概要
「[[ライダー|騎兵]]」の[[サーヴァント]]。亜種特異点Ⅱで真名が明かされる前は'''レジスタンスのライダー'''と呼称されている。
;略歴
:亜種特異点Ⅱ『[[伝承地底世界 アガルタ]]』では[[シェヘラザード]]の手で西暦2000年のアガルタに歪曲召喚されるが、その影響で記憶を失う。
:そこでまず安全な隠れ家を確保するために桃源郷に訪れ、そこにいた[[エレナ・ブラヴァツキー|エレナ]]を銃で始末し<ref group = "注">実際は川に流されて生き延びたが、しばらくは地中(コミック版では竜宮城)で治療せざるを得ない程の重傷を負った。</ref>、次に必要な兵士を確保するために地上から連れてこられた男たちを集めてレジスタンスを結成、アガルタからの脱出を建て前にリーダーとして指揮を執る。
:その後、しばらくして主人公一行と遭遇して共に行動するようになるが、この頃から内心では一行を自分の金儲けに必要な道具として利用する腹積もりであり、最終的には一行を出し抜いて自分が主導権を握る算段だった。
:そのまま主人公達の助力を得てイースと不夜城を滅ぼし、更にエルドラドを攻略する過程で自身の記憶を取り戻し、たまたま流れ着いた竜宮城では主人公を騙す形で[[ヘラクレス・メガロス|巨英雄]]の契約を奪い取る事に成功するが、[[ペンテシレイア]]を倒してエルドラドの攻略に成功した直後に本性を現して反旗を翻し、主人公達に自分の目的を明かして巨英雄を嗾けて他のサーヴァント共々始末しようとする。
:そして激戦の末に敗北し、這いずる事がやっとの重傷を負うも、諦めずに隠し持っていた玉手箱で巨英雄を回復させようとしぶとく足掻く。しかし、そこで自分を信じて付いてきたレジスタンスの一人が彼の言葉を思い出しながらダメ元で放った矢がたまたま玉手箱に命中して弾き飛ばした事でそれも失敗に終わり、そのまま為すすべなく[[フェルグス・マック・ロイ|フェルグス]]に止めを刺されてしまう<ref group = "注">コミック版ではデオン。</ref>。
:後一歩のところで夢破れて力尽きるも、それでも彼は次に召喚された時にはどんな金儲けを、どんな宝の島を探そうかと心躍らせながら消滅していった。
;人物
:酸いも甘いも噛み分けた壮年の男。
:最後まで進み続けてさえいれば、望む場所には必ず辿り着けるという言葉を信条としており、大事なのは諦めない事だと語りながら、くじけそうになっている仲間の肩を叩いて鼓舞する。言葉はいつも前向きで、『亜種特異点Ⅱ』では仲間にも慕われるレジスタンスの指導者であり、戦力的に絶望といってもいい状況であっても絶対に諦めない。
:しかしその本質は自分の夢を叶える為ならば非道に手を染める事さえも厭わない強欲なエゴイスト。犠牲は付き物として平然と人を食い物にし、記憶を失っている時でさえ桃源郷を乗っ取る為にアガルタに召喚されたエレナを騙し討ちにして重傷を負わせるという蛮行を働く程。その在り方はダ・ヴィンチから評される通りの'''紛れもない『悪』'''そのものであるが、そうした糾弾や非難を受けても「単に己の夢に忠実な頑張りやさん」とどこ吹く風であり、逆に他の英霊を引き合いに出して生前や作中での行動の正当性を主張する等、ひたすら自分の欲望や価値観、思想に忠実で、その姿勢は何があろうと全くぶれない。
:'''その価値観は「奴隷制が良しとされる時代」に基づいており、現代からすれば「悪」であっても、当時はこれが「善」である。'''とりわけ彼の場合は奴隷を「自分に金と地位と名声を与えてくれるお宝」として重宝している。アガルタを最高だと評したのも、肉体的にかなり強靭な上に支配者に絶対服従する女性を、子種を仕込むだけで簡単かつ短時間で成熟した状態で増殖させられる、と言う状況が奴隷商売にうってつけだと考えたためであった。
:聖杯にかける願いは「金と快楽」で、[[主人公 (Grand Order)|カルデアのマスター]]には金稼ぎの相棒として接する。
:「金を稼がせて気持ちよくしてくれるマスター」は良いマスター、「倫理や正義にうるさいマスター」は悪いマスターと判断しているが、人類史が焼却されては金どころではないため仕方なく協力している。
:損得勘定で動くため、逆らっても益が無い事を理解しているものの、隙あらば自分の欲望は果たそうとする。
:自身の事を「海賊」でも「商人」でも「悪人」でもないと語り、それらのサークルからの勧誘を一度全て断るが、実際はそれらの肩書全てを与えられるのもまた自分らしいと考えており、「マスターの手前一度は断ったが秘密裏に特別に所属してやる」という体を見せる事で自分をより高く売りつけるための方策であった。
:ライダーというクラスを与えられたことについては一般的には他の海賊系サーヴァントと同様に「船乗りだから」と解釈されがちだが、自身の考えでは「絶対に夢を諦めなかった」事こそが自分の根幹であり、「夢に乗る人間」だからライダーになったのだ、と語る(上記の理由でそれもマスターをごまかすための方便の可能性があるが)。
;能力
:戦闘では銃とサーベルに鞭、加えて舵に鎖と錨を取り付けたような形状の武器を駆使して戦う。
:さらに、寄せ集めの烏合の衆を一つに纏めて自由自在に動かせる程の高いカリスマ性、一歩間違えれば破滅一直線の危機的な状況下でも冷静かつ的確な指示や決断を下せる程の卓越した判断力、絶望的な状況下であっても下がり切った味方の士気を最大限引き出せる程の優れた人心掌握術、などリーダーとしての才覚に非常に恵まれている。
:その一方で、その高い指揮能力を発揮するために人目につかない所では手段を択ばずに様々な裏工作や権謀術数を張り巡らせており、仲間思いな優れたリーダーとしての顔や建て前を装いながら我欲や悪意に満ちた本性を隠し通して目論見通りに物事を進展させ、必要とあらば先手を打って相手を出し抜く準備も抜かりなくしておく、と非情で狡猾な謀略家としての一面もかなり強い。
:しかし、どうも詰めが甘いところが見られ、それが元で足を掬われることもある。実際の謀略や弁舌も、[[ジェームズ・モリアーティ|本]][[ガイウス・ユリウス・カエサル|職]]相手にはあっさり出し抜かれたり、返り討ちに遭ってしまっている。
:むしろ彼の真骨頂は、どれほどの逆境であっても絶対に諦めずに足掻き続け、隙あらば内に秘めた秘策で逆転を狙ってくる勝負師としての気概だろう。