シェヘラザード
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不夜城のキャスター
- 真名:シェヘラザード
- 身長:168cm / 体重:58kg
- 出典:千夜一夜物語(アラビアンナイト)
- 地域:ペルシア
- 属性:秩序・中庸
- 性別:女性
- CV:井上喜久子
「魔術師」のサーヴァント。中東風の衣装を身にまとった、褐色肌の肉感的な美女。
- 略歴
- 亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』では魔神フェニクスの手で西暦2000年のアガルタに召喚され、当初はイースに仕えていた。
- しかし、イースを支配するダユーの享楽ぶりに何度も諌めたが、何度も聞き入れない事にイースに未来はないと見限る。その後は武則天の元に下り、軍師として勤めていたが、その武則天も主人公との戦闘の真っ最中に乱入してきた巨英雄に倒されたことで、なし崩しに主人公と行動することとなった。
- 彼女は白状した。地底世界は彼女自身の『物語という宝具』を現実世界に侵食させることで作り出したものである事、主人公たちは自分の掌の上で踊らされたこと、「死にたくない」という願いのために地底世界を産んだことを明かした。
- それを成すためにアガルタの一部を空中都市ラピュタとして浮上させ、大都市に墜とそうとするが、唯一の誤配役であるフェルグスから自分の話を聞く内に「愛した者に、生きた意味に見守られて死ぬ」ということを知り、自分を唯の材料として利用しようとする魔神フェニクスを一蹴したのであった。
- フェルグスからは次に会ったら自分に抱かれてくれという懇願を断りつつも、彼の言葉を悟りながら消滅した。
- 人物
- 穏やかであるが、とにかく「死ぬこと」をかなり恐れており、マイルームでの言動、戦闘開始時、ダメージを受けた時、戦闘不能などあらゆる面からそれが伺える。
- 聖杯戦争に関しては、サーヴァントとして召喚された時点で「在れば死なねばならない」、そして用が済めばマスターの元から消滅、自分という存在が消えていく、呼ばれたという時点で避けられぬ死が決定されることが彼女にとってはあまり好ましくない事態であり、参加する事自体消極的である。それでも召喚された場合、マスターが自分を大切にするか死地に追いやるかで善し悪しを決めている。
- こと亜種特異点Ⅱでは彼女を呼び寄せた魔神フェニクスよって「ただの生物としての忌避から度を越した」と評されるほどに肥大化し、アガルタの事件を起こしたのも全ての神秘が神秘でなくなることでサーヴァントの召喚というシステム自体の消去、引いては自分が二度とサーヴァントとして召喚される事がないように世界を壊そうとしていた。
- あくまでも個人的な願いの範疇とその矮小さを維持したまま、堂々と世界を壊そうとする有様は「歪みなき願いの歪み」と例えられる程に歪であり、魔神王のように惑星を造り替える気も、一からやり直す気もなく、世界を巻き添えにして自殺しようとしている。
- 能力
- キャスターらしく、曲刀を持ったターバン姿の戦士や巨大な人型の精霊などを召喚して戦う。千夜一夜物語内の登場人物や、道具や、精霊などを召喚して戦う。
- 生前では万巻の書物を読んできたことで多少の知識を蓄えており、それを以て敵軍の動きを読むことや機の把握については得意。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 主人公 (Grand Order) | E | D | E | C | EX | EX | 陣地作成:A++ | 語り手:EX 生存の閨:A+ 対英雄:A |
宝具
- 千夜一夜物語(アルフ・ライラ・ワ・ライラ)
- ランク:EX
種別:対王宝具 - 由来から、王属性特攻を持つ。厳密にはそうでなくとも、ソレに類する存在であれば、彼女の中では「王」と見做されている場合がある。
- この宝具は「彼女の語る物語」という固有結界であり、物語という空想にカタチを与えるモノ。世界が信じるほどの圧倒的な存在感・現実感で語る事により、その「物語」を具現化させ、千夜一夜物語内の登場人物や、道具や、精霊などを召喚する形となる。
- 本来の(歴史的には)正当な千夜一夜物語には存在せず、後世の創作・吸収されたとされるアラジン・アリババなどのエピソードも、サーヴァントとしての彼女の生存には有用なので問題なく使用できる。
- 彼女が書物で読んで知った物語、彼女自身が即興的に考え出して語った物語、後世に付け加えられたが「彼女が語っていてもおかしくはない」物語、そういった元々確固たる枠組みがあったわけではなく、それらの曖昧模糊とした集合体こそ、後に『千夜一夜物語』と呼ばれるようになった概念の正体であり、彼女自身はその内容の編纂権を有している。
- 重要なのは正しさではなく、王が面白がるかであり、端的に言えば「何が千夜一夜物語なのかは彼女自身によって決められる」とも言える。
- 亜種特異点Ⅱではこの特性を生かして、千夜一夜物語にあったとされる地下世界の話と、明らかに千夜一夜物語には含まれていないであろうイース、不夜城、エルドラド、桃源郷、竜宮城といったお話も具現化させたが、単純に規模と強度が考えられないほどのものであり、新宿のようにシェイクスピアが作った物語の登場人物が敵として現れたというレベルではなく、亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』自体が物語そのものといってもいい。
- その驚異性は、現実世界の侵食ではなく現実を作り変えるにも等しいものであり、魔神フェニクスがいたことで可能とした。
- また、ここで召喚されたサーヴァント達全員は“真正ではない歪み”を被せられており、コロンブスは記憶喪失、ヘラクレスは肥大化した巨英雄として在り絶対的な暴走無制御状態、ドレイクはサーヴァントとして召喚できないダユーにされてしまった。
- 空中都市ラピュタ
- 天に昇り、地を睥睨したアガルタの一部。またの名を「幻想空中都市 ラピュタ」
- 「アガルタ」という物語は、内包した他の物語、さらには召喚したサーヴァントという物語が絡み合い、闘争し、消滅したことにより徐々に結実し、魔神フェニクスの力も加わることでソレにふさわしいカタチとなって真に具象化した。
- 生前では凶王に物語や自分の身体を捧げた事から、彼女はその物語に相応しい締めくくり名前としてスペイン語で娼婦を意味する「ラピュタ」を選んだ[1]。
- これが大都市に墜ちれば何百人から何千人、あるいはそれ以上の桁での死亡者が出るだけでなく、『Grand Order』の世界は人理修復後の大混乱の真っ只中であるのと、これ自体が現実に出現した「空想の都市」であるため、神秘の秘匿が不可能となり、世界は作り替えられてしまう。
真名:シェヘラザード
- シェヘラザード。千夜一夜物語、その入れ子構造の物語群の最外枠、全体の語り部の役割である。
- 処女を一夜の妻とし、そして翌朝に必ず殺すという凶行を繰り返したシャフリヤール王を止めるために、大臣の娘であったシェヘラザードはその悪行を止めるために自ら王と結婚する。
- シェヘラザードは王と一夜を共にした後、呼び寄せていた妹ドニアザードが話をせがんでくるよう計画していた。王はシェヘラザードがドニアザードに語った話を気に入り、続きを求めるが、夜が明けてしまった。
- シェヘラザードは「明日のお話はもっと心躍りましょう」と告げる。このため王はシェヘラザードの物語の続きを聞くために彼女を生かし続け……。
- サーヴァントとして召喚されたシェヘラザードは「死」を忌避するようになった。
- 最初は正義感から、自ら志願して王のところへ行ったのだが、最初の妻の不貞によって女というものに絶望した凶王と、何夜も何夜も過ごし、“王の愚かさ”に心を殺され続けた。
- 理屈も損得も通じず、理由などなくただ女を殺す王と、いつ終わるとも知れぬ日々を、終わることすら約束されていない日々を、延々と繰り返す恐怖を味わい、いつ殺されるかも分からない日々を過ごしていた。
- やがていつしか、彼女の中には死にたくない、という願望だけに自分という存在の全てを費やし、死なぬために凶王に捧げたのは物語だけではなく、それ以外の全て。勿論のこと身体も捧げたのだ。
- そして、果てのないと思えた夜の果てに、千の夜を越えた先に、ようやく王は正気に戻ったのであった。
- しかし皮肉なことに、一度きりの生を終えた彼女は英霊となり、死にたくないという想いのみで形作られた彼女が、必ず消え去るが運命のものになってしまった。
関連
- 千夜一夜物語
- しかし今伝わっている千近くの物語は、その大部分が後世の訳者たちの手によって付け加えられたものである。
- 一説には、核となった最初期の説話数は二百数十話程度しかなく、結末も存在していなかったとされる。
- その『千夜一夜物語』の結末の中には、最終的にシェヘラザードは三人の子をもうけ、王は寛容を身につけたのであった、という形で締められているが、これは元々の話にはなかった結末、ここにいる『彼女』が体験したものではない可能性が高い。
登場作品と役柄
Fate
- 〔キャスター〕キャラクターデザイン:なまにくATK / 設定作成:??? / レア度:☆5
- 亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』の解禁に際して真名を伏せる形で実装。
人間関係
Fate/Grand Order
- 魔神フェニクス
- 亜種特異点Ⅱにて、「もう死にたくない」という想いから結託した相手。
- だが、物語の最後で馬脚を現した姿に幻滅し、愛想を尽かす事になる。
- フェルグス・マック・ロイ
- 亜種特異点Ⅱで遭遇した相手。
- 彼を通して、男女と生命の何たるかをおぼろげにだが理解し、ある程度は満足して消えていった。
- カルデアに召喚された後は抱かれると別の意味で死んでしまいそうなので、彼に遭わないように逃げ回っている模様。
生前
- シャフリヤール王
- 彼の凶行を止めるために自ら妻となり、物語を読み聞かせた。
- 千の夜を超えた果てに正気に戻ったが、同時に彼女の心は殺され続けてしまい、やがては度を越した「死への忌避」を抱いてしまった。
名台詞
- 「
彼 から聞きました。
ただ一人、自らの意思で座より消失した英霊がいると。
ああ、なんて羨ましい 。
私もそんなことができれば、話は簡単だったのに ――。」 - 亜種特異点Ⅱ第16節より。死にたくないが、英霊として呼ばれればいずれ死ぬことが決定される彼女にとって、輪廻もなく、語られることもなく、必要とされることもない、完璧な無に行ってしまった者を彼女は羨んだ。
- だがこの発言は、彼の消滅を見届けた主人公とマシュの逆鱗に触れてしまった。座から消滅することが、どれほどの偉業であり、それ以上にどれだけ悲しいことなのかを知っているのだから。
メモ
- 座に登録された人物で久しぶりに登場した座からの消滅を目的とする英霊。最も彼女のやろうとした消滅へのプロセスは彼の八つ当たりよりも遥かに大規模だったが。
- 登録や召喚を拒否すればよかったのでは?という疑問もあるが、召喚の拒否は場合によっては不可能な事例も多く、登録の拒否はそもそも事例自体が少ないため生前ただの語り部であった彼女の力量に余る事態である。
- 元々の正義感や崇高な目的意識が歪んでしまい、死の回避という別の目的にすり替わるというあたりは間桐臓硯と通じるものがある。