真名:スカサハ=スカディ
:北欧の女神スカディとケルトのスカサハが習合した存在。雪山の女神。
:神々を狙うスルトから目をくらます為に、オーディンによって縁のある女と在り方を重ねられた。
:北欧異聞帯に由来するサーヴァントで、汎人類史のスカサハとは「完全な別人」。異聞帯でのみ成立する神。女王としての性質に大きく傾いた存在である。
:21世紀の北欧異聞帯に於いて、実体を失い自然へと溶けた神霊ではなく、神代から連綿と続く時間を生きて来た実在の神として、異聞帯の王として君臨した神の女王。
:ケルトの英雄スカサハと由来を同じくする北欧の巨人である、山の女神スカディ(スカジ)の特徴が多く現出している。
:スカディの側面が濃いスカサハ、というよりも「スカサハの性質を一部有するスカディ」と表現するべきか。
:スカディ(スカジ)の名は古ノルド語で「傷つくるもの」を意味する。
:古エッダの『グリームニルの歌』によれば「忌まわしき巨人スィアチ」の娘であり、父と共にどよめきの国スリュムヘイムの古い館に住んでいた。
:後に北欧の神々のもとへ嫁いだため、「神々の麗しい花嫁」と呼ばれる。
:スカディはスアンドルグ(スキーの神)、もしくはスアンドルディー(スキーの女神)とも称される。山における狩りの達人であり、スキーの名手であると伝えられた。
:本作におけるスカサハとスカディは完全なイコールの存在ではないがお互いに影響を与え合い、「混じり合った」という解釈を取る。
:ランサーのスカサハが大神オーディンの所有する原初のルーンを譲り受けているのも、ある意味、この混合(習合)ゆえであろう。
:汎人類におけるスカサハは、北欧のスカディ神と部分的に習合している可能性があるが、北欧異聞帯ではスカディ神が存在の主体となっており、「スカサハ=スカディ」として異聞帯に存在した彼女は特にスカディとの混合比率が高く、そのため、神々の花嫁としての性質を多数有している。
:神々に愛され求婚され続けた女神ではあったが、気付けばラグナロクの果てに全ての神々は姿を消しており、
:異聞帯を統べていた頃には隠し続けてきたものの「異聞帯としての北欧世界最後の神」になってしまっていた故に、彼女の心には「取り残された者」としての哀切がある。
:ノルウェー王統の歴史書『ヘイムスクリングラ』によれば、スカディ(スカジ)は一度目の夫である海神ニョルズと離婚し、オーディンと再婚したことになっている。
:本作の彼女は未婚だが、後世にそう記される程度には目を掛けられていた……はずである。