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− *Holy Chalice:キリスト教の聖遺物で、最後の晩餐(聖餐)に登場する杯。+
− *Holy Grail:[[Fate/stay night]]において登場する魔術礼装。+
− *[[ムーンセル・オートマトン|ムーンセル]]:[[Fate/EXTRA]]において登場する太陽系最古の遺物。
− *アートグラフ:[[Fate/Grand Order]]において[[主人公 (Grand Order)|主人公]]が聖杯探索で集める聖杯。
− キリストの伝説に端を発する奇跡の遺物。その起源は多くの神話で顔を見せる“願いを叶える大釜”だと言われる。+
− == 聖杯(Holy Chalice) ==
− 「最後の晩餐」において、キリストが弟子達に「私の血である」としてワインを注ぎ、振舞ったという杯。弟子達の手によって各地に運ばれ、その土地で様々な伝承を成した。よって一つだけではない。
− またこの聖杯がヨーロッパにおいて騎士道物語に取り入れられ、聖杯探求の旅が描かれる「聖杯伝説」物語群が生まれた。「アーサー王伝説」で騎士達が探索に出された聖杯もこれである。手に入れた者のあらゆる願いを叶えるという願望機であり、最高位の聖遺物。しかし、真実の聖杯を手にした者はおらず、伝説の域を出ないとされている。+
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− 六十年に一度[[冬木市|冬木]]の土地に現れる、あらゆる願いを叶えるという器。これだけなら出来の悪い与太話で終わってしまいそうなものだが、その奇跡の一端を「[[サーヴァント]]の召喚」という形で示す事で「真贋はともかく規格外の[[魔術礼装]]」として認知されている。本来はユートピアにあるとされる万能の釜を模した魔術礼装で、聖杯という名は借り物にすぎない。当然先述の聖杯から見れば「贋作」なのだが、[[魔術協会]]にとっては優れた魔術品、[[聖堂教会]]にとってはその正体が何であろうと「聖杯」と名が付く以上監視しなければならない対象、となっている。教会や協会にとって、冬木で観測されたのは「第七百二十六号聖杯」である。
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− 大聖杯起動に必要な魂が溜まると、「座」に帰ってゆこうとするサーヴァントを一気に解放することにより極小の孔を開ける。そのために必要なのは「七騎」分の魂が必要となる。「願望機」としての機能であれば六騎で事足りるが、真に根源に至ろうとするならば、最後の勝者は[[令呪]]をもって自身のサーヴァントを自害させねばならない。+
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− 冬木の霊脈を涸らさないように六十年という時間を掛けてマナを吸い上げ、七騎のサーヴァントを召喚するのに充分な魔力を蓄える。聖杯降霊の時期が近づくと「聖杯の意思」によってマスターに相応しい人物に令呪を授け、聖杯戦争という儀式を開始する。+
− また、七騎のサーヴァントが一勢力に統一されてしまった場合を想定し、七騎のサーヴァントに対抗するために追加で七騎のサーヴァントを召喚する予備システムが組み込まれている。だがこのシステムはあくまで緊急の措置であり、冬木で発動した場合は霊脈そのものが枯渇する可能性もある。+
− 小聖杯が破壊されようとも大聖杯さえ無事ならば、器が用意される限り何度でも聖杯降霊儀式は執り行える。だが、Fate・UBWルートにおいては切嗣が第四次の後に用意した霊脈の瘤による局地的大地震により、またはHFシナリオにおいては宝石剣ゼルレッチで大暴れした凛により、龍洞が崩落、大聖杯は破壊される。このため、聖杯戦争は第五次で最後となり、今後開かれることはなくなった。+
− 第五次の十年後、魔術協会は大聖杯の復活を画策し、遠坂の当主とロード・エルメロイⅡ世により完全に解体される必要を残していた<ref group = "注">『Fate/Accel Zero Order』によると、「(第四次聖杯戦争の時代から)次の代で遠坂を継ぐのが自分の教え子」であることから、その「遠坂の当主」が[[遠坂凛]]であることを伺わせる。</ref><ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.7">「聖杯戦争の歴史」『Fate/complete material Ⅲ world material.』p.7。</ref>。この解体は関わったエルメロイⅡ世が例えるなら、大樽一杯に貯まったニトログリセリンを抜き取る作業らしく、一晩二晩ではどうにもならず入念な準備を必要とした<ref group = "出" name = "Zeroコラボイベント ACT-15" >『Fate/Accel Zero Order』ACT-15「大聖杯へ」。</ref>。+
− 竹箒日記によると、アインツベルン相談室の時空が第三次聖杯戦争直後となっており、「大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)だと思いねえ。」とのこと<ref group="出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201210.html 竹箒日記2012/10/3]。</ref>。+
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− == ムーンセル・オートマトン ==
− 『[[Fate/EXTRA]]』『[[Fate/EXTRA Last Encore]]』『[[Fate/EXTRA CCC]]』『[[Fate/EXTRA CCC FoxTail]]』『[[Fate/EXTELLA]]』『[[Fate/EXTELLA LINK]]』における聖杯。
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− 詳細は「[[ムーンセル・オートマトン]]」を参照。
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− 一つは各時代において特異点を形成する原因となっている聖杯。主に[[ゲーティア|黒幕]]によって、人理定礎崩壊のために各特異点を形成したものであり、各特異点に1つずつ配置されている。また、期間限定イベントの舞台となる小規模特異点も、聖杯を原因とする異変が発生している。多くの場合、この聖杯を回収することにより特異点を正常化させるのが、カルデアの作戦目的となり、特異点を1つクリアするごとに1つ獲得することができる。+
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− *奈須きのこ氏曰わく『Fate/EXTRA』は『Fate/stay night』世界の1970年代から分岐した世界観だが、ムーンセルがあるのはあくまでも『EXTRA』世界だけで、『stay night』には存在しないとの事。
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− *[[魔術礼装]]
現実の聖杯とTYPE-MOONの聖杯の記述が混ざっていた為、出典元を確認しつつ整理しました。
== 概要 ==
== 原義 ==
キリスト教における神の血を受けた杯で、最高位の聖遺物。あらゆる願いを叶えるという。その起源は多くの神話で顔を見せる「願いを叶える大釜」といわれる。<ref group="出">「Fate用語辞典-聖杯」『Fate/side material』p.64</ref><br>
候補は複数見出されており、[[聖堂教会]]が番号を振って監視している。
キリスト教以外にも多くの伝承に登場し、[[BB|バビロンの大淫婦が持つ黄金の杯]]、ケルト神話におけるダグザの大釜、そしてアーサー王伝説で[[ギャラハッド]]が発見するに至った聖杯などが存在する。
== 冬木の聖杯 ==
聖堂教会のいう「第七百二十六号聖杯」。60年<ref group="注">『Fate/stay night[Réalta nua]』では50年。</ref>に一度[[冬木市]]に現れる、あらゆる願いを叶えるという器。これだけなら出来の悪い与太話で終わってしまいそうなものだが、その奇跡の一端を「[[サーヴァント]]の召喚」という形で示す事で「真贋はともかく規格外」と認知されている。<br>
== 冬木の聖杯(Holy Grail) ==
実際にはユートピアにあるとされる万能の釜を模した物。聖堂教会もキリスト教とは無縁との確証は取れているが、その強大さを無視できず監視し続けている。
=== 小聖杯 ===
=== 小聖杯 ===
表向きの聖杯。外来の[[魔術|魔術師]]達とサーヴァントはこの聖杯を求めて戦う、いわば聖杯戦争の賞品である。<br>
表向きの聖杯。外来の[[魔術師]]達とサーヴァントはこの聖杯を求めて戦う、いわば聖杯戦争の賞品である。<br>
「[[ジークフリート|ラインの黄金]]」に携わったというアインツベルンにより鋳造された器に、おおよそあらゆる願いを叶えられるほどの魔力が満ち溢れたモノ。その魔力とは、脱落したサーヴァントの魂に他ならない。聖杯戦争においてサーヴァントが脱落していく過程こそが聖杯降霊の儀式であり、戦いが佳境にはいると形を持ち始める。ほか六組の参戦者を排除して降霊した聖杯こそが「願望機」としての完成品であり、優勝賞品である。
「[[ジークフリート#宝具|ラインの黄金]]」の伝承に長けるというアインツベルンが鋳造した器に、おおよそあらゆる願いを叶えられるほどの魔力が満ち溢れたモノ。その魔力とは、脱落したサーヴァントの魂に他ならない。聖杯戦争においてサーヴァントが脱落していく過程こそが聖杯降霊の儀式であり、戦いが佳境にはいると形を持ち始める。ほか六組の参戦者を排除して降霊した聖杯こそが「願望機」としての完成品であり、優勝賞品である。
本来は根源に通じる孔を開ける手段として、サーヴァントの魂を一時的に留めておく器。<br>
本来は根源に通じる孔を開ける手段として、サーヴァントの魂を一時的に留めておく器。<br>
大聖杯起動に必要な魂が溜まると、「座」に帰ってゆこうとするサーヴァントを一気に解放することにより極小の孔を開ける。そのために7騎分の魂が必要となる。「願望機」としての機能であれば6騎で事足りるが、真に根源に至ろうとするならば、最後の勝者は[[令呪]]をもって自身のサーヴァントを自害させねばならない。
よって小聖杯はただのフェイク、偽りのトロフィーに過ぎないが、名前だけが語られる無意味な代物というわけでもなく、「おおよそあらゆる願いを叶えられる」点においては極めて重要な意味と能力を持つ不可欠な要素である。しかし小聖杯は大聖杯と異なり、戦争の度にその姿を変える。第三次までの聖杯戦争における小聖杯は聖遺物の能力を持った器物、いわば文字通りの杯というものだが、戦闘中に破損し、儀式が中止となった。第四次以降は肉体を持つ小聖杯という形で鋳造されたホムンクルスがその役割を担っており、第四次が[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]、第五次が[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]である。だが、第四次聖杯戦争の結果、間桐臓硯は聖杯の欠片を手にし、ソレを触媒として生み出された刻印虫を桜の肉体に埋め込んだことで彼女を不完全ながらも小聖杯へと変えていった<ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.9">「歴代の小聖杯」『Fate/complete material Ⅲ world material.』p.9。</ref>。
よって小聖杯はただのフェイク、偽りのトロフィーに過ぎないが、名前だけが語られる無意味な代物というわけでもなく、「おおよそあらゆる願いを叶えられる」点においては極めて重要な意味と能力を持つ不可欠な要素である。しかし小聖杯は大聖杯と異なり、戦争の度にその姿を変える。第三次までの聖杯戦争における小聖杯は聖遺物の能力を持った器物、いわば文字通りの杯というものだが、戦闘中に破損し、儀式が中止となった。第四次以降は肉体を持つ小聖杯という形で鋳造されたホムンクルスがその役割を担っており、第四次が[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]、第五次が[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]である。だが、第四次聖杯戦争の結果、間桐臓硯は聖杯の欠片を手にし、ソレを触媒として生み出された刻印虫を桜の肉体に埋め込んだことで彼女を不完全ながらも小聖杯へと変えていった<ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.9">「歴代の小聖杯」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.9</ref>。
霊体を降臨させるための器であるため、形はどんなものでもよい。金属の鍋だろうが、[[フェイト/タイガーころしあむ|幼稚園児が使いそうな水筒]]であろうが、はたまた生命であってもその是非を問わない。
霊体を降臨させるための器であるため、形はどんなものでもよい。金属の鍋だろうが、[[フェイト/タイガーころしあむ|幼稚園児が使いそうな水筒]]であろうが、はたまた生命であってもその是非を問わない。
円蔵山がその内部に擁する大空洞「龍洞」に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ、超抜級の魔術炉心。<br>
円蔵山がその内部に擁する大空洞「龍洞」に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ、超抜級の魔術炉心。<br>
聖杯戦争のシステムを管理するもので、小聖杯は敗れた英霊の魂を回収し、大聖杯を動かす為の炉心にあたる。小聖杯に大聖杯の起動に必要な魂が溜まると、英霊が「座」に戻ろうとする瞬間に僅かに開いた穴を大聖杯の力で固定し、人の身では届かない根源への道を作る。<br>
聖杯戦争のシステムを管理するもので、小聖杯は敗れた英霊の魂を回収し、大聖杯を動かす為の炉心にあたる。小聖杯に大聖杯の起動に必要な魂が溜まると、英霊が「座」に戻ろうとする瞬間に僅かに開いた穴を大聖杯の力で固定し、人の身では届かない根源への道を作る。<br>
冬木の霊脈を涸らさないように60年という時間を掛けてマナを吸い上げ、七騎のサーヴァントを召喚するのに充分な魔力を蓄える。聖杯降霊の時期が近づくと「聖杯の意思」によってマスターに相応しい人物に令呪を授け、聖杯戦争という儀式を開始する。
また、7騎のサーヴァントが一勢力に統一されてしまった場合を想定し、7騎のサーヴァントに対抗するために追加で7騎のサーヴァントを召喚する予備システムが組み込まれている。だがこのシステムはあくまで緊急の措置であり、冬木で発動した場合は霊脈そのものが枯渇する可能性もある。
200年前に始まりの御三家([[アインツベルン]]・[[間桐家|マキリ]]・遠坂)により敷設され、その術式は冬の聖女[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン]]の魔術回路を拡張・増幅したもの。この儀式にはかの[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ|魔導元帥ゼルレッチ]]も立ち会っており、[[ギルガメッシュ]]までもが「考案したものは神域の天才であろうよ」と賞賛し、人体という小宇宙を実際に宇宙にした特例として扱われている。
200年前に始まりの御三家([[アインツベルン]]・[[間桐家|マキリ]]・遠坂)により敷設され、その術式は冬の聖女[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン]]の魔術回路を拡張・増幅したもの。この儀式にはかの[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ|魔導元帥ゼルレッチ]]も立ち会っており、[[ギルガメッシュ]]までもが「考案したものは神域の天才であろうよ」と賞賛し、人体という小宇宙を実際に宇宙にした特例として扱われている。
小聖杯が破壊されようとも大聖杯さえ無事ならば、器が用意される限り何度でも聖杯降霊儀式は執り行える。だが、Fate・UBWルートにおいては切嗣が第四次の後に用意した霊脈の瘤による局地的大地震により、またはHFルートにおいては宝石剣ゼルレッチで大暴れした凛により、龍洞が崩落、大聖杯は破壊される。このため、聖杯戦争は第五次で最後となり、今後開かれることはなくなった。
第五次の10年後、魔術協会は大聖杯の復活を画策し、遠坂の当主とロード・エルメロイⅡ世により完全に解体される必要を残していた<ref group = "注">『Fate/Accel Zero Order』によると、「(第四次聖杯戦争の時代から)次の代で遠坂を継ぐのが自分の教え子」であることから、その「遠坂の当主」が[[遠坂凛]]であることを伺わせる。</ref><ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.7">「聖杯戦争の歴史」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.7</ref>。この解体は関わったエルメロイⅡ世が例えるなら、大樽一杯に貯まったニトログリセリンを抜き取る作業らしく、一晩二晩ではどうにもならず入念な準備を必要とした<ref group = "出" name = "Zeroコラボイベント ACT-15" >『Fate/Accel Zero Order』ACT-15「大聖杯へ」</ref>。
『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。
『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。
「竹箒日記」によると、アインツベルン相談室の時空が第三次聖杯戦争直後となっており、「大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)だと思いねえ。」とのこと<ref group="出">「[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201210.html 竹箒日記-2012/10/3]」</ref>。
== ムーンセル・オートマトン ==
『[[Fate/EXTRA]]』『[[Fate/EXTRA Last Encore]]』『[[Fate/EXTRA CCC]]』『[[Fate/EXTRA CCC FoxTail]]』『[[Fate/EXTELLA]]』『[[Fate/EXTELLA LINK]]』における聖杯。<br>
ムーンセルは『Fate/EXTRA』シリーズの世界のみに存在する<ref group="出">「Q&A」『TYPE-MOON Fes. オフィシャル パンフレット』</ref>。
詳細は「[[ムーンセル・オートマトン]]」を参照。
==『Prototype』の聖杯==
==『Prototype』の聖杯==
「聖杯を作る」ために聖杯戦争が行われる冬木のそれに対し、平行世界では上記の理由から「聖杯を使う」ためにエインズワース主導で聖杯戦争が行われている。設定からすると「ただ願う」だけで万事が叶いそうであるが、何らかの間違いで聖杯そのものが美遊という人格を持ってしまったために、そのような手順が必要であると推測されている。
「聖杯を作る」ために聖杯戦争が行われる冬木のそれに対し、平行世界では上記の理由から「聖杯を使う」ためにエインズワース主導で聖杯戦争が行われている。設定からすると「ただ願う」だけで万事が叶いそうであるが、何らかの間違いで聖杯そのものが美遊という人格を持ってしまったために、そのような手順が必要であると推測されている。
==八一号聖杯爆弾==
==八一号聖杯爆弾==
「'''信じて作った大聖杯がなんか爆弾にされていた'''」とか、必死に聖杯を取りあっていた御三家にとっては涙目の結末である。汚染聖杯を人を殺すために使うという合理的かつ身も蓋もない使い道であるがそのシンプルな運用からか大聖杯にありがちなイレギュラーや欠陥も補完されており隙が無い。敵国であるアメリカどころか日本以外全てを吹き飛ばしかねないほどの危険物である。
「'''信じて作った大聖杯がなんか爆弾にされていた'''」とか、必死に聖杯を取りあっていた御三家にとっては涙目の結末である。汚染聖杯を人を殺すために使うという合理的かつ身も蓋もない使い道であるがそのシンプルな運用からか大聖杯にありがちなイレギュラーや欠陥も補完されており隙が無い。敵国であるアメリカどころか日本以外全てを吹き飛ばしかねないほどの危険物である。
==『Grand Order』の聖杯==
==『Fate/Grand Order』の聖杯==
キーワードに「聖杯探索」を掲げるだけあって、多数の聖杯が登場している。出自によって、いくつかの種類に分けることができる。
キーワードに「聖杯探索」を掲げるだけあって、多数の聖杯が登場している。出自によって、いくつかの種類に分けることができる。
一つは各時代において特異点を形成する原因となっている聖杯。アートグラフ。主に[[ゲーティア|黒幕]]によって、人理定礎崩壊のために各特異点を形成したものであり、各特異点に1つずつ配置されている。また、期間限定イベントの舞台となる小規模特異点も、聖杯を原因とする異変が発生している。多くの場合、この聖杯を回収することにより特異点を正常化させるのが、カルデアの作戦目的となり、特異点を1つクリアするごとに1つ獲得することができる。
[[レオナルド・ダ・ヴィンチ|ダ・ウィンチちゃん]]によると聖杯は空間における魔力の使用方法を決める<ruby><rb>法</rb><rt>のり</RT></RUBY>であり、世界のルールとも言え本来カタチの無いものだとか。しかし何故か[[レフ・ライノール|レフ]]は聖杯を結晶化して所持していた。
[[レオナルド・ダ・ヴィンチ|ダ・ウィンチちゃん]]によると聖杯は空間における魔力の使用方法を決める<ruby><rb>法</rb><rt>のり</RT></RUBY>であり、世界のルールとも言え本来カタチの無いものだとか。しかし何故か[[レフ・ライノール|レフ]]は聖杯を結晶化して所持していた。
== メモ ==
== メモ ==
*第三次聖杯戦争でアインツベルン家がアヴェンジャーを呼び出した為に聖杯は「この世全ての悪」に染まってしまい、願望は歪んだ形で顕現する呪いのアイテムになってしまう。<br>それ以前に、多くの流血を強いながらも聖杯をまともに手にした者はほぼ皆無で、作られた当初から呪いのアイテムになる事が決定付けられている。それでもなお聖杯を手に入れようとする者が後を絶たないあたり、人間のエゴや業の深さを感じさせる。
*第三次聖杯戦争でアインツベルン家がアヴェンジャーを呼び出した為に聖杯は「この世全ての悪」に染まってしまい、願望は歪んだ形で顕現する呪いのアイテムになってしまう。<br>それ以前に、多くの流血を強いながらも聖杯をまともに手にした者はほぼ皆無で、作られた当初から呪いのアイテムになる事が決定付けられている。それでもなお聖杯を手に入れようとする者が後を絶たないあたり、人間のエゴや業の深さを感じさせる。
**『Grand Order』でついに聖杯戦争に勝利しマスターとサーヴァントがそれぞれの願望を実現させる事例が現れた。最も、彼らが必要としたのは小聖杯であり、大聖杯による根源到達というアインツベルンの目的は未だ果たされていない。
**『Grand Order』でついに聖杯戦争に勝利しマスターとサーヴァントがそれぞれの願望を実現させる事例が現れた。最も、彼らが必要としたのは小聖杯であり、大聖杯による根源到達というアインツベルンの目的は未だ果たされていない。
**2017年現在で聖杯を使用してまともに願いを叶えられた人物は、『プリズマ☆イリヤ』の「美遊が幸せをつかめますように」と祈った美遊世界の衛宮士郎と、『Grand Order』の汚染されていない聖杯を聖杯戦争で獲得したマリスビリー・アニムスフィアと彼のサーヴァントである。
**2017年現在で聖杯を使用してまともに願いを叶えられた人物は、『プリズマ☆イリヤ』の「美遊が幸せをつかめますように」と祈った美遊世界の衛宮士郎と、『Grand Order』の汚染されていない聖杯を聖杯戦争で獲得したマリスビリー・アニムスフィアと彼のサーヴァントである。
*『Fate/Grand Order』では万能の願望器である聖杯でも叶えることが不可能なケースが存在し、[[ジル・ド・レェ]]が生前処刑された[[ジャンヌ・ダルク]]を蘇らせようとしたが拒絶されたことが挙げられる<ref group = "出" name="第一特異点 第15節">『邪竜百年戦争 オルレアン』第15節「竜の魔女」。</ref><ref group = "注">ただし、それがダメならばジルの信じるジャンヌ・ダルクを聖杯の力で創造して[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]]が誕生したあたり、やはり万能の願望器の凄まじさをうかがわせる。</ref>。
*『Fate/Grand Order』では万能の願望器である聖杯でも叶えることが不可能なケースが存在し、[[ジル・ド・レェ]]が生前処刑された[[ジャンヌ・ダルク]]を蘇らせようとしたが拒絶されたことが挙げられる<ref group = "出" name="第一特異点 第15節">『邪竜百年戦争 オルレアン』第15節「竜の魔女」</ref><ref group = "注">ただし、それがダメならばジルの信じるジャンヌ・ダルクを聖杯の力で創造して[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]]が誕生したあたり、やはり万能の願望器の凄まじさをうかがわせる。</ref>。
== 話題まとめ ==
== 話題まとめ ==
;願望機の特徴
;願望機の特徴
:一般的な魔術において、目的を達成するためにはそのための過程を考える必要がある。例えば「空を飛びたい」と願った場合、「重力を制御して体を浮かす」でも「翼を生やして羽ばたく」でも「魔力を脚から噴出する」でも良いが、とにかく何らかの方法を定義する必要がある。
:一般的な魔術において、目的を達成するためにはそのための過程を考える必要がある。例えば「空を飛びたい」と願った場合、「重力を制御して体を浮かす」でも「翼を生やして羽ばたく」でも「魔力を脚から噴出する」でも良いが、とにかく何らかの方法を定義する必要がある。
:一方、冬木の聖杯は、ただ「こうなって欲しい」と思い描くだけで、その願望を実現する事が出来る。その際、使用者が過程を思い描く必要がない。なので「空を飛びたい」と願うだけで、過程も理論も吹っ飛ばして即座に「空を飛ぶ」と言う結果のみを叶えられる。
:一方、冬木の聖杯は、ただ「こうなって欲しい」と思い描くだけで、その願望を実現する事が出来る。その際、使用者が過程を思い描く必要がない。なので「空を飛びたい」と願うだけで、理論を吹っ飛ばして即座に「空を飛ぶ」と言う結果を叶えられる。
:これこそが、聖杯の願望機としての大きな特徴であり、魔術との大きな違いである。そもそも、過程と理論(と、それを実現するための魔力)さえあれば魔術でも大抵の事はできる。だが、過程と理論を吹き飛ばして結果のみを現出させる事は、聖杯にしか出来ないのだ。
:これこそが、聖杯の願望機としての大きな特徴であり、魔術との大きな違いである。そもそも、理論とそれを実現するための魔力さえあれば魔術でも大抵の事はできる。だが、理論を知らずとも結果を現出させる事は、聖杯にしか出来ないのだ。
:イリヤが魔術理論を知らずに魔術を行使出来るのも、これと同じ原理。また、アヴェンジャーによって汚染された聖杯が「必ず悪意を持って願いを叶える」ようになってしまったのも、この聖杯の特徴が仇になったためと言える(過程が定義されておらず、願いの叶え方は聖杯に一任されているからこそ、悪意に取る事が可能となる。過程を定義する必要があるなら、悪意に取りようがない)。
:イリヤが魔術理論を知らずに魔術を行使出来るのも、これと同じ原理。また、アヴェンジャーによって汚染された聖杯が「必ず悪意を持って願いを叶える」ようになってしまったのも、この聖杯の特徴が仇になったためと言える(過程が定義されておらず、願いの叶え方は聖杯に一任されているからこそ、悪意に取る事が可能となる。過程を定義する必要があるなら、悪意に取りようがない)。
:また、よく勘違いされるが、あくまでも「過程を入力しなくても願望を実現させる」だけであり、本当の意味で「過程を省く」わけではない。つまり、使用者が入力をする必要は無いが、過程と理論そのものは(聖杯側が用意するとはいえ)必ず必要になる。『Fate/Zero』で衛宮切嗣が絶望した理由も、聖杯が用意した方法論が、自分が否定したかった方法論(邪魔な者を皆殺しにすれば平和になるよね?)と完全に同一だったからである。
:尚、使用者が方法を知っている必要は無いが、それは聖杯が勝手に埋め合わせるからであって、結果だけを実現している訳ではない。例えばFateルートにおいてイリヤが「ギルガメッシュの存在を否定する」という願いを自らの魔術特性で叶えようとした時は、魔力弾という方法を導き出したが、あっさり跳ね返されて最終的には叶えられなかった。『Fate/Zero』で衛宮切嗣が絶望した理由も、聖杯が用意した方法論が、自分が否定したかった方法論(邪魔な者を皆殺しにすれば平和になるよね?)と完全に同一だったからである。
== 脚注 ==
== 脚注 ==
== リンク ==
== リンク ==
*[[小辞典]]
*[[小辞典]]
*[[聖杯戦争]]
*[[聖杯戦争]]
*[[ムーンセル・オートマトン]]
*[[ムーンセル・オートマトン]]