真名:モードレッド
:[[円卓の騎士]]の一人であり、[[アルトリア・ペンドラゴン|アーサー王]]の息子。同時に伝説に終止符を打った「叛逆の騎士」である。
:アーサー王の姉・[[モルガン]]が自身の妄執を成し遂げるために造り上げた[[ホムンクルス]]であり、王と実の姉の不貞・近親相姦によって生まれた子。
:ホムンクルスであるがゆえに、普通の人間より遥かに優秀。剣の腕も卓絶していたが、人間よりも成長速度が早く、短命というハンデも背負っていた。
:当初のモードレッドは野心よりもアーサー王に対する憧れが強く、自らも立派な騎士たろうと努力する純真な人物だった。また、人間ではない自分を恥じてもいた。
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:しかし、一向に叛意を抱かないモードレッドにモルガンは業を煮やし、その出生の秘密を告げる。これによりモードレッドは自身が人間でない負い目を、人を超越したあの王の息子である証として誇るべき、と考えるようになる。
:そして、嬉々として王に自身を後継者にするように進言するも、当初は竜の血筋と共にブリテンの全てを背負う覚悟も責任も、ましてや'''『こうありたいと願う国の未来と王の姿という理想像』'''さえ何も持たないモードレッドにその器はないと判断したアーサー王は、王位は譲らず息子としても認めないと拒絶してしまう。
:自身が王の宿敵であるモルガンの子供であるが故に拒絶された<ref group="注">これについても、同じくモルガンを母に持つガウェイン達四人の異父兄妹が全員円卓の席に属している事から、'''完全な思い込みである'''。</ref>と思った''(取り違えた)''モードレッドは、今までの愛情の反動で王に憎悪を向けるようになる。
:アーサー王に叛旗を翻したモードレッドだったが、その根底にあった思いは、「王に認めてもらい、ただ息子と呼んで欲しかった」という想いだけであった。だが、モードレッドもまたアーサーの苦悩を推し量ることができなかった。
:最終的に陰謀をもって王を追いつめ、遂には反乱の将として刃を向けた。最期はカムランの丘にて相討ちになる形で、王の槍に貫かれて死んでいった。
:そして死の間際に、騎士王が「自分のことを見ていないのではなく、最初から誰も見えなかった」ことを思い知る。
:トリスタンがキャメロットを立ち去る際に告げた言葉を思い出し、それが正しかったと確信したのだ。