17行目: |
17行目: |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[ユグドミレニア]]一族の[[魔術師|錬金術師]]。[[ジークフリート|黒のセイバー]]のマスター。36歳。 | + | [[ユグドミレニア]]一族の[[魔術師|錬金術師]]。[[ジークフリート|黒のセイバー]]のマスター。 |
| | | |
| ;略歴 | | ;略歴 |
− | :かつてアインツベルンに並ぶと称された錬金術の名家・ムジーク家の後継者である肥満体の中年男性。没落してもなお血筋に固執する頑迷かつ傲慢な人物で、一族の盟主である[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|ダーニック]]を除き同胞達にも高圧的に振舞う。<br>しかし、魔術師としては優秀で、魔力パスの分割というシステム干渉の技術を一族に提供している。<br>真名の露呈を恐れる余り、セイバーとのコミュニケーションを早々に打ち切ってしまったため齟齬が大きく、[[令呪]]の無駄打ちなど愚策を繰り返してしまう。そして[[ジーク]]の捕縛に回されるが、彼の殺意を込めた攻撃に半狂乱になり、致命傷を負わせる。[[アストルフォ|ライダー]]に糾され、考え直したセイバーから制止とジークの救命と逃がすことを要求されるが、当然承諾できず怒りも収まらなかったため、セイバーに殴られて気絶させられてしまう。<br>その後、セイバー消失という責によって最後に残った令呪を[[アヴィケブロン|キャスター]]に移し替えさせられ、聖杯大戦から脱落。その後はしばらく屈辱と恐怖、自分の愚かさへの自覚から、酒を呷りセイバーへの恨み言や後悔をしながら、酒に逃避して引き籠って過ごしていた。<br>大聖杯が奪われた後、ホムンクルス達を救いにミレニア城塞へと戻ってきたジーク達と遭遇。怒りとセイバーへの悔恨の念をぶつけるが、ライダーに過ちを指摘されて己の失策を認め、ホムンクルス達の解放に承諾した。そしてホムンクルス達の醜態を見かねて彼らの治療を行い、対話を通して遂に迷いと後悔から完全に吹っ切れ、リーダー格に[[トゥール]]という名前を与える。<br>[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]の襲撃の際は、ジークに穢れを遮断する効果を持った「アラクネの布」を提供し、彼のサポートを行う。それ以降も同盟側として聖杯戦争への参加を継続し、最終局面に臨む。 | + | :かつて[[アインツベルン]]に並ぶと称された[[錬金術]]の名家・ムジーク家の後継者である肥満体の中年男性。没落してもなお血筋に固執する頑迷かつ傲慢な人物で、一族の盟主である[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|ダーニック]]を除き同胞達にも高圧的に振舞う。 |
| + | :しかし、魔術師としては優秀で、魔力パスの分割というシステム干渉の技術を一族に提供している。 |
| + | :真名の露呈を恐れる余り、セイバーとのコミュニケーションを早々に打ち切ってしまったため齟齬が大きく、[[令呪]]の無駄打ちなど愚策を繰り返してしまう。そして[[ジーク]]の捕縛に回されるが、彼の殺意を込めた攻撃に半狂乱になり、致命傷を負わせる。[[アストルフォ|ライダー]]に糾され、考え直したセイバーから制止とジークの救命と逃がすことを要求されるが、当然承諾できず怒りも収まらなかったため、セイバーに殴られて気絶させられてしまう。 |
| + | :その後、セイバー消失という責によって最後に残った令呪を[[アヴィケブロン|キャスター]]に移し替えさせられ、聖杯大戦から脱落。その後はしばらく屈辱と恐怖、自分の愚かさへの自覚から、酒を呷りセイバーへの恨み言や後悔をしながら、酒に逃避して引き籠って過ごしていた。 |
| + | :[[聖杯|大聖杯]]が奪われた後、[[ホムンクルス]]達を救いにミレニア城塞へと戻ってきたジーク達と遭遇。怒りとセイバーへの悔恨の念をぶつけるが、ライダーに過ちを指摘されて己の失策を認め、ホムンクルス達の解放に承諾した。そしてホムンクルス達の醜態を見かねて彼らの治療を行い、対話を通して遂に迷いと後悔から完全に吹っ切れ、リーダー格に[[トゥール]]という名前を与える。 |
| + | :[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]の襲撃の際は、ジークに穢れを遮断する効果を持った「アラクネの布」を提供し、彼のサポートを行う。それ以降も同盟側として[[聖杯戦争|聖杯大戦]]への参加を継続し、最終局面に臨む。 |
| | | |
| ;人物 | | ;人物 |
27行目: |
32行目: |
| :実はそういった考えや態度が正しくないというのは彼自身、良く分かっていた。だが自ら変革する気力もなく、敷かれたレールを走り、祖父母や両親が自分にそうしたようにムジーク家の再興も息子に押し付けるつもりだった。 | | :実はそういった考えや態度が正しくないというのは彼自身、良く分かっていた。だが自ら変革する気力もなく、敷かれたレールを走り、祖父母や両親が自分にそうしたようにムジーク家の再興も息子に押し付けるつもりだった。 |
| :サーヴァントに対する態度も同様で、実際のところ良くも悪くもそこまでサーヴァントを見下しておらず、反抗したセイバーに対して激昂してしまったのも、コミニケーションを断ったことで自分が彼を道具として見るのと同じように彼に道具として見られていたことを知った恐ろしさ、恥辱、悲しさから。もし、セイバーが自分をマスターとして、冷たいあるいは怒気を含んだ視線で見ていたなら怯えて彼の考えを承知していたと自己分析している。 | | :サーヴァントに対する態度も同様で、実際のところ良くも悪くもそこまでサーヴァントを見下しておらず、反抗したセイバーに対して激昂してしまったのも、コミニケーションを断ったことで自分が彼を道具として見るのと同じように彼に道具として見られていたことを知った恐ろしさ、恥辱、悲しさから。もし、セイバーが自分をマスターとして、冷たいあるいは怒気を含んだ視線で見ていたなら怯えて彼の考えを承知していたと自己分析している。 |
− | :自らの愚かしさと情けなさ、聖杯大戦への参加資格を失った無常感から、[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|フィオレ]]や[[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|カウレス]]のようにサーヴァントを道具ではなく、一人の英雄として認識していれば、提案に乗っていれば失敗しなかったのではないか、と後悔の念を感じていた。 | + | :自らの愚かしさと情けなさ、聖杯大戦への参加資格を失った無常感から、[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|フィオレ]]や[[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア|カウレス]]のように[[サーヴァント]]を道具ではなく、一人の英雄として認識していれば、提案に乗っていれば失敗しなかったのではないか、と後悔の念を感じていた。 |
− | :生来の捻くれ者であるため、届かぬ星に手を伸ばすような行為も当然の事として映るらしく、天と地ほどの差を付けられたアインツベルンに「いつか追いついてみせる」と宣言するなど、夢や希望を最後の瞬間まで諦めない不屈の意志を持った人物でもある。またユグドミレニアの敗色が濃くなってきても(行き場所がないという理由もあるだろうが)最後まで聖杯戦争から逃げず、フィオレの補佐やホムンクルス達の世話を行うなど意外と義理堅い人物である事も分かった。 | + | :生来の捻くれ者であるため、届かぬ星に手を伸ばすような行為も当然の事として映るらしく、天と地ほどの差を付けられたアインツベルンに「いつか追いついてみせる」と宣言するなど、夢や希望を最後の瞬間まで諦めない不屈の意志を持った人物でもある。またユグドミレニアの敗色が濃くなってきても(行き場所がないという理由もあるだろうが)最後まで聖杯大戦から逃げず、フィオレの補佐やホムンクルス達の世話を行うなど意外と義理堅い人物である事も分かった。 |
| :いい意味でも、悪い意味でも、彼は「'''人間らしい'''」のである。 | | :いい意味でも、悪い意味でも、彼は「'''人間らしい'''」のである。 |
| | | |
35行目: |
40行目: |
| :ホムンクルス達の製作者なだけにその見識は非常に優れており、専門的な知識と適切な治療法で彼らの命を救っている。 | | :ホムンクルス達の製作者なだけにその見識は非常に優れており、専門的な知識と適切な治療法で彼らの命を救っている。 |
| :ただ聖杯戦争のマスターとしての適性は微妙で、[[アキレウス|赤のライダー]]との戦闘中にセイバーに口煩く無謀な指示を飛ばしたり、セイバーだけ送り込めばいいのに現場に出て来るなど、指揮官としての能力は極めて低い。 | | :ただ聖杯戦争のマスターとしての適性は微妙で、[[アキレウス|赤のライダー]]との戦闘中にセイバーに口煩く無謀な指示を飛ばしたり、セイバーだけ送り込めばいいのに現場に出て来るなど、指揮官としての能力は極めて低い。 |
− | :アニメ第16話では[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]がミレニア城塞に発生させていた『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を香と香煙による場の浄化もしくは結界を形成することによって部分的に遮断していた<ref group = "注">脚本担当の三輪清宗氏によれば、錬金術師であるゴルドなら瞬時に状況に応じた守護のそれを調合可能と思って書いたとのこと[https://twitter.com/baronmiwa/status/921760185353347072]</ref>。 | + | :アニメ第16話では[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]がミレニア城塞に発生させていた『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を香と香煙による場の浄化もしくは結界を形成することによって部分的に遮断していた<ref group = "注">脚本担当の三輪清宗氏によれば、錬金術師であるゴルドなら瞬時に状況に応じた守護のそれを調合可能と思って書いたとのこと[https://twitter.com/baronmiwa/status/921760185353347072 三輪清宗公開用 Twitter 2017年10月22日 00:28]</ref>。 |
| | | |
| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |
52行目: |
57行目: |
| :ダーニックから捕獲の命令を受けていたが、抵抗する彼の魔術によって殺されそうになった怒りと、それまでの溜まっていたストレスが爆発し、蹴りと拳を一発ずつ与え致命傷を負わせた。同盟を結んでからは葛藤の末に吹っ切れたので、お互いに関係が改善され、彼のサポート役となる。 | | :ダーニックから捕獲の命令を受けていたが、抵抗する彼の魔術によって殺されそうになった怒りと、それまでの溜まっていたストレスが爆発し、蹴りと拳を一発ずつ与え致命傷を負わせた。同盟を結んでからは葛藤の末に吹っ切れたので、お互いに関係が改善され、彼のサポート役となる。 |
| ;[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア]] | | ;[[フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア]] |
− | :ユグドミレニアの現当主。彼女と後継者争いをするつもりはさらさらなく、大人しく従っている。<br>フィオレの方は「ゴルドおじ様」と呼んでいる。だが飲んだくれて昼間から寝るなど、ゴルドの余りにだらしない生活習慣に頭を痛めている。またゴルドが度々無責任な発言や困ったことを言い出すので、その時は微笑みながら割とセメントな対応をとる。 | + | :ユグドミレニアの現当主。彼女と後継者争いをするつもりはさらさらなく、大人しく従っている。 |
| + | :フィオレの方は「ゴルドおじ様」と呼んでいる。だが飲んだくれて昼間から寝るなど、ゴルドの余りにだらしない生活習慣に頭を痛めている。またゴルドが度々無責任な発言や困ったことを言い出すので、その時は微笑みながら割とセメントな対応をとる。 |
| ;[[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア]] | | ;[[カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア]] |
| :彼はパソコンなど魔術師に似つかわしくない最新技術に通じているカウレスの事を嘲っているが、カウレスの方は令呪の使い方の反面教師としてゴルドの事を引き合いに出しており、何とも思っていない。後に共にフィオレの補佐役となる。 | | :彼はパソコンなど魔術師に似つかわしくない最新技術に通じているカウレスの事を嘲っているが、カウレスの方は令呪の使い方の反面教師としてゴルドの事を引き合いに出しており、何とも思っていない。後に共にフィオレの補佐役となる。 |
67行目: |
73行目: |
| :まだ名前のなかった頃のジークの抵抗で怪我を負い半狂乱になった際のセリフ。組成を解析して破壊するジークの魔術と、咄嗟に用いた組成を変える変成鉄腕は相性が良く怪我そのものは軽症で済んだが、殺意を持って攻撃されたという事実が精神に与えた衝撃は大きく、軋んだ金属のようなけたたましい声をあげ、魔術師としての誇りや上品さという鍍金が完全に剥がれてしまう。ダーニックの命令すら完全に頭から吹き飛んでおり、捕獲するべきホムンクルスを殺害するつもりで暴行を加える。 | | :まだ名前のなかった頃のジークの抵抗で怪我を負い半狂乱になった際のセリフ。組成を解析して破壊するジークの魔術と、咄嗟に用いた組成を変える変成鉄腕は相性が良く怪我そのものは軽症で済んだが、殺意を持って攻撃されたという事実が精神に与えた衝撃は大きく、軋んだ金属のようなけたたましい声をあげ、魔術師としての誇りや上品さという鍍金が完全に剥がれてしまう。ダーニックの命令すら完全に頭から吹き飛んでおり、捕獲するべきホムンクルスを殺害するつもりで暴行を加える。 |
| | | |
− | ;「何故だセイバー! 何故自決など! それもたかだかホムンクルスのために!<br> 戦いが嫌だというなら、お前は最早英雄ではない!<br> 私のサーヴァントだったことが、それほど不満だったのか!? 答えろ、ジークフリート!」<br>「私が悪かったのか? だが混乱していたのだ、混沌とした状況だったのだ!<br> しかし、悪いなら悪いと言ってくれれば、私だって譲歩した!<br> わた、私は――!」 | + | ;「何故だセイバー! 何故自決など! それもたかだかホムンクルスのために!<br> 戦いが嫌だというなら、お前は最早英雄ではない!<br> 私のサーヴァントだったことが、それほど不満だったのか!? 答えろ、ジークフリート!」<br>「私が悪かったのか? だが混乱していたのだ、混沌とした状況だったのだ!<br> しかし、悪いなら悪いと言ってくれれば、私だって譲歩した!<br> わた、私は──!」 |
| :ホムンクルス達を救いに来たジークと出会って。ジークをセイバーと重ね、胸の中に渦巻いていた怒りや悲しみ、後悔の念をぶつける。 | | :ホムンクルス達を救いに来たジークと出会って。ジークをセイバーと重ね、胸の中に渦巻いていた怒りや悲しみ、後悔の念をぶつける。 |
| | | |
− | ;「今だってそうだっ。 だが、くそ。<br> お前だって、掃除のやり方が下手糞な人間がいれば是正したくなるだろう! それと同じだ!<br> 掃除機で風呂の掃除をする莫迦を見たら、誰だってストレスが溜まる!」 | + | ;「今だってそうだっ。 だが、くそ。<br> お前だって、掃除のやり方が下手糞な人間がいれば是正したくなるだろう! それと同じだ!<br> 掃除機で風呂の掃除をする莫迦を見たら、誰だってストレスが溜まる!」 |
− | :ホムンクルス達の拙い治療を見すごせず、手助けしたことをトゥールから問われて。<br>この行動は人間愛に目覚めた訳ではなく、ベテランの職人が新人のレンチをひったくり「黙って見てろ」と言い出すのと同じような行為であった。<br>だがこの些細な事を切っ掛けに、ゴルドの再起は始まる。そう、'''ツンデレ属性'''が開眼した瞬間であった。 | + | :ホムンクルス達の拙い治療を見すごせず、手助けしたことをトゥールから問われて。 |
| + | :この行動は人間愛に目覚めた訳ではなく、ベテランの職人が新人のレンチをひったくり「黙って見てろ」と言い出すのと同じような行為であった。 |
| + | :だがこの些細な事を切っ掛けに、ゴルドの再起は始まる。そう、'''ツンデレ属性'''が開眼した瞬間であった。 |
| | | |
| ;「何がよろしく頼む、だ。<br> こんな簡単なこともできんクセに、生きようなどと思うのが間違いなのだ、お前たちは」 | | ;「何がよろしく頼む、だ。<br> こんな簡単なこともできんクセに、生きようなどと思うのが間違いなのだ、お前たちは」 |
− | :助けたホムンクルス達に感謝されて。尊大さはそのまま、嫌味ももちろん忘れない。<br>このセリフを聞いたホムンクルス達は救世主の登場に感謝すると共に、呼吸器をつけて寝かされている者も含めてこの救世主を「'''殴りたい'''」と思っていた。 | + | :助けたホムンクルス達に感謝されて。尊大さはそのまま、嫌味ももちろん忘れない。 |
| + | :このセリフを聞いたホムンクルス達は救世主の登場に感謝すると共に、呼吸器をつけて寝かされている者も含めてこの救世主を「'''殴りたい'''」と思っていた。 |
| | | |
| ;「……だが、私は間違っていたんだろうな」 | | ;「……だが、私は間違っていたんだろうな」 |
| :彼の思惑も理想からも大きくかけ離れた方向へ進んで行く聖杯大戦。自らが使い捨てるために造ったはずのホムンクルスとの会話の中、彼は己の心情を洗いざらい吐露し、ついに自らの過ちを受け容れる。 | | :彼の思惑も理想からも大きくかけ離れた方向へ進んで行く聖杯大戦。自らが使い捨てるために造ったはずのホムンクルスとの会話の中、彼は己の心情を洗いざらい吐露し、ついに自らの過ちを受け容れる。 |
| | | |
− | ;「――フン。だが、どうせあいつらはこれから数百年は新たな大聖杯に掛かりきりだ。<br> その間に、我らムジーク家が今度こそ追いついてみせるさ」 | + | ;「──フン。だが、どうせあいつらはこれから数百年は新たな大聖杯に掛かりきりだ。<br> その間に、我らムジーク家が今度こそ追いついてみせるさ」 |
| :かつて比肩したアインツベルン。大聖杯を失って大きく衰退したとはいえ、未だその技術力はムジーク家と隔絶しており、追いつくにはゴルドの後に奇跡的な才能を持った人物が三代続けて生まれなければならない。最早夢物語と言っていい領域の話だが、ゴルドは諦めずに天上の星を追い続ける。 | | :かつて比肩したアインツベルン。大聖杯を失って大きく衰退したとはいえ、未だその技術力はムジーク家と隔絶しており、追いつくにはゴルドの後に奇跡的な才能を持った人物が三代続けて生まれなければならない。最早夢物語と言っていい領域の話だが、ゴルドは諦めずに天上の星を追い続ける。 |
| | | |
86行目: |
95行目: |
| | | |
| ;「あー、私はその、体力的に無理がある気がするな」 | | ;「あー、私はその、体力的に無理がある気がするな」 |
− | :アサシンに対する囮作戦を手放しに称賛したところ、フィオレに「ではゴルドおじ様、囮になって下さいますか?」とニッコリ微笑まれて。<br>そしてチラッチラッとカウレスを見るゴルドさん。やっぱり人間はそう簡単に変われない物である。 | + | :アサシンに対する囮作戦を手放しに称賛したところ、フィオレに「ではゴルドおじ様、囮になって下さいますか?」とニッコリ微笑まれて。 |
| + | :そしてチラッチラッとカウレスを見るゴルドさん。やっぱり人間はそう簡単に変われない物である。 |
| | | |
| ;「この聖女は世界を終わらせる気か……」 | | ;「この聖女は世界を終わらせる気か……」 |
95行目: |
105行目: |
| *東出氏によれば、実は'''1巻で退場する予定だった'''らしい。氏曰く、「彼は1巻で黒のセイバーに殴られた時、死んじゃう予定だったんですよ。実際、そのシーンを一度書いたんですけど…ゴルドが可哀想だったという以上に、セイバーが酷過ぎるなと(笑)」。 | | *東出氏によれば、実は'''1巻で退場する予定だった'''らしい。氏曰く、「彼は1巻で黒のセイバーに殴られた時、死んじゃう予定だったんですよ。実際、そのシーンを一度書いたんですけど…ゴルドが可哀想だったという以上に、セイバーが酷過ぎるなと(笑)」。 |
| *アインツベルンとムジークの関係は続いており、ダーニックは彼が入手した触媒は、アインツベルンを頼って手に入れた物であろうと推測している。<br>ただ魔力供給用のホムンクルスはアインツベルンの技術を盗用して作られたものであり、ダーニックの推測が本当だったとしたら、なんとも厚顔無恥な話である。 | | *アインツベルンとムジークの関係は続いており、ダーニックは彼が入手した触媒は、アインツベルンを頼って手に入れた物であろうと推測している。<br>ただ魔力供給用のホムンクルスはアインツベルンの技術を盗用して作られたものであり、ダーニックの推測が本当だったとしたら、なんとも厚顔無恥な話である。 |
− | *奈須氏によれば、「''愛すべきダメ人間枠''」のキャラクター。そのダメっぷりは[[間桐慎二]]並で、マスターとしてはシリーズ最低クラスの人物。Fateルートの慎二ですら意外に戦術を考えていたため、ゴルドの無謀振りが際立ってしまった。だが三巻で解放されたホムンクルスたちが身体の調整に難儀しているのを見ていられず手を貸すなど、まさかの'''ツンデレ親父'''として再起を果たす。<br>確かに言い訳しようもない位マスターとしては適性が低く、性格にも困ったところがあるが、その性根は腐っておらず最初のセイバーに命じた「喋るな」という命令も相手に不満が有れば取り消す考えも持っていた。<br>ちなみに、この「'''全てを失ってから本気を出す漢'''」という役回りは、『[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]』のシンジや[[臥藤門司|ガトー]]、『[[Fate/Grand Order]]』の[[イアソン]]を彷彿させる。 | + | *奈須氏によれば、「''愛すべきダメ人間枠''」のキャラクター。そのダメっぷりは[[間桐慎二]]並で、マスターとしてはシリーズ最低クラスの人物。Fateルートの慎二ですら意外に戦術を考えていたため、ゴルドの無謀振りが際立ってしまった。だが三巻で解放されたホムンクルスたちが身体の調整に難儀しているのを見ていられず手を貸すなど、まさかの'''ツンデレ親父'''として再起を果たす。<br>確かに言い訳しようもない位マスターとしては適性が低く、性格にも困ったところがあるが、その性根は腐っておらず最初のセイバーに命じた「喋るな」という命令も相手に不満が有れば取り消す考えも持っていた。<br>ちなみに、この「'''全てを失ってから本気を出す漢'''」という役回りは、『[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]』の[[間桐シンジ|シンジ]]や[[臥藤門司|ガトー]]、『[[Fate/Grand Order]]』の[[イアソン]]を彷彿させる。 |
| **ファンからの愛称は「'''ゴルドさん'''」。間抜けで無能で傲慢で慢心しがちで、おまけに太った中年男という誰得なキャラクターだが、境遇の不遇さやある種の愛嬌がある憎めないキャラ性が受けて『Apocrypha』随一のネタキャラとして定着した。 | | **ファンからの愛称は「'''ゴルドさん'''」。間抜けで無能で傲慢で慢心しがちで、おまけに太った中年男という誰得なキャラクターだが、境遇の不遇さやある種の愛嬌がある憎めないキャラ性が受けて『Apocrypha』随一のネタキャラとして定着した。 |
| ***ちなみに日本人が「ゴルド」と聞くと黄金(ゴールド)をイメージして高貴な雰囲気に聞こえるかもしれないが、恐らく彼の名の由来はスペイン語の「gordo(太った、肥満体の)」である。 | | ***ちなみに日本人が「ゴルド」と聞くと黄金(ゴールド)をイメージして高貴な雰囲気に聞こえるかもしれないが、恐らく彼の名の由来はスペイン語の「gordo(太った、肥満体の)」である。 |
| **一時公式に稼働している作品の中で「最低のマスター」という不名誉な称号を得てしまったが、後に[[セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア|もっと酷いマスター]]が現れた。 | | **一時公式に稼働している作品の中で「最低のマスター」という不名誉な称号を得てしまったが、後に[[セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア|もっと酷いマスター]]が現れた。 |
− | **アニメ版『Fate/Apocrypha』での登場の際にはだいぶフォローが成されており、「一言も喋るな」等という無茶な命令は行わず、令呪二画の無駄使用の際にはダーニックの介入があったことが匂わされており<ref group = "注">どの程度の介入があったのかは不明。ゴルドとダーニックの態度から考えると、「一画使用したところにダーニックがダッシュで戻ってきて使用を咎めたため、咄嗟に取り消しに一画使ってしまった」という成り行きであろうか。</ref>、ジークへの暴行も(致命傷を与えてしまったとはいえ)正当防衛の範疇に収まるものになっていた。<ref group = "注">この改変については、一度どん底に堕ちてからの再起がゴルドの肝なのに最初にフォローしても仕方が無いという意見や、フォローが成された分相対的にジークフリートの非が大きくなったしまったことに対する非難などがあり、賛否両論である。</ref> | + | **アニメ版『Fate/Apocrypha』での登場の際にはだいぶフォローが成されており、「一言も喋るな」等という無茶な命令は行わず、令呪二画の無駄使用の際にはダーニックの介入があったことが匂わされており<ref group = "注">どの程度の介入があったのかは不明。ゴルドとダーニックの態度から考えると、「一画使用したところにダーニックがダッシュで戻ってきて使用を咎めたため、咄嗟に取り消しに一画使ってしまった」という成り行きであろうか。</ref>、ジークへの暴行も(致命傷を与えてしまったとはいえ)正当防衛の範疇に収まるものになっていた<ref group = "注">この改変については、一度どん底に堕ちてからの再起がゴルドの肝なのに最初にフォローしても仕方が無いという意見や、フォローが成された分相対的にジークフリートの非が大きくなってしまったことに対する非難などがあり、賛否両論である。</ref>。 |
− | *東出氏に「コンスコンづらですぐ死にそう」と評されている。「コンスコン」とは、TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するジオン(主人公たちから見て敵サイドの勢力)軍人の名前で、確かにゴルドと似ている。主人公、アムロ・レイの乗るガンダム相手に3分持たずに全滅に近い損害を受けて戦死しているキャラであり、すぐに死にそうと言われるのも頷ける。 | + | *東出氏に「コンスコンづらですぐ死にそう」と評されている。「コンスコン」とは、TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するジオン(主人公たちから見て敵サイドの勢力)軍人の名前で、確かにゴルドと似ている。同作の主人公であるアムロ・レイの乗るガンダム相手に3分持たずに全滅に近い損害を受けて戦死しているキャラであり、すぐに死にそうと言われるのも頷ける。 |
| **ただコンスコンの場合は相手が悪かった(この時期の主人公は桁外れに強かった)だけであり、強力な敵に対して戦力の集中投入を行うと言う適切な指揮をとっている。[[令呪]]の浪費という聖杯戦争における最悪の悪手を打ったゴルドほど無能な人物ではない。 | | **ただコンスコンの場合は相手が悪かった(この時期の主人公は桁外れに強かった)だけであり、強力な敵に対して戦力の集中投入を行うと言う適切な指揮をとっている。[[令呪]]の浪費という聖杯戦争における最悪の悪手を打ったゴルドほど無能な人物ではない。 |
| *実は既婚者であり息子がいるが、'''彼とソックリな'''冷めきった瞳をしているという。魔術刻印の移植が既に可能な年齢らしい。先述の通りアニメでは姿も描かれたが瞳どころか'''顔や体型すらソックリ'''であった。 | | *実は既婚者であり息子がいるが、'''彼とソックリな'''冷めきった瞳をしているという。魔術刻印の移植が既に可能な年齢らしい。先述の通りアニメでは姿も描かれたが瞳どころか'''顔や体型すらソックリ'''であった。 |
| **『Apocrypha material』によれば、聖杯大戦終了後には一家揃って[[トゥール]]に性根を叩き直され、彼女の寿命が尽きる三ヶ月後までムジーク家の頂点の座を奪われていたとのこと。<br>また、ゴルド自身も聖杯大戦終了後に息子の性根を鍛え直すつもりで厳しく魔術を教え込む事にしたという。その理由は「自分とそっくりに育ってくれるな」という、聖杯大戦の中で自覚した己の短所の反省から来るものであった。 | | **『Apocrypha material』によれば、聖杯大戦終了後には一家揃って[[トゥール]]に性根を叩き直され、彼女の寿命が尽きる三ヶ月後までムジーク家の頂点の座を奪われていたとのこと。<br>また、ゴルド自身も聖杯大戦終了後に息子の性根を鍛え直すつもりで厳しく魔術を教え込む事にしたという。その理由は「自分とそっくりに育ってくれるな」という、聖杯大戦の中で自覚した己の短所の反省から来るものであった。 |
| ***アニメ最終回では実際に息子へ魔術指導している姿が描かれていた。 | | ***アニメ最終回では実際に息子へ魔術指導している姿が描かれていた。 |
− | **『[[Fate/Grand Order]]』では第2部よりカルデア新所長として「[[ゴルドルフ・ムジーク]]」という人物が着任。ムジーク姓の小太りの一見は中年に見える男性(後に判明したが、当時は27歳とむしろ若い)という見た目、清々しいまでの成金趣味、そして尊大だが変なところで良心的な良くも悪くも『人間臭い』性格など、とてもゴルドにソックリな人物。西暦2000年頃(Apocrypha)から2017年(Grand Order)の歳月を考慮しても、『[[Fate/Grand Order]]』世界のゴルドの息子が成長した姿である可能性が非常に高い。 | + | **『[[Fate/Grand Order]]』では第2部よりカルデア新所長として「[[ゴルドルフ・ムジーク]]」という人物が着任。ムジーク姓の小太りの一見は中年に見える男性(後に判明したが、当時は27歳とむしろ若い)という見た目、清々しいまでの成金趣味、そして尊大だが変なところで良心的な良くも悪くも『人間臭い』性格など、とてもゴルドにソックリな人物。西暦2000年頃(Apocrypha)から2017年(Grand Order)の歳月を考慮しても、『Fate/Grand Order』世界のゴルドの息子が成長した姿である可能性が非常に高い。 |
| ***後にゴルドルフ自身が父はかつて「不屈のゴルド」と呼ばれていたと言及。正式にゴルドの息子であることが確定した。 | | ***後にゴルドルフ自身が父はかつて「不屈のゴルド」と呼ばれていたと言及。正式にゴルドの息子であることが確定した。 |
| | | |