真名:テスカトリポカ
:テスカトリポカ。アステカ世界の地球上において最も有力な神。
:戦いと魔術、美と不和、夜と支配、嵐と疫病、犯罪とルール、幸運と不運、摂理と対立する二者、そして、その衝動から生まれる躍動を司る。
:アステカ世界の地上において全能神として定義され、ある意味では北欧のオーディンとギリシャのゼウス、仏教における<ruby><rb>第六天魔王</rb><rt>マーラ</rt></ruby>やキリスト教の<ruby><rb>サタン</rb><rt>ルシファー</rt></ruby>がミックスされたような存在である。これらの神・魔性がいずれも物理世界では並ぶ者のない存在だが、運命より霊的な世界においては無敵などではなく、全能ではあれど限界がある点でも、よく似ている。
:日本では名前だけが先行しているが、実際、テスカトリポカの神話エピソードは驚くほど少なく、ギリシャ神話のように「人間的な」性格もなければ、日本神話のように「その後の人間社会に続く痕跡」すらない。
:テスカトリポカはどちらかというとシステム的な存在であり、この世のいずれの場所にも存在して争いを引き起こし、その争いの結果を定めることができる神とされる。
:ただしその結果を定める基準は明確ではなく、テスカトリポカ自身もその決定には関与しないと思われる。あくまでもダイスをふるだけ。
:これは多くの神話に登場する運命神が、運命そのものを自らの意志でコントロールできないことに似ている。
:自らが力を認めた者であればどれだけでも援助するが、力の程度を試すべく只人であれば死に至ることすら幸運と思えるような苛烈な試練を課すこともある。逆に力を欲する者が自分に挑戦する機会を与えるため、夜闇の中を護衛も連れずに歩くことがあり、この時にテスカトリポカに挑んで勝った者は、その無上の援助を得られたという。
:──しかもこの時、テスカトリポカは自分であることがよく分かるように王のまとうような豪華な軍装で出歩き、戦いを挑まれたなら武器を使わず組み打ちのみで勝負を行ってくれるという。そしてテスカトリポカがその時、どのような人格であろうとも約束を破ることはない。
関連
;黒のテスカトリポカ
:まったく相手の意見を聞き入れない、残忍で冷酷な戦いの神。
:カルデアに召喚されたのはこの黒のテスカトリポカで、特に第二再臨ではそれが顕著になっている。
;赤のテスカトリポカ
:シペ・トテックともされ、戦う意志ある者であれば誰であれ対等に話をする炎と未来の神。
;青のテスカトリポカ
:[[トラロック|ウィツィロポチトリ]]ともされ、都市を守護し、休息を認め、ケツァル・コアトルをからかうのが大好きな楽園の神。
;白のテスカトリポカ
:[[ケツァル・コアトル]]ともされる神。