Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

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Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

全能な少女の駆る聖杯戦争が悲劇を生んだ――

コンプティーク2013年8月号より連載が開始された、『Fate/Prototype』の外伝小説。
小説は元ライアーソフトのシナリオライターで現在小説家の桜井光氏が、絵は『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』でイラストに携わった中原氏が担当する。

本文・イラスト共にフルカラーで収録された単行本の発売が決定し、第1巻は9月10日、第2巻は10月10日に発売予定。

Fate/stay night』で言うところの『Fate/Zero』にあたる作品で、『Prototype』の前日譚が断片的に書かれている。
第一部『Little Lady』では『Prototype』の黒幕である沙条愛歌を主人公として、彼女とセイバーの出会い、過ごした穏やかな日々、そして聖杯戦争での暗躍が描かれる。
第二部『Best Friend』ではライバルキャラである玲瓏館美沙夜を主人公として、美沙夜の側から見るPrototype本編と、幼い頃の彼女の視点で見る八年前の聖杯戦争が描かれる。

登場人物

メインキャラクター

沙条愛歌
第一部の主人公。沙条家の娘でセイバーのマスター。
この時代の彼女はかなり人間的で、綾香には一緒にご飯を作ったりする何でも出来て優しいおねぇちゃん、セイバーには頑張りが空回りしがちな恋する乙女の顔を見せ、穏やかな日常が描かれる。
だが……
玲瓏館美沙夜
第二部の主人公。玲瓏館家の娘。
現在の視点では『Prototype』本編で詳しい事が分からなかった彼女の内面が描かれる。過去の視点では10歳の幼い彼女が登場し、「早く大人になりたい」と背伸びしたり父を「最も優れた魔術師」として慕うなど子供らしい、現代では絶対に見ることが出来ない微笑ましい光景を垣間見ることが出来る。
だが、愛歌の敵マスターの弱みを突くという「効率的な考え」によって……。
セイバー
愛歌のサーヴァント。
昼は兄妹のように仲の良い主従として過ごし、夜は最強のマスターを据えた最優のサーヴァントとして剣を振るう。
聖杯戦争の開始前から愛歌の危うさに気づき、彼女が道を誤らないように誠意をこめて接するが……
沙条綾香
愛歌の妹。
幼い頃から、姉の優秀さとそれを鼻にかけず優しく接してくれることに憧憬の念と引け目を感じていた。
だがある時を境に、姉に対して得体のしれないものを感じるようになっていく。
ランサー
美沙夜のサーヴァント。第二部から登場。
ライダー
現代編から登場。「伊勢三」という偽名で綾香の学校に溶け込んでいる。
アーチャー
現代編から登場。都心を闊歩し、ランサーと出会う。

八年前の聖杯戦争参加者・関係者

ランサー (フラグメンツ)
セイバーの初戦の相手であり、穂先には大盾と見紛うほどの巨刃を付けた巨大な槍を得物とする。女性。
アサシン (フラグメンツ)
髑髏の仮面を付けた少女。はぐれサーヴァントだったが、愛歌に拾われたことで彼女に忠誠を超えた感情を持って従う。
キャスター (フラグメンツ)
強固な陣地を形成し、アサシンの侵入を阻んでいる。その正体は近代錬金術の発展に深く関わった魔術師。
アーチャー (フラグメンツ)
セイバーによれば「トリスタン卿にも並ぶ使い手」で、山をも削り取る威力を持った矢を視認できないほどの遠距離から、同時に数十射も標的に当てることが出来る。話し方からすると男性。
バーサーカー (フラグメンツ)
月に吠える狂獣。悪しき魔術師たちの打倒を望むマスターと契約するが、その結末は……
ライダー (フラグメンツ)
日輪の如き輝きと灼熱の光を放つ、「王の中の王」。
愛歌・綾香の父
沙条家の当主。魔術の才に愛された娘・愛歌をマスターに立て、聖杯戦争に臨むが、次第に愛歌の底知れない能力と予想外の行動に困惑と恐怖を覚え始めている。
美沙夜の父
優秀な魔術師にして、政界・財界にも強い影響力を持つ玲瓏館家の当主。キャスターを召喚し、自邸を強固な魔術神殿と成して聖杯戦争に臨むが、後学のためにと跡継ぎである愛娘を手元に置き続けたことが仇となる。
ライダーのマスター
数多くの魔術師を束ねる一族の長で、東京西部の山岳地帯にて強固な結界や死の罠を何重にも張り巡らせた完璧な魔術工房を造り上げ、そこを拠点とした籠城戦を目論む。
バーサーカーのマスター
魔術師ではない一般人で、聖杯戦争の存在を知ったことで「東京に君臨し何かしらの邪悪な儀式を行っている魔術師を倒さなければならない」という盲目的な使命感と正義感に駆られた末にバーサーカーを召喚し、マスターとして参戦。バーサーカーとは主従の契約にとどまらず、友情めいた絆で結ばれているが、共にその末路は無残なものだった。

メモ

  • 桜井光氏はTYPE-MOON作品初の女性作家で、男性作家ばかりだった今までの作品と雰囲気が異なる。だが読み難さは全くなく、むしろ作風である日常シーンの丁寧な描き方によってキャラクターの心情が分かりやすく、ラスボスとして知られる愛歌でも読者が感情移入しやすい。そのため読者の性別を問わない作品となっている。
  • 『Prototype』終盤ではビーストと共に、この時召喚されたセイバー以外のサーヴァントが愛歌の手駒として登場することになっている。
  • 八年前の聖杯戦争では、最優の名に恥じないセイバー、弓を使うアーチャー、自分の目的のためなら裏切りも辞さないキャスター、敵マスターを仕留めるアサシン、狂化で低い能力を補うバーサーカー、とクラスの常道通りのサーヴァントが揃っている。
    エクストラクラスや例外的な召喚もないため、シリーズ10年目にようやくオーソドックスな布陣の聖杯戦争となった。
  • 桜井光氏の作品タイトルは大半が「色を含む漢字+カタカナ語」となっており、「蒼銀のフラグメンツ」もそのルールに則ったタイトルになっている。

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