真名:巌窟王 / エドモン・ダンテス
:エドモン・ダンテス。「復讐者」として世界最高の知名度を有する人物。「巌窟王」として知られている。
:マルセイユの海の傍らで働く誠実な男で、この世が邪悪に充ちているとは知らずに生きていた。19歳の時、悪辣な陰謀が導いた無実の罪によって孤島にある牢獄、<RUBY><RB>イフの塔</RB><RT>シャトー・ディフ</RT></RUBY>に囚われてしまう。
:鋼の精神によって屈することなく十四年もかけて監獄島から生還し、彼は復讐鬼となった。
:人間が持つ善性を捨て、悪魔が如き狡猾さと力を、そして自らに希望を与えたファリア神父より授かった救世主の島、財宝の城──モンテ・クリスト島の財宝を得てパリへと舞い降りた。それと同じ名「モンテ・クリスト伯爵」を名乗り、憤怒のままに復讐に耽って、かつて自分を陥れてフランスに君臨する有力者の人々を一人ずつ地獄へと引きずり落としたという。
:その苛烈な生き様と正体を隠した復讐劇、踏みにじられ奪われた恋人メルセデスへの想いと愛執、そして苦悩と後悔から改心へと至る道程は、フランスのみならず世界中の人々に喝采され「世界で最も高名な復讐者」として人々の記憶に刻まれた。
:巌窟王の物語は[[アレクサンドル・デュマ・ペール|アレクサンドル・デュマ]]による創作とされるが、イフの塔に収監されたエドモンを導く「ファリア神父」の実在が現実では確認されている。
:現界した彼は「エドモン・ダンテス」を真名として複合しているものの、マルセイユの海の男であった「エドモン・ダンテス」と自分は別人であると彼は認識している。
::なぜなら「エドモン・ダンテス」とはパリに於ける血塗られた復讐劇の果てに自らを構成した悪性を捨て、善性を取り戻した男の名だから。
::凄絶な復讐鬼になり果てるも、最後には愛を取り戻して旅立った彼の隣には、彼を愛する異国の姫たる存在のエデがいた。
::だが、サーヴァントとして現界した彼は人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永遠の復讐者であるが故に「復讐鬼の偶像」で在り続けている。
::<RUBY><RB>巌窟王</RB><RT>モンテ・クリスト</RT></RUBY>───それは復讐のためだけに生み出された、悪魔の名。
:我が名は巌窟王。
:愛も情も知らず憎悪と復讐のみによって、全てを灰燼に帰するまで荒ぶるアヴェンジャーに他ならない。この世界に<RUBY><RB>籠姫</RB><RT>エデ</RT></RUBY>はおらず、ならばこの身は永劫の復讐鬼で在り続けるまで──
関連
;シャトー・ディフ
:フランス・マルセイユ沖に位置するイフ島に造られた牢獄。「モンテ・クリスト伯」の舞台となった。
:この世に在りながら「地獄」とさえ称され、許されざる大罪を犯した者どもを収監する、死の牢獄。地上の苦しみが集った場所であり、囚われれば最後、脱出など不可能と言われていた。
:唯一生還したエドモン・ダンテスも、無限の怨嗟を背負った「暗黒の鬼が如き者」と化してしまった事から、その過酷さが伺い知れる。
:ダンテスは病死したファリア神父の遺体と入れ替わり、海に捨てられたことで死を偽装しながら脱獄に成功した。