ハンス・クリスチャン・アンデルセン
キャスター (CCC・青)
- 真名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)
- 属性:秩序・中立
- 身長:146cm/体重:39kg
- 誕生日:4月2日
- イメージカラー:水色
- 特技:人間観察
- 好きな物:執筆が終わった瞬間/嫌いな物:執筆作業
- 天敵:トワイス、ラニ、ガウェイン
- CV:子安武人
魔術師のクラスのサーヴァント。月の聖杯戦争で殺生院キアラに召喚される。
一見すると小柄な美少年だが、非常に口悪く、声や話し方も外見と似つかわしくなく、その瞳には絶望の影がある。
- 略歴
- 戦闘放棄したキアラが真名を明かしているため、初登場時からアンデルセンと呼ばれる。自らを「最弱」「三流」のサーヴァントと称し、戦闘手段を持たないため直接戦うことはなく、サーヴァント(=使い魔)でありながら肉体労働が何よりも嫌いだと豪語している。
- 人物
- 世界三大童話作家の一人。根暗で厭世家な詩人で、他人に好かれる気がなく、また、自分にも価値を見出せなくなっているため、人生を楽しむ、という考えが欠如している。彼は聖杯に何も求めていない。生前、望む物は何一つ手に入らなかったことが原因だろう。
「人生に価値があるとしてもだ。そんなものはたいてい、人間が夢想するものよりも下だろうよ」
と、世の中すべてを嫌っているようにさえ見える。しかし根は面倒見がいいのか、頼られれば応えるし、作家らしく几帳面なのでアフターケアも万全。ようは男のツンデレである。
彼自身は厭世家となってしまったが、かつて夢想し理想とした社会の姿から「正しく生きよう」「全力で事を成し遂げよう」とする人間の努力を決して笑わないという。
少年の姿で召喚されているのは、「少年時代が最も感受性が高かった」からであるとのことだが、実はマスターであるキアラの趣味が反映されたのではないかとも思っており、内心では戦々恐々としている。
- 能力
- そもそも魔術師ではなく作家であるため、攻撃手段として魔術を使うことはできず、戦闘能力は皆無。彼が魔術を行使する際は、彼が執筆した童話になぞらえた一文を詠唱として用いる。
作中では「裸の王様」を元にした『顔の無い王』に近い不可視の効果の付与、「みにくいアヒルの子」を元にした敵の遠くへの弾き飛ばし、「雪の女王」を元にした能力の強化などを行なっている。また由来は不明だが迷宮への転移も行なっており、彼の作品を元にしたサポートスキルを多数備え、サポート面は非常に優秀。
保有スキルは幾つかあるものの、どれも戦闘向きではない。「高速詠唱」のスキルは原稿の進みに多少の恩恵がある程度で、スキル「アイテム作成」は宝具を応用した詩文で多少の作成が可能。得意なアイテムは「100%想いが伝わる恋文」らしいが、彼本人の恋愛歴を考えるととてもではないがお願いできないだろう。
宝具
- 貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)
- ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:0
最大補足:1人 - 彼が書いた自伝「我が生涯の物語」の生原稿。
「我が生涯の物語」は“私が書いた物はその大半が私自身の投影である”と述べた彼をして“私のあらゆる作品における至高の注釈”と述べた、彼の集大成にしてその生き様の記録である。この書の1ページ1ページがアンデルセンという作家を愛する人々から供給される魔力によって“読者の見たがっているアンデルセン”の姿を取り、その分身となって行動できる。
だが、この宝具の真価はそんなものではなく、作家が物語を作り出すように、この本を白紙に戻し一から執筆することで、“一人の人間”を“一人の主役”に育てることが可能となることにある。
その効果・成長の度合いは原稿が進めば進むほど高まる。数ページ程度ではほんの少しの偶然しか起こせないが、全ページ、つまり脱稿したあかつきには、その対象となった人物が思い描く通りの“最高の姿”にまで成長させる。
見ようによっては全能にも思える宝具だが、彼自身の“人は究極的に死以外では幸せになれない”といった心に根深く宿る暗鬱な人生哲学と“物事はそう上手く行きはしない”という諦観、そして、作家としてのプライドが都合の良い展開を許容できず、そう簡単には“理想の姿”には到達しない。
当然、“物語”の出来も彼のやる気によって変わってくるため、“その人間にとって究極の姿”に至るには、よほど情欲を刺激する対象でなければ不可能である。
真名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン
デンマーク出身の実在の人物。1805年生、1875年に肝臓癌にて没。
今でこそ三大作家の一人だが、その半生は挫折と苦悩に満ちている。靴職人の息子に生まれ、役者を志すも芽は出ず諦める。その後は詩人を目指すも評価は散々であった。ようやく自費出版した本がそれなりに売れ、その費用で国外旅行に出発。旅行にて得たインスピレーションを元に、出世作「即興詩人」にてようやく世に認められる事となる。30歳の時であった。
以後、童話作家に転向するが、その在り方は明らかにより自由な創作が認められるから童話作家になった、と自虐するようなものだった。それを象徴するかのように、彼の童話は性に満ち、暴力と不幸、貧困、そして死こそを救済と見る作風に彩られている。彼は童話にその姿を借りて、ひたすら貧しさへの嘆きとそこからの脱出には死しかないという絶望を書き続けた。……その美麗な文章表現で、自らの胸に渦巻く想いすべてを覆い隠しながら。
また、高名になった後も女性との交際はなく、生涯独身。一説によると想う相手はいたようだが、プライドの高さと自らの容姿へのコンプレックスで幾度となく告白の機会を逃したとも。
70歳にて肝臓癌にて死去。肌身離さず身に付けていた、初恋の相手からの手紙を握っての死だったとされる。
関連
- 三大作家
- 世界にその名の鳴り響く三大童話作家、グリム、イソップ、アンデルセンのひとりであり、その中で唯一の創作作家。
- 他が民話や伝説などを編纂した編集者や収集家であるのに対し、彼だけが新たに物語を作る本当の意味での「作家」だった。
- 代表作に「マッチ売りの少女」「人魚姫」「裸の王様」「雪の女王」「みにくいアヒルの子」等がある。
- 無辜の怪物
- 本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を表すスキルだが、彼の場合は「読者の呪い」である。
- 童話が有名になりすぎ、彼本人の性格が童話作家のイメージによって塗りつぶされてしまった。
- サーヴァントとして現れた彼の手足は、彼を代表する童話のイメージに侵食されている。洋服で隠してはいるが、その下の肌は人魚の鱗やマッチの火傷、凍傷に侵され、喉は喋るごとに激痛を刻んでいる。
登場作品と役柄
- Fate/EXTRA CCC
- 殺生院キアラのサーヴァント。
- コハエース
- 童話作家というより、同人作家
人間関係
- 殺生院キアラ
- マスター。「毒婦」「エロ尼」など言いたい放題。しかし、暴言は吐いても否定的な言動はなく、サーヴァントとして付き従っている。
- 主人公 (EXTRA)
- 「典型的な汎用救世主型主人公」「こいつには内容が無い」などと、この手の主人公のアンチテーゼとも言える評価を下すが、同時にその行く末を気にかける態度を見せる。また、尋ねられれば彼あるいは彼女を「読者」として、得意の人間観察によるアドバイスを送る。
- セイバー (EXTRA・赤)
- 「幼児体形」「おまえほど己が人生を愛し、そして人間を愛せる英霊は稀だろう 」と評す。極度の女性嫌いたる自分と薔薇の皇帝はお互いに相容れないとも。
- アーチャー (EXTRA・赤)
- 「おまえのような男が大衆の奴隷になる」「自分の幸福と他人の幸福を秤にかけられる物好き」と評す。所詮独りよがりの、報われない人生という意味では自身と無銘の英霊を同類とも。
- キャスター (EXTRA・青)
- 「あざとい狐耳」「ごんぎつね」と評す。お互いに一歩も引かない毒舌合戦。だが、無辜の怪物スキルを妖狐は即見破り、作家も人々の不理解により怪物視された妖狐を同情した。その献身はいつか主に届くだろうとも。
- ギルガメッシュ
- 「サーヴァントとしては1点すらくれてやれない程失格」「英雄としても論外」「その王道は意志持つ嵐」と評し、ギルガメッシュの真実を片っ端に指摘する。傲慢の化身たる王の前で変わらず暴言に命を懸ける作家に、彼はその評価を涼しく受け入れた。むしろ他者に評価を預け当人の前で聞こうとした主人公が不敬で命拾いする有様に。
名台詞
- 「――女の話をしよう。
- 目覚めた時から、女は病理に繋がれていた。
- 重い鎖は満遍なく。つま先から頭まで、ミイラの如き死に化粧。
- 自由がない、と余人は憐む。
- 自由はない、と彼女は喜ぶ。
- 鉄のドレスは難攻不落。
- 城門開いたその奥に、在るのは乙女か魔性の罠か。
- 他人の秘密は蜜の味というが、さて」
- 第一章『隷属庭園』冒頭の語り。
- 「――女の話をしよう。
- 着替えた時から、女は衆目を集めていた。
- 虫も殺せない可憐さで、女は男を管理する。
- 節度のある生活を! なるほどそいつは聞こえがいい。
- 無駄のない人生を! いかにもそいつは素晴らしい。
- 待っているのは計算監獄。無垢なるものこそ残酷だ。
- 眉目秀麗、品行方正。なのにどうしてこうなった?」
- 第二章『計算監獄』冒頭の語り。
- 「
愛に濡れた唇は囁く 。 -
"貴方のすべてを、私に下さい" - 愛しみと憎しみは本来、別々のもの。
- それが一つのものとして語られる時、
- これらをつなげる感情が不可欠になる。
- ――狂気だ。
- 狂おしいほど愛している。狂おしいほど憎んでいる。
- 他人への想いがこの域にまで達した時、
愛憎 は現れる。 - ……とかく、一目惚れとは暴力のようなもの。
- する方は幸福だが、される方には不意打ちだ」
- 第三章『愛憎唇紅』冒頭の語り。
- 「――女の話をしよう。
- 肥大化した自我は、女の人生を食い潰した 。
- 誰だろうと夢を見る自由はある 。
- 理想の自分。理想の快楽。理想の未来。
- 理想の他人。理想の恋人。理想の別離。
- 誰だろうと、安い夢を見る自由はある。
- だが、その大半は
悪夢 だ」 - 第四章『麻酔城塞』冒頭の語り。
- 「――女の話をしよう。
- どうせ食べるのなら、まるごとがいいと女は思った。
- 支配者にして処刑人。
- 調理人にして毒味役。
- 美食を重ねること数百人。
- 堪能、溺愛、泥酔、絶頂。
- ふしだらな食事のツケは頭に生えた異形の
魔羅 か。 - だがまあ、そう珍しい事でもない。
- 美しい少女を貪るのは、
男性女性 の本能だ」 - 第五章『血々純潔』冒頭の語り。
- 「
愛に溺れた瞳は語る 。 -
"私のすべては、貴方のために" - おまえの体が目当てだ、と男は笑った。まるでケダモノね、と女は言った。
- おまえの心は俺のものだ、と男は笑った。ええその通りよ、と女は言った。
- 助けてくれ、と男は言った。ケダモノではまだ足りない、と女は笑った。
- 愛しているのに、と男は言った。ええその通りよ、と女は笑った。
- 男女はヴェールの向こうで一つになる。癒着する肌のように。熱に溶ける氷のように。
- 溺愛を具現する女は笑う。すべてを支配してこそ、真実の愛たり得るのだと」
- 第六章『快楽臨界』冒頭の語り。
- 「――最後の話をしよう。
- 儚く現実に破れる、当たり前の恋の
結末 を」 - 第七章『乙女ノ深層』冒頭の語り。
- 「――では、その女の話をしよう。
- 淫らに現実を侵す、おぞましい愛の
末路 を」 - 最終章『聖女ノ深層』冒頭の語り。
- 「その人間の価値、ひたすらにコキおろしてやろう」
- 彼の在り方が最も端的に表れたセリフ。一見するとただの捻くれた奴だが、毒舌でこそあるもののそもそも批判も非難もしておらず、その人間の意志や生き方を尊重し、真実を彼なりに誠実かつ真摯に語っている。ただ、その毒舌ゆえに誤解されがちなのは否めない。
- 「失敬、言い過ぎだった。だからよせ。本気でやめろ。
- 俺は肉体労働が何より嫌いなんだ!
- 分かった、牛女と言ったのは俺のミスだ。
- なにしろ比喩がストレートすぎた!メロン峠とでも言うべきだったな!」
- マスターであるキアラをこき下ろした揚句に「令呪で迷宮に放り込もうか」と言われた際に発したセリフ。本気で嫌がっている事が窺えるが、まるで反省の色が見えず、よりアレな表現になっている。
- 「舐めるな、俺は童貞だ。お前の幼児体型に興味はない。見るのはその性根、人物像だけだ」
- セイバー選択時、主人公が自分のサーヴァントについて尋ねた際のやりとり。「ケツの穴まで鑑定してやる。」という言葉からセイバーに色魔扱いされこう切り返す。当然、セイバーは怒り心頭。というか彼女を幼児体型というなら彼女より残念な方々は一体…
- 「俺は猫耳派だ。百歩譲っても犬耳派だ。狐耳の存在意義なんぞ誤字以下だ」
- キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。狐耳を「あざとい」と評され、「お子様にはわからない」と反論された時の切り返し。ちなみに狐はネコ目イヌ科だがそういう問題ではないらしく、彼の趣味がわかる一幕。誤字に定評のある奈須氏の自虐も込められているような…
- 「人間を愛し、人間に仕えたところで、待っているのは不理解による死だけだ。だが―――
- それを承知で仕えるからこそ、彼らの愛は人間の心を打つ。狐耳。お前の献身は、まあ、いつかは主に届くだろうさ」
- キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。読者の呪いを受けた彼は「その人間がどう見えるかは主観による決め込み」と語り、人間に憧れ転生までしながら怪物視されたキャスターを「ごんぎつねと同じ」と評する。しかし、それは決して嘲っているわけではなく、その生き様を認め、励ましてさえいる。
- 「いいか。作者にとって本はたしかに魂の切り売りだが、それにも種類はある。書きたい話と書くべき話は別なんだ。
- 作者が妄想を自由に羽ばたかせ、なにより作者本人が楽しいものが"書きたいもの"
- 作者を思想で磔にし、なにより作者本人が苦しいものが"書くべきもの"
- 多くの読者はそのあたりが分かっていない。だから、俺が残してきた多くの童話をそのままに解釈する。
- そのおかげで、こっちはさんざんな呪いを受けている。腕は火傷の跡だらけ、脚は人魚の鱗まみれだ」
- 「見たか、このおぞましい風評被害!
- "こんな本を書く人間は、よほど寂しい人間に違いない―――"
- そんなおまえたちの、自分たちにとって楽しい思い込みが俺をこのように変貌させた」
- 「分かったか? 人魚姫を読んだ読者の呪いはすべて俺に集まっている。であれば、俺は作者以外の何物だというんだ」
- アンデルセンの童話「人魚姫」を読んだ主人公が、あの彼が本当にこの話を書いたのかと疑問を持たれた時の返答。彼の創作思想とともに、その身に降りかかった呪いも合わせて語る。
- 「バッカ、そんなものオマエ、“書きたいもの”に決まっているだろう!!
- ゆだった妄想にとりつかれ、一方通行の暴走をしたあげく、唯一の利点である美しさを台無しにするお姫さま!
- 書いていてたまらなく面白かったぞぅ!沸き立つジンマシンを堪えながら。リア充爆発しろ、と叫びたいのを堪えてな!」
- 「……まあ、なんだ、確かに、人魚姫はやりすぎた。あの時はついカッとなって書いた。反省している」
- 人魚姫は「書きたいもの」だったのか「書くべきもの」だったのかと問われて。「乙女の恋心なんて書きたくもないけれど、教訓として記した“書くべきもの”なんだろう」という主人公の予想は性格破綻者の前に見事に外れた。
- 「そりゃあ愛だろうよ。より強く愛している方が、本当に“支配している”側と言える」
- 「これは全てに共通する結論だぞ。だからこそ世の中は馬鹿らしい!結局はそんなものでひっくり返るのだからな!」
- 遠坂凛について尋ねた際に語る、「どちらが奴隷かはものの見方次第で変わる」という言葉の具体的な答え。マスターであるキアラは「乱暴な意見」と言うが、彼女のやったことと動機を考えればあながち間違ってもいない。
- 「風呂上がりに裸になって散歩してみろ。あまりの清涼感に叫びそうになるぞ。ちなみに、俺も執筆に詰まるとよくやる」
- ラニ=VIIIについて尋ねた際に語られる、彼の意外(?)な一面。そのあまりの奇行は「間違っても過度な仕事は押しつけない」とキアラに固く誓わせるほど。
- 「俺は人間嫌いだが、愛読者は大切にする。この状況で読書にいそしむバカモノには、相応しい見返りがなくてはな」
- マッチ売りの少女についてアンデルセンに尋ねると、マッチ売りの少女について語る代わりに自らの宝具を明かそうとする。それを咎めるキアラに対しての言葉。人間嫌いでひねくれていようと、読者に対して真摯である彼の人柄が窺える。
- 「世界を殺したいと思うほど、個人を強く愛している何者かがいる。おまえの敵はソレだ。くれぐれも、最後の道を見誤るなよ」
- 「月の裏側では善悪に差異はない」と語り不干渉の姿勢を見せつつも、「世界の存亡を放っておけるほどろくでなしではない」と主人公に対し「本当の敵」についてのアドバイスを送る。自身のスタンスすら曲げて送ったこの言葉が指す「本当の敵」とは…
- 「お集まりの紳士諸賢、淑女の皆様。
- これよりアンデルセンが語りますは一人の女の物語。
- 愛にあふれ、愛にくるい、あらゆる不道徳を歓喜のうちに迎え入れ、あまねく欲にまみれた女。
- 女の名は殺生院キアラ。
- キアラを討つべく集いしは、正しき目を持つ我らが希望。
- 善悪は定まらぬ者なれど、此度は明白、悪とは是れ殺生院、善とは是れ恋する
若者 。 - この物語がいかなる終演を迎えるか、どうぞ皆様、最後まで目をお離しなきように――!」
- 彼は語り手として物語を語る。一人の女の物語を。
- 「フン、誰の味方かだと?決まっている。サーヴァントはマスターに味方するものだ。
- 分かりきった事を訊くな。地獄の底まで共にする。
- それがサーヴァントというものだろう」
- 誰の味方かと問われて。散々毒舌を吐いてはいたが、彼のキアラに対する忠誠心は本物だった…この文面だけ見るとそう思えるが、その直後のマスターとの会話の応酬や、後述のあるセリフ、そして決着時の主人公とのやり取り及び最期の言葉を見るに、普遍的な「忠誠心」とはまた異なる感情がこの言葉に込められていると言える。
- 「気をつけろ!最低最悪の宝具が来るぞ!!」
- キアラの宝具「この世、全ての欲(アンリマユ)」を評して。いかなる心境か、本来は敵対関係にある主人公達に対して助言している。そして、実際に宝具の内容が余りにアレだった為に多くのプレイヤーが彼の台詞に共感したとか。
- 「……フン。今のは悪かった。たしかに笑いごとじゃない。詫びの代金だ、答えてやろう。愛は求める心。そして恋は、夢見る心だ」
- 「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。それがまっとうな男女の関係だ。死ぬ間際だが、それこそ心に刻んで反省しろ」
- 恋とは何なのかを聞くキアラに対して「この世で最も猥らな女がこの世で最も初心だったとは」と笑い飛ばした後、真摯に答えを口にする。また、この恋、愛、現実の三竦みは7章開幕の語りにも引用されている。
- 「だがおまえは、もはや人ではない。それ以外の化け物になりさがったのだろう? ならば、それも悪くはない。おまえが神であるのなら、愛してやるのも一興だ」
- 人を愛さないロマンチストな作家の、愛の告白。恋を知らなかった故に暴走して堕ちる所まで堕ちてしまった女の人生に、最後の一文(ひかり)を添える。そして、その告白を受けた女の返答は…!?
メモ
- キャスタークラス3人目の文化人系英霊。
- 本人が述べている通り、直接的な戦闘手段を一切持たない「最弱のサーヴァント」。
その他の文化人系英霊も往々にしてそうなのだが、彼はその中でも飛び抜けて弱い。
魔術師のクラスでありながら普遍的な魔術は使えず、保有スキルも戦闘では役に立たないものばかり。肝心要の宝具も「物語を書くことで対象を理想の姿への昇華させる」という戦闘向きとはとても言えない代物。ここまで戦いと無縁のサーヴァントは珍しい。 - 一方で魔力は評価規格外のEXと全サーヴァント中最も高く、自作の童話を引用した魔術はサポートとしては非常に優秀。さらに宝具の効果を最大限利用できれば一種の願望器並みの効力を発揮するので、使いようによっては最高のサーヴァントとも言える。あくまで「最大限利用できれば」の話ではあるが。
- マトリクスでは「キアラは非戦を掲げているので戦闘能力の無いサーヴァントが召喚された」と解説されているが、聖者のモノクルで確認出来る彼のレベルは45とかなり高い。「キアラ自身がアンデルセンのサポートを得てエネミーを蹴散らしてレベルを上げた」と推察される。
- 最終決戦でキアラへ強化補助を行うことから、同じ文化人英雄のキャスター (Apocrypha・赤)が持つ「エンチャント」を持つ可能性が高い。
- 本人が述べている通り、直接的な戦闘手段を一切持たない「最弱のサーヴァント」。
- 各章開幕時、彼の語りから物語が開始される。その章の主役たる衛士を端的に表した詩文であると同時に、その語りはある一人の女性について述べたものでもある。
- 言及こそされていたが、長らく保有者の居なかったスキル「高速詠唱」の初の保有者。ただし彼は魔術師ではないので、詠唱の速度ではなく原稿の進みが速くなる。
- もっとも肝心のランクが「E」と相当低く、彼の執筆速度はかなり遅いらしい。
その上基本的にやる気がないとのことで、スキルがちゃんと活用されているかは微妙なところ。
- もっとも肝心のランクが「E」と相当低く、彼の執筆速度はかなり遅いらしい。
- 読者の呪いが表れた「無辜の怪物」の影響は、肉体だけでなく彼の精神にまで及んでいる。
- 彼曰く「バッドエンドを好む悪魔に浸食されている」とのこと。どこかで聞いたような話である。
- 彼を演じた子安武人氏は、TYPE-MOON 作品への参加はこれで2度目。
- 子安氏はFate/Prototypeでサンクレイド・ファーン役を演じているが、サンクレイドは設定も人物像も何もかもが彼と異なっていて、何より子安氏の怪演によって同一人物が演じたとは思えないほど印象が異なる。
- キャスターのCVが子安氏だと判明したときは、まさかあの子安氏が少年役を担当するとはと驚きの声が挙がっていた。実際見た目と声のギャップは凄まじいものだったが、作中の名演ぶりを見たプレイヤーの多くからハマり役との声をよく聞く。
- 英雄王ですら見切れなかったキアラの真の本質を見抜いた唯一の人物。但し、それは主人公が最終決戦後にある行動を取った時のみ、彼の口から語られるのを見付ける事が出来る。
- Aランクに相当する「人間観察」スキルは伊達ではなく、英雄王にも「話はつまらんが、人を見る目は一流」と評されたその批評は的確の一言。主人公のサーヴァントについて語ったときには、真名を含めたその英霊の人物像を見事に捉えている(ただし批評において真名をはっきり口にすることはなく、匂わせる程度に止めている)。
- 聖杯戦争において、敵対するサーヴァントの真名を看破することは戦いを有利に進めていく上でかなり重要となるのだが、上記の例を見る限り彼はそれを容易に見抜くことができるものと推測できる。自身に戦闘能力が皆無であることを除けば、中々優秀なサーヴァントではないだろうか。
- 彼との雑談で出た話によると、現在では「薄い本」も書いているらしい。それでいいのか童話作家よ。コハエースでも、「世界一暑いイベント」のため忙しいと洩らしている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 |
殺生院キアラ | E | E | E | EX | E |
保有スキル:高速詠唱:E、無辜の怪物:D、アイテム作成:C、人間観察:A