真名:阿曇磯良
:『古事記』や『日本書紀』といった史書には登場せず、九州北部の伝承を中心に名を残す海の神。
:永い歳月を海底で過ごした事で全身にカキやアワビが張り付いた醜い容貌であったとされ、絵巻物や神楽においては白い布で顔を隠した姿でしばしば登場する。
:『太平記』においては、神功皇后が日本中から神々を招集した際に何故か阿曇磯良だけが現れなかった。己が醜い容貌を恥じた磯良が、表に出てくる事を拒んだのだ。
:困り果てた神々は一計を案じ、音楽を好む磯良のために神楽を演奏しながらこれを待つ。その音色につられた磯良はついに海中から姿を現し、神功皇后に二つの宝玉を授けるのであった。
:この両顆の明珠こそ潮の流れを操る綿津見の秘宝───『潮満珠』と『潮干珠』である。
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:朝と共に死に、夜に再び生まれ出ずるもの。豊穣の女神や天狼と呼ばれた、夜空に最も輝けるもの。古代の船乗り達が神格化した空の道標───「シリウス」こそが阿曇磯良の持つ別の側面(アルターエゴ)。
:星神としての磯良はあくまで「地上から見た星」が神格化された存在であり、地球外から来た神ではない。神代におけるそのメカニズムは不明なものの、人々の祈りによって「それ」は生まれ落ち───何処とも知れぬ海岸へと流れ着いていた。
:そして彼は[[ユタ|とある少女]]と出会い交流を深めるも、理不尽な目に遭った彼女を失ったため、ただひとり海の底に身を置いて地上に戻る事は無かった。
:───それから、水底で朽ちかけていた神霊はサーヴァントとして召喚される機会を得た。気まぐれにサーヴァントとなる事を選ぶも、この引きこもりの神様は[[日比乃ひびき|二つ]][[桂木千鍵|の星]]と出会った。
関連
; シリウス
: おおいぬ座を構成する、太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星。冬の大三角を成す星の一つでもある。
: 名称はギリシャ語の「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味する「セイリオス」に由来している。
: 古代エジプトでは「豊穣の女神ソプデト」として信仰され、中国では「天狼星」と呼ばれて侵略や貪残を司る不吉な星とされており、ギリシャではおおいぬ座も含めて「オリオンの猟犬」とも称されていた。
: その明るさから船乗りの道標としてよく利用されていたようで、世界の各地にシリウスを示す名が存在している。
: また、輝く一つの星に見えるが実際は大小二つの恒星からなる連星である。