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→名台詞
:宝具を封じられ、「負けられない戦いじゃなかったのか!?」と心配するアーチャーに、揺るがぬ自信と、そして気遣いを見せる。
:宝具を封じられ、「負けられない戦いじゃなかったのか!?」と心配するアーチャーに、揺るがぬ自信と、そして気遣いを見せる。
;「そうだな。自分でも、どうかしていたと思っていたところだ。<br /> 3つしかない令呪を、あろうことか敵を利するために使ってしまうとはな」<br />「だが、あの時はそれが自然に思えた。この戦いには女王陛下からたっての願い、というコトもあったが……<br /> わしにとっては久方ぶりの……いや、初めての個人的(プライベート)な戦いだ。<br /> 軍務であれば、アーチャーを良しとしただろう。だが、あいにくと今のわしは騎士でな。<br /> そう思った時、妻の面影がよぎったのだよ。妻は、そんなわしを喜ぶかどうかとな」<br />「老人の昔話だがね。今は顔も声も忘れてしまった。面影すら、思い返すことができない。<br /> ……当然の話だ。軍人として生き、軍規に徹した。<br /> そこに{{rb(己,ひと)}}としての{{rb(人生,こうふく)}}など、立ち入る余地はないのだから。<br /> 君も気をつけたまえ。結末は全て、過程の産物に過ぎん。<br /> 後悔は轍に咲く花のようだ。歩いた軌跡に、さまざまと、そのしなびた実を結ばせる。<br /> 故に、だ。少年(お嬢さん)。己に恥じぬ行為だけが、後顧の憂いから自身を解放する鍵なのだよ」<br />「……らしくない。つまらない話につき合わせた。老人の独り言と笑うがいい」
;「そうだな。自分でも、どうかしていたと思っていたところだ。<br /> 3つしかない令呪を、あろうことか敵を利するために使ってしまうとはな」<br />「だが、あの時はそれが自然に思えた。この戦いには女王陛下からたっての願い、というコトもあったが……<br /> わしにとっては久方ぶりの……いや、初めての個人的(プライベート)な戦いだ。<br /> 軍務であれば、アーチャーを良しとしただろう。だが、あいにくと今のわしは騎士でな。<br /> そう思った時、妻の面影がよぎったのだよ。妻は、そんなわしを喜ぶかどうかとな」<br />「老人の昔話だがね。今は顔も声も忘れてしまった。面影すら、思い返すことができない。<br /> ……当然の話だ。軍人として生き、軍規に徹した。<br /> そこに<ruby><rb>己</rb><rt>ひと</rt></ruby>としての<ruby><rb>人生</rb><rt>こうふく</rt></ruby>など、立ち入る余地はないのだから。<br /> 君も気をつけたまえ。結末は全て、過程の産物に過ぎん。<br /> 後悔は轍に咲く花のようだ。歩いた軌跡に、さまざまと、そのしなびた実を結ばせる。<br /> 故に、だ。少年(お嬢さん)。己に恥じぬ行為だけが、後顧の憂いから自身を解放する鍵なのだよ」<br />「……らしくない。つまらない話につき合わせた。老人の独り言と笑うがいい」
:教会で祈りを捧げるダン。敬虔な気持ちで自分を見つめる。
:教会で祈りを捧げるダン。敬虔な気持ちで自分を見つめる。
:敗北。それは老人にとっては同時に、天啓でもあった。
:敗北。それは老人にとっては同時に、天啓でもあった。
;「……しかし、意外だ。最後の瞬間……君の一撃に迷いはなかった。<br /> 言葉にできずとも、譲れぬものがあったのだろう。<br /> わしには――{{rb(他人,ひと)}}に誇れる願いはなかった。この胸にあったものは、死人の夢だったのだ。<br /> 迷いながらも生きるがいい、若者よ。その迷いは、いずれ敵を穿つための意志になる。努々忘れぬことだ。<br /> ……さて。最後に無様を晒したが――悪くないな、敗北というのも。<br /> 実に意義のある戦いだったよ。はは、未来ある若者の礎になるのは、これが初めてだ」
;「……しかし、意外だ。最後の瞬間……君の一撃に迷いはなかった。<br /> 言葉にできずとも、譲れぬものがあったのだろう。<br /> わしには――<ruby><rb>他人</rb><rt>ひと</rt></ruby>に誇れる願いはなかった。この胸にあったものは、死人の夢だったのだ。<br /> 迷いながらも生きるがいい、若者よ。その迷いは、いずれ敵を穿つための意志になる。努々忘れぬことだ。<br /> ……さて。最後に無様を晒したが――悪くないな、敗北というのも。<br /> 実に意義のある戦いだったよ。はは、未来ある若者の礎になるのは、これが初めてだ」
:末期の笑いは晴れやかに。
:末期の笑いは晴れやかに。