「セネカ」の版間の差分

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2018年4月14日 (土) 17:06時点における版

セネカ

第5代ローマ皇帝ネロの家庭教師であり、哲学者。

略歴
本名・ルキウス・アンナエウス・セネカ。
弁論術で名を馳せた元老院議員の一人で、かつて第3代ローマ帝国カリグラに疎まれ追放されていた。その後紆余曲折を経て、元老院を味方につけ、自分の権力基盤を盤石にしたいと思っていたアグリッピナによってネロの家庭教師として招かれる。若すぎる上に女の皇帝を疎んじていた者が少なくなかった中で、ネロにとってはただ一人の理解者であり、彼女の才を伸ばし見識を広めるのに死力を尽くした。
だがアグリッピナ殺害後のネロの行動から自分とのすれ違いに思い悩み自殺してしまう。そして彼の死がネロを破滅の運命へと更に追い込んでいくこととなる。
人物
教育・政策方針は「寛容」。
哲学者・政治家に見えない程に身体つきが良く、かなりの長身。
非常に率直な人物で、聡明な割には話していると、ことごとく相手の地雷を踏み抜いてしまう。ある意味几帳面な性格。
初対面で作品を酷評されたり、身長の悩みを突っ込まれたネロからは「そんなことだから追放の憂き目を見るのだぞ!」と評されている。
だが、嫌味な所が全くないためネロとの相性は非常によく、彼女の「神に愛されている」と言われるほどの多彩な才能を引き出し、皇帝就任式の草案や元老院の腐敗を正すための改革に協力した。

登場作品と役柄

Fate/EXTRA
本編ではセイバーの回想で言及されるだけだが、漫画版のローマ編で本人が登場。
Fate/Grand Order
立ち絵こそないものの幕間イベントにおいて登場。

人間関係

ネロ
教え子。最初は適当に理由を付けて追い払うつもりだったが、生前の彼女にとって最も重要な人物となる。
アグリッピナ
旧知の仲であり、野に追いやられていた自分を救ってくれた恩人であったが、ネロが皇帝となっても執拗に干渉する彼女の存在を問題視するようになる。

名台詞

「彫刻のことはよく分かりませんが……ぶっちゃけ微妙な出来ですね」
ネロが作った、何だかよく分からない異形の怪物のような彫刻への感想。
初対面の王に対して余りに怖いもの知らずな対応だが、更に「外の世界を知らず自分の世界に籠もるから勘が鈍るのです」とまで言い放つ。
「皇帝陛下はまだお若い。
 自身の身長のことでお悩みなら、まだ成長の可能性はありますよ。
 ハッハッハッ!」
「背が高い者は好かん! 首が疲れる!」と教えを拒否しようとしたネロに対して。
余りにストレートな発言だが、身内同士の争いと奸計に満ちた世界にウンザリしていたネロは逆に「腹は立つが、なにやら面白い奴」とセネカへの認識を改め、家庭教師として受け入れることになる。
「男装……?」
生前、ネロが「見事な男装であろう!」とパンツとか胸とか見えちゃう舞踏着を見せに来た事に対して。
やっぱりあの服装は当時のローマ人も驚きだったらしい……。
「皇帝陛下。あなたは随分と遠いところまで来てしまいましたね。
 あなたの才を見出した私にも責任があるのですが」
「ではお暇を頂戴したく御座います。
 あなたの手の届かぬところへ」
アグリッピナ殺害後、道を違えはじめたネロに語った最後の言葉。

メモ

  • 哲学者なのに体格が良すぎて、まるで体育教師の様。漫画版作者のろび~な氏は「ロ、ローマ人は体鍛えるのがデフォだから!」とフォローしている。
    • 実際、ギリシャ時代の哲学者プラトンがレスラーであったのは有名な話である。
  • ネロが善政を行った時代「ネロの5年間」「5年の良き時代」の立役者と言われているが、実際にセネカがどのような働きをしたかは分かっていない。だがセネカはネロのクラウディウスへの追悼演説を起草したと伝わっている。
  • TYPE-MOON ではアグリッピナ殺害後のネロと自分との間に考え方の違いに一人思い悩み、自殺してしまったことになっている。ネロも議会でセネカが自分を批判していたことを許し、最後まで信頼していたが史実はそんなに綺麗な関係ではない。
    65年、ネロを退位させてガイウス・カルプルニウス・ピソを皇帝に擁立する陰謀計画が露見し、ピソを始めとした一味が捕らえられる中で共犯者の一人であるアントニウス・ナタリスがセネカも関与していると証言した。ネロはセネカを尋問するべく役人を送ったが、セネカは曖昧な対応に終始したためネロは彼に自殺を命じた。
    タキトゥスによると、セネカは始めにドクニンジンを飲んだが死に切れなかったため、風呂場で静脈を切って死に至ったされる。
    なお、セネカは最期に『ネロの残忍な性格であれば、弟を殺し、母を殺し、妻を自殺に追い込めば、あとは師を殺害する以外に何も残っていない』と語ったとされる。TYPE-MOON の設定と比べると何とも寒々しい関係である……。

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