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− *マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、これがスキル「信仰の祈り」の由来となっている。
− **神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
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:亜種特異点Ⅳとして現れたマサチューセッツ州セイレム村に住む少女。
:亜種特異点Ⅳとして現れたマサチューセッツ州セイレム村に住む少女。
:夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた[[主人公 (Grand Order)|主人公]]とカルデア一行に助けられる。
:夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた[[主人公 (Grand Order)|主人公]]とカルデア一行に助けられる。
:その後は伯父である[[ランドルフ・カーター]]の計らいで自宅へ招かれたカルデア一行と日々を過ごすこととなるが、セイレムにおいて魔女裁判が繰り広げられるにつれて悪夢にうなされるようになり、水面下で精神の深層における「深淵の邪神」の降臨が進行してゆく。そして、魔神柱[[ラウム]]の策謀による[[シャルル=アンリ・サンソン]]の処刑、魔女裁判における罪の告発、親友[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の死を経て、最終的に『全にして一、一にして全なるもの』と呼ばれる深淵の邪神の力をその身に宿すに至る。
:その後は伯父である[[ランドルフ・カーター]]の計らいで自宅へ招かれたカルデア一行と日々を過ごすこととなるが、セイレムにおいて魔女裁判が繰り広げられるにつれて悪夢にうなされるようになり、水面下で精神の深層における「深淵の邪神」の降臨が進行してゆく。
:その実態は、魔神柱ラウムが聖杯を用いて「偽りのセイレム」を創造した際に擬似的なサーヴァントとして生まれた存在。彼女が召喚されたことで仮初めのセイレムは精度を増し、極大の魔力反応と共に亜種特異点として成立した。この宇宙の法則に縛られない「外宇宙」と呼ばれる領域外に棲まう神による人理の転覆と真実の終焉を目論むラウムは、彼女の類稀なる巫術者としての資質に目を付け、彼女の身に虚空からの降臨者を降ろすことを画策する。
:そして魔神柱[[ラウム]]の策謀による[[シャルル=アンリ・サンソン]]の処刑、魔女裁判における罪の告発、親友[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の死を経て、最終的に『全にして一、一にして全なるもの』と呼ばれる深淵の邪神の力をその身に宿すに至る。
:アビゲイルが「[[フォーリナー|降臨者]]」となる結果を齎すため、閉ざされた特異点において「セイレム」という現象は幾度となく繰り返され――結果として、カルデアによる介入が行われた七度目のセイレムにおいて魔神柱の目的は果たされ、アビゲイル・ウィリアムズは英霊の座に存在を刻まれることとなった。
:その実態は、魔神柱ラウムが聖杯を用いて「偽りのセイレム」を創造した際に擬似的なサーヴァントとして生まれた存在。彼女が召喚されたことで仮初めのセイレムは精度を増し、極大の魔力反応と共に亜種特異点として成立した。
:全てが終わった後は、自身の力の制御を学ぶべく、自らの存在を呪縛するセイレムから出ることを決意。現れた本物のランドルフ・カーターと共に「門」を開き、何処とも知れぬ世界に旅立っていった。
:この宇宙の法則に縛られない「外宇宙」と呼ばれる領域外に棲まう神による人理の転覆と真実の終焉を目論むラウムは、彼女の類稀なる巫術者としての資質に目を付け、彼女の身に虚空からの降臨者を降ろすことを画策する。
:アビゲイルが「[[フォーリナー|降臨者]]」となる結果を齎すため、閉ざされた特異点において「セイレム」という現象は幾度となく繰り返され――結果として、カルデアによる介入が行われた七度目のセイレムにおいて魔神柱の目的は果たされた。
:全てが終わった後は、自身の力の制御を学ぶべく、自らの意思で縛られていたセイレムから出ることを決意。現れた本物のランドルフ・カーターと共に「門」を開き、何処とも知れぬ世界に旅立っていった。
;人物
;人物
:金髪・碧眼の12歳の少女。
:金髪・碧眼の12歳の少女。
:一方で年相応の好奇心や稚気も持ち、まだ見ぬ外の世界への強い憧憬を抱いているほか、本当に親しい間柄の人に対しては甘えたがりな面を見せることもある。
:一方で年相応の好奇心や稚気も持ち、まだ見ぬ外の世界への強い憧憬を抱いているほか、本当に親しい間柄の人に対しては甘えたがりな面を見せることもある。
:純粋無垢で信仰に厚いが故に人の善性を信じ、罪人も別け隔てなく救済されることを願っている。この救済意識は人類史において悪名を轟かせた人間に対しても例外ではなく、魔神柱にすら驚嘆された。
:純粋無垢で信仰に厚いが故に人の善性を信じ、罪人も別け隔てなく救済されることを願っている。この救済意識は人類史において悪名を轟かせた人間に対しても例外ではなく、魔神柱にすら驚嘆された。
:他方、「深淵の邪神」の擬似的な依り代となった際は、邪神の性質によるものか冷淡かつ達観的、ともすれば挑発的な性格を露わにする。大人びてはいるものの、根本にある救済への願いそのものは変化していない。ただし、この世に一片の罪も無い人間は存在しないことを理解しており、それゆえにあらゆる人々に「苦痛」という報いを与えることで救う、という破滅的な救済意識へと形を変えている。そうした危険な一面が顕れる一方、本来の気丈さからくる抑制が薄れるためか、甘えたがりな面が表出しやすくもなる。
:他方、「深淵の邪神」の擬似的な依り代となった際は、邪神の性質によるものか冷淡かつ達観的、ともすれば挑発的な性格を露わにする。
:大人びてはいるものの、根本にある救済への願いそのものは変化していない。ただし、この世に一片の罪も無い人間は存在しないことを理解しており、それゆえにあらゆる人々に「苦痛」という報いを与えることで救う、という破滅的な救済意識へと形を変えている。
:そうした危険な一面が顕れる一方、本来の気丈さからくる抑制が薄れるためか、甘えたがりな面が表出しやすくもなる。
:好物のパンケーキについては一家言ある。
:好物のパンケーキについては一家言ある。
;能力
;能力
:効果対象は“鍵”となるアビゲイル個人の認識に束縛される。それゆえの対人宝具。
:効果対象は“鍵”となるアビゲイル個人の認識に束縛される。それゆえの対人宝具。
:本来ならば対界宝具とでもいうべき、際限のない性質を有している。
:本来ならば対界宝具とでもいうべき、際限のない性質を有している。
:『Grand Order』では「敵単体の強化状態を解除&敵単体に超強力な攻撃&敵単体のクリティカル発生率をダウン<ref name="1ターン">1ターン</ref>」という効果の宝具。
:『Grand Order』では「敵単体の強化状態を解除&敵単体に超強力な攻撃&敵単体のクリティカル発生率をダウン」という効果となるほか、再臨段階によって演出が全く別物になるという性質を有する。
:初期段階ではゆっくりと浮遊したアビゲイルの額が虹色に光り輝いたのち、眩い光が敵と周囲一帯を呑み込む。その後にクリフォトの樹を思わせる十の煌めきが現れ、鍵穴らしき形状の光と虹色の輝きが遥か彼方へと消えてゆく神秘的な光景が広がる。
:第2再臨以降はゆっくりと浮遊したアビゲイルの額に向けて周囲の空間が収束していき、対象を詳細不明の暗黒の領域に引き摺り込む。そしてアビゲイルの額に現れた鍵穴の中で邪神の瞳が覚醒、背後に開いた鍵穴の如き空間から顕現した深淵の邪神が敵を覆い尽くす。しかしこの光景もまたアビゲイルの鍵穴の内における事象に過ぎず、最後はひとり虚空と宇宙の両空間に佇むアビゲイルが映し出される。
== 真名:アビゲイル・ウィリアムズ ==
== 真名:アビゲイル・ウィリアムズ ==
;[[ラヴィニア・ウェイトリー]]
;[[ラヴィニア・ウェイトリー]]
:亜種特異点Ⅳにおける友人。同じ箒星の年に生まれたとされ、一緒に鯨を見に行ったという。
:亜種特異点Ⅳにおける親友。同じ箒星の年に生まれたとされ、一緒に鯨を見に行ったという。
:先天性色素欠乏症と思しいラヴィニアの外見をからかうことなく「綺麗」と評しており、また「星の妖精」に喩えている。
:先天性色素欠乏症と思しいラヴィニアの外見をからかうことなく「綺麗」と評しており、また「星の妖精」に喩えている。
:こういった事情からか、セイレムでは爪弾き者にされているウェイトリー家の人々に対しても、アビーは特に差別的な感情は持っていない。
:こういった事情からか、セイレムでは爪弾き者にされているウェイトリー家の人々に対してもアビーは特に差別的な感情は持っておらず、それを知るラヴィニアもアビゲイルを気に掛けていた。
:実は友人を求めたアビー自身がウェイトリー家と共にセイレムに招いた存在である。
:実は友人を求めたアビーのために魔神柱ラウムがセイレムに招き寄せた存在であり、元はセイレムの住人ではない。
:このためアビゲイルと幼少期に一緒に過ごした想い出は本物ではなく、特異点を支配する「認識阻害」の法則によって発生した虚構の記憶である。
:このためアビゲイルと幼少期に一緒に過ごした想い出は本物ではなく、特異点を支配する「認識阻害」の法則によって発生した虚構の記憶である。
:ラヴィニアがとある外宇宙の神格の降臨を悲願とするウェイトリー家の一員であったことが、結果としてアビーを『外なる神』の依り代として覚醒させる決定打となった。
:招かれた後はラウムによって脅迫され、アビゲイルに友達として近付いた上で偽の魔導書を使って"降臨の儀"というまじないの真似事を教えていた。
:だがそうした魔神柱の干渉に端を発する交流だったとはいえ、彼女らが共に過ごした僅かな時間は紛れもなく友情の証であった。
:なお、ラヴィニアがとある外宇宙の神格の降臨を悲願とするウェイトリー家の一員であったことが、結果としてアビーを『外なる神』の依り代として覚醒させる決定打となっている。
:[[ちびちゅき!]]においても親友同士。一緒に同じ制服を着られる事を互いに喜んでいる。
:[[ちびちゅき!]]においても親友同士。一緒に同じ制服を着られる事を互いに喜んでいる。
;「ええ、私と同じ。箒星の年に生まれた十二歳の女の子」
;「ええ、私と同じ。箒星の年に生まれた十二歳の女の子」
:親友であるラヴィニアを箒星の年に生まれた子であるという。しかしその記憶が贋作である事が異端なるセイレム終盤で明らかになる。
:親友であるラヴィニアを指して。
;「……ラヴィニアの見た目をからかう人もいる。病気みたいだなんて言うひどい人も。」
;「……ラヴィニアの見た目をからかう人もいる。病気みたいだなんて言うひどい人も。」
;「神の愛の届かない。とても、とても、可哀想な子を……。」
;「神の愛の届かない。とても、とても、可哀想な子を……。」
;「でも……私なら、愛せると、思います。」
;「でも……私なら、愛せると、思います。」
:ランドルフ・カーターに憑依した魔神柱ラウムによるアビゲイルの罪の告発にて、彼から持ちかけられた相談に対して要求したもの。この前にマシュとロビンフッドは、ラヴィニアから「一族共々セイレムに連れてこられたこと」「祖父も自分自身も偽りの記憶を植え付けられていた事」を聞かされている。箒星の子供である事実も一緒に鯨を見た記憶もラヴィニアがアビゲイルと交流してる内に植え付けられた偽りの記憶であった。それでもラヴィニアはマシュ達と共に危険を冒してアビゲイルの魔女裁判に乱入する。友達を救うべく。
:ランドルフ・カーターに憑依した魔神柱ラウムによる、彼女の罪の告発において。
:カーターの相談に対して彼女は無二の友達を求め、この願いを受けたラウムはラヴィニア・ウェイトリーとその一家を特異点セイレムに招いた。
:この願いが間接的にラヴィニアとの縁を結ぶきっかけとなったとも言える。
;「セイレムからは決して外には出られない」
;「セイレムからは決して外には出られない」
;「私の罪は、まだこの地に眠っているから」
;「私の罪は、まだこの地に眠っているから」
:邪神をその身に降ろして語った、本編中で何度か言っていた自分がセイレムから出られない真の意味。
:邪神をその身に降ろして語った、彼女がセイレムから出られない真の意味。
:死してなお、消えることがなかった生前の所業に対する罪悪感。それこそが彼女をセイレムに縛る。
:死してなお、消えることがなかった生前の所業に対する罪悪感。それこそがアビゲイルをセイレムに縛る。
;「イングランドも、ローマも、エルサレムも……ぜんぶつなげてあげるわ」
;「イングランドも、ローマも、エルサレムも……ぜんぶつなげてあげるわ」
;「またいつか、何処かで、世界の果てで、ラヴィニアと出会えることもあるでしょう。」
;「またいつか、何処かで、世界の果てで、ラヴィニアと出会えることもあるでしょう。」
:巡る箒星を巡ってセイレムの魔女は旅立つ。鍵をかけて閉じこもる事を辞めてどこかで一座の面々や大切な箒星の友達と巡りあえる希望を信じて。
:巡る箒星を巡り、見果てぬ時空へとセイレムの魔女は旅立つ。遥かなる旅の果てに、一座の面々や大切な箒星の友達と巡りあえる希望を信じて。
===ちびちゅき!===
===ちびちゅき!===
==メモ==
==メモ==
*初めて登場した「[[フォーリナー]]」のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
*初めて登場した「[[フォーリナー]]」のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
*Fateシリーズで初めて明確に『'''クトゥルフ神話'''』が前面に押し出されたサーヴァントでもある。<br />これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
*Fateシリーズで初めて明確に『'''クトゥルフ神話'''』が前面に押し出されたサーヴァントでもある。<br />これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。<br />ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「ひとりの夢を見る男が吐き出した創作神話」、すなわち「狂気のような偶然でクトゥルフ邪神群の在り方を言い当てた」創作物として扱われている。<br />ゆえに型月作品の邪神は、厳密に言うと「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ、深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
**型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『'''型月宇宙とは異なる「外宇宙」に存在する高次生命'''』と定義されている。<br />「外宇宙」とは平行世界ですらない文字通りの領域外とされ、この深淵に棲まう神格はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則にも一切縛られない。こういった性質から「異端」「異常異質な神」と称され、人理への明確な脅威と認識されている。
**型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『'''型月宇宙とは異なる「外宇宙」に存在する高次生命'''』と定義されている。<br />「外宇宙」とは平行世界ですらない文字通りの領域外とされ、この深淵に棲まう神格はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則を始めとする地球の枠組みにも一切縛られない。こういった性質から「異端」「異常異質な神」と称され、人理への明確な脅威と認識されている。
**ちなみに、初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルである。
**ちなみに、初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルである。
**そういった縁もあってか、H・P・ラヴクラフト作品集『クトゥルーの呼び声』の帯には『Fate/Grand Order』とのコラボという形でアビゲイルとラヴィニアが登場している[https://twitter.com/sai_zen_sen/status/952885840216117248]。
**そういった縁もあってか、H・P・ラヴクラフト作品集『クトゥルーの呼び声』の帯には『Fate/Grand Order』とのコラボという形でアビゲイルとラヴィニアが登場している[https://twitter.com/sai_zen_sen/status/952885840216117248]。
**彼女の親友である[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに『外なる神』降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
**彼女の親友である[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに『外なる神』降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
**同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としては[[ギルガメッシュ]]の『王の財宝』が存在する。ただしギルガメッシュのそれが「宝物庫に接続し物体を出し入れする」ものであるのに対し、アビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続と移動をも可能とする代物であるため、王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
**同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としては[[ギルガメッシュ]]の『王の財宝』が存在する。ただしギルガメッシュのそれが「宝物庫に接続し物体を出し入れする」ものであるのに対し、アビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続と移動をも可能とする代物であるため、王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
*アビゲイルが深淵の邪神の依り代に選ばれたのは、魔神柱ラウムによって純粋な巫術者としての才覚を見出されたことに加え、理性と狂気が混濁する異端たるセイレムにあってあらゆる意味で中心的な役割を担っていたことによる。この条件に加え、彼女が親友としてセイレムに招いたラヴィニア・ウェイトリーが図らずも『外なる神』に纏わる魔導書『象牙の書』を所有しており、その書に記されていたまじないをアビゲイルに教えたことで、かの神格のアビゲイルへの降臨が決定的なものとなった。
*アビゲイルが深淵の邪神の依り代に選ばれたのは、魔神柱ラウムによって純粋な巫術者としての才覚を見出されたことに加え、理性と狂気が混濁する異端たるセイレムにあってあらゆる意味で中心的な役割を担っていたことによる。この条件に加え、彼女が親友としてセイレムに招いたラヴィニア・ウェイトリーが図らずも『外なる神』に纏わる魔導書『象牙の書』を所有しており、その書に記されていたまじないをアビゲイルに教えたことで、かの神格のアビゲイルへの降臨が決定的なものとなった。
**『外なる神』降臨を悲願とし、代々それに纏わる錬金術を継承してきたウェイトリー家の娘をも遥かに上回る巫術者としての才覚はラウムにとっても驚嘆に値するものであったらしく、ラウムはこれを以って「外なる神」の顕現および人類の救済を確信したとされる。
**『外なる神』降臨を悲願とし、代々それに纏わる錬金術を継承してきたウェイトリー家の娘をも遥かに上回る巫術者としての才覚はラウムにとっても驚嘆に値するものであったらしく、ラウムはこれを以って「外なる神」の顕現および人類の救済を確信したとされる。
*偽りのセイレムにおいては、カルデアが干渉するまでに六度の「セイレムという現象」が繰り返されていたが、魔神柱ラウムによればアビゲイルはその中で六つの罪を犯したという。<br />一つ目は「銃の暴発と馬車の転倒の引き金となり、結果としてウィリアムズ夫妻が死亡したこと」。ラウムの言やアビゲイルの反応からすると故意ではなく偶発的なものだと推測されるが、ラウムはこれを第一の罪状と定義した。ただし「ウィリアムズ夫妻は先住民に襲われ死亡した」という作中証言と食い違っており、またその先住民はラウムによって使役されていたことが確実視されているため、そもそもが濡れ衣の可能性もある。<br />二つ目は「本来の使用人であるティテュバを(恐らく最初の)食屍鬼へと変えたこと」。言及に割かれた台詞が極めて少ないため経緯などは不明だが、アビゲイルは食屍鬼を「死者の想いを食べて一つになるもの」と認識していたようである。<br />三つ目は「親友を求め、ラヴィニア・ウェイトリーとその一家をセイレムに招いたこと」。招かれたウェイトリー家はラウムによって「外なる神」降臨の引き金となる役割を期待された。なおこの段階でセイレムは六度目の現象となっており、これを維持する魔力と時間が枯渇を始めていた。<br />四つ目は「死してなお贖罪を乞うた罪人の魂を、慈悲を以てセイレムに招いたこと」。その魂の中にはマシュー・ホプキンスなど人類史の魔女狩りに加担した者も含まれていた。<br />五つ目は「無垢であるが故に人を信じ続け、罪人への呵責を行わなかったこと」。その信仰の厚さは魔女狩りに加担した人物にすら救済を見出させるものであったが、同時にセイレムを罪人が救われず処断されない煉獄へと創り変えてしまう結果となった。<br />そして六つ目にして最後の罪は「人の心と言葉、希望を捨て去ること」。この罪のみ過去形ではなく未来形であるが、これは第七のセイレムにてアビゲイル自身が人であることを捨て、深淵の邪神をその身に降臨させることを指すものと思われる。
*偽りのセイレムにおいては、カルデアが干渉するまでに六度の「セイレムという現象」が繰り返されていたが、魔神柱ラウムによればアビゲイルはその中で六つの罪を犯したという。<br />一つ目は「銃の暴発と馬車の転倒の引き金となり、結果としてウィリアムズ夫妻が死亡したこと」。ラウムの言やアビゲイルの反応からすると故意ではなく偶発的なものだと推測されるが、ラウムはこれを第一の罪状と定義した。ただし「ウィリアムズ夫妻は先住民に襲われ死亡した」という作中証言と食い違っており、またその先住民はラウムによって使役されていたことが確実視されているため、そもそもが濡れ衣の可能性もある。<br />二つ目は「本来の使用人であるティテュバを(恐らく最初の)食屍鬼へと変えたこと」。言及に割かれた台詞が極めて少ないため経緯などは不明だが、アビゲイルは食屍鬼を「死者の想いを食べて一つになるもの」と認識していたようである。<br />三つ目は「親友を求め、ラヴィニア・ウェイトリーとその一家をセイレムに招いたこと」。招かれたウェイトリー家はラウムによって「外なる神」降臨の引き金となる役割を期待された。なおこの段階でセイレムは六度目の現象となっており、これを維持する魔力と時間が枯渇を始めていた。<br />四つ目は「死してなお贖罪を乞うた罪人の魂を、慈悲を以てセイレムに招いたこと」。その魂の中にはマシュー・ホプキンスなど人類史の魔女狩りに加担した者も含まれていた。<br />五つ目は「無垢であるが故に人を信じ続け、罪人への呵責を行わなかったこと」。その信仰の厚さは魔女狩りに加担した人物にすら救済を見出させるものであったが、同時にセイレムを罪人が救われず処断されない煉獄へと創り変えてしまう結果となった。<br />そして六つ目にして最後の罪は「人の心と言葉、希望を捨て去ること」。この罪のみ過去形ではなく未来形であるが、これは第七のセイレムにてアビゲイル自身が人であることを捨て、深淵の邪神をその身に降臨させることを指すものと思われる。
**一つ目の罪と三つ目の罪を除けば、アビゲイル自身は彼女の信じる救済と赦しに則ってセイレムに干渉している。第七のセイレムである本編中において、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続け、精神の深層で邪神の降臨が始まった後は自らが魔女であることを半ば肯定してすらいる。
**一つ目の罪と三つ目の罪を除けば、アビゲイル自身は彼女の信じる救済と赦しに則ってセイレムに干渉している。第七のセイレムである本編中において、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続け、精神の深層で邪神の降臨が始まった後は自らが魔女であることを半ば肯定してすらいる。
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるが外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるが外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
*カルデアに召喚されたアビゲイルがラヴィニアの事を記憶しているかは2018年年始においては明確ではないが、[[シバの女王]]については「異端なるセイレム」時代からティテュバとしての印象を持ち合わせている事から、ラヴィニアの事も大切な友人であると記憶している可能性は十分考えられる。
*カルデアに召喚されたアビゲイルがラヴィニアの事を記憶しているかは2018年年始においては明確ではないが、[[シバの女王]]については「異端なるセイレム」時代からティテュバとしての印象を持ち合わせている事から、ラヴィニアの事も大切な友人であると記憶している可能性は十分考えられる。
*マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、これがスキル「信仰の祈り」の由来となっている。
**神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
*ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイル、ひいてはクトゥルフ邪神群などは何らかの関係があるかもしれない。
*ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイル、ひいてはクトゥルフ邪神群などは何らかの関係があるかもしれない。
**余談だが、カルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
**余談だが、カルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
**再臨後は'''パンイチの少女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる格好となる。
**再臨後は'''パンイチの少女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる格好となる。
*異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]は尽くが期間限定ガチャでの入手に限られ、確実な入手が見込めた配布サーヴァントは直前の開催であったハロウィンイベントにおける[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]であった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
*異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]は尽くが期間限定ガチャでの入手に限られ、確実な入手が見込めた配布サーヴァントは直前の開催であったハロウィンイベントにおける[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]であった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
*彼女の登場により、クトゥルフ要素がある程度表立って登場する機会が生まれることとなった。となると、クトゥルフの邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所ではある。
*彼女の登場により、クトゥルフ要素がある程度表立って登場する機会が生まれることとなった。となると、クトゥルフの邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所ではある。
**クトゥルフ邪神群の化身とされる存在は多岐に渡るが、日本絡みではある邪神の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。
**クトゥルフ邪神群の化身とされる存在は多岐に渡るが、日本絡みではある邪神の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。
== 話題まとめ ==
;クトゥルフ神話
:クトゥルー神話とも。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとその友人たちが著した小説を基盤とした架空の神話体系。
:人類には計り知れない狂気の存在をモチーフとした「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」の概念の元に成立しており、冒涜的とも称される異形の怪物や途方も無いスケールの神々が数多く登場する。
:TYPE-MOON世界観との兼ね合いからか、作中において「クトゥルフ神話」という用語は登場しておらず、また関連する神格や怪物の名も直接的には示されていない(神格の異名などが語られる場合はある)。これはアビゲイルに先立って登場していた[[ジル・ド・レェ]]などの設定においても同様である。
;邪悪の樹クリフォト
:神秘思想カバラにおいて、旧約聖書に描かれる「生命の樹(セフィロト)」と対を成す概念。セフィロトを上下逆さまに裏返したような構造を持つ。
:唯一神から流出する属性を具現化したとされるセフィロトに対し、クリフォトは神と対立する邪悪なる属性の具現化とされ、樹に付随する十の球体のそれぞれが罪や悪徳を象徴する。
:「クリフォト」という言葉はヘブライ語で「殻」を意味する「クリファ(qlipha)」の複数形である。また、罪を象徴する球体にはそれぞれ虚数単位を付加した番号が割り振られている。宝具名『光殻湛えし虚樹』はこういった設定に由来するものと思しい。
:なお、セフィロト(生命の樹)およびクリフォト(邪悪の樹)という概念はクトゥルフ神話とは異なる思想から誕生したもので、現在のところ両者に関連性は全くない。あるいは、敬虔な清教徒であるアビゲイルが信奉する唯一神と彼女に宿ったこの世ならざる深淵の邪神を対比させたものだろうか。
== 脚注 ==
== 脚注 ==