Fate/Grand Order
;「アルジュナのご帰還か。否、あるいは遠征か? 闇を打ち払い、光を求めて此処に来たのか?」<br/>「度し難いな、我が友よ!<br> <ruby><rb>“輝く王冠”</rb><rt>キリーティ</rt></ruby>とすら呼ばれた私が救われるのは、最奥の暗黒だけ。<br> ──何て皮肉。何て無様。強くなり、絆を結べば結ぶほどに───。<br> 私は、どうしようもなく。結んだ相手を殺さねばならなくなる。<br> となればほら、そこに殺すべき相手が二人いるな?」
: アルジュナの夢、その深淵にてついに邂逅した、アルジュナの抱える「闇そのもの」。
: それこそが「黒」、かつての親友「クリシュナ」の名を与えられた、もう一人のアルジュナ自身である。
;「その通り、この男が醜いと恥じることを為す。それが、この私の役割だ。<br> 故に、私はあなたを殺戮しよう。速やかに、静かに、穏やかに。」
: アルジュナが受け入れられなかった「影」の部分である“黒”。
: 自身の心に踏み込む者、即ち「顔」を見た者にもたらすべき死を、“黒”は厭わない。
;「その通りだ、アルジュナ!<br/> 私の、この顔を見た者に例外はない。誰であれ、何であれ、殺さなくてはならない。<br/> そうでなければ、私は英雄でいられない。私が英雄であるために、必要な殺人だ……!」
: 「悪心なんて誰にでもある」と言った主人公に対しての返答。
: その誰にでもある「悪心」すら己には本来存在してはいけない、それがあるのは英雄に相応しくない……彼が幼い頃より抱え続け、隠し続けていた悲痛な叫び。
: 例えそれが宿敵であっても、マスターであっても、“黒”を見た者は手に掛けなければならない。そうしなければ、己は恥辱で死に絶えるのだから。
;「黙れ……黙れ、黙れ、黙れ! 恥を知れ、カルナ! 俺と同じように、貴様も邪悪そのもの。それ故に討ち滅ぼされたのだ……!!」<br/>「くっ……! まだだ、手を貸せアルジュナ! 我らは共に立ち上がり、邪悪と戦わねばならない!」
: カルナに対しては激しい憎悪をぶつける“黒”。同時に、己と同様にカルナを「邪悪」と定めることでアルジュナを守ろうとしているのかもしれない。
;「言うな、アルジュナ! 言えば、数千年の呪いが掛かる!」<br/>「……おまえは自らの悪性を認めることになる。生前であっても、死後であっても英霊である以上、変わらない。<br/> 一生涯、後悔し続けることになるぞ。」<br/>「そうか……ならば、その後悔はこちらで預かろう。」<br/>「もしかすると、もしかすると。俺という存在が、蟻の一穴となるやもしれん。」
: 自らの悪性を認めようとするアルジュナを止めようとした“黒”だが、「カルナ」の進言もあり、アルジュナはついに闇を受け入れる。
: “黒”もアルジュナの覚悟を受け止め、最後に意味深長な言葉を残して姿を消すのだった。