真名:アビゲイル・ウィリアムズ
:17世紀末。清教徒の開拓村セイレムで起きた「魔女裁判事件」。
:最初に悪魔憑きの兆候を示した一人が少女アビゲイル・ウィリアムズだった。
:悪魔憑きの異常な症状は他の少女たちにも伝播し、およそ一年に渡って多くの村人が告発された。
:その結果200名もの逮捕者、うち19名もの絞首刑、2名の獄死、1名の拷問死という惨劇を招いた。
:少女たちの真意やその引き金となった要因など、いまだに多くの謎が残されている。
:清教徒の信徒としてのアビゲイルは神を敬い、感謝の祈りを欠かさぬ無垢の少女だ。多感で疑う事を知らない年頃の娘に過ぎない。
:清貧を信条とする清教徒達は、権威におもねる教会の弾圧を逃れて海を渡り、新世界へと至る。しかしやがて彼らは追いつかれ、追い詰められた。彼らの抗議(プロテスト)の矛先は、身近な隣人へと向けられた。
:退廃と抑圧の世にこそ“英雄”が立ち上がるように───
:自分を律するはずの潔白の信条は、他者を監視する道具となり、戦乱と略奪が繰り返される植民地の不穏な暮らしは、猜疑心と利己心を育んだ。
:───彼らはやがて心の底に狂気を、“魔女”を求めるようになる。私たちのこの不幸と苦しみは、悪魔の仕業でなければ何なのだ、と。
:果たしてセイレムに魔女は現れ、凄惨な魔女裁判の門は開かれた。“鍵穴”となる狂瀾たる状況。人々の欲望を映しとり“鍵”となった少女。
:その両者が欠かせぬのだとしたら、さて、罪はどちらにあるのだろうか。
:外なる神“全にして一、一にして全なる者”。
:それらは、とある異才なる男に創造された虚構でありながらも、常識を侵食する狂気としての条件を備えていた。
:彼ら、いや、ソレらは地球古代史に存在しない偽りの神であるが、遙かな深淵よりの観測者としての可能性を捨てきれないものたちである。
:その特性をもって、彼女にはこのクラスが与えられた。
:''虚空からの降臨者───フォーリナー''と。
:魔神柱ラウムは、不可能を可能とするために、男の発想の原点を求め、発端となった歴史上の事件をたどり、そして必然たる一人の少女へと行き着いたのだった。
:ゆえにアビゲイルとは、外なる神に仕える"巫女"であり、神を顕現させる"依り代"であり、虚構への門を開く"鍵"である。