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::4. 「生まれながら欠陥している」という事実を受け入れた後、それを克服するためのあらゆる努力の中で最後の試みとして人並みの幸福を得ようと、一人の女を愛そうと考えた。
::4. 「生まれながら欠陥している」という事実を受け入れた後、それを克服するためのあらゆる努力の中で最後の試みとして人並みの幸福を得ようと、一人の女を愛そうと考えた。
::5. 妻との生活は二年に渡り、子もできたが言峰にとっての幸福は女の苦しみ、我が子の絶望だった。愛そうとすればするほど愛する者の苦しみだけが救いであり、そんな自分を女が癒そうとすればするほどこの女の嘆きが見たいと思う自分がいるだけだった。妻ほど自分を理解し癒そうとする人間はこの先現れないだろう、そんな妻でも癒せないなら、もはや生きて是非を問うまでもないと、自分の誕生は間違いだったとして自害を決める。
::5. 妻との生活は二年に渡り、子もできたが言峰にとっての幸福は女の苦しみ、我が子の絶望だった。愛そうとすればするほど愛する者の苦しみだけが救いであり、そんな自分を女が癒そうとすればするほどこの女の嘆きが見たいと思う自分がいるだけだった。妻ほど自分を理解し癒そうとする人間はこの先現れないだろう、そんな妻でも癒せないなら、もはや生きて是非を問うまでもないと、自分の誕生は間違いだったとして自害を決める。
::6. 自分の試みのために妻とした義務として命を断つ前に別れを告げに行くが、妻は言峰が人を愛せ生きる価値があると証明するために自ら命を断つ。その時言峰が思ったのは女の死を愉しめなかった、という損得の悲しみだけだった。
::6. 自分の試みのために妻とした義務として命を断つ前に別れを告げに行くが、妻は言峰が人を愛せ生きる価値があると証明するために自ら命を断つ。その時言峰が思ったのは女の死を愉しめなかった、という損得の悲しみだけだった。結局どうあっても正すことはできず、『stay night』この際に主の教えに決別しに悪しか愛せない自身を受け入れ。
::7. この妻の死の際に懐いた感情を当時の言峰は直視できず、受け止められなかった。妻に関する記憶を「妻も自分の人格の欠落を理解していなかった」ことにする、妻にも感じてしまっていた「他者の苦しみの悦び」とする自身の性質を忘れるなど、自分の本性から意識的・無意識的両面で目を背け遠ざけるようになる。
::7.『Zero』この妻の病死の際に懐いた感情を当時の言峰は直視できず、受け止められなかった。妻に関する記憶を「妻も自分の人格の欠落を理解していなかった」ことにする、妻にも感じてしまっていた「他者の苦しみの悦び」とする自身の性質を忘れるなど、自分の本性から意識的・無意識的両面で目を背け遠ざけるようになる。
::8. その少し後に令呪が現れたことで『Zero』における「人並みの幸福実感」を得られないか試行錯誤しつつも父の要請に従っての第四次聖杯戦争と、その経歴から空虚な徒労を繰り返した果てに答えを得たと予想した衛宮切嗣ならば、自分が抱き続ける「なぜ」という疑問への答えを出せるのではないかと期待する。
::8. その少し後に令呪が現れたことで『Zero』における「人並みの幸福実感」を得られないか試行錯誤しつつも父の要請に従っての第四次聖杯戦争と、その経歴から空虚な徒労を繰り返した果てに答えを得たと予想した衛宮切嗣ならば、自分が抱き続ける「なぜ」という疑問への答えを出せるのではないかと期待する。
::9. その中で英雄王ギルガメッシュと出会い、彼から自分が他人の不幸を愉悦としていることを指摘され、そしてその悦を自ら進んで行うことを教唆されたことで、目を背け忘れていた己の悪性と、改めようとするだけだったかつてとは違った形で再び対峙することになる。
::9. その中で英雄王ギルガメッシュと出会い、彼から自分が他人の不幸を愉悦としていることを指摘され、そしてその悦を自ら進んで行うことを教唆されたことで、目を背け忘れていた己の悪性と、改めようとするだけだったかつてとは違った形で再び対峙することになる。