;「まあ正直な話、勝敗はどうでもよかったのだ、私は。<br> 生前の私はどんどんと薄汚れていく。<br> 輝かんばかりだった眼差しは政に澱み、勝ち得た財宝が、権力が、義理が、私を縛り付けていった。<br> あれは、苦しい。 苦しいのに、手放せない。<br> ――愛に殉じようとしたお前が妬ましかったのも、恐らくはそれだろう」 | ;「まあ正直な話、勝敗はどうでもよかったのだ、私は。<br> 生前の私はどんどんと薄汚れていく。<br> 輝かんばかりだった眼差しは政に澱み、勝ち得た財宝が、権力が、義理が、私を縛り付けていった。<br> あれは、苦しい。 苦しいのに、手放せない。<br> ――愛に殉じようとしたお前が妬ましかったのも、恐らくはそれだろう」 |