「ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア」の版間の差分
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様々な技術系統の[[魔術]]を吸収して発展してきた[[ユグドミレニア]]一族の長にしてトゥリファスのセカンドオーナー。[[ヴラド三世 (Apocrypha)|黒のランサー]]のマスター。 | 様々な技術系統の[[魔術]]を吸収して発展してきた[[ユグドミレニア]]一族の長にしてトゥリファスのセカンドオーナー。[[ヴラド三世 (Apocrypha)|黒のランサー]]のマスター。 | ||
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:「黒」のマスターとして登場。 | :「黒」のマスターとして登場。 |
2017年8月27日 (日) 10:49時点における版
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
- スペル:Darnic Prestone Yggdmillennia
- 年齢:97歳(外見上は20代)
- 誕生日:5月2日 / 血液型:O型
- 身長:182cm / 体重:76kg
- イメージカラー:墨色
- 特技:煙に巻く
- 好きなもの:扱いやすい脳筋 / 苦手なもの:扱いにくい脳筋
- 天敵:ヴラド三世
- 声優:檜山修之
様々な技術系統の魔術を吸収して発展してきたユグドミレニア一族の長にしてトゥリファスのセカンドオーナー。黒のランサーのマスター。
- 略歴
- かつて冬木で行われた第三次聖杯戦争において、ナチスドイツ側の魔術師として参戦。聖杯戦争終結後、軍の力まで動員し、御三家と帝国陸軍を排除し大聖杯を奪った。そして与していたナチスドイツすら出し抜き、大聖杯を血族の管理地であるトゥリファスのミレニア城塞に隠匿した。
その真の目的は魔術協会からの支配を脱却し、血族を中心とした大聖杯をシンボルとする新たな協会を組織すること。半世紀以上の月日をかけて準備を進め、魔術協会から一族を挙げて離反し、討伐に向かった魔術師50人を全滅させて宣戦布告を行う。
だが黒のセイバーの消滅という予想外のトラブルに加え、赤のサーヴァント達の猛攻に追い込まれていく。
それによってランサーの禁じられた宝具を用いた捨て身の策を実行し、彼の身体を奪い「無銘の吸血鬼」となって赤のサーヴァント達に牙を向く。だが吸血鬼の本能に半ば支配され、未曽有の災害となった彼に対し、ルーラーは討伐命令を両陣営に発し、六騎のサーヴァントと死闘を繰り広げる。
一瞬の隙を突き、大聖杯の元に辿り着くが、そこで正体を現したシロウに阻まれ、彼の洗礼詠唱によって消滅。
長年の準備の末、第三次聖杯戦争を生き抜いて手に入れた大聖杯を前にして、無念の最後を遂げた。
- 人物
- かつて時計塔の最高階位である王冠(グランド)に上り詰めた程の人物で、二級講師として元素変換を教えていた。当時の教え子達からの評価は低かったが、「政治」の分野で才能を発揮するようになる。
派閥抗争や権力闘争の場面において抜群の政治的手腕を発揮し、裏切り寝返りは当たり前、信じる者は勿論信じていない者まで利用する超一流の詐欺師として知られ、"八枚舌"のダーニックと呼ばれようになった。
80年程前、新進気鋭の魔術師として華々しいデビューを飾った彼は貴族の縁談を持ちかけられるほどの勢いがあった。だが「ユグドミレニアの血は濁っている。五代先まで保つことがなく、後は零落するだけだ」と、ある魔術師が流した噂が広まり、周囲は掌を返し彼を冷遇するようになった。それによって彼と彼に続くユグドミレニアの魔術師達の未来は閉ざされ、根源に到達するという夢を放棄せざるを得なかった。
その後、プライドから世間に隠れ潜みつつ研究を続ける方針を拒み、屈辱に耐えながら魔術協会で復讐の機会を伺っていた。
既に100歳近いはずだが外見は若々しく、第三次聖杯戦争に参加したときから外見が変化していない。
普段は紳士として振る舞っているが、悪辣な事を考えている時の彼の表情は普段の鷹揚さが消え去り、酷薄で凍り付くように冷えていて、一片の情すら窺うことは出来ない。
100年を魔道に生きただけの事はあり、魔術使いである獅子劫や経歴が不明なシロウを軽視しない。しかし、やはり彼も「魔術師」であり、ランサーに対し臣下のように振る舞い他のサーヴァント達にも鷹揚に接しているが、内心因果線を断たれれば生き足掻くことすらできない使い魔と見下している。
- 能力
- その政治的手腕は健在で、魔術協会はおろか聖堂教会にも血族を忍ばせ諜報を行わせている。またユグドミレニアの脅威を直前まで魔術協会が気づかなかったのも、彼の手腕による所が大きい。
キャスターのゴーレムに必要とされる、高価かつ貴重な八百年級の宝石と羊皮紙を魔術協会に察知されずに大量に仕入れる程の独自ネットワークを構築しており、組織運営に非常に高い才能を見せる。
また、政治家としての実力のみならず魔術師としての実力も極めて高く、赤の陣営のマスター全員が力を合わせてやっと対等に戦えるかどうかという程の凄まじい力を誇る。
また彼は、魔術において変換不能で役立たずの栄養分とされる魂に着目し、他者の魂を己の糧とする魔術を編み出していた。
だがこの術は限りなく禁忌に近い呪法で、少しのミスが即座に自らの死を招くため、編み出してから60年の間でも魂を喰らった回数は三回しかなかった。しかも、その三回の使用でさえ肉体と魂の適合率が六割を切るほどのズレを引き起こしており、それによって生じた自分ではない“誰か”に彼は己を支配されつつあった。
しかし聖杯大戦の最中で窮地に追い込まれた彼は手段を選ばず、この術の応用と令呪の力を使って、「ヴラド三世」という英霊に自らの思念、聖杯に対する執念を刻み付けることに成功した。
無銘の怪物
ダーニックが令呪により自らのサーヴァントであるヴラド三世に「宝具『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』を発動せよ」「大聖杯を手に入れるまで生き続けろ」、そして禁呪に上乗せした「我が存在をその魂に刻みつけろ」という絶対命令を課して魂に寄生した状態。
ダーニックにもヴラド三世にも見える、不定形な怪物のような形相に変貌し、寄生当初こそ両者の人格が存在しているがそれも早々に失われ、どちらでもあってどちらでもない、宝具により吸血鬼化したヴラドと寄生したダーニックの妄執・本能・記憶・人格が混ざりあった「吸血鬼」となる。もはやサーヴァントでもないためルーラーの令呪も効かない。
宝具『鮮血の伝承』の効果はこの状態でも失われておらず、英雄としての性質の消失に伴いヴラド三世の『極刑王』の槍やスキルは失われるが、自身から杭を多数召喚する、蝙蝠や巨大な猛犬・霧への形態変化、高速再生、魅了の魔眼、相手の血を吸うことで英霊ですら魔性で侵し自分の眷属にするといった特殊能力を持ち、身体能力もかつてヴラド三世であった時よりも大幅増幅される。その圧倒的な膂力はただ投げつけられただけの杭が宝具並の破壊力を有し、大英雄ですら打ちのめす。
吸血鬼は心臓を杭で打たれると死ぬという伝承が有名だがこの怪物は赤のランサーの神槍で心臓を刺し貫かれても平然としているなど肉体的には極めて高い耐久力を持つが、陽光や聖印に弱いという弱点はそのまま。禁術の使用すれば自我が薄くなっていくというリスクも健在で、時間とともに己という己がごっそり消えていく並ならぬ苦痛に苛まれ、第二の令呪の「大聖杯を手に入れるまで生き続ける」という効果がなければ崩壊しかねない状態となっていく。
ダーニックの聖杯への極めて強い妄執によりこの怪物の行動原理も大聖杯に自らの願いを託すことだが、既にサーヴァントでも魔術師でもないため願いはダーニックの一族への愛と妄執に吸血鬼の本能が混じった結果「己の増殖、増強、増加」といった破滅的なモノとなっている。そのため彼が大聖杯に願いを告げた瞬間、ルーマニアが一晩で地獄と化し、死都が発生してしまう。
吸血行為を行うため吸血種に該当するが、世界中に流布した「吸血鬼」という概念が具現化した存在であるため、死徒達とは全く異なる。
登場作品
Fate作品
- Fate/Apocrypha
- 「黒」のマスターとして登場。
その他
- ちびちゅき!
- 所属不明。相変わらずヴラドに対して「私と一つになろう!」と怪しい迫り方をしている。
- ただし、その前後のセリフを見るに、完全にキャラ崩壊一歩手前。
人間関係
- ランサー
- 「領王(ロード)」と呼び臣下のように振舞っているが、その忠誠は令呪の存在があってこその物。
- フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- 天才と謳われ、次期後継者である彼女の意見はダーニックも重視しており、血族の内部の発言力は高い。
また彼女にのみ秘匿していた大聖杯を見せている。
- カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- 魔術の才能が姉に比べれば遥かに劣る彼には、召喚したバーサーカー共々余り期待していない。
- ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
- 魔力パスの分割技術の提供という彼の功績は認めて、「あれはそういう生き物だ」と彼の傲慢な態度を許していた。だが度重なる失態に愛想が尽きかけており、「盆暗」と罵倒するようになってきている。
- セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
- 冷酷で残忍な彼女でも、血族の中で絶大な力を握っているダーニックには逆らえず、命令に従っている。
- ロシェ・フレイン・ユグドミレニア
- 彼のゴーレムへの造詣の深さを認め、最年少でありながら、対等な口を利いても咎めることは無い。
- シロウ・コトミネ
- かつて共に第三次聖杯戦争に参加した間柄であり、当時、召喚したサーヴァントと戦闘を行っていた。
- 間桐臓硯
- かつての第三次聖杯戦争で魔術による激戦を繰り広げた相手。
名台詞
- 「今日この日を以て、黒と赤のサーヴァントによる聖杯大戦が開戦する。
我ら千界樹 が、この世界の神秘と奇跡を手に入れるのだ」 - かつて第三帝国すら利用した魔術師の野望によって「運命」は変わり、前代未聞の規模で行われる外典の聖杯戦争、聖杯大戦は幕を上げる。
- 「忘れているのは貴方です。
我々は是が非でも大聖杯を手に入れねばならない!
あれを象徴とし、魔術協会に一矢報いるために。
あるいは、根源へと到達するために。
領王とて、願いは切実のはずだ。
ならば――宝具を使うしかありますまい。」 - 窮地に追い込まれた“領王”に対し、禁じられた宝具の解放を求める。
穏やかな口調だが、凄まじい執念が込められており、悪魔のように破滅の扉を開くよう囁く。
- 「ははははは!これは失礼、我がサーヴァントよ! 詫びに我が血を吸うがいい!
お前はやはり吸血鬼 、夜を統べる王 だ!
貴様の願望など必要ない。私の夢を、私の願望を、私という存在を残すがいい!
第三の令呪を以て命ずる、“我が存在をその魂に刻み付けろ、ランサー”! - 心臓を怒り狂ったランサーに貫かれながらも、哄笑を上げ、“領王”と呼んでいた“サーヴァント”に無慈悲な命令を告げる。
新たな「ワラキアの夜」が幕を上げる。
- 「さあ、コレで貴方は私、私は貴方だ。
領主 !否、吸血鬼 !貴方の力は我らの共有財産となる!全ては聖杯のため!我が夢、我が野望は貴方の中で根付き、永遠に生き続ける!」 - 令呪と魔術によって自らの百年に及ぶ妄執をサーヴァントに刻みつけたダーニック。否、もはやダーニックでもヴラド三世でもない吸血鬼が誕生した。それは同時にもう魔術師でも、ましてサーヴァントでもなくなった。
- 「……さあ、私の聖杯を返してくれ。私はあの大聖杯で、我が一族の悲願を叶えねばならないのだ。
そう、我が宿願を叶えるため、私は無限に、そして無尽蔵に生きねばならぬ。
血族を増やさなければならない。我が子を生み出さなければならない、眷属を更に増やさなければならない。
才と努力と育成環境、それらを揃えて私の後に続く者たちを生み出さなくてはならないのだ。
だから大聖杯を……
返せ、返せ、返せ、返せぇぇぇぇぇッ!!」 - 吸血鬼としての魔性に蝕まれながらも、一族への愛を貫く。
だが、最早正気を失っており、かつて一族を率いていた気品や威厳は欠片も残っておらず、完全な化け物になってしまった。
- 「ああ、ああ、ああ!私の聖杯、私の
幻想 !余の聖杯!余の希望 が!届かない、届かない、届かない!!」 - あり得ない敵によって浄化され、消滅する中で抱いた絶望。人格も混在し、もはやダーニックでもヴラド三世でもない妄執に囚われたナニかは吸血鬼として灰となり消滅していった。
メモ
- ダーニックとナチスドイツがどのように大聖杯を奪ったのかは明言されていない。
ただ奈須氏によれば「第二次世界大戦のゴタゴタ」といえば大抵の事は説明が付く、とのこと。元々「ナチスの聖杯」といえば80年代の伝奇の王道であり、南米に行けばナチスのUボートがあるくらいは朝飯前。それに応えて東出氏も「月の裏側でUFOを造れるぐらいなら、大聖杯のひとつや二つ解体できちゃいますよ」とコメントしている。
これらのコメントから察するに、どうやらナチスが誇る世界一の技術を使った、かなり無理やりな方法で持ち出した模様。
……そうなると、Apocryphaの世界では、円蔵山はおろか柳洞寺も原型を留めているのか不安な所である。- ちなみに東出氏の発言の元ネタは、2012年に公開されたSF映画「アイアン・スカイ」。敗戦後月面に落ち延びたナチス残党が地球侵略を狙うという、あらすじから既に狂っている映画で、その内容もブラックユーモアと皮肉が満載されている。
- 元々、汚名を雪ぐという目的と過剰なまでの自信と誇りという共通点を持っていた彼とランサーは精神面、魂の色が似ており、彼のアイデンティティーを刻みつけるのも不可能ではなかったらしい。更にこの縁が強まったのは僅かな期間でも彼らが主従として過ごしていたためである。
魂の色が違い過ぎて不幸な最期を遂げるマスターとサーヴァントは数多くいるが、彼らは「似すぎていた」ため破滅した主従である。
彼らの最期は、「魂」だけが、マスターとサーヴァントを繋ぐものではないと立証された瞬間でもあった。 - 一部のファンの間では、「ロアに似ている」と評されることがあった。
これはダーニックの外見がロアに似ていることだけを指した評であったが、後に「他者の肉体を乗っ取る能力」を持ち、「残念なボスとして死亡する」という嫌すぎる共通項が生まれてしまった。 - 彼が『冠位』を持っているのは『Apocrypha』世界のみで起きた珍事であり、本来の階位は『色位』。亜種聖杯戦争により魔術師の数が激減している『Apocrypha』世界では魔術師のほとんどが本来よりも一つ高い階位にスライドしているのだが、そこで持ち前の政治力を発揮したダーニックが得たのがこの「実力的に冠位には到達していないけど、協会への功績を称えて本来の冠位とはちょっと違う名誉的な冠位」である。