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そして最終決戦直前、カルナの懐柔は出来ないと悟ったアルジュナの父である雷神インドラはバラモン僧に化け、沐浴をしていたカルナから黄金の鎧を奪った。だがカルナは父から授かった不死性を失い、自らの破滅を受け入れたにも関わらず、戦いを辞めると言わなかった。アルジュナ愛しさの余りに姑息な計略で鎧を奪った自分への恨みすら口にしないカルナの潔さに感じ入り、インドラは何故と問う。
 
そして最終決戦直前、カルナの懐柔は出来ないと悟ったアルジュナの父である雷神インドラはバラモン僧に化け、沐浴をしていたカルナから黄金の鎧を奪った。だがカルナは父から授かった不死性を失い、自らの破滅を受け入れたにも関わらず、戦いを辞めると言わなかった。アルジュナ愛しさの余りに姑息な計略で鎧を奪った自分への恨みすら口にしないカルナの潔さに感じ入り、インドラは何故と問う。
   −
「''アナタを恨む事はない。一枚上手だっただけの話だろう。<br>むしろ――そうだな。<br>神といえど父親である、というのが俺には喜ばしい''」
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「''アナタを恨む事はない。一枚上手だっただけの話だろう。<br> むしろ――そうだな。<br> 神といえど父親である、というのが俺には喜ばしい''」
    
では何戦いに赴くのは何故だ、とインドラは尋ねた。
 
では何戦いに赴くのは何故だ、とインドラは尋ねた。
   −
「''俺にとって敗北とは、父の威光を汚す事だ。<br>死が待っているにしても、逃げることは出来ない''」
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「''俺にとって敗北とは、父の威光を汚す事だ。<br> 死が待っているにしても、逃げることは出来ない''」
    
何しろ、その為だけに生きてきた。<br>自らを産み、育ててくれた者たちに胸を張れるように生きてきたカルナにとって、自らの命は、自分自身のものですらなかった。
 
何しろ、その為だけに生きてきた。<br>自らを産み、育ててくれた者たちに胸を張れるように生きてきたカルナにとって、自らの命は、自分自身のものですらなかった。
   −
「''それに、ドゥリーヨダナにも恩がある。<br>俺は何故か、あの厚顔で小心な男が眩しくてな。<br>我が父への不敬となるが、偶にあの甘い光こそが、日の暖かさだと思うのだ''」
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「''それに、ドゥリーヨダナにも恩がある。<br> 俺は何故か、あの厚顔で小心な男が眩しくてな。<br> 我が父への不敬となるが、偶にあの甘い光こそが、日の暖かさだと思うのだ''」
    
カルナの背負う太陽の火でもなく、絶対的なスーリヤの輝きでもなく、人間が見せる不完全な魅力こそが太陽だとカルナは語る。<br>その姿にスーリヤそのものの神性を見たインドラは自らの槍を彼に与えた。<br>自分はこの高潔な英雄から命以上の物を奪った。その見返り当る物を与えなければ自らの名誉を貶める事になるし、何より己の息子にも与えなかった最強の槍を、この男なら使いこなせるのでは、惚れてしまったのだ。
 
カルナの背負う太陽の火でもなく、絶対的なスーリヤの輝きでもなく、人間が見せる不完全な魅力こそが太陽だとカルナは語る。<br>その姿にスーリヤそのものの神性を見たインドラは自らの槍を彼に与えた。<br>自分はこの高潔な英雄から命以上の物を奪った。その見返り当る物を与えなければ自らの名誉を貶める事になるし、何より己の息子にも与えなかった最強の槍を、この男なら使いこなせるのでは、惚れてしまったのだ。
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===Fate/Apocrypha===
 
===Fate/Apocrypha===
 
;「お前と似た目をした男と、一度会ったことがある。<br> その男は紛れもない英雄だった。……お前がその目でオレを見るならば、<br> オレと戦うは偶然ではなく必然ということだ。」
 
;「お前と似た目をした男と、一度会ったことがある。<br> その男は紛れもない英雄だった。……お前がその目でオレを見るならば、<br> オレと戦うは偶然ではなく必然ということだ。」
:聖杯大戦で出会った、黒のセイバーを前にして。<br>強者と戦えることに、誰にも悟られないよう歓喜するセイバーの瞳に生前出会ったある英雄を思い出す。<br>そして、聖杯大戦の開幕を告げるべく、両者の闘気は静かに燃え上がる。
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: 聖杯大戦で出会った、黒のセイバーを前にして。<br>強者と戦えることに、誰にも悟られないよう歓喜するセイバーの瞳に生前出会ったある英雄を思い出す。<br>そして、聖杯大戦の開幕を告げるべく、両者の闘気は静かに燃え上がる。
   −
;「 ——ああ、オレは実に運が良い。<br> 黒のセイバー、<br> 初戦にお前と打ち合えた幸運を心から感謝しよう。」
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;「―ああ、オレは実に運が良い。<br> 黒のセイバー、<br> 初戦にお前と打ち合えた幸運を心から感謝しよう。」
 
:好敵手への惜しみない賞賛。
 
:好敵手への惜しみない賞賛。
 
:「お前を打ち倒すのは我が剣であり、槍であって欲しい」という、無垢な少年の夢のような思いを込め、彼らは互いを称える。
 
:「お前を打ち倒すのは我が剣であり、槍であって欲しい」という、無垢な少年の夢のような思いを込め、彼らは互いを称える。
   −
;「 ―――なるほど。苛烈だな、<RUBY><RB>串刺し公</RB><RT>カズィクル・ベイ</RT></RUBY>よ。お前にとって、この杭は攻撃であり防御であり、示威であり恐怖なのか。<br> 領地を定め、城を定め、守るべき物を定め、つまりお前はただ一騎で国家を形成しようとしている。<br> 祖国への愛が為せる業か。あるいは<RUBY><RB>為政者</RB><RT>おう</RT></RUBY>としての責任感故か。<br> だが、ここには従えるべき配下がいないぞ?王とは孤高であるべきかもしれぬ。だが、供回りのおらぬ王など存在しない。<br> ……失策だったな、串刺し公。<br> オレは英霊だ、国を相手取っても恐れはせん。」
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;「―――なるほど。苛烈だな、<ruby><rb>串刺し公</rb><rt>カズィクル・ベイ</rt></ruby>よ。お前にとって、この杭は攻撃であり防御であり、示威であり恐怖なのか。<br> 領地を定め、城を定め、守るべき物を定め、つまりお前はただ一騎で国家を形成しようとしている。<br> 祖国への愛が為せる業か。あるいは<ruby><rb>為政者</rb><rt>おう</rt></ruby>としての責任感故か。<br> だが、ここには従えるべき配下がいないぞ?王とは孤高であるべきかもしれぬ。だが、供回りのおらぬ王など存在しない。<br> ……失策だったな、串刺し公。<br> オレは英霊だ、国を相手取っても恐れはせん。」
:黒のランサーとの戦闘時。
+
: 黒のランサーとの戦闘時。
 
:「神」に対する考えの違いから、怒りと憎悪を滾らせる串刺し公に対し、彼の心を見抜きながら静かに闘志を燃やす。
 
:「神」に対する考えの違いから、怒りと憎悪を滾らせる串刺し公に対し、彼の心を見抜きながら静かに闘志を燃やす。
:領王の誇りを称えながらも、不遜なまでの戦意を以て対峙し、自らの手で獲る事を決意する。だが……
+
: 領王の誇りを称えながらも、不遜なまでの戦意を以て対峙し、自らの手で獲る事を決意する。だが……
   −
;「 ——執念、怨念、あるいは妄念か。<br> 魔術師でもなく、英雄でもなくなったお前は最早、誰でもない。<br> 『己ではない誰か』に為ったお前の苦痛は生半可なものではあるまい。<br> 未練を残すな、怪物。<RUBY><RB>疾</RB><RT>と</RT></RUBY>く消え去るがいい。」
+
;「―執念、怨念、あるいは妄念か。<br> 魔術師でもなく、英雄でもなくなったお前は最早、誰でもない。<br> 『己ではない誰か』に為ったお前の苦痛は生半可なものではあるまい。<br> 未練を残すな、怪物。<ruby><rb>疾</rb><rt>と</rt></ruby>く消え去るがいい。」
:吸血鬼へと変貌し、ダーニックに取り込まれてしまった黒のランサーに対して。いつもの冷たい口調で、ともするとヴラドを見下しているように聞こえる。<br>だが実際は、名誉も誇りも奪われ、堕ちていった強敵への深い憐憫の念が込められている。
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: 吸血鬼へと変貌し、ダーニックに取り込まれてしまった黒のランサーに対して。いつもの冷たい口調で、ともするとヴラドを見下しているように聞こえる。<br>だが実際は、名誉も誇りも奪われ、堕ちていった強敵への深い憐憫の念が込められている。
:「施しの英雄」と呼ばれた彼でも、日輪から目を背ける「人間でなくなった者」を救う事は出来ない。
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:「施しの英雄」と呼ばれた彼でも、日輪から目を背ける「人間でなくなった者」を救う事は出来ない。出来るのは、これ以上の屈辱を味わわせることなく、塵に帰すことだけであった。
:出来るのは、これ以上の屈辱を味わわせることなく、塵に帰すことだけであった。
      
;「……確かにマスターは変わったが。<br> オレを召喚しようと決意し、助力を乞おうとしたのは、他ならぬあのマスター達の1人に違いない。<br> そして、オレのマスターは滅びかけた肉体でなお聖杯を望んでいる。<br> ならば、オレはこの槍を振るうだけだ。<br> それが願いであり、召喚されたオレへの報酬だ」
 
;「……確かにマスターは変わったが。<br> オレを召喚しようと決意し、助力を乞おうとしたのは、他ならぬあのマスター達の1人に違いない。<br> そして、オレのマスターは滅びかけた肉体でなお聖杯を望んでいる。<br> ならば、オレはこの槍を振るうだけだ。<br> それが願いであり、召喚されたオレへの報酬だ」
:シロウと真実を知った赤のサーヴァント達の問答の場で。
+
: シロウと真実を知った赤のサーヴァント達の問答の場で。
:他のサーヴァント達がシロウをマスターとして認める方に動いていく中で、神の瞳でシロウを見据えながら、変わらず「マスター」への忠義を誓う。
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: 他のサーヴァント達がシロウをマスターとして認める方に動いていく中で、神の瞳でシロウを見据えながら、変わらず「マスター」への忠義を誓う。
:全ての人間、全ての英霊を信念だけで引き摺り込む聖人でさえ「施しの英雄」の在り方は一片も変えられず、逆にシロウは彼に見据えられたことで丸裸にされたような感覚すら抱いてしまった。
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: 全ての人間、全ての英霊を信念だけで引き摺り込む聖人でさえ「施しの英雄」の在り方は一片も変えられず、逆にシロウは彼に見据えられたことで丸裸にされたような感覚すら抱いてしまった。
;「……愚問だ。アサシン、お前は恋しい相手を殺したくなる<RUBY><RB>偏執狂</RB><RT>パラノイア</RT></RUBY>なのか?」
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:赤のアサシンの我が裏切らないと思っているのかという問いに対して。本音をずばり言い当てた返しに、さしもの女帝も酷く取り乱してしまった。
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;「……愚問だ。アサシン、お前は恋しい相手を殺したくなる<ruby><rb>偏執狂</rb><rt>パラノイア</rt></ruby>なのか?」
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: 赤のアサシンの我が裏切らないと思っているのかという問いに対して。本音をずばり言い当てた返しに、さしもの女帝も酷く取り乱してしまった。
    
;「――どうやら、オレの役割は済んだようだ。マスター、あなたとは言葉を交わすこともできなかったが、どうか幸運を」
 
;「――どうやら、オレの役割は済んだようだ。マスター、あなたとは言葉を交わすこともできなかったが、どうか幸運を」
:もう自分のマスターが始末されることはないと確信し、会話することすらできなかったマスターに別れを告げる。
+
: もう自分のマスターが始末されることはないと確信し、会話することすらできなかったマスターに別れを告げる。
 
  −
 
      
<!--;「確かにお前の言葉は正しい、アサシン。<br> マスターとサーヴァントとして、これ以上ないほど正当に結びつているのは、こちらの陣営ではお前たちだけだ。<br> マスターはお前を利用し、お前はマスターを利用する。<br> だが、そこには互いの奉仕と信頼がある。<br> お前は彼を裏切ることはできない、せいぜい想像するだけで精一杯だろう」
 
<!--;「確かにお前の言葉は正しい、アサシン。<br> マスターとサーヴァントとして、これ以上ないほど正当に結びつているのは、こちらの陣営ではお前たちだけだ。<br> マスターはお前を利用し、お前はマスターを利用する。<br> だが、そこには互いの奉仕と信頼がある。<br> お前は彼を裏切ることはできない、せいぜい想像するだけで精一杯だろう」
:アサシンからあくまで元のマスターへの義理を果たす彼に苦言を呈された際の返答。
+
: アサシンからあくまで元のマスターへの義理を果たす彼に苦言を呈された際の返答。
:あまりにさらりと彼女のもっとも深い部分にあった『何か』を指摘され、然しもの彼女も絶句させた。-->
+
: あまりにさらりと彼女のもっとも深い部分にあった『何か』を指摘され、然しもの彼女も絶句させた。
 
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-->
 
===Fate/EXTRA CCC===
 
===Fate/EXTRA CCC===
 
;「そうだな。オレの扇動スキルは、お前の卓越した荒らし技術に遠く及ばない。<br> しかしそれは自明の理。その域に達するには、人生の大半を無駄に使うよりあるまい。<br> 武芸に生きたオレにはお前の技術は余りに遠い。一種、異様にさえ見える。<br> ……実に大したものだ。何の役に立つかは理解できないが、他人の評価にそれほどの情熱を持つとは。<br> オレには真似のできん苦行。我が主人、ジナコ=カリギリ。お前は何のために生きている?」
 
;「そうだな。オレの扇動スキルは、お前の卓越した荒らし技術に遠く及ばない。<br> しかしそれは自明の理。その域に達するには、人生の大半を無駄に使うよりあるまい。<br> 武芸に生きたオレにはお前の技術は余りに遠い。一種、異様にさえ見える。<br> ……実に大したものだ。何の役に立つかは理解できないが、他人の評価にそれほどの情熱を持つとは。<br> オレには真似のできん苦行。我が主人、ジナコ=カリギリ。お前は何のために生きている?」
:ジナコに買出しもスレ監視もできない役立たずと評された際の反応。
+
: ジナコに買出しもスレ監視もできない役立たずと評された際の反応。
:マスターに対して余りに失礼な発言だが、彼はずっとこの調子らしい。
+
: マスターに対して余りに失礼な発言だが、彼はずっとこの調子らしい。
    
;「我が主人は役に立たないマスターだ。サーヴァントとしてそれは断言できる」
 
;「我が主人は役に立たないマスターだ。サーヴァントとしてそれは断言できる」
:ジナコを評して。マスターが相手でも一切容赦無し。
+
: ジナコを評して。マスターが相手でも一切容赦無し。
    
;「――――――。<br> 信頼と忍耐は得難い徳だ。<br> オレは勇猛さより、その二つこそ恐ろしい。<br> いずれ敵に回す時がくるかと思うと気が引き締まるが、嬉しくもある。<br> 聖杯戦争も悪くはないな。」
 
;「――――――。<br> 信頼と忍耐は得難い徳だ。<br> オレは勇猛さより、その二つこそ恐ろしい。<br> いずれ敵に回す時がくるかと思うと気が引き締まるが、嬉しくもある。<br> 聖杯戦争も悪くはないな。」
:協力を渋るジナコに対し誠実で粘り強い説得を繰り返し、見事口説き落とした[[主人公 (EXTRA)|主人公]]に対する称賛の言葉。
+
: 協力を渋るジナコに対し誠実で粘り強い説得を繰り返し、見事口説き落とした[[主人公 (EXTRA)|主人公]]に対する称賛の言葉。
    
;'''「真の英雄は眼で殺す!」'''
 
;'''「真の英雄は眼で殺す!」'''
:宝具「梵天よ、地を覆え」、発動。<br>妙な笑いを誘う台詞だが、'''本当に目からビームを放つ'''。<br>高威力かつ1ターンに2度使用することもままあるので、直撃すれば言葉通りの状態にされるだろう。なお、このスキルの使用をきっかけに、ジナコから「ビームの英霊ランチャー」と呼ばれることとなる。
+
: 宝具「梵天よ、地を覆え」、発動。<br>妙な笑いを誘う台詞だが、'''本当に目からビームを放つ'''。<br>高威力かつ1ターンに2度使用することもままあるので、直撃すれば言葉通りの状態にされるだろう。なお、このスキルの使用をきっかけに、ジナコから「ビームの英霊ランチャー」と呼ばれることとなる。
:正しくは「'''武具など無粋。真の英雄は眼で殺す……!'''」だったが、尺の関係で前半がカットされたとのこと。
+
: 正しくは「'''武具など無粋。真の英雄は眼で殺す……!'''」だったが、尺の関係で前半がカットされたとのこと。
    
;「華々しいな、薔薇の皇帝。<br> 多くの市民はその在り方に喝采を送っただろうが、オレには悲劇にしか見えん。<br> 出来事という出来事を全て舞台にしなければ立ち行かぬほど、お前の生は絶望と悲哀に満ちている。<br> ……お互い様とはよく言ったものだ。オレにはお前の苦悩が分かる。何が救いになるのかさえもな。<br> 幕を下ろしてやろうセイバー。<br> 主役が消えれば、その舞台もおしまいだ。」
 
;「華々しいな、薔薇の皇帝。<br> 多くの市民はその在り方に喝采を送っただろうが、オレには悲劇にしか見えん。<br> 出来事という出来事を全て舞台にしなければ立ち行かぬほど、お前の生は絶望と悲哀に満ちている。<br> ……お互い様とはよく言ったものだ。オレにはお前の苦悩が分かる。何が救いになるのかさえもな。<br> 幕を下ろしてやろうセイバー。<br> 主役が消えれば、その舞台もおしまいだ。」
:セイバーの彼女らしい、決戦を前にした口上を聞いて。
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: セイバーの彼女らしい、決戦を前にした口上を聞いて。
:多くの苦難にさらされながらも決して華やかさを失わなかったその在り方を称え、彼女が胸に秘めた悲しみに共感する 。
+
: 多くの苦難にさらされながらも決して華やかさを失わなかったその在り方を称え、彼女が胸に秘めた悲しみに共感する。
:それは、自らと同じく、落陽が最後に見たものであるゆえか。
+
: それは、自らと同じく、落陽が最後に見たものであるゆえか。
    
;「余計な世話だ、口にするな。<br> 正しい人間を見れば、敵であろうと気にかけるのは貴様の悪癖だぞアーチャー。<br> いさめる相手を間違えているのはそちらだ。<br> 正義という集団秩序を善しとしておきながら、お前は弱者の味方であろうとする。<br> その矛盾に気づいているか、弱き者よ。<br> 非情になりきれぬのなら、正義に肩入れするのだけは止めておけ。」
 
;「余計な世話だ、口にするな。<br> 正しい人間を見れば、敵であろうと気にかけるのは貴様の悪癖だぞアーチャー。<br> いさめる相手を間違えているのはそちらだ。<br> 正義という集団秩序を善しとしておきながら、お前は弱者の味方であろうとする。<br> その矛盾に気づいているか、弱き者よ。<br> 非情になりきれぬのなら、正義に肩入れするのだけは止めておけ。」
:アーチャーに「この戦いは本当に必要なのか、お前がいさめるべき者は他にいるのではないか」という問いに対して。
+
: アーチャーに「この戦いは本当に必要なのか、お前がいさめるべき者は他にいるのではないか」という問いに対して。
:冷たく突き放し、逆に「正義の味方」が抱える最大の問題を突きつける。
+
: 冷たく突き放し、逆に「正義の味方」が抱える最大の問題を突きつける。
:誰よりも「正しい行い」をしながら、「悪」と呼ばれ命を終えた者の苦悩を知るがために。
+
: 誰よりも「正しい行い」をしながら、「悪」と呼ばれ命を終えた者の苦悩を知るがために。
    
;「浅慮なのはそちらの方だ。オレは正しい英霊などではないし、そもそもジナコには何も期待していない。<br> ジナコの将来性を期待する者がいるとすれば、それはジナコ本人だけだ。<br> 何者であれ、彼女の在り方に口出しすることはできない。<br> お前とてそうだろう。マスターを守るでもなく導くでもなく、寄り添う事を良しとしている。<br> たとえその先が報われぬ未来でも、己の我儘で運命を捻じ曲げる事はしない。<br> 口では色々と欲望ダダ漏れだがな。本性は主に殉じる純情狐というワケだ。」
 
;「浅慮なのはそちらの方だ。オレは正しい英霊などではないし、そもそもジナコには何も期待していない。<br> ジナコの将来性を期待する者がいるとすれば、それはジナコ本人だけだ。<br> 何者であれ、彼女の在り方に口出しすることはできない。<br> お前とてそうだろう。マスターを守るでもなく導くでもなく、寄り添う事を良しとしている。<br> たとえその先が報われぬ未来でも、己の我儘で運命を捻じ曲げる事はしない。<br> 口では色々と欲望ダダ漏れだがな。本性は主に殉じる純情狐というワケだ。」
:キャスターに「将来性を信じられても、重荷になるだけの人間もいる。貴方が正しくあろうとすればするほど主を追い詰めていると分かっているのか?」という問いに対して。毒舌を交えつつも、互いが抱く主への真摯な想いを認め合う。
+
: キャスターに「将来性を信じられても、重荷になるだけの人間もいる。貴方が正しくあろうとすればするほど主を追い詰めていると分かっているのか?」という問いに対して。毒舌を交えつつも、互いが抱く主への真摯な想いを認め合う。
:かつて主が「悪」と知りながら、忠義に殉じた者であるからこそ。
+
: かつて主が「悪」と知りながら、忠義に殉じた者であるからこそ。
:もっとも、後に彼女は己の我儘で主の運命を捻じ曲げてしまうが……
+
: もっとも、後に彼女は己の我儘で主の運命を捻じ曲げてしまうが……
   −
;「―――今は何も無い。<br> 出来る事は確約だけだ。古代ウルクの王、天地の理を与えられた裁定者よ。<br> この首が落ちる運命があるのなら、それをお前に委ねよう。まだヒトの<RUBY><RB>認識</RB><RT>セカイ</RT></RUBY>が<RUBY><RB>幼</RB><RT> ちい</RT></RUBY>さい黎明にのみ地上を統べた最古の男よ。<br> その力でオレを砕けるものならな」
+
;「―――今は何も無い。<br> 出来る事は確約だけだ。古代ウルクの王、天地の理を与えられた裁定者よ。<br> この首が落ちる運命があるのなら、それをお前に委ねよう。まだヒトの<ruby><rb>認識</rb><rt>セカイ</rt></ruby>が<ruby><rb>幼</rb><rt>ちい</rt></ruby>さい黎明にのみ地上を統べた最古の男よ。<br> その力でオレを砕けるものならな」
:ギルガメッシュと初めて出会った際。
+
: ギルガメッシュと初めて出会った際。
:丁寧に断りを入れたのにも関らず、退かないどころか主の身を脅かし、鎧か槍か彼の首を求める傲慢な王に告げる。
+
: 丁寧に断りを入れたのにも関らず、退かないどころか主の身を脅かし、鎧か槍か彼の首を求める傲慢な王に告げる。
:主を守るためその不動の姿勢を崩さない。
+
: 主を守るためその不動の姿勢を崩さない。
:そして二人の黄金の英雄は冷たく睨み合う。
+
: そして二人の黄金の英雄は冷たく睨み合う。
   −
;「―――命令とあらば従おう。<br> 我が槍の暴威を以って、彼らを焼き尽くす。<br> <RUBY><RB>ジナコ</RB><RT>お前</RT></RUBY>の内にある暗き炎が、お前自身を燃やし尽くすまで消えぬと云うならオレは風雨を遮る覆いになるまで。<br> ゆくぞ。時期尚早だが、ここが貴様の死地と知れ。」
+
;「―――命令とあらば従おう。<br> 我が槍の暴威を以って、彼らを焼き尽くす。<br> <ruby><rb>ジナコ</rb><rt>お前</rt></ruby>の内にある暗き炎が、お前自身を燃やし尽くすまで消えぬと云うならオレは風雨を遮る覆いになるまで。<br> ゆくぞ。時期尚早だが、ここが貴様の死地と知れ。」
:狂気に染まったジナコの叫びに応えて。
+
: 狂気に染まったジナコの叫びに応えて。
:自らの勝利が絶対に主の為にならないことを知りつつも、サーヴァントとして主の叫びに応えるため、そして戦いに果てに主が救いを見出すことを信じ、彼は永き眠りについていた神槍を執る。
+
: 自らの勝利が絶対に主の為にならないことを知りつつも、サーヴァントとして主の叫びに応えるため、そして戦いに果てに主が救いを見出すことを信じ、彼は永き眠りについていた神槍を執る。
    
;「能天気さなら間違いなく。オレも恥が高い」
 
;「能天気さなら間違いなく。オレも恥が高い」
:ジナコの「自分ってAランクのマスターなんじゃない?」という自惚れに対する一言。即座にそこは鼻が高いと言うべきと突っ込まれる。
+
: ジナコの「自分ってAランクのマスターなんじゃない?」という自惚れに対する一言。即座にそこは鼻が高いと言うべきと突っ込まれる。
   −
;'''「神々の王の慈悲を知れ。<br> インドラよ、刮目しろ。<br> 絶滅とは是、この一刺。<br> 焼き尽くせ、『<RUBY><RB>日輪よ、死に随え</RB><RT>ヴァサヴィ・シャクティ</RT></RUBY>』!!<br> ふ……是非もなし……」'''
+
;「神々の王の慈悲を知れ。<br> インドラよ、刮目しろ。<br> 絶滅とは是、この一刺。<br> 焼き尽くせ、『<ruby><rb>日輪よ、死に随え</rb><rt>ヴァサヴィ・シャクティ</rt></ruby>』!!<br> ふ……是非もなし……」
:最終宝具解放。<br>「日輪よ、死に随え」。一撃のみの神をも射殺す、必滅の槍。
+
: 最終宝具解放。
 +
:「日輪よ、死に随え」。一撃のみの神をも射殺す、必滅の槍。
   −
;'''「アルジュナの真似事ではないがな………<br>我が身を呪え………『<RUBY><RB>梵天よ、我を呪え</RB><RT> ブラフマーストラ・クンダーラ</RT></RUBY>』!!<br>「頭上注意だ、悪く思え」'''
+
;「アルジュナの真似事ではないがな………<br> 我が身を呪え………『<ruby><rb>梵天よ、我を呪え</rb><rt>ブラフマーストラ・クンダーラ</rt></ruby>』!!」
:宝具「梵天よ、我を呪え」、発動。
+
;「頭上注意だ、悪く思え」
:師から与えられた極意にして、三界を焼き尽くす天からの劫火。
+
: 宝具「梵天よ、我を呪え」、発動。
:というか、アルジュナも同じような事できるのか…。
+
: 師から与えられた極意にして、三界を焼き尽くす天からの劫火。
 +
: というか、アルジュナも同じような事できるのか…。
   −
;「その話は無意味だ。オレはおまえたちには協力しない。ジナコと契約を切るつもりもない。<br> 生徒会室に戻るがいい。ジナコがなんと言おうと、オレはおまえたちには手を貸さない。」<br>「オレはここで消える運命ではない。こんな所で死ぬ気もない。BB退治はしたいものにやらせればいい」
+
;「その話は無意味だ。オレはおまえたちには協力しない。ジナコと契約を切るつもりもない。<br> 生徒会室に戻るがいい。ジナコがなんと言おうと、オレはおまえたちには手を貸さない。」
:神話礼装取得のためにジナコのサーヴァントである彼を借り受けようとした際の返答。
+
;「オレはここで消える運命ではない。こんな所で死ぬ気もない。BB退治はしたいものにやらせればいい」
:普段のカルナからすれば不自然なほどの意固地な態度だが、これには理由があった。
+
: 神話礼装取得のためにジナコのサーヴァントである彼を借り受けようとした際の返答。
 +
: 普段のカルナからすれば不自然なほどの意固地な態度だが、これには理由があった。
    
;「―――いや、それは違う。お前の人生は、ただ、間が悪かっただけであろう」
 
;「―――いや、それは違う。お前の人生は、ただ、間が悪かっただけであろう」
:自暴自棄に陥ったジナコに対して。
+
: 自暴自棄に陥ったジナコに対して。
:ガトーと同じ事を語り、彼女を諭す。
+
: ガトーと同じ事を語り、彼女を諭す。
    
;「無論だ。特別ではない君を、命ある限り、オレは庇護し続ける。」
 
;「無論だ。特別ではない君を、命ある限り、オレは庇護し続ける。」
:彼にとって全ての人間は同じ価値。「施しの英霊」と呼ばれる彼のあり方を感じさせる。
+
: 彼にとって全ての人間は同じ価値。「施しの英霊」と呼ばれる彼のあり方を感じさせる。
    
;「―――そうだったのか。……そうだったのか……そう……だったのか……」
 
;「―――そうだったのか。……そうだったのか……そう……だったのか……」
:ジナコに誤解される原因は伝えたい事を途中で切るからと指摘された際の一言。
+
: ジナコに誤解される原因は伝えたい事を途中で切るからと指摘された際の一言。
:全く自覚してなかったようで、思わず三回も呟く程ショックを受けた。
+
: 全く自覚してなかったようで、思わず三回も呟く程ショックを受けた。
    
;「生きるがいいマスター。必ず誰かが、誰でもないおまえを待っている。」
 
;「生きるがいいマスター。必ず誰かが、誰でもないおまえを待っている。」
:ジナコとの別れ。言いたいことを全て言う、最初の練習にして最後の言葉。
+
: ジナコとの別れ。言いたいことを全て言う、最初の練習にして最後の言葉。
:長年孤独と死を恐れていたジナコは、この言葉を受けて涙と共に息を呑む。
+
: 長年孤独と死を恐れていたジナコは、この言葉を受けて涙と共に息を呑む。
    
===生前===
 
===生前===
 
;「それは欺瞞、独りよがりの愛だ。<br> 貴女の愛で救えるのは、貴女だけだ。貴女の愛は貴女にしか向けられていない。<br> だが―――その気持ちに応えよう。<br> 以後、戦において俺に及ばぬ兄弟を仕留める事は無い。俺が全力を尽くすのは、我が宿敵アルジュナだけだ。<br> 自ら手にした場所へ帰るがいい。<br> ………一度だけだが、息子と呼ばれた事には、感謝している。」
 
;「それは欺瞞、独りよがりの愛だ。<br> 貴女の愛で救えるのは、貴女だけだ。貴女の愛は貴女にしか向けられていない。<br> だが―――その気持ちに応えよう。<br> 以後、戦において俺に及ばぬ兄弟を仕留める事は無い。俺が全力を尽くすのは、我が宿敵アルジュナだけだ。<br> 自ら手にした場所へ帰るがいい。<br> ………一度だけだが、息子と呼ばれた事には、感謝している。」
:説得に訪れた実の母クンティーへの答え。最後に「母としての情」に訴え、自らの過去を明かすという危険を冒してまで自分を説得しようという彼女の覚悟は「施しの英雄」である彼にとって酬いるに値するものだった。
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: 説得に訪れた実の母クンティーへの答え。最後に「母としての情」に訴え、自らの過去を明かすという危険を冒してまで自分を説得しようという彼女の覚悟は「施しの英雄」である彼にとって酬いるに値するものだった。
:この決断と誓いが自らの破滅を呼ぶことを理解していながら、彼はこの母に誓った言葉を守り続けた。
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: この決断と誓いが自らの破滅を呼ぶことを理解していながら、彼はこの母に誓った言葉を守り続けた。
:「利己的な母から生まれた」というもセイバーとの共通点だが、セイバーはいつも傍にいたはずの「母」と最後まで分かり合うことが出来ず公衆の面前で切り捨てる事になったのに対し、彼は幼い頃に自分を捨てた「母」を許し最後の最後で気持ちが通じた、という皮肉な違いがある。
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: 「利己的な母から生まれた」というもセイバーとの共通点だが、セイバーはいつも傍にいたはずの「母」と最後まで分かり合うことが出来ず公衆の面前で切り捨てる事になったのに対し、彼は幼い頃に自分を捨てた「母」を許し最後の最後で気持ちが通じた、という皮肉な違いがある。
    
== メモ ==
 
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