「並行世界」の版間の差分
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:地上には『並行世界』という仮説が存在しており、いわゆる'''「別の可能性を描いた世界」'''を指している。<!--<br>つまり、あり得たかもしれない結末、切り捨ててしまった関係、気づく事さえなかった選択、といった“イフ”を意味しており、“変動する未来のある世界”を指している。<br>世界はひとつではなく合わせ鏡のように無数に展開しており、だからこそ未来は一つきりではないが、人間には“世界の壁”を知覚することも、超えることもできないため、そもそも実感は湧かない。--><br>並行世界への干渉は、魔術の域を超えた魔法として認知されている。 | :地上には『並行世界』という仮説が存在しており、いわゆる'''「別の可能性を描いた世界」'''を指している。<!--<br>つまり、あり得たかもしれない結末、切り捨ててしまった関係、気づく事さえなかった選択、といった“イフ”を意味しており、“変動する未来のある世界”を指している。<br>世界はひとつではなく合わせ鏡のように無数に展開しており、だからこそ未来は一つきりではないが、人間には“世界の壁”を知覚することも、超えることもできないため、そもそも実感は湧かない。--><br>並行世界への干渉は、魔術の域を超えた魔法として認知されている。 | ||
===編纂事象と剪定事象=== | ===編纂事象と剪定事象=== | ||
− | :多少の差異はあっても未来は同じになる大幹の並行世界群である編纂事象と、完全に別世界になり、いずれ滅びる枝葉の並行世界である剪定事象が振り分けられる。 | + | :多少の差異はあっても未来は同じになる大幹の並行世界群である編纂事象と、完全に別世界になり、いずれ滅びる枝葉の並行世界である剪定事象が振り分けられる。 |
:現在にいる個人の行いによって世界は変動するが、それは可能性が生きている事や、今ある世界が“正しい軸”にある事を示している。<br>逆に言うと、もう何を選ぼうが未来が変わらなくなった世界は、並行世界は存在せず、過去に逆行する事さえできなくなった孤独な単一の世界となる。<br>尤も、それは構造的に必ず生まれてしまう必要悪なモノ。人々に選ばれなかった選択が続いた世界は、今の世界と同じ姿を保つことは不可能である。 | :現在にいる個人の行いによって世界は変動するが、それは可能性が生きている事や、今ある世界が“正しい軸”にある事を示している。<br>逆に言うと、もう何を選ぼうが未来が変わらなくなった世界は、並行世界は存在せず、過去に逆行する事さえできなくなった孤独な単一の世界となる。<br>尤も、それは構造的に必ず生まれてしまう必要悪なモノ。人々に選ばれなかった選択が続いた世界は、今の世界と同じ姿を保つことは不可能である。 | ||
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:孤独な世界、今の世界と異なる姿、そういった間違ってしまった世界の端末を増やすために使うエネルギーは、この次元には存在しない。<br>並行世界は雪だるまのように増え続け、やがては次元の容量を超えてしまう。大雑把な目算であるが、地球の文明レベルであれば、それがこのまま百年も続ければこの太陽系は破裂してしまう。 | :孤独な世界、今の世界と異なる姿、そういった間違ってしまった世界の端末を増やすために使うエネルギーは、この次元には存在しない。<br>並行世界は雪だるまのように増え続け、やがては次元の容量を超えてしまう。大雑把な目算であるが、地球の文明レベルであれば、それがこのまま百年も続ければこの太陽系は破裂してしまう。 | ||
− | :それを防ぐために、世界がある程度進むと可能性の統計をとり、“次の世代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。<br> | + | :それを防ぐために、世界がある程度進むと可能性の統計をとり、“次の世代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。<br>要は百年単位で「ここまで」と集計を取り、“少なくとも、あと百年は続けられる”と保証された世界にだけ可能性を許し、不要と判断した世界の並行世界、その未来を閉ざす方法を行っている。<br>わかりやすく言えば、これまでの作品の中でデッドエンドにバッドエンドやギャグルートとして安定性を逸脱した世界は剪定事象として剪定され、安定した未来となる明確なトゥルーエンディングのルートは編纂事象として存続する。 |
− | :故に、あまたに存在する並行世界に文明のズレはないが、いき過ぎた崩壊、いき過ぎた進化をとげた世界に並行世界は存在せず、もう結末が決定してしまった袋小路のようなものと化してしまう。<br>大樹に置き換えるのならば、幹である中心部分は成長を続けられるが、枝葉は育ってもいずれ限界を迎えてしまい、大幹を保つために剪定されてしまうのである。<br> | + | :故に、あまたに存在する並行世界に文明のズレはないが、いき過ぎた崩壊、いき過ぎた進化をとげた世界に並行世界は存在せず、もう結末が決定してしまった袋小路のようなものと化してしまう。<br>大樹に置き換えるのならば、幹である中心部分は成長を続けられるが、枝葉は育ってもいずれ限界を迎えてしまい、大幹を保つために剪定されてしまうのである。<br>これによって人間は生存し、繁栄し、太陽系は情報量によって飽和する事なく、向こう一億年は今の方式で存続できる。 |
===人理定礎=== | ===人理定礎=== | ||
:人類史を固定する多くの出来事。余計な可能性を摘み取り、観測によって変動しがちな歴史を不動にする座標。<br>とりわけフランスやローマといった人類史に大きな影響を及ぼした事象は「無かったことになる」と土台が崩れてしまう。 | :人類史を固定する多くの出来事。余計な可能性を摘み取り、観測によって変動しがちな歴史を不動にする座標。<br>とりわけフランスやローマといった人類史に大きな影響を及ぼした事象は「無かったことになる」と土台が崩れてしまう。 | ||
− | + | :別の呼び方では霊子固定記録帯。これはムーンセルの中ではクォンタム・タイムロックと呼ばれている。その本質は一定の間隔で宇宙の中における事象の平均化のタイミング、ひいては宇宙の中のセーブポイントである。前述の編纂事象と剪定事象のように逸脱しすぎた並行世界の剪定、人理定礎による記録帯が行われることで宇宙は安定している。固定帯となった歴史は過去・未来からの干渉を受けても決して変わることは無い。 | |
:例の一つとしては「ある一国が滅ぶ」という『結果』があるとする。その『結果』に対して過去や未来からの介入によって結末を変えようとしたとしても、「介入によって繁栄はした。だが滅ぶ」というように過程を僅かにしか変えれず大筋の『結果』は変わらない。その大きな流れこそが人理定礎である。 | :例の一つとしては「ある一国が滅ぶ」という『結果』があるとする。その『結果』に対して過去や未来からの介入によって結末を変えようとしたとしても、「介入によって繁栄はした。だが滅ぶ」というように過程を僅かにしか変えれず大筋の『結果』は変わらない。その大きな流れこそが人理定礎である。 | ||
:それの具体例としては「ブリテンが滅ぶ」と決定された人理定礎では[[アルトリア|アルトリア・ペンドラゴン]]は「ブリテンが滅ぶ」という道を受け入れてもその中の「過程」である「王の選定をやり直す、緩やかな滅びにする」などで人理定礎を阻害しない望みだったために世界からの本格的な妨害は無かった。[[愛歌|沙条愛歌]]がかなえようとした[[アーサー|アーサー・ペンドラゴン]]のブリテンの救済という願いは「ブリテンが滅ぶ」という『結果』の人理定礎を破壊しかねないものであったために召喚がほぼ不可能な神霊寄りのサーヴァントである[[ブリュンヒルデ]]の召喚などで世界は妨害しようとした。 | :それの具体例としては「ブリテンが滅ぶ」と決定された人理定礎では[[アルトリア|アルトリア・ペンドラゴン]]は「ブリテンが滅ぶ」という道を受け入れてもその中の「過程」である「王の選定をやり直す、緩やかな滅びにする」などで人理定礎を阻害しない望みだったために世界からの本格的な妨害は無かった。[[愛歌|沙条愛歌]]がかなえようとした[[アーサー|アーサー・ペンドラゴン]]のブリテンの救済という願いは「ブリテンが滅ぶ」という『結果』の人理定礎を破壊しかねないものであったために召喚がほぼ不可能な神霊寄りのサーヴァントである[[ブリュンヒルデ]]の召喚などで世界は妨害しようとした。 | ||
:[[大偉業|ソロモン]]によって人理定礎を破壊し、人類史を根底から否定することは可能だが、この方法でも破壊した固定帯から先の人類史を否定しきるのが、大偉業による人理定礎破壊の限界である。 | :[[大偉業|ソロモン]]によって人理定礎を破壊し、人類史を根底から否定することは可能だが、この方法でも破壊した固定帯から先の人類史を否定しきるのが、大偉業による人理定礎破壊の限界である。 | ||
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2016年12月10日 (土) 14:30時点における版
並行世界
パラレルワールドとも呼ばれており、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界。
SF、または物理学の世界、ひいてはフィクションの世界で良く用いられる。
「平行世界」という異なる表記もよく見られる。
並行世界(Parallel World)
- 地上には『並行世界』という仮説が存在しており、いわゆる「別の可能性を描いた世界」を指している。
並行世界への干渉は、魔術の域を超えた魔法として認知されている。
編纂事象と剪定事象
- 多少の差異はあっても未来は同じになる大幹の並行世界群である編纂事象と、完全に別世界になり、いずれ滅びる枝葉の並行世界である剪定事象が振り分けられる。
- 現在にいる個人の行いによって世界は変動するが、それは可能性が生きている事や、今ある世界が“正しい軸”にある事を示している。
逆に言うと、もう何を選ぼうが未来が変わらなくなった世界は、並行世界は存在せず、過去に逆行する事さえできなくなった孤独な単一の世界となる。
尤も、それは構造的に必ず生まれてしまう必要悪なモノ。人々に選ばれなかった選択が続いた世界は、今の世界と同じ姿を保つことは不可能である。
- 致命的な選択を続けたことで滅亡した世界もあれば、革新的な正解を続けて過剰とも言える文明レベルを築いてしまった世界もあるが、そうなった時点で世界の基盤がズレてしまい、他と同じ世界ではなく、別世界ないし異世界というほうが相応しい。
- 孤独な世界、今の世界と異なる姿、そういった間違ってしまった世界の端末を増やすために使うエネルギーは、この次元には存在しない。
並行世界は雪だるまのように増え続け、やがては次元の容量を超えてしまう。大雑把な目算であるが、地球の文明レベルであれば、それがこのまま百年も続ければこの太陽系は破裂してしまう。
- それを防ぐために、世界がある程度進むと可能性の統計をとり、“次の世代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。
要は百年単位で「ここまで」と集計を取り、“少なくとも、あと百年は続けられる”と保証された世界にだけ可能性を許し、不要と判断した世界の並行世界、その未来を閉ざす方法を行っている。
わかりやすく言えば、これまでの作品の中でデッドエンドにバッドエンドやギャグルートとして安定性を逸脱した世界は剪定事象として剪定され、安定した未来となる明確なトゥルーエンディングのルートは編纂事象として存続する。
- 故に、あまたに存在する並行世界に文明のズレはないが、いき過ぎた崩壊、いき過ぎた進化をとげた世界に並行世界は存在せず、もう結末が決定してしまった袋小路のようなものと化してしまう。
大樹に置き換えるのならば、幹である中心部分は成長を続けられるが、枝葉は育ってもいずれ限界を迎えてしまい、大幹を保つために剪定されてしまうのである。
これによって人間は生存し、繁栄し、太陽系は情報量によって飽和する事なく、向こう一億年は今の方式で存続できる。
人理定礎
- 人類史を固定する多くの出来事。余計な可能性を摘み取り、観測によって変動しがちな歴史を不動にする座標。
とりわけフランスやローマといった人類史に大きな影響を及ぼした事象は「無かったことになる」と土台が崩れてしまう。
- 別の呼び方では霊子固定記録帯。これはムーンセルの中ではクォンタム・タイムロックと呼ばれている。その本質は一定の間隔で宇宙の中における事象の平均化のタイミング、ひいては宇宙の中のセーブポイントである。前述の編纂事象と剪定事象のように逸脱しすぎた並行世界の剪定、人理定礎による記録帯が行われることで宇宙は安定している。固定帯となった歴史は過去・未来からの干渉を受けても決して変わることは無い。
- 例の一つとしては「ある一国が滅ぶ」という『結果』があるとする。その『結果』に対して過去や未来からの介入によって結末を変えようとしたとしても、「介入によって繁栄はした。だが滅ぶ」というように過程を僅かにしか変えれず大筋の『結果』は変わらない。その大きな流れこそが人理定礎である。
- それの具体例としては「ブリテンが滅ぶ」と決定された人理定礎ではアルトリア・ペンドラゴンは「ブリテンが滅ぶ」という道を受け入れてもその中の「過程」である「王の選定をやり直す、緩やかな滅びにする」などで人理定礎を阻害しない望みだったために世界からの本格的な妨害は無かった。沙条愛歌がかなえようとしたアーサー・ペンドラゴンのブリテンの救済という願いは「ブリテンが滅ぶ」という『結果』の人理定礎を破壊しかねないものであったために召喚がほぼ不可能な神霊寄りのサーヴァントであるブリュンヒルデの召喚などで世界は妨害しようとした。
- ソロモンによって人理定礎を破壊し、人類史を根底から否定することは可能だが、この方法でも破壊した固定帯から先の人類史を否定しきるのが、大偉業による人理定礎破壊の限界である。
メモ
- 現存する魔法使いの一人キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグは第二魔法『並行世界の運営』に至った。ゼルレッチが製作した魔術礼装「宝石剣ゼルレッチ」「カレイドステッキ」は第二魔法に関連するモノである。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤでは「イリヤの世界」と「美遊の世界」が存在する。
- 「イリヤの世界」は『stay night』と世界観が似ているが、設定の根幹からして別物。
- 「美遊の世界」は惑星規模の気候変動が起こっている他、世界に満ちるマナが枯れ始めており、すでに枯渇した地域ではそれに代わって全生物に有毒な未知の物質が充満している等、『Notes.』を彷彿させる荒廃した世界感となっている。
- Fate/Grand Orderでは『stay night』同様、2004年での冬木市で聖杯戦争が開催されているものの、その地が最初の開催地だったり、アメリカで聖杯戦争を執り行われたという公式記録はないことが明言されているなど、こちらも世界観は似て非なる。
- ソロモンが引き起こした人理焼却により、人理が曖昧な状態となり、カルデアスにおける観測は様々な可能性が入り乱れている状態となった。
今のところ、『Fate/Zero』と極めて近い「Fate/Accel Zero Order」の世界と、「聖剣エクスカリバーが返還されなかった」世界が確認されている。
- ソロモンが引き起こした人理焼却により、人理が曖昧な状態となり、カルデアスにおける観測は様々な可能性が入り乱れている状態となった。
- フェイト/タイガーころしあむ アッパーイリヤルートでは「第四次聖杯戦争でセイバーを失って脱落し、その後は家族三人で幸せに過ごした」可能性の世界からアイリスフィールが虎聖杯によってこちらの世界に送り飛ばされてきた。