。つまり、『[[Fate/Labyrinth]]』の「迷宮の聖杯戦争」と同じく、'''完全な空手形。'''<br>
その性質上128騎が全て吸収されたらすぐに128騎が再召喚されて次の「聖杯戦争」が始まるうえ、時間経過速度が特異点外の現実よりも大きく乖離していることもあって「開催回数」もとんでもないことになっており、'''最低でも70回'''は繰り返されている。
Fate/Apocrypha Inheritance of Gloryでの聖杯大戦
:『Fate/Apocrypha』の世界において、[[ジーク|ファヴニール]]が世界の裏に持ち去った大聖杯の中で執り行われた聖杯戦争。
:大聖杯の内部は『Apocrypha』の世界での聖杯大戦を再現するための巨大なシミュレーションフィールドであり、トゥリファスと空中庭園が精密に再現されているが、それ以外の土地は存在しない。
:その為か、サーヴァントも聖杯大戦の際に召喚された時の再現体であるが、不完全なもの。戦闘能力こそサーヴァントに匹敵するが、感情や論理的な思考は一切なく、戦闘のみを実行し繰り返すだけであり、いわゆるゾンビやメカに近い。
:最初は二騎、567回目の聖杯戦争は四騎と規模が増え、七騎が揃った2313回目辺りから、ダーニックのクラッキングによって大聖杯の支配率が変わり始め、事態の収拾のために大聖杯の管理者であるファヴニールによって[[主人公 (Grand Order)|主人公]]が召喚された時は戦いの数は既に一万を超過、支配率はすでに過半分が奪われていた。
:本来であれば、ファヴニールは十四騎すべてのサーヴァントに思考を持たせて聖杯大戦を裏で操っている者を探らせようとしたが、それは悪手であり残酷な手段として躊躇してしまった。しかしそうして幾千幾万回も手をこまねいたうちに、再現体が自我を持たぬまま宝具すら起動できる程までに状況は悪化した。
:その後、ファヴニールは咄嗟に[[アキレウス]]と[[ケイローン]]を思考を持たせたサーヴァントにしたものの、彼らは聖杯大戦の記憶を持たない初期化した状態となった。だがそれ以降、他の再現体を打倒することで思考を保有した状態で味方につけることも可能となった。
:このまま放置した場合だと大聖杯は暴走し、魔獣に被害が及ぶだけでなく、下手すれば人理の錨が余波で障害を起こし、織物が破れて物理法則が一転して変貌して神代と現在が入り混じる世界となり、人間も魔物も互いに殺し合う事となる。
:ただしこの聖杯大戦は「再現された世界」側に影響を与えるものではないため、[[ルーラー]]が召喚されることはない。
ぐだぐだ帝都聖杯奇譚での聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界における特異点で開催された聖杯戦争。<br>
「皇紀2605年」の帝都東京が舞台となっているが、帝都以外の空間は存在しておらず、当然ながら太平洋戦争中でもない。<br>
原則としてマスターはおらず、大量に召喚されたはぐれサーヴァントが互いに殺し合うことから始まり、十分に戦果を挙げれば聖杯からクラスを与えられて参加者となる。ただし、他のはぐれサーヴァントに倒されてクラスを奪い取られることもある。<br>
参加者は帝都の各地にある「楔」を中心に「戦線(レッドライン)」と呼称される陣地を構え、敵サーヴァントを倒すか楔を破壊するかの陣取り合戦を行ってゆく。<br>
自分の戦線内では聖杯から様々な恩恵を受ける事ができるが、セイバー・ランサー・アーチャーの三騎士は特にその恩恵が強く、ライダーは敵の戦線内でもある程度自由に行動でき、アサシンは敵サーヴァントの位置を把握できるなどクラスごとに様々。
……実のところ、この聖杯戦争は何度も繰り返されており、その実態は帝都全てを戦線としているキャスター・[[明智光秀]]の手によって英霊の霊核を集め、いつか召喚されるであろう[[織田信長]]の霊基に注ぎ込むことで「自分の理想とする信長」を生み出す為の儀式であり、やはり完全な出来レースである。
サーヴァント・サマー・フェスティバルでの聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界において、即席で作り上げられた特異点「[[永久常夏祭壇 ルルハワ]]」にて開催された聖杯戦争。<br>
年に一回開かれる同人誌即売会「サーヴァント・サマースター・フェスティバル」にて、今年の主催者であった[[BB (水着)]]が「売上一位のサークルには聖杯をプレゼント」と賞品をつけたことで発生した。<br>
とはいえ参加者の大半は聖杯には興味が無く、本気で狙っていたのはBBに強要された主人公チームと、スレイブランド創造に三度目の夢を賭けた[[女王メイヴ]]だけであった。
……しかし案の定というべきか、結局これも完全な出来レース。実際のところ、BBは弱っていた女神ペレを聖杯の力で復活させる事を目論んでおり、その為には「他人の為に願いを使う事」が必須条件となる為、BBはメイヴが勝利するたびに後述する力を使って時間を巻き戻し、主人公らが一位を取るまで繰り返し続けていた。<br>
ところが問題はそれだけではなかった。BBはペレと接触する前後にカルデアハワイ支部の設備を使った結果外宇宙の邪神と接触しており、時間を巻き戻す権能を譲り受けていたのみならず、明らかに接触した邪神の影響を受けたせいで目的も「ペレを復活される」からずれてしまっている。その結果、用意した聖杯「黄金の豚の杯」も'''願ったことと逆の願いが叶う'''という、[[アンリマユ]]仕込みだった冬木の汚染聖杯よりも最悪な代物であり、仮に主人公が世界平和の為に聖杯を使った場合には'''地球が崩壊する'''という過去最悪の結果をもたらす恐れがあったのである。
サンタタッグトーナメント
『Fate/Grand Order』の世界において、メキシコに作られた特異点にて開催された聖杯戦争。<br>
国別にタッグを組んでプロレスのトーナメント戦を行い、勝者には「真のサンタクロース」になる力を得られるクリスマス聖杯が贈られる。<br>
主催者は[[ケツァル・コアトル〔サンバ/サンタ〕]]の闘争を司る半身である[[ブラック・ケツァルマスク]]であり、彼女自身もメキシコ代表として参加している。<br>
トーナメントが進む事でクリスマス聖杯に魔力が溜まってゆき、最終的に聖杯が完成する、という点は通常の聖杯戦争と同一である。「真のサンタクロース」ならば永遠にクリスマスを続けられる程の力を得られるとのことで、参加者は様々な思惑を持ってトーナメントを戦ってゆくことになる。
ブラック・ケツァルマスクがあまり悪人ではないこともあってか、『Fate/Grand Order』での聖杯戦争では珍しい事に、戦いを盛り上げる為に反則はスルーしたりするものの出来レース的な要素は一切無い。<br>
ブラック・ケツァルマスクの相方は「サンタクロースの概念」という抽象的な代物でこれを纏う事で「より強いサンタパワーを持つ者しか攻撃を通せない」という要素もあるが、先述の通りの弱点がある上に決勝戦までは一切使用しないでいた。結果的に「善のケツァル・コアトルからのダメージは受けない」要素と合わさって、ケツァル・コアトルがサンタになっているカルデア代表チームではそのままでは絶対に勝てないことになってしまってはいたが。
天覧聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界において、[[地獄界曼荼羅 平安京|特異点となった平安時代の京都]]にて開催された聖杯戦争。<br>
[[安倍晴明]]が文面で送ってきた術式に従って[[藤原道長]]が開催を主導しており、七人の天覧武者が七騎の術者を従えて戦ってゆく。<br>
マスターに相当する天覧武者は「武者」とついているが武者であるとは限らず、「平安京にその名を知られた力あるもの」から選出され、令呪を与えられる。<br>
「術者」とついているように召喚されるサーヴァントは[[キャスター]]のみであり、後世でサーヴァントたりうる生前の偉人がそのままマスターをやっているため、'''マスターの方がサーヴァントより強い'''という事態が当たり前のように起きている。<br>
他の天覧武者の命を奪う必要はまったくなく、敵の術者の首を取ればよく、最終的な優勝者とパートナーの術者には願いを叶える権利と道長からの褒美が与えられ、それと同時に「平安京の千年の安寧」が願われる。<br>
だが、そもそもの黒幕は[[蘆屋道満|アルターエゴ・リンボ]]で、敗北した術者の魂は[[空想樹]]「地獄界曼荼羅」の降臨に使用される手筈であり、結局はこの聖杯戦争も完全な空手形であった。
戊辰聖杯戦争
『Fate/Grand Order』の世界において、特異点となった幕末の江戸にて開催された聖杯戦争。<br>
汎人類史なら江戸城が無血開城されて明治政府が成立し、幕府残党と戊辰戦争が開始されるはずだが、その無血開城の話し合いの際に開催された。<br>
これによって本来は生き残るはずの幕府・新政府の重鎮が複数死亡し、両軍が衝突。結果江戸が大規模に破壊される「江戸城流血開城」の大惨事となってしまった。<br>
聖杯戦争自体には裏はなかったようだが、参加サーヴァントの[[高杉晋作]]と[[武市瑞山]]と[[坂本龍馬〔ランサー〕|坂本龍馬]]が裏で結託しており、無血決着を餌に他のサーヴァントを誘い出して謀殺しようとして、さらに高杉が残り二人を裏切って聖杯を持ち去り、だがその高杉は龍馬と裏で結託していて……と裏切りと騙し討ちが横行する代物。<br>
さらには参加サーヴァントの一人である[[森蘭丸]]が持ち込んだ宝具「信長の首」が聖杯と相互作用したことによって特異点が固定され、召喚されたサーヴァント達のマスターは全滅したもののサーヴァントはそのまま残り続ける、という事態になってしまった。<br>
結局江戸は荒廃して都市機能を失い、首都を埼玉に移して『[[キ械維新都市 SAITAMA]]』が特異点として成立した。
システム・グレイルウォー
『Fate/Grand Order』の世界で奏章Ⅰ『[[虚数羅針内界 ペーパームーン]]』でペーパームーンの内側で展開されていた聖杯戦争。<br>
ペーパームーン内の「修復部(リペア)」「生産部(グロウ)」「維持部(キープ)」「移送部(トランスポート)」「構築部(ビルド)」のそれぞれの筆頭[[AI]]をマスターとして行う。<br>
それぞれは自分の領域の部下を人材として行使し、令呪一画を持った上で互いのサーヴァントを脱落させることで相手の領域を奪い取って自身の配下に加えることができる。<br>
最後に残ったマスターは統括管理AIの座を引き継いで、それぞれの欲求に従ってペーパームーン内を自身の望む形で運営できるようになる。……という建前で行われる。
実際にはいつものごとく空手形であり、中立のはずの警防部(ディフェンド)と統括管理AIの[[ラニ=Ⅻ]]が黒幕としてコントロールしていた。その本来の目的は'''[[アルターエゴ]]の無限生産と運用。'''<br>
最初にペーパームーンに聖杯が発生したことでラニ=Ⅻに人格が生まれて「世界を救わねばならない」という目的意識を持ってしまい、「アルターエゴの大量生産による兵力の増強」を決意。<br>
召喚したサーヴァントからアルターエゴを生み出してそれをサーヴァントとして聖杯戦争を運用し、それらが座に帰るエネルギーを利用してペーパームーンを回転させて遠心分離作用で新たなアルターエゴを生み出し……と続けることで聖杯戦争運用分以外の余剰アルターエゴを戦力として無限に増やしていく目算であった。<br>
なお勝ち残った筆頭AIは統括管理AIに人格を融合され、自身の望んだ願望が方針として反映されるものの、聖杯戦争を続けるのはそのままで本人の人格は消滅するために結局のところ願いは叶わない。