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− | :黒いローブを身に纏った美しい女。その正体は中東における一大信仰の一流派、「山の老翁」を長とする暗殺教団の一人。存在自体が狂信的な集団の中でさえ“狂信者”として周りから蔑まれるほどの信仰心を持ち、19代目の「山の翁」ハサン・サッバーハを志しながらも、その力を認められなかった女性である。<br>若い頃に信仰の証としてハサン・サッバーハを継ぐことを求めて苦痛を伴う修練を厭わず努力し、過去の「山の翁」が修めた奇跡、18の「ザバーニーヤ」を全て模倣し身に付けた鬼才の持ち主であるが、模倣と努力の才能はあっても新たな業を生み出す才能に恵まれていなかった事と、通常なら一つ習得するのに一生の修練が必要なはずの業をたった数年で18も修めたその才に畏怖の感情を教団の者たちが覚えた事、そして彼女があまりに愚直過ぎ、「暗殺者」というよりも「戦士」としての面が強く見えて「山の翁」と認めた場合、組織全体の変質を招きかねないと危惧された事などの理由により、結局、何の証を得ることも出来ずに歴史の闇に消えて行く事と成った。だが彼女はそれすらも「己の信仰の不足」「模倣することしか出来ぬ未熟」と恥じるばかりで、誰を恨むこともなく、ただひたむきに己の業を磨き続けた。<br>ジェスターの召喚に応じスノーフィールドに現界した彼女は、聖杯から与えられた知識をもって聖杯が己の奉じる神とは相容れない異端の証であることを知り、また歴代の「山の翁」の幾人かが聖杯を求めたことを知って悲しみ、彼らを惑わせた聖杯戦争それこそを憎むようになる。 | + | :黒いローブを身に纏った美しい女。その正体は中東における一大信仰の一流派、「山の老翁」を長とする暗殺教団の一人。存在自体が狂信的な集団の中でさえ“狂信者”として周りから蔑まれるほどの信仰心を持ち、19代目の「山の翁」ハサン・サッバーハを志しながらも、その力を認められなかった女性である。<br>若い頃に信仰の証としてハサン・サッバーハを継ぐことを求めて苦痛を伴う修練を厭わず努力し、過去の「山の翁」が修めた奇跡、18の「ザバーニーヤ」を全て模倣し身に付けた鬼才の持ち主であるが、模倣と努力の才能はあっても新たな業を生み出す才能に恵まれていなかった事と、通常なら一つ習得するのに一生の修練が必要なはずの業をたった数年で18も修めたその才に畏怖の感情を教団の者たちが覚えた事、そして彼女があまりに愚直過ぎ、「暗殺者」というよりも「戦士」としての面が強く見えて「山の翁」と認めた場合、組織全体の変質を招きかねないと危惧された事などの理由により、結局、何の証を得ることも出来ずに歴史の闇に消えて行く事と成った。だが彼女はそれすらも「己の信仰の不足」「模倣することしか出来ぬ未熟」と恥じるばかりで、誰を恨むこともなく、ただひたむきに己の業を磨き続けた。<br>ジェスターの召喚に応じスノーフィールドに現界した彼女は、聖杯から与えられた知識をもって聖杯が己の奉じる神とは相容れない異端の証であることを知り、また歴代の「山の翁」の幾人かが聖杯を求めたことを知って悲しみ、彼らを惑わせた聖杯戦争それこそを憎むようになる。そのため聖杯を欲する人物をマスターに持つ事を頑なに拒んでおり、召喚された直後にマスターが「聖杯を求める魔術師」と知るや否やいきなり殺意を露わにして襲い掛かって来る。<br>信仰心こそ狂信的ではあるものの、無意味な殺戮は嫌っており、一般市民を殺害し回るようなことは決してしない。同胞はもちろん、同胞でない人間に対しても「今後心を改め同胞となり得る人間がいるかもしれない」という理由で無差別に殺そうとはしない。<br>また、相手が聖杯を求める異教の魔術師であっても、殺意さえ向けなければ舌を刺すだけで済まし、相手が物味遊山気分だと見ればそれすらせずに「この街の儀式には関わるな」という忠告のみを残して去っていく。時間に余裕が無いために実行はできていないものの可能ならば改宗も勧めたいらしい。 |
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| **『瞑想神経』については、[[真アサシン (Fake)]]との類似性が見受けられる。 | | **『瞑想神経』については、[[真アサシン (Fake)]]との類似性が見受けられる。 |
| **また、ハサンを継いでいない以上、[[キングハサン|初代ハサン]]にまつわる伝承も教授されていないと思われるが、彼女の言葉をそのまま受け取るならば初代のザバーニーヤも習得しているはずである。そうと知らずに本当に習得しているのか、上記の『瞑想神経』がダミーの伝承であるのか、3巻時点では不明である。 | | **また、ハサンを継いでいない以上、[[キングハサン|初代ハサン]]にまつわる伝承も教授されていないと思われるが、彼女の言葉をそのまま受け取るならば初代のザバーニーヤも習得しているはずである。そうと知らずに本当に習得しているのか、上記の『瞑想神経』がダミーの伝承であるのか、3巻時点では不明である。 |
− | *彼女は信仰心こそ狂信的ではあるものの、無意味な殺戮は嫌っており、一般市民を殺害し回るようなことは決してしない。同胞はもちろん、同胞でない人間に対しても「今後心を改め同胞となり得る人間がいるかもしれない」という理由で無差別に殺そうとはしない。また、相手が聖杯を求める異教の魔術師であっても、殺意さえ向けなければ舌を刺すだけで済まし、相手が物味遊山気分だと見ればそれすらせずに「この街の儀式には関わるな」という忠告のみを残して去っていく。時間に余裕が無いために実行はできていないものの可能ならば改宗も勧めたいらしい。 | + | *様々なアサシンの使える奥義や特殊能力を総結集したような凄まじいスペックを誇る強力なアサシンで、エイプリルフール版の頃は「全てのザバーニーヤを使いこなすなど、歴代ハサンの立場がないのでは」と言われていたが、いざ本編が始まってみるとこれらの問題から「間違いなく歴代ハサンの方が当たりだ」と評価が一変している。 |
− | *一見すると、様々なアサシンの使える奥義や特殊能力を総結集したような凄まじいスペックを誇る強力なアサシンなのだが、以下の問題のせいで'''およそほとんどのマスターと相性が悪く、下手すると召喚してすぐに牙を剥かれて殺される'''という、召喚するマスターにとってはあまりにもハイリスク過ぎる危険で扱いにくいサーヴァント。これまでにも扱いにくいサーヴァントは何人かは登場したが、その中でも特に運用難易度が高いとされる英霊の一人であり、まともな運用は至難を極める。
| + | **というのも、聖杯を求めるマスターは言わずもがな、無意味な殺戮もNG、宝具使用するたびにマスターの魔力負担は極めて重いと、およそ運用に難があるサーヴァントなので……。 |
− | **エイプリルフール版の頃は、ファンに「全てのザバーニーヤを使いこなすなど、歴代ハサンの立場がないのでは」と言われていたが、いざ本編が始まってみるとこれらの問題から「間違いなく歴代ハサンの方が当たりだ」と評価が一変している。
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− | **彼女はこれまでサーヴァントとして召喚された山の翁達を惑わせてきた聖杯の存在や聖杯戦争を憎んでいる。そのため聖杯を欲する人物をマスターに持つ事を頑なに拒んでおり、召喚された直後に投げかける「貴様が聖杯を求める魔術師か?」という問いかけに対して肯定するといきなり殺意を露わにして襲い掛かって来る。このため、「聖杯を望んで聖杯戦争に参加した人物」は決してマスターとして受け入れて貰えず、召喚した直後に彼女に殺害されてしまう。
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− | **一応、ジェスターのような死なない存在であるならばとりあえず脱落せずにマスター権を維持できる。ただし、当然彼女はそんなマスターの指示を聞いてくれるはずがないのでまともな運用はまず望めない。
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− | **「聖杯を求めずに参加した人物」の中には稀に「聖杯戦争の存在を知らずに参加した一般人」が居るが、そうしたマスターであればほぼ確実に力を貸してくれるだろう。しかし後述の通り、彼女は魔力消費が激しい戦い方をしており、マスターへの魔力面での負担が非常に重い上、無意味な殺人を極度に嫌う彼女は一般人を大量虐殺したりして魔力を補給するような事もしないため、魔術師と違って魔力量が皆無な彼らが彼女のマスターとなっても魔力供給の不足から彼女の実力をフル活用する事は難しく、相性が良くない。
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− | **更に、マスターとして認められる可能性のあるような人物であっても、彼女の信じる教義に反する振る舞いをする人物であれば絶対にマスターとして認めて貰えない。例えば[[雨生龍之介]]は「聖杯を欲していない参加者」であるが、彼は気まぐれや趣味で人殺しを繰り返す快楽殺人鬼であり、彼女の嫌う「一般市民を殺戮するような外道」そのものであるため性格面で相容れず、マスターとして認められない。[[ジル・ド・レェ|『Zero』と同じ状況]]で召喚されようものなら彼女は速攻で彼を殺しに掛かるだろう。
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− | **また、「聖杯を欲していない参加者」が彼女のマスターとして認められたとしても、彼女自身は「聖杯を欲している」他のマスターに対しては強い敵愾心を抱いているため、彼女のマスターがそのような人物と手を組む事もまず許してくれない。そのため、彼女のマスターは必然的に同盟を組める相手が制限される事になり、最悪単独勢力として戦う事を強いられる羽目になるので、彼女のマスターが単独行動できるかどうかも重要な要素となる。
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− | **魔力消費がかなり少なめな他のアサシンやハサン達と違い、魔力面での負荷が極めて重い。彼女は「暗殺者」としての側面よりも「戦士」としての側面の方が強いためか、本来アサシンの得意とする暗殺や奇襲攻撃よりも、正面からの真っ向勝負や白兵戦を挑む事が多い。その上複数の敵と戦わなければいけないような不利な状況でも撤退せずに戦おうとする、魔力消費の激しいザバーニーヤの連発を戦闘の基本スタイルとしているなど、途轍もなく体力や魔力の消費が激しい戦い方をしているため、相当魔力に恵まれたマスターでなければ彼女を維持することは出来ない。
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− | ***なお、これらの条件を踏まえて考えると、彼女をまともに運用できるマスターに最低限要求されるものは「聖杯戦争に参加しながら聖杯を求めていない」「聖杯を求める人間との同盟を組まない、または最悪単独で行動できる」「魔力を十分に持っている」「信仰や教義に反するような行動を取らない」事である。そして、これらの条件を満たした理想的なマスター像に特に近い例として挙げられるのが、他ならぬ[[沙条綾香|同作の主人公]]であったりする。他にも本作中には、「生きたい」という叫びによって半ば本能的にサーヴァントを召喚した[[エルキドゥ|偽のランサー]]のマスター、戦争に参加しているという自覚がまったくない[[繰丘椿|偽のライダーのマスター]]、「聖杯戦争そのものを潰したい」という動機を持つ[[ティーネ・チェルク|偽のアーチャーのマスター]]、聖杯に対する願望を特に持たずに参戦した[[フラット・エスカルドス|偽のバーサーカーのマスター]]など、彼女の良いマスターになれる可能性のある人物がたくさん存在している。
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− | ***また、マスターがどうとか以前の問題で、破壊された人類史を取り戻すという大義名分のある『[[Fate/Grand Order]]』の場合は協力を惜しまないと考えられる(同胞と共に積み上げてきたハサンの歴史を守ることにも繋がるため)。
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− | ***そもそも聖杯戦争が宗教色の強い'''聖杯(Holy Grail)'''を奪い合うという建前を持つ時点で、地上の聖杯戦争は自身の宗教以外を認めようとしない彼女にとって許容できないものである。<br>その点で言えば、「万能の観測機」という在り方のムーンセル・オートマトンの所有権を奪い合う月の聖杯戦争であれば、彼女の信仰を穢す可能性はまだ低くなるだろう。更にムーンセルではサーヴァントがマスターを選ぶ権利もあるため、マスターに対する要求が非常に厳しい彼女が条件を満たすマスターと上手く組んでやっていける可能性もまだ高く、またムーンセルの基本ルールである1対1のトーナメント形式の戦いは戦士としての側面の強い彼女にとっては望むところ。問題点は燃費の悪さだけになる。<br>事象改変すら可能なムーンセルに何を望むのか、という危険性こそ孕んではいるが。
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| *属性は'''秩序・善'''。 彼女以前に属性が明かされたアサシンは秩序・中立・混沌の違いはあっても全て悪の属性だったので、アサシンとしては初の善属性。また現在でも彼女以外で秩序・善の属性を持つアサシンは混沌・悪のバーサーカーに変身する[[ヘンリー・ジキル&ハイド|ヘンリー・ジキル]]のみ。 | | *属性は'''秩序・善'''。 彼女以前に属性が明かされたアサシンは秩序・中立・混沌の違いはあっても全て悪の属性だったので、アサシンとしては初の善属性。また現在でも彼女以外で秩序・善の属性を持つアサシンは混沌・悪のバーサーカーに変身する[[ヘンリー・ジキル&ハイド|ヘンリー・ジキル]]のみ。 |
| **実際、無関係な人間を戦いの巻き添えにしないよう気遣いを見せたり、異教の魔術師であっても殺意を向けられなければ殺さず、本気で聖杯を求める気がないと見れば害しすらしないなど、狂信者である事を差し引いても無用な殺害を好まない性格をしている。 | | **実際、無関係な人間を戦いの巻き添えにしないよう気遣いを見せたり、異教の魔術師であっても殺意を向けられなければ殺さず、本気で聖杯を求める気がないと見れば害しすらしないなど、狂信者である事を差し引いても無用な殺害を好まない性格をしている。 |
| *彼女がハサンを継げなかった理由の一つとして「組織自体を変質させかねないから」というものがあるが、暗殺教団そのものが「[[キングハサン|初代ハサン]]が在り方を定めた組織であり、その在り方に反したハサンは処刑される」というものである以上、継げないのはある意味当然だったのかもしれない。 | | *彼女がハサンを継げなかった理由の一つとして「組織自体を変質させかねないから」というものがあるが、暗殺教団そのものが「[[キングハサン|初代ハサン]]が在り方を定めた組織であり、その在り方に反したハサンは処刑される」というものである以上、継げないのはある意味当然だったのかもしれない。 |
− | **最悪の場合、彼女の側からキングハサンを「教義に反する」と(成功するかどうかはともかく)断罪しにかかる可能性すらある。
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